事業拡大とDXを目的としたBtoB ECリプレイスで新規受注者数が約130%向上
〜放送通信機器が利便性・マーケ・セキュリティ強化で目指すビジネス戦略とは〜
〜放送通信機器が利便性・マーケ・セキュリティ強化で目指すビジネス戦略とは〜
通信関連⼯事‧テレビ関連⼯事‧電気⼯事などの⼯事業者を対象としたECサイト運営をしている株式会社放送通信機器は、工事に必要なケーブルやコネクターなどの⾃社開発商品および国内外のメーカー製品を4,000点以上取り扱っています。
EC専業で固定費を抑えつつ、高効率なオペレーションを実現することで「お客様に低価格な商品をご提供できていること」と「高品質な商品を取り扱っていること」を認めていただき、創業以来成長を続けています。
そんな株式会社放送通信機器は2021年12月にECサイト『ネットでかんたんe資材「e431」』をecbeing BtoBでリニューアルしました。
スモールBtoB で構築されたECサイトについて、リニューアルに至った背景から機能面、効果、今後の戦略ついて、株式会社放送通信機器 代表取締役 佐藤 塁 氏、中嶋 哲也 氏、眞鍋 崇 氏にお話しいただきました。
右から
株式会社放送通信機器 代表取締役 佐藤 塁 氏
株式会社放送通信機器 中嶋 哲也 氏
株式会社放送通信機器 森田 みなみ 氏
株式会社放送通信機器 眞鍋 崇 氏
・CRMやメールマーケティングなど活用し顧客の囲い込みをおこないたい。
・リニューアル前がオープンソースのためセキュリティを強化したい。
・リニューアル前と比べて月間新規受注者数が130%以上に。
通信関連⼯事‧テレビ関連⼯事‧電気⼯事などの⼯事業者を対象としたECサイト運営をしている株式会社放送通信機器は、工事に必要なケーブルやコネクターなどの⾃社開発商品および国内外のメーカー製品を4,000点以上取り扱っています。
EC専業で固定費を抑えつつ、高効率なオペレーションを実現することで「お客様に低価格な商品をご提供できていること」と「高品質な商品を取り扱っていること」を認めていただき、創業以来成長を続けています。
そんな株式会社放送通信機器は2021年12月にECサイト『ネットでかんたんe資材「e431」』をecbeing BtoBでリニューアルしました。
スモールBtoB で構築されたECサイトについて、リニューアルに至った背景から機能面、効果、今後の戦略ついて、株式会社放送通信機器 代表取締役 佐藤 塁 氏、中嶋 哲也 氏、眞鍋 崇 氏にお話しいただきました。
株式会社放送通信機器 基本情報
<社名>
株式会社放送通信機器
<設立>
2010年9月
<資本金>
1億円
<事業内容>
ネットワーク関連機器・テレビ関連資材の企画製造および販売
選定性とマーケティング機能とセキュリティの強化
ECサイトのリニューアルを実施した背景と目的を教えてください。
佐藤氏:リニューアルの背景は大きく3つあります。
1つ目は商品の探しやすさで、リニューアル以前はオープンソースで構築したECを事業拡大に合わせて改修を重ねていましたが、商品カテゴリやデータベースの持ち方、スマホも含めたUI/UXの観点で、特に新規のお客様にとって、必ずしも商品を探しやすいサイトとは言えませんでした。
2つ目はマーケティング機能です。CRMやメールマーケティングなどに使える機能が限定的で今後ECで高い成長を目指していくためには十分とはいえない状況でした。
3つ目としてはオープンソースであるがゆえにつきまとう、セキュリティリスクに対する懸念がありました。
商品の選びやすさ/探しやすさとマーケティング機能とセキュリティの3点をこれまでの延長線上ではなく、抜本的に強化するということを目的に全面リニューアルを行うことになりました。
ecbeingを選定された理由を教えてください。
佐藤氏:当時、何社かと比べさせていただきましたが、その中でもecbeingさんは必要な機能一式が標準で揃う幅の広さを感じました。
目的でもある選定利便性、マーケティング機能についても、リッチな機能をただ入れれば良いというわけではなく、お客様の資材選定の考え方や行動にマッチした商品の選び方ができることや社内で運用が回り使いこなせることが非常に大事になります。必要な機能一式が標準でそろえられて、運用しながらお客様や社内状況に合わせて柔軟に強化できるというところが魅力でした。
また、ecbeingさんはEC業界シェアが高いこともあり、外部システムとの連携性の高さにも魅力を感じており、多くのサービスと標準で連携できるところは評価ポイントでした。
セキュリティに関しては、システムの安定性や堅牢性という点で導入前に十分に質問をさせていただき、明確なご回答を頂けました。
サイト運用や作りこみ、外部連携、セキュリティ、マーケティングまで一気通貫で伴走してもらえるというところは大きな評価ポイントでした。
ビジネスモデルを機能に落とし込み利便性と業務効率の向上
リニューアルで実現した機能と戦略について教えてください。
中嶋氏:まず全体感についてですが、例えば見積書発行や商品ごとの細かなボリュームディスカウント設定、お客様別の価格設定など、BtoBの資材調達に用いられる ECとして必要な機能がしっかり備わっています。
また商材が多岐に渡り、長いものもあれば重たいものもあるため、配送先や商品に合わせた送料設定など複雑なオプションがきちっとBtoBのサービスとしてお客様に便宜のいいように実装されています。
UI/UXにおいては、お客様が日常生活で利用されている一般向けのECサイトと同じような感覚で使っていただける設計になっています。
初期段階から機能面とユーザビリティの作りこみを行っており、価格体系も顧客×商品、それに加えてボリュームディスカウントといった、弊社のこれまで培ってきたビジネスモデルを機能に落とし込んでいます。
既存のお客様はもちろん、これから新規で獲得するお客様に対しての利便性やサービスの質を落とさず上げていくことは意識していました。
商品一覧画面
電話・FAXでの注文も一定数あるかと思いますが、アナログで受注した情報をecbeingに一元管理するに至った経緯とご状況について教えてください。
眞鍋氏:以前から電話・FAXでの注文が全体の1割ほどあり、リニューアルでその1割もオンラインに集約することでした。
元々考えていたのは、従来通り電話・FAXは基幹システムで受注データを手入力し管理することでしたが、販売データ、単価、商品情報など全て同じものを持たなければならず、マスター管理がすごく大変になることが明らかでした。
さらに、お客様からの電話・FAX受注を対応するオペレーターの負担も大きくなることが予想できましたので、オペレーターが直接ECサイトに代理でログインして注文を入れれば注文の入り口を一本化できるのではと考え、実装しました。
そうするとオペレーターもサイトを触って注文するので、お客様からサイトに関する問合わせがあった時も自らの操作経験を元にした対応ができ、オペレーションの工数を抑えるだけではない付加価値が生まれています。
「ゆっくり出荷」という機能も実装されていますが、導入の経緯について教えてください。
中嶋氏:弊社は当日13時までにご注文いただいたお客様にはその日に発送することを基本としています。そうなると土曜日と日曜日は発送しないため、物理的にその分月曜日の発送が極端に増えてしまいます。
そのため、金曜日の13時以降から土曜日・日曜日の注文に関しては、もしお急ぎでなければ月曜日発送ではなく、火曜日以降の発送でもいいかという選択肢を設けています。
お客様から急ぎではない場合に事前了承を頂くことで、弊社のオペレーションを効率よく回せるように追加した機能になりますが、なかなかない発想で作った機能だと感じています。
新規受注者数が約130%向上
実際、ecbeingにご依頼していかがだったでしょうか。
眞鍋氏:弊社の多彩な要望を受け入れて頂いた上で、他社事例を踏まえたやり方のアドバイスを都度頂きながら進められたので苦労はありましたが、その分ecbeingさんの経験の豊富さに助けていただき対応の良さを感じられました。
やはり、リアルでやっていたことをしっかりデジタルに落とし込めたことが、今回の成功のポイントになっていると思います。お客様の要望は「一度にまとめて買いたい」「在庫別の分納をしてほしい」「在庫のない商品を取り寄せてほしい」など多岐に渡るため、リニューアル以前は電話・FAX等のアナログで対応しなければならなかったところをシステム化できたことはかなり良かったと思っています。
サイトリニューアルによって得られた効果などを教えてください。
中嶋氏:お客様の利用状況分析やメール施策など、ecbeingの中で一気通貫にできるようになり効率化は図れていると思います。
マーケティングや施策実装については、できることも広がり以前に比べてやりこみ要素も強くなったと感じています。
細かい部分も含め具体的な部分として、例えば「ページコンテンツ編集時に細かくブロックが分かれており修正がしやすい」「時間指定したページ更新が全部バラバラにできる」など、コンテンツ更新が柔軟にでき工夫の余地があります。
CRM系の機能も、受注や出荷をトリガーにしたステップメールの機能は既に30近いシナリオを回しており、特定の商品を購入した人に関連商品をおすすめすることや購入した人に必要なサポート情報を伝えること、初めて購入した人に弊社サイトのメリットをお伝えするなどといった切り口で活用しています。
基本的に今まで購入したことがない商品をおすすめする形で使っていることが多く、今まで購入したことがないのでハードルが高いはずなのですが、結構高額な商品もご注文いただくことがあります。
佐藤氏:中嶋がお話しした内容は、主に既存のお客様に向けた施策ですが、弊社はお客様のリピート率の高さが強みでもあり、新規のお客様が定着し、お客様1社1社の年間購入額が年々大きくなっていくことが成長の原動力になっています。
その意味で新規顧客の獲得も非常に重要になってくるわけですが、使い方に慣れていない新規のお客様がいかに素早く目的の商品にたどり着けるか、という観点でサイト内導線の強化にはこだわりました。
結果として、リニューアル前と比べて月間新規受注者数が130%以上になっており、新規のお客様にとっても使いやすいサイトになったと実感しています。
今後ecbeingを活用して取り組んでいかれたい構想や、戦略をお聞かせください。
中嶋氏:商品の幅が広いこともあり、人によっては関係のある商品とない商品があります。
そのためお客様の業務にフィットした商品だけ一覧にすることや訴求するといった、セグメントをもっと細かくできればいいなと思っています。
今はテレビ関係のお客様、防犯カメラを購入するお客様のような括りですが、もっとこれがOne to Oneになるといいなと考えています。
またアウトバウンドの施策ですと、LINEなどのお客様との接点を増やすチャネルも増やしていきたいと考えています。
これからECを構築したい方や、ECのリニューアルを検討している方にアドバイスがあればお願いします。
中嶋氏:企業としてしっかりとCMSや顧客・注文データなどと向き合う担当者を、体制として割くことができるといいと思います。
佐藤氏:我々のように、それほど規模の大きくないECサイトでも、最短でECの第一線で戦えるところまでキャッチアップしたいという強い意志があるならば、たとえすぐには体制面が整えられなくても、まずはスピードを優先してスモールスタートを切ること、そして成長過程で一つひとつ課題を解決していくことが大事です。
そういった意味でecbeingさんのように、スキルが高いことはもちろん、一緒に泥臭いこともやってくれるシステム会社さんは、一緒に目標に向かって取り組んでいる感があり、おすすめできるところだなと感じます。
――
株式会社放送通信機器
代表取締役
佐藤 塁 氏
株式会社放送通信機器
中嶋 哲也 氏
株式会社放送通信機器
眞鍋 崇 氏
・「e431 ネットでかんたんe資材」はこちら
●取材・文:塩見 駿介