業務改善をECサイトで実現!BtoBのEC化の目的・方法と成功事例を紹介

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法人間取引(BtoB)の受発注業務は、BtoC向けの取引より複雑かつ多数の工数が発生します。また、アナログな対応が中心なので、ミスが起きやすいという課題もあります。インターネットを通して商品やサービスの注文を受けるECサイトは、煩雑化した受発注業務を改善させるために有効で、BtoB取引でも活用する企業が増えています。
今回は、ECサイトを活用して改善できるBtoBの受発注業務や、導入メリット、そして検討・構築方法を解説していきます。

法人間取引(BtoB)の受発注業務は、BtoC向けの取引より複雑かつ多数の工数が発生します。また、アナログな対応が中心なので、ミスが起きやすいという課題もあります。インターネットを通して商品やサービスの注文を受けるECサイトは、煩雑化した受発注業務を改善させるために有効で、BtoB取引でも活用する企業が増えています。
今回は、ECサイトを活用して改善できるBtoBの受発注業務や、導入メリット、そして検討・構築方法を解説していきます。


業務改善を実現するためには?

業務改善とは?

業務改善とは、業務内容やフローを効率的に回せるように改善していくことです。この改善は一度で終わりではなく、何度も見直しながら新たな課題を発掘し、継続的に行っていきます。そんな業務改善を推進していくためには、業務が効率的に動いていない原因を考えることが必要です。特に「ムリ・ムダ・ムラ」を排除することが、改善に繋がります。まずはこの3要素を見ていきましょう。

・ムリをなくす
「人数に対して業務量が過多になっている」「人員配置が適切でない」など現場の“ムリ”が生じている状態では、業務が停滞します。これでは、目標の達成や業務遂行を期間内に果たすことができないといった影響が生じます。加えて無理をしすぎた社員が体調を崩して休職や退職に至ってしまうことになれば、人員が減ってさらに業務が回らなくなるという負のスパイラルに陥ってしまう可能性も出てきます。

・ムダを省く
品質を保つために行っている業務でも、本来であれば不要な業務がルーティーンになってしまっていることがよくあります。「無くす・減らす・変える」という3つの方法で、ムダを省いて業務を改善していくことが大切です。

・ムラを減らす
仕事におけるムラとは、ムリとムダが混在して担当者ごとに業務の進め方や品質に出るムラのことを意味します。作業方法が人によって異なる、タスク処理にかかる時間がバラバラという状態ならば、その業務にはムリやムダがあると考えられます。こうしたムラを標準化させることも業務改善のポイントです。

業務改善を行う目的とメリット

業務改善を進めていくためには、目的を明確化させることが重要です。ここでは、業務改善を行う目的と、それによって生まれるメリットを説明します。

・コスト削減
業務内容やフローを見直してムダを省けば、人件費を削減できます。また不要なルーティーン作業をなくせば、そこで使用していたツール等の固定費を減らせるなど、不要なコスト削減にも繋がります。

・品質向上
業務の停滞により発生するムラは、商品やサービスの品質にも影響があります。業務改善でこれをなくせれば、品質の向上と安定を同時に実現させることができます。

・働き方改革とワークライフバランスの実現
業務効率化で長時間労働を減らすことができれば、社員のワークライフバランスを実現させることができます。また同時に、短時間労働やフレックスタイムなどの働き方改革の実現にも繋がります。

業務改善の手法

上記のように業務改善には様々なメリットがありますが、大切なことはそれを達成し、業務効率化を実現させるための手法です。一般的には下記のようなものがあります。

・標準化
全員が定められた最適な手順により、業務遂行が可能な環境を整えることで効率化を追求する方法です。顧客とのやり取りがある程度固定化されているBtoBは、個別対応が求められるBtoCと比較するとより大きな効果があります。

・非属人化
特定の担当者だけしか業務の詳細や進め方が分からないという状況をなくすことです。非属人化を実現して、担当者不在時は業務がストップする、知識の継承ができないといったデメリットをなくすことができます。

・自動化
PCやシステムなどを使って作業を自動化させ、業務効率化に繋げられます。しかし、システムの構築や導入費用や、慣れるまで時間がかかるといったコストが発生することを頭に入れておかなければなりません。

・社内リソースの最適化
ヒト・モノ・カネといった社内リソースを適切な場所への配置や、必要な資金を投入により業務全体の改善を図っていく方法です。

・ツールの活用
便利な道具やシステム、アプリケーションを使うことで業務の効率化を実現できます。今回のテーマであるBtoB ECの導入はここにあたります。作業者の慣れなどだけに頼らず、ツールを導入していくことも重要な手法です。

成功のために必要なこと

業務改善を成功させるためには下記3点を意識することが必要です。

・情報共有の徹底
情報共有が上手くいっていない状況は、逆に業務の非効率化にがってしまいます。チャットツールなどを用いて気軽に情報共有しやすい環境を作る、担当者を明確にするなど、滞りなく情報共有を行っていくことを徹底していきましょう。

・改善ポイントの絞り込み
問題点を洗い出し、業務が非効率になっている要因を想定し、改善ポイントを明確にしましょう。これを想定できていれば、業務改善をスムーズに進めていくことができます。

・目的の明確化
業務改善を行う目的を設定することで、問題点を洗い出した後に改善の優先順位を検討できます。逆にそれができていないと、行き当たりばったりになってしまい、結果的にこの改善が意味のないものになってしまう可能性もあります。

BtoB ECで改善可能な業務課題

受発注業務

従来、BtoB取引での受発注業務は、電話やFAX、メール、営業担当による訪問といったアナログな方法で行われてきました。これでは担当者が全ての注文を対応し、基幹システムに情報を手入力しなければなりません。また、電話では聞き間違い、FAXでも文字が判別できないといった理由で追加の確認・訂正作業の発生や、誤発注などのミスを招く可能性があります。

BtoB ECを導入することで、確認・入力といった手間のかかる作業を自動化させることができるので、工数削減を図れます。また100%ミスをなくすことは不可能かもしれませんが、従来の業務で発生していたミスの芽を摘むことも可能です。

問い合わせ対応

BtoBビジネスは、受発注手続き以外にもコミュニケーションを取らなければならない場面が多々あります。在庫や納期の確認、見積発行などに関する問い合わせはその一例です。ECサイト上に在庫数や目安納期を表示する、見積発行機能が搭載されているシステムを導入し、発注者側が簡単に見積発行できるようにするといったように、これまで問い合わせなければならなかった要素をECサイト上で完結できれば、問い合わせ数ならびに業務工数の削減による業務効率化に繋げられます。

顧客の与信管理

BtoBビジネスにおいては、法人ごとに異なる与信額を管理する必要があります。与信も従来であれば顧客情報を基に、都度確認をする必要がありましたが、BtoB ECシステムを活用して業務改善を実現できます。
システムによっては与信管理機能が標準で搭載されています。これを活用することで、与信額を超える注文があった際は受け付けないことや、取引可能額に近づいてきたらアラートを上げることができるので、従来のような確認業務の削減ができます。

>受発注システムについてはこちら

業務改善だけではないメリット

受注機会の拡大

電話・FAXでの注文は営業時間内でしか受け付けられませんが、ECサイトは顧客の好きなタイミングでどこからでも発注をかけることができます。それだけではなく、サイト内の商品検索からこれまで触れたことのなかった商品を顧客に知ってもらい、購入してもらえる可能性もあるので、受注する機会の拡大でも貢献できます。

新規顧客の獲得

従来の法人営業は、足を運べる範囲内でしか営業活動が行えないという物理的な課題や、社内の人的リソース不足によってアプローチをしきれないという課題がありました。この状態では、新規顧客の獲得にも限界があります。この課題に対して集客を工夫しながらどこからでも注文を受けられるというECサイトの強みを活かせば、関係値のなかった企業に情報をリーチさせて新規顧客の獲得に繋げられます。

顧客接点の強化

ECサイトの強みは、これまで取引が少なかったロングテール顧客に対しての顧客接点を強化させる点でも発揮されます。遠方の顧客に対してもECサイトを通して繋がれるようになり、購入傾向などの情報を活用しながら担当営業からオススメ情報など、顧客に合わせた商品訴求を行えます。さらに、顧客から注文やお問い合わせがあれば担当営業に通知が飛ぶので、素早く得意先をフォローして接点を作りながら、スピード感のある対応を実現して顧客満足度の向上にもなります。

導入時のデメリット

ECサイトは発注者側に利用してもらえなければ、構築した意味がないと言ってもいいでしょう。サイトをオープンしてもECに移行する顧客が少なければ、受発注対応が煩雑化してしまうデメリットもECサイト構築にはあります。デメリットを被るリスクを避けるために、顧客に寄り添ってサイト構築を進めていきましょう。

BtoB ECの構築方法

ECサイトを運営するにあたり、まず自社の売上規模や目標に合わせてサイトを構築することが必要です。少額で導入可能なシステムを使うやり方、自社のやりたいことを詰め込んだサイトを作るやり方など、その方法は色々あります。また近年では、BtoB向けECサイトの需要も高まったことで、法人間取引に必要な機能を搭載しているBtoBに特化した仕組みも増えています。そんな中から、今回は3つのECサイト構築するためのシステムを説明します。

格安でサイト構築ができるASPカート

提供されたクラウドを使ってECサイトを構築できる仕組みです。ASPカートは初期費用や月額が無料のものから、数万円程度のものまで幅広くあり、とにかくリーズナブルかつ手軽に始めたいという事業者にマッチしたシステムです。しかし、カスタマイズを加えられないため、拡張性が乏しく、独自のECサイトを構築するという点では難しいというデメリットもあります。

主なBtoB向けASPカート
・Bカート(株式会社Dai)
・楽楽B2B(株式会社ネットショップ支援室)
・EC-Rider B2B(株式会社イーシー・ライダー)

ゼロからサイトを構築するフルスクラッチ

オーダーメイドでサイト構築を行う方法であるフルスクラッチは、開発の時間やコストがかなりかかってしまいますが、自社に100%マッチしたECサイトを実現できます。しかし構築後は、運用時の改修や、セキュリティ対策を随時自社で行わなければなりません。ですので、コストとリソースがきちんと揃っていなければ手が出せないやり方です。

標準機能をベースにカスタマイズを加えていくパッケージシステム

パッケージシステムは、ECサイトを運用していく上で必要な機能を標準で詰め込んだ仕組みになります。システム会社ごとに標準機能が異なるため、実現したいことをカスタマイズ含めて実現できるかなるかなど、費用と合わせて機能面や拡張性を見極める必要があります。

主なBtoB向けECパッケージシステム
・ecbeing BtoB(株式会社ecbeing)
・アラジンEC(株式会社アイル)
・SI Web Shopping(株式会社システムインテグレータ)

>ecbeing BtoBについて詳しくはこちら

ecbeing BtoBパッケージ紹介資料(抜粋版)
当社のサービスBtoBパッケージ紹介資料になります。
詳細はこちら

課題に合わせた業務改善を成功させた3つの事例

業務工数の大幅削減により効率化を実現【株式会社リガク様】

X線解析装置などをグローバルで販売するリガク様は、注文受付、顧客とのやりとりといった受発注業務の効率化を図るべく新規でECサイトを構築。これまで2名で対応してもオーバーフロー状態だった受発注業務の工数をEC化により大幅削減させることに成功し、1人でも効率的に業務を回せるまでに改善させることができました。

>リガク様の詳しい事例はこちら

注文から発送までの流れをスムーズに 【株式会社山櫻様】

山櫻様はBtoC向けとBtoB向けで、それぞれ別々のECサイトを運営していたことから発生した業務が煩雑になっているという課題を抱えていました。ターゲット顧客ごとでバラバラだったサイトを統合して以降は、注文から商品発送まで業務をスムーズに行えるようになりました。また分析機能を活用し、データ集計作業や、マーケティング課題の洗い出しも効率的に行っています。

>山櫻様の詳しい事例はこちら

自社と代理店の業務改善とECサイトの普及に成功 【富士インパルス販売株式会社様】

全国の代理店が顧客からの注文を受け、自社が納品をするという営業方法では金額と工数が見合っていないという課題があった富士インパルス販売様は、自社と代理店の双方の業務が効率化できるようにECサイトを立ち上げました。代理店の協力もあり、オープンから1年で全社売上の4分の1がECサイトからの注文になるまでにサイトは普及し、同時に時間を要していた受注対応も以前よりスピーディーに行えるようになったことで業務の改善も進んでいきました。

>富士インパルス販売様の詳しい事例はこちら

まとめ

BtoB ECサイトを構築することで、業務改善だけではなく、売上拡大のために新規顧客を獲得できるなど多くのメリットが生まれます。これを成功させるためには、社内の情報を共有させる、課題を洗い出す、目的をはっきりとさせるといったような意識を持つことが必要です。これからECサイトを構築して業務改善を図っていきたい方は、今回紹介した手法だけではなく、色々な情報を加味して、目的をぶらさず検討を進めていきましょう。





  

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