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  • 【ユーザー様の声】株式会社 サカタのタネ

株式会社 サカタのタネ様

  • EC導入の背景
  • 採用のポイント
  • 構築時の対応
  • 導入後の効果

リアル店舗のフルフィルメント化で実現した多品種小ロットの「当日配送」。ecbeingは小売の迅速性を理解し、具体性をもって速やかに形におとすことにたけていますね。

株式会社 サカタのタネ

ガーデンセンター横浜 副店長 梅崎 良祐様
国内小売営業本部付ネット事業チーム 新井 裕之様

創業者坂田武雄氏が欧米より帰国後1913年設立。日本の民間企業で初めて発芽実験を行うなど積極的な研究開発を行う。数多くの新種開発に成功し、日本の農業だけでなく、アジア、欧米などの海外基盤も強固なグローバルカンパニーである。1951年には、日本の園芸店の先駆けとなる現在のガーデンセンター横浜をオープン。カタログによる通信販売は戦前から行っており、2001年サカタのタネ オンラインショップを開設。2013年、創立100周年を迎えた。

エンジニアとしてプログラムの仕事が長かった梅崎様と農業大学出身で、既存のカタログ通信販売を運営されてきた新井様は同期。今回のサービスインの成功は、同期のお二人がそれぞれの業務で培われた知見を持って取り組まれたことが大きい。

サカタのタネっと

今回ご利用いただいたecbeing基本パッケージ

  • ecbeing

「サカタのタネっと」プロジェクトの軌跡

2012年 春期
園芸ライトユーザー向けサービス&サイト「サカタのタネっと」プロジェクト、起案
2012年 12月
新サービス開始のため、システム会社の選定開始。ecbeingに打診
2013年 5月
サイト構築発注先をecbeingに決定。開発着手
2013年 11月
「サカタのタネっと」サービス開始

EC導入の背景

子供といっしょにベランダで野菜を作ってみたい、そんなニーズに応えたい

サカタのタネとしての通信販売は83年のノウハウがあるのですが、従来行ってきた「予約受注」に加えて、週末を中心にガーデニングをする方や、ハーブや野菜をベランダで楽しむ30代のファミリーが手軽に楽しめる「当日配送」ネットショップロジェクトが2012年にたちあがりました。

既に戦前からの歴史を持つ通信販売と、ブロードバンドに切り替わりつつあった2001年に開始したオンラインショップなど一般園芸家に対する取組は長く小売り事業の年間売上高も100億円を超えています。種苗という商品を扱っているため、通信販売は「予約受注」がメインとなっていました。タネは1年中出荷できますが、苗は生産に数ヶ月かかります。また、苗を植える時期が種類によって決まっているなどの理由からひとつの品種を1年中出荷することをしていません。お客様は翌シーズンにどんな苗を植えようかとプランをたてて予約をしてくださるので、注文の数と生産の数を一致させ、苗を植えるのにベストなタイミングに出荷できるように体制を整えます。植物であるということと、日本の春夏秋冬という気候があるが故、お客様に希望の苗を確実に提供するには計画生産による「予約受注」が一般的でした。

一方、平日日中は仕事、週末はガーデニング、週丸に子供といっしょに野菜の苗を植えてみようというニーズにオンラインで応えるには、注文があったらすぐ出荷できる在庫の管理と、当日配送の仕組みが必要です。買っていただいても、週末に間に合わないということが起きないように、在庫管理と出荷体制を迅速かつ確実にする方法として、「ガーデンセンター横浜」の商品を店舗から直接出荷することの検討が始まりました。

「ガーデンセンター横浜」は東急東横線「反町」、京浜急行線「神奈川」から徒歩5分のサカタのタネ直営店。商品アイテム数は膨大で、常に新しい季節の植物が入荷する。ハーブの中でも人気のローズマリーは20品種の中から好きなものを選ぶことができる。

ガーデンセンター横浜では、珍しい野菜や調味料などを全国から取り寄せて販売するサカタマルシェ、素材のこだわったランチがおいしいcafeも併設。植物園のような店内は、買い物だけでなく、居心地のよい空間となっている。

採用の決め手

ecbeingの提案の主体は「サカタのタネ」

事前のインタビューでプロジェクトの背景や当社の実情をヒヤリングされていました。ecbeingさんのプレゼンは、主体が「サカタのタネ」になっていたんです。ネットショップでモノを売るためには、集客をして、接客をして追客が必須、どんなものを売るのでもお客様に対しての対応は変わらないと言われたことも印象に残りました。サイト構築自体が目的になってしまうプレゼン内容ではなくサイト構築後のリアルなビジネスについて相当見識があるのだなと感じました。今回のリアル店舗を利用した特殊なネットショップの運営を課題も含めてご理解いただいた提案でした。

ソフトクリエイト時代の自社通販による経験値とSEOやソーシャルなど時流のテクノロジーのキャッチアップがうまくされている

小ロット多品種の商品を迅速に出荷するにあたって、かゆいところに手が届く提案がたくさんありました。社歴をお聞きしたところソフトクリエイトさんとしてお店でパソコンを売っているところから始まっている。それをネット通販で売り始めた。成功したり、失敗したり、経験値が積み上げられているんですね。一方、ネットの世界は、ソーシャルやリアルタイムな広告配信など日々進化していますが、初期の経験値と最新テクノロジーのキャッチアップがうまくされているような印象を受けています。それは導入後も感じていることです。

導入時の対応

ネットショップでものを売るための、集客・追客、現場での運用を考慮した開発体制

メールを使ったリテンションについては、他社からも提案はありましたが、メーラーとの連携や追加の予算などスケジュールの見直しや社内稟議などそれなりにパワーのかかる業務になります。ecbeingの場合はパッケージにアドオンするだけです。アドオンの種類も豊富ですよね。ネットと実店舗を連携する「オムニチャネル+」や、キャンペーンに利用できるネットちらしなど、立ち上げ時には基本機能でスタートして、こちらの体制に合わせ機能追加ができる、新たに、ビジネスモデルを立ち上げるにあたって、よかった点のひとつです。

システム構築の現場で機能追加をする際の工数は長らく経験していますが、今回の取組ではecbeingさんに相談して、こんなことできるはずだからやって、と要望すると、そこに対してほとんどソリューションをお持ちなのには驚きました。

計画生産による「予約受注」と多様な注文に対する「当日配送」

店舗で現場のメンバーと通販ビジネスをするのは初めての取組でした。商品をお客様の手元に届けるという流れは小売りと変わりないのですが、仕組みとして、一日の中で必ずフルフィルが完結する、つまり注文に対して、レスポンスをして、伝票、ピッキング、パッキングして送り出すという流れを構築することになりました。ecbeingのパッケージからデータを取り出して、配送会社のデータを作って事務所と店舗で管理して、荷物を送り出すということを会議室で繰り返し何時間も議論をしました。

通販に関するノウハウはあるのですが、予約受注に対して今回のモデルは店舗から常時商品を出荷するスタイルです。 ネットスーパーをイメージしていただけるとわかりやすいかもしれません。商品在庫は店頭に並ぶ商品。これを接客担当がウエブに掲載して、リアルタイムで出荷という運用フローです。

システムありきで作る運用ではなく、こちらのリソースをベースにした現実的な運用フローとecbeingのパッケージを「サカタのタネっと」のバックエンドとして設計する作業がecbeingの複数の担当と私たちで始まりました。様々な事情を鑑みながら、最適かつシンプルなシステム設計のプランができたのは、小売りをする時の迅速性を理解し、具体性をもって速やかに形におとすことにたけているecbeingさんのおかげだと思います。

「サカタのタネっと」で人気のキッチンベジ。園芸経験のない人でも楽しめるように、プランター、土、肥料などがセットになっている。価格も1000円前後と買いやすい値段設定。

導入後の効果

ガーデンセンターの現場からお客様視点の改善策がたくさんでてきた

一番大きな効果は、ガーデンセンターの従業員の意識の変化だと思います。来店してくださるお客様はそもそも目的意識がはっきりしていますし、お客様との会話の中でお客様のニーズをつかみ、店舗に並んでいる商品の中から提案をしてくことができます。店舗従業員が日々、商品撮影をして、おすすめのコメントを掲載、注文の発送まで行っているのですが、この10ヶ月で商品のよさをわかってもらうための写真や時期などの表現を工夫する必要があるということに彼ら自身が気づきました。お店で売れたものをネットにのせてみたらすごく注文が来た、など結果がすぐわかることも大きいです。ecbeingの管理画面はすごくシンプルで、集計も簡単。販売の担当だけでなく。ピッキング担当も事務処理担当も企画と結果を共有できるんです。

お客様のニーズにあったよい商品の仕入れはもちろん重要ですが、「この苗を家で育てると毎朝プランターを見るのが楽しみになりますよ」という単なる商品の説明ではなく、商品を購入した後に起きる生活の変化をアピールしたり、商品のよさをわかってもらうための写真や時期などの表現を工夫する必要があるということに気づいたんですね。

現場の会議の中でも、事務処理受付をしている担当からお客様視点の提案がでてきたり、担当がお休みの日の対応案、出荷担当からミスを軽減するためのプロセスの提案などそれぞれの仕事の中で、この間経験したことの思いから生まれたアイデアや意見がたくさんでてきました。私たちのようにシステムや通販ビジネスに長く関わってきた人間以上に、現場のお客様視点の改善案をたくさんもらえていることはすごいことだと思います。

新しいことをやるときには現場に目標意識を持ってもらって、やりがいはどういうことか、目的は何なのかを共有し、問題意識を持って発言しあえるような環境を作っていくことがとても大事ですね。店舗とネットショップを同じメンバーで行っている大変さもありますが、ネットショップで起きていることが、店舗での仕事にもよい影響をおよぼしています。

売りっぱなし感がない。サービス開始後も常にビジネスの拡大について相談、提案がある

ecbeingさんはパッケージの売りっぱなし感がないですね。サイト構築時もサービスイン後もサイトを大きくするには、ということを常に言っています。丁寧に後々まで話をしようとしてくれています。ソフトクリエイト時代の自らのビジネスの経験と、多くの導入実績があるので、単にシステム構築をして、納品後はビジネスの成功をお祈りしています、というスタイルではないんです。

業態や立場は異なりますが、サカタのタネも、タネはそのままだとタネ。栽培して初めて花になる。売りっぱなしにはできない。花が咲いた後も育てないといけない。私たちも売りっぱなしにはできないんです。店舗のお客様とは販売後のコミュニケーションを接客や電話で行ってきましたが、ネット販売だけご利用のお客様にも同様のサービスを提供していけるようにさらにecbeingさんの力を今後もお借りしたいと思っています。

ガーデンセンター店舗内の植物には、育て方や品種についての説明等のポップが目立つ。店舗でのこのノウハウがウエブサイトのコンテンツ作成に活かされている。

取材後記

システム開発のソリューション提案はあたりまえで、私たちの提供させていただいたシステムによってクライアントであるお客様のビジネスが、どう変わるかどう成長するかに対するサポートを評価いただいたことを大変嬉しく思っています。サービスイン後のサポートはシステムを納品することと同様、またはそれ以上に重要なことだと私たちは考えています。納品後のおつきあいをイメージしているからこそ、ビジネスの成功に導くソリューションの提案をしていきたいと努力しています。

「サカタのタネ」様は、新種の研究開発から、海外基盤も強固な企業ですが、一般消費者向けの店舗の運営や通信販売を長らく続けており、顧客ニーズの商品化も多々されています。ものをつくりながら、顧客の声を聞き続ける、この姿勢は、わたしたちecbeingもお手本と させていただいて、今後もともに、「サカタのタネっと」のファン作りをお手伝いしていきたいと思います。

プランターなどで趣味として野菜を育てるお客様には従来のタネのパッケージは量が多すぎた。ミニプランターで植えるのに最適な少量のタネを個包装にした。顧客ニーズを理解しないとでてこない企画である。

取材後、ローズマリーと土、肥料、器を買ってみました。何を揃えればよいのか、どのようにケアすればよいのか、店舗の方が丁寧に教えてくれました。