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世界で初めて真珠の養殖に成功したミキモト。ハイジュエラーがECで高額商品を販売するために意識しているポイントとは

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1893年に世界で初めて真珠の養殖に成功したミキモトの創業者・御木本幸吉。以降、同社は「世界中の女性を真珠で飾りたい」という思いのもと、真珠養殖のオリジネーターとして、またハイジュエラーとして1世紀以上にわたり優れたジュエリーを生み出してきた。

そして現在、ミキモトのジュエリーは実店舗だけでなくEC機能を備えたオフィシャルサイト上でも購入することができる。ラインナップには数十万円から数百万円と高額商品が並ぶが、EC上で高額商品を販売するために同社はどのようなことを意識して設計したのだろうか?

ミキモトのWEBマーケティング部長 野村謙一郎さんに話を聞いた。

ミキモト 基本情報

ミキモト 基本情報


<社 名>

株式会社ミキモト

<設立年月日>

創業1899年3月(法人成立1949年5月)

<事業内容>

宝飾品の製造販売、ブライダルティアラ等のレンタル事業

<従業員数>

722名(2017年8月)

<売上高>

250億円(2017年8月)

<所在地>

〒104-8145 東京都中央区銀座4-5-5

世界で初めて真珠の養殖に成功した創業者・御木本幸吉

世界で初めて真珠の養殖に成功した創業者・御木本幸吉

――ミキモトさんの原点を教えてください。

弊社の創業者である御木本幸吉は、1890年に三重県志摩郡神明浦で養殖真珠事業をスタートし、1893年に世界で初めて養殖真珠の発明に成功した人物です。その技術をもとに1899年に日本で初めての真珠専門店「御木本真珠店」を銀座に開設しており、これがミキモトの原点になります。

御木本が真珠の養殖に成功する以前は、真珠は天然の真珠母貝から採取されるケシが大部分を占めていたため採取が不確かなものでした。そのため、貴重であるがゆえに真珠は乱獲され、真珠の母貝であるアコヤ貝は絶滅の危機に面していたのです。そこで御木本は「故郷の海を、真珠を守りたい」という思いを抱き、真珠の母貝であるアコヤ貝を養殖することを決意しました。

ただ、当時は真珠がつくられる過程が明確になっていなかったため、実現するには数々の課題があり、実験と失敗の日々が続きました。紆余曲折を経て、1893年に半円形の真珠(半円真珠)、1905年には完全な球体の真円真珠の養殖に成功し、御木本は“真珠王(Pearl King)”と呼ばれ、世界にその名が広まっていったのです。

――「ミキモトパール」が有名ですが、ミキモトパールの定義とは何でしょうか?

真珠は色、形、表面の滑らかさ、光沢などが美しさを決定します。

弊社ではそれらを人間の目でひとつひとつ確認します。独自の評価基準に照らし合わせて、厳格に選び抜かれた最高級品質の真珠だけが「ミキモトパール」と呼ばれます。全ての真珠がミキモトパールになるのではなく、店舗に並ぶのは“ほんの僅か”の真珠なのです。

私たちはミキモトパールを「オリジネーターとしての誇りの象徴である」と考えています。

――ミキモトさんはパールだけでなく、ダイヤモンドなどさまざまなジュエリーを取り扱われています。パール以外のこだわりは?

弊社は真珠の養殖を成功させただけではなく、「日本の近代ジュエリー文化をつくった」というところが強みだと考えています。

西洋のジュエリー文化が日本にまだ入っていなかった明治時代、国内の装身具と言えば帯留めや髪飾りなどが主流でしたが、御木本は西洋の技巧や技術を取り入れた日本初となる装身具加工工場「御木本金細工工場」を開設し、世界で唯一と言われる生産から販売までの一貫体制を確立しました。1924年にはその技術が認められ、宮内庁御用達となり、宮中装身具の一切を謹製するまでになりました。

また、国内だけでなく、1913年のロンドン支店を皮きりに、一流ブランドしか出店が認められないパリのヴァンドーム広場やニューヨークの五番街、アジアでも北京、上海、成都、台北、香港、マカオなど、世界各国に支店を展開している点も他ブランドにはない強みであると自負しています。

ECサイトは「ミキモトとお客様の接点」であり、「とにかく売ろう」とは考えていない

ECサイトは「ミキモトとお客様の接点」であり、「とにかく売ろう」とは考えていない

――実店舗を世界各国に多数展開されているなかで、ECサイトはどのような立ち位置で運営されているのでしょうか?

まず弊社の場合、ECサイトというよりは弊社のオフィシャルサイトという位置づけです。オフィシャルサイトの中に商品を購入できるEC機能もある、というイメージです。

サイトを制作するうえで意識したのは、ミキモトとしてのブランド体験を実店舗と同じようにオンライン上でも提供することでした。



弊社が大切にする企業行動指針は、


1.ミキモトは、お客様との出会いを大切にし、常に最高のおもてなしの心で接します

2.ミキモトは、お客様の立場で発想し、最高品質の商品をご提供します

3.ミキモトは、世界中のお客様に愛され続けるグローバル・エクセレント・カンパニーを目指します


の3つです。


お客様にとっては「ミキモトとの接点、入口」という位置づけで設計しており、「サイト上でとにかく売ろう」とは考えていません。商品が気に入った方は商品ページから購入することができ、実際に見てから購入したいと思った方のためには「来店予約」機能をつけているため実店舗の予約をその場でとることが可能です。

いずれにせよ、オンラインとオフライン、どちらでも同じブランドメッセージが伝わるという点を意識していますね。

――グローバルに店舗を展開されていますが、「越境EC」も実施されていますか?

取り扱い商品が拠点によって一部異なっているため、越境ECは実施していません。

ただ、アメリカとイギリスでは各拠点がWebサイトをもっており、そこでは別途ECは展開しています。

近年は中国、タイ、マレーシア、シンガポールなどのアジア圏の方々の来店が増えています。外国人のお客様も弊社の日本版サイトを見て、情報収集してから来店するというパターンが多いようです。

ecbeingを選んだ理由は「セキュリティ面」「豊富な提案力」

ecbeingを選んだ理由は「セキュリティ面」「豊富な提案力」

――サイト構築のパートナーにecbeingを選んだ理由を教えてください。

セキュリティ面がしっかりしているところが一番大きかったですね。複数他社を比較しましたが、ecbeingさんのセキュリティ面に最も安心を覚えました。

また、ECパッケージ最大手ということもあり、「こういう機能をつくってほしい」という細かなオーダーに対して、豊富な経験をもとに実現していただきました。私どものやりたい意図を汲んでいただいたうえでの「こうすれば実現できます」という具体的な解決策を数多くいただいたところも心強かったです。

――具体的にはecbeingに対してどのようなオーダーをされたのでしょうか?

1つは「来店予約」機能です。

他のサイトでは、お客様がまずはサイト上で「○日の午前/午後」を選択して、その後はメールのやり取りをして具体的な日時が決定するというケースが多く見られました。ただ、それはお客様にとっては手間がかかる行為です。ecbeingさんに相談したところ、以前構築された経験をもとにWeb上で予約が完結する方法をご提案いただき、実装しています。

また、フォトフレーム等のギフトアイテムの取り扱いが終了したため、現在は使わなくなった機能ですが、送付先10件に対して全ての“のし”や送り主を変えるといったきめ細やかなカスタマイズをしていただきました。これを実現しようとすると他のECパッケージ会社の場合は高額なコストが必要になります。その点もecbeingさんに相談したところ、とても安価に実現することができました。

――「ecbeingを選択してよかった」と思ったことがあれば教えてください。

やはりセキュリティ面ですね。

ecbeingさんではシステムとサーバーを一緒に管理していただいているので、セキュリティが万全だと実感します。

他にも、臨機応変な対応力にも助けられています。先日、メラニア・トランプ大統領夫人が来日された際に「ミキモト銀座4丁目本店」を見学されたため、弊社サイトのアクセス数がぐんと伸びたことがありました。これは弊社が主体的に仕掛けたプロモーションではなかったため、事前にecbeingさんに連絡を入れていなかったのですが、ecbeingさんのほうで自主的にモニタリングをしていただき、サーバーが落ちないようにご対応いただきました。そういったフレックスな対応力もありがたいですね。

課題は「多言語対応」と「若年層へのアピール」

課題は「多言語対応」と「若年層へのアピール」

――サイトのデザイン面でのこだわりを教えてください。

商品のビジュアル部分を大きくしていることですね。

パッと見たときの情報量は減らして、まずはビジュアルで認識していただくことを意識しています。商品下部にある「ミキモトのこだわり」に関するテキスト情報はアコーディオン形式にして、興味をもっていただいた方はさらに詳細の情報を読んでいただくことができるという流れにしています。

「ミキモトのこだわり」の部分は、実店舗で店員が説明する内容と同じものを掲載することで、実店舗と同じブランド体験を実感することができるようにしています。

――ミキモトさんのサイトはモバイル版のページも充実していますね。

モバイルもパソコンと同様のコンテンツです。

実店舗、パソコン、スマホ、どの接点でも同じブランド体験を提供することを意識してつくりこんでいます。デザインは基本的にレスポンシブデザインで、どのコンテンツもスマホでアクセスできるようになっています。

最近はモバイルセッションが非常に高く、8割にのぼりますね。スマホユーザーが多いため、最近、カタログ機能や来店予約などが可能な「ミキモト ブライダル」というブライダルジュエリーをお探しの方向けのアプリを作成しました。その結果、アプリ経由での来店予約数が増えている状況です。

――今後のサイトの改善点があれば教えてください。

現在は多言語化の強化が課題ですね。

アジア圏の方の来店が増えていますが、サイト上では中国語での問い合わせや予約ができないなど制限がありますので、多言語対応の強化は1つの課題ですね。

また、ブライダルの動画などを活用して露出を増やし、若年層の認知度アップを図っていきます。

ECは“特別なもの”ではない

 ECは“特別なもの”ではない

――ありがとうございました。最後に、ECで高額商品を取り扱い際のポイントを教えてください。

日本では「ECは特別なもの」というイメージがあるようですが、我々はそうは考えておらず、冒頭でも述べた通り、ECも実店舗で売ることと同じことだと捉えています。

弊社の場合、高額商品でもシンプルなデザインのものはEC上で購入されやすく、デザインが複雑なものは実店舗で商品を確認したいというお客様が多い印象です。そのため、どちらのお客様の要望にも対応できるように設計することが1つのポイントになると思います。


ミキモト様のWEBサイトはこちら

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野村謙一郎(のむら・けんいちろう)

株式会社ミキモト WEBマーケティング部長

●取材・文:廣田喜昭

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