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  • 【ユーザー様の声】イシグロ株式会社様

イシグロ株式会社様

  • EC導入の背景
  • 採用のポイント
  • 構築時の対応
  • 導入後の効果

新サイト構築の要であった「外部連携」と「絞り込み」をカスタマイズで実装。業務改善とナレッジのデータベース化でイシグロを次のステージへ。

イシグロ株式会社

取締役 営業副本部長 松倉 義人様
Web販売部 部長 大島 庸平様
Web販売部 課長 早乙女 修様

創業昭和14年のイシグログループは、国内外48拠点をネットワークする建築資材(配管)を扱う専門商社。大手ゼネコン、大手プラントメーカー関連の受注は売上全体の7割を占め、このセグメントでは業界トップに位置する。取扱商品アイテム数は30万点に及び、販売先も大手ゼネコン配下のサブコン、大手プラントの他、販売店への卸など多岐に渡る。

今回ご利用いただいたecbeing基本パッケージ

  • BtoB(ecbeing基本パッケージ)

今回ご利用いただいたカスタマイズ

  • 商品データベース組版のための外部連携
  • 絞り込み検索

Web販売プロジェクトの軌跡

2012年
「業務改革プロジェクト」の実行施策として、Webによる業務の効率化、
平準化が検討される
2013年1月
プロジェクト責任者である松倉取締役は、Web販売部 部長に大島氏を任命。
プロジェクトチーム発足。
2013年12月
システム会社選定開始
2014年2月
サイト構築発注先をecbeingに決定。
2014年4月
要件定義開始
2015年2月
プレオープン
2015年3月
グランドオープン

EC導入の背景

売上と人員増が比例しない仕組みづくり

2009年以降、売上高は右肩上がりで2013年度は過去最高を記録しています。一方営業も含めたオペレーターの数もきれいに比例して増加。この課題に取り組むため、全社をあげての「業務改革プロジェクト」をたちあげ、業務効率を改善しながら売上を伸ばす施策案が多数実行に移されました。施策のひとつとしてWebサイトによる受注システムの検討が始まりました。

各地域のお客様との信頼関係構築など営業やオペレーターが関与すべき業務に対して、システム化できることは何か。業界でも既にウエブでお客様と取引されている企業もあることもわかりました。そこで、既存のお客様の受注管理をシステム化し、営業、オペレーターの工数を削減できるのではないかと考えました。システム化することによって、受発注業務の平準化やミスも軽減するはずです。まさに売上と人員増が比例しない仕組みがもしかしたらこれでできるのかもしれないと。

「お客様の要望が分かる人材」=「大阪営業所 大島課長」の抜擢は、
ユーザーフレンドリーなウエブ構築の要

営業課長から抜擢されたWeb販売部 大島部長。現場経験が要件定義の際の的確な判断につながった。

プロジェクトチームが発足したのは2013年1月です。私はプロジェクトの責任者ですが、主なミッションはシステム、物流、営業など他部門との連携、方針決定、そして経営へのプレゼンテーションと予算確保です。実際にプロジェクトを動かしているのは、現Web販売部 大島部長になります。当時web系に強い人間は社内にはいませんでした。彼ももちろんweb経験はない。そんな中、私が当時営業課長であった大島をプロジェクトチームのリーダーに任命しました。実際にプロジェクトをリードする人材の資質として重要なのは、お客様の要望をきちんと理解しているということがひとつ。そして商品知識だと考えていたためです。このふたつを彼は持っていました。

販売チャネルは、大手ゼネコン配下のサブコン、プラント、様々な規模の販売店への卸と大きく3つのセグメントで構成されています。各セグメントで取引される商品は少しずつ違うんですよ。将来を見越した各セグメントにきちんとあてはまる商品のラインアップの構成とか。チャネルに隔たり無く見やすい画面設計が必要なんです。商品アイテム数はサイズを除いても約30万件、そこに大分類や小分類があります。そのような広いレンジの中でどうすれば顧客の要望に応えることができるかということは彼だけが知っていますから。(松倉取締役)

採用の決め手

過去の実績に裏打ちされた「外部連携」提案の正確性とスピード

チームも発足し、いよいよシステム構築のためのベンダー選定です。最終段階で、ecbeingを含めた3社の提案の検討となりました。1社はスクラッチ、もう1社はオープンソースを利用したサイト構築、ecbeingはカスタマイズがかなり自由なパッケージ。各社色々メリットもあれば、苦手なところもありましたが、最終的には実績が豊富なecbeingにお願いすることにしました。過去に成功事例も失敗事例も当然経験されているであろうecbeingが私たちの未経験の部分をきっと補ってくれると期待していました。我々がリクエストしたことを実現しようとした時に、他2社はあきらめなくてはならない機能があって、全てをかなえられるというのはecbeingさんだけでした。カスタマイズ部分の工数出しや見積もりの提案の早さにも驚きました。

一年に一度更新される上下巻に渡る分厚い製品カタログ

現在の受発注はお客様が私たちの製品カタログをみて、電話・ファックスでオーダーという流れが基本です。この製品カタログは年1回編集、印刷をして全国の取引先に配布しています。商品番号、定価や仕様を記載していますが、改訂作業だけでも毎年かなりの工数、コストがかかっています。商品が変わったり、入れ替えがあったり、価格が変わったり、確認作業も含めて、改訂も大変なんです。今回ウエブサイトのための写真付きの商品データをそのまま印刷用の入稿素材として利用できるようにするのはウエブ化の大前提でもありました。ウエブ用の写真、スペック、価格をDTP印刷のための組版に変換する行程との連携です。30万件の商品データベース構築が2重になるのは、そもそもの業務効率化に反しますし、運用管理上も望ましくないためです。その連携について他社さんはできないとか、できるのだけどかなり難しいのでコストがかかるなど不安要素があったんです。(大島部長)

導入時の対応

スケジュールには厳しいが、常に的確なアドバイスを「ささやき」、
ゴールに導くなくてはならないパートナー

チームはプロジェクトオーナーの松倉取締役、大島部長と唯一ウエブ経験者の早乙女課長(写真左)の他、商品マスター作成担当、受発注担当。物流兼任者、システム兼任者で構成されている。社内の多数の部署との関連はあるものの、ウエブでの売上が伸びれば、業務改善の柱となる部署である。

実際に要件定義が始まったのは2014年4月。プレオープンは2015年1月末の予定でしたから、われわれのイメージでいくと、9ヶ月後ってまだ先だなという印象でした。ecbeingからは「いや、そんなことない」、「ここまでにこれができていなかったら、1月は絶対に無理ですよ。」と言われ続けながら我々はずーっとひいひい言いながらついていったんです。結果的に要件定義はほぼ予定通りに進みましたが、こちら側の作業はなかなか追いつきませんでした。ecbeingの作業自体はどんどん前倒していて、逆に我々がそこにキャッチアップするのが大変でした。

当初は要件定義の定例を一週間に1回火曜日の13:00~19:00に組んでいたのですが、追いつかず、分科会を定例とは別に週2回設定、週の半分以上ecbeingと会議をしていました。チャネル毎の受発注の違いや、全国37箇所にある倉庫の紐付けや連携、エスカレーションのケースなど実際の現場での運用を細かくひもといて要件に落として行く、そこがなかなか決まらなくて大変でした。今思い出しても熱いプロジェクトリードでした。私たちに委ねることなく主体的に分科会の設定をし、アジェンダと課題事項の洗い出しをし、また次のミーティングを設定する。あの進行管理は勉強になりました。

当初私たちはグランドオープン時には当然全てのお客様を対象にサービスを開始しようと思っていたのですが、これについてもアドバイスをいただき、変更することになりました。「本当に全クライアントでスタートしますか?」打ち合わせの最中にささやいていただいて、気づきました。お客様にとっては現状と異なる発注システムとなるわけですから、私たちWeb販売部から各営業への説明、営業からお客様へのご説明が必要ですし、社内関係各所にとっても受注の運用が変わりますので、無理なスタートは危険でした。

ecbeingに引っ張られながらも、私もチームメンバーも全体像は見えていました。毎回線表もいただいて「今日はこの中のこれをやります」とリードしていただいていたので、我々も今目の前で進めている行程の重要性を理解しながら、作業、判断、決定ができました。

「ひょっとこ」、「ズンギリ」、
新人泣かせの業界専門用語をナレッジ・データベースに。

組版の外部連携の他に「絞り込み検索」をカスタマイズしました。30万点の商品の中から、希望の商品を探しやすくするだけでなく、実は社員教育の側面でも使える機能だと考えています。新入社員や若手の社員がお客様の問合せに応えられない場合、近くにいる先輩に聞くわけですが、先輩たちも忙しくしていますから聞きづらいことも多いんです。業界の専門用語や、お客様からよく聞かれる質問を新サイトで検索するとその回答が検索結果として表示されれば、隣に先輩がいなくてもお客様と対話ができる。ナレッジのデータベースとしての検索機能です。

ひじの形をしているので「エルボ」。形状から通称で「ひょっとこ」とも呼ばれる。

例えばどこのデータベースにもない専門用語で注文されることがあるんです。「異径エルボ」という配管資材では一般的な製品があります。それを「ひょっとこ」と呼ぶ人がいます。口が「ひょっとこ」みたいに曲がっているからなんですが。「ひょっとこエルボ」とか「ひょっとこ」って頼んでくるお客様がいて、新人は必ずそこで止まるわけです。教科書にもないし、カタログにもない。この業界知識をナレッジとしてデータベース化することによって、「ひょっとこ」を検索すると「エルボ」の検索結果が表示されるようになりますから、お客様をお待たせすることなく、新人でも対応できるようになります。もちろんお客様がウエブで注文される際にも「ひょっとこ」と検索するだけで商品が表示されます。

関東では「全ネジ」、関西では「ズンギリ」。これも製品の形状から派生している呼び方である。

この業界用語は、新人泣かせなだけではありません。地域特性もあります。例えば、天井版を吊るすネジの棒があるのですが、関東地方では「全ネジ」と言います。全体がねじだからです。ところが関西では「ズンギリ」と言われているんです。私も関西に行って初めて「ズンギリ」って言われてこの人何言ってるんだろうなぁと思ったんです。地方にいる人間は分かるけれどもベテランでも地方によってはわからないことがあるんです。
この絞り込みの精度をあげていきながら「ナレッジのデータベース化」を蓄積していこうと思っています。(大島部長)

導入後の効果

お客様に頼られるサイト=ナレッジのデータベース化

初年度は売上目標を設定しています。売上を上げることがゴールではなく、人を介しての売上がウエブ受注の売上にスライドするわけですから、その分営業やオペレーター、物流などの工数が削減される、これが目的です。また、サイトの使い勝手などユーザビリティの改善についても、お客様の要望を取り入れて、クォーター毎に改修プランを実行することも既に決めています。その他にも会員数や商品DB数などもKPIとして設定しています。

一番楽しみなのは今までお取引きがない新規のお客様からの口座開設や受注なのですが、サービスローンチ早々に、エンドユーザーさんからいただいたお問合せから注文につながったケースがありました。お客様が必要とされていたのが、たまたまニッチな製品で、私たちのサイトの検索結果ページにアクセスされたようです。受発注システムとしてのウエブサイトではありますが、今回のケースのように、お客様にとって使いやすい、何かあったときに見てもらえる頼られるサイトをめざして、ナレッジのデータベース化にも取り組んでいきます。(大島部長)

取材後記

クライアントのサイト構築において外部との連携をリクエストされるケースはとても多いので、連携についてはかなりの情報知見があります。私たちのお客様は、システム部管理の基幹システムをお持ちで、また様々な外部データベースと既に連携しています。例えば、日本ミシュランタイヤ(株)様では、国内外の全メーカー、全車種、年式と、国内外の全タイヤ・ホイルのメーカーのデータベースと連携して装着可能なタイヤ、ホイールの検索や見積もりを構築しています。今回オーダーのあった印刷組版出力は、初めての試みでしたが、現状の仕組みをお伺いすれば、技術チームで工数、行程の判断がつきます。松倉取締役のご指摘のとおり、確かに成功だけでなく失敗の経験もあるので、こういう風にもっていくと失敗するなという知見もあるんです。いざキックオフしてみると、要件定義が前に進まないということも過去にも経験しています。過去をふまえて、弊社を選択いただいたお客様には納期と品質をお約束するのが最低条件だと考えています。

日本ミシュランタイヤ(株)様検索画面

今回も過渡期には週3回の定例を重ねて、大島部長やメンバーの皆様には大変なご負担だったかと思いますが、納期のためには、逆引きをするとそうやってお時間をとっていただかないと間に合わないという現場の判断でした。

サイトは立ち上がりましたが、イシグロ様とはこれからもSEOとしてのナレッジのデータベース化や、ユーザービリティ向上のための改修、また会員獲得プロモーションなど長いおつきあいを大切にしていきたいと考えています。