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コンセプトは「コンシェルジュ」。選ばれるメーカになるための選定ツール構築

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制御機器や受配電機器などの開発・製造・販売を行う富士電機機器制御株式会社は、製品を安定的に素早くお客様に供給するだけではなく、システムや製品を利用される企業のニーズをしっかり捉え、先進的で最適なソリューションを提案している。

同社はサービスレベルをより向上させるため、ecbeingのBtoB版でサイト構築を行い、2019年4月22日にオープンを迎えた。今回は、富士電機機器制御株式会社 事業企画本部 プロモーション部 部長の大M一弘さんと、同本部 業務部 受配機器課の横山斗さんに、立ち上げの背景と今後の展望を聞く。

基本情報

<社 名>

富士電機機器制御株式会社

<設立年月日>

2008年10月1日

<事業内容>

受配電機器および制御機器等の開発、製造、販売およびサービス

<従業員数>

(単体)909人 (連結)2,572人  (2018年3月31日現在)

<資本金>

76億円

<所在地>

東京都中央区日本橋大伝馬町5番7号 三井住友銀行人形町ビル7階



競合他社と差別化した選定ツールを目指して

競合他社と差別化した選定ツールを目指して

――はじめに、御社のサイト「プロダクトセレクター」のユーザーと、取り扱っている製品について教えてください。

横山:プロダクトセレクターは、弊社製品をエンドユーザーに販売する代理店が主に利用する弊社Webサイト内に構築した製品選定サイトです。取り扱っている製品は、数ある製品群の中で売上全体の7割を占める主力製品である、一般産業用のブレーカーやロボット内の制御盤に使われる配電・制御機器など7種類で、型式は約10万点にのぼります。サイトは2カ月前の4月22日にオープンしたばかりで、今後は少しずつ取り扱う製品を増やしていく予定です。

――4月にサイトをオープンしたということですが、いつ頃から、なぜ、サイトを立ち上げる企画が立ち上がったのでしょうか?

横山:一昨年(2017年)、社内で販売代理店の売上を伸ばしていくプロジェクトが発足し、その具体的なアクションとして、昨年関係者が集まって意見を出し合うところからスタートしました。「数あるメーカの中からどうやって富士電機の製品を選び、売っていただくか」というところから議論を始め、企業戦略の専門家にも意見をもらいながら詰めていきました。そこで出た意見として「“富士電機”という名は知名度があっても製品自体の形式やラインナップは販売店の方々にちゃんと理解されているのか?」という疑問が出て来ました。

知らなければ当然売っていただけません。かといって多忙な販売店の方が富士電機のカタログやHPを隅から隅まで見ていただいているかというとそんな時間はない。


富士電機として何が出来るのか悶々とする日々が続きました。


そこで現状把握として、様々なBtoB企業のホームページなどを調査すると、選定ツールを準備されている企業も多く、まずは「同じ土俵に上がらなければ!」という意見から製品選定サイトの本格的なコンセプト検討に入っていきました。

どうせ作るなら他社と同じようなものをつくるのではなく、富士電機の製品認知を上げていくためにも明確に差別化した選定サイトにするためにはどうすればいいかと、約4カ月にわたり社内で話し合いを続けました。



ユーザーである“販売店の声”を集めて回った

ユーザーである“販売店の声”を集めて回った

――企画段階で決まった「差別化のポイント」について教えてください。

横山:我々がたどり着いたコンセプトは「コンシェルジュ」です。製品を検索できるだけではなく「販売店の方が使いやすく、簡単に目的の商品までスムーズにたどりつけること」を目標に掲げました。というのは、事前に他社のツールをチェックしたところ、技術者向けの専門性の高いものが多かったのですが、実際にツールを使う販売店の方は技術者ではない一般の女性が多数いるからです。そのうえ、他社製品も扱っている特約店以外の販売店は同じような製品がたくさん並んでいる状態の中から目的の製品にたどり着く必要があるので、“販売店の方にとって使いやすいもの”であることには非常にこだわりました。


もう1点、他の選定ツールと明確に差別化するために、競合他社の型式を打ち込むと弊社の対応製品が出てくるようにすることを機能に加えました。

――「ツール」という言葉が出てきますが、当初はWebサイトで公開すると決まっていたわけではなかった、ということでしょうか?

大M:コンセプトが2018年1月頃に決まり、最初は見積もりをつくるコンフィグレーションツールなど、いろいろなツールを検討したのですが、社内から「仕様や形式を検索して製品を選べる、これはバスケットのないECサイトに近いよね」という声が出たんです。確かに、ECサイトのような形でWebサイト上に選定ツールを構築すれば、販売店に限らずエンドユーザーがいつでも、どこからでもサイト上で製品を選定して、販売店に「この製品がほしい」と伝えることもできると思いました。


また、事前に販売店に対しても、CDなどのメディアで選定ツールを提供するか、Webサイト上で公開するか、どちらがよいかを確認したところ、全て後者だったため、サイトを構築することにしたんです。

――事前にユーザーターゲットである“販売店の声”も聞いてから、本格的にプロジェクトを進めているんですね。

大M:その通りです。私たちが定めたコンセプトをもとにモックアップをつくり、多くの販売店に「こういう機能を実現したらどうですか?」とヒアリングを行いました。モックアップと集約した意見を要件定義のひな型にして、パッケージベンダーを探しはじめました。



10万点の型式のデータベースづくりに4か月

10万点の型式のデータベースづくりに4か月

――パッケージベンダーはどのように選定したのでしょうか?

大M:EC構築の実績が多数あるecbeingに声を掛けたところ、実績や担当者の方の知見の豊富さ、対応も素晴らしかったので依頼させていただくことに決定しました。それから今回のツールの肝である検索エンジンの会社4社ほどに声を掛け、ecbeingと共に検討して実装実績のあるBST社を採用することに決めました。その後、モックアップと販売店からの意見を要件定義のひな型に集約し、ecbeingと議論を進めたところ、当社の要求を「ほぼ実現できる」と心強い言葉をもらえました。そこから細かい仕様設計に入っていきました。

――サイト構築の過程で最も苦労した点はどこですか?

横山:検索のためのデータベースづくりが本当に大変でした。まずは数ある製品群の中から10万点に絞り込むためのルールを決めるのですが、製品によって基準がさまざまなので1機種ずつルールを決めていくのに時間がかかります。次に、1つひとつの製品の型式、仕様、価格、外形図、技術資料を1枚のシートにまとめていく作業があります。


さらに、差別化ポイントである「他社の型式を入力すると自社の相当製品を検索結果として表示する」ために、他社製品と自社製品を比較する置換辞書をつくる必要がありました。要は、他社の製品型式を自社の10万点の型式に1点1点紐づけていく作業なのですが、これが一番苦労した点ですね。


大M:この置換辞書は富士電機グループの関係会社と協力しながらつくったのですが、約4カ月かかっています。この作業は本当に大変で、我々や関係会社も弱気になることもあったのですが、ecbeingの開発リーダーが皆を奮い立たせてくれて(笑)。我々もこれまでに多くのベンダーとの付き合いがあり、私たちが指示しないとなかなか動かないベンダーも中にはありますがecbeingさんは積極的に代替案や過去の事例など、我々にない情報を提供いただき、後押ししてくれました。開発リーダーのプロジェクトマネジメントのリーダーシップは一流で、今回のプロジェクトでは大いに助けられましたね。

――10万点の製品のデータベースづくりと、それに対する他社製品の紐づけは相当大変な作業ですね。他にもこだわったポイントがあったら教えてください。

横山:ecbeingさんからの提案で、検索を2段階に分けています。現状では全ての製品を載せられているわけではなく、お客様の検索方法も正しい形式順序で検索を行うとは限らないと想定され、検索しても何も検索されないケースが考えられました。そうすると、お客様からは「使い勝手の悪いサイト」という印象をもたれてしまいます。そこで、ヒットするものがない場合は類似製品の候補を検索結果として複数表示させ、その中からさらに絞り込み検索ができるような工夫をしました。


また、キーワード検索でも工夫している点があり、同じ「ブレーカー」という製品の呼び方でも、オートブレーカー、FAB、配線用遮断器と複数あるので、他社の呼び名も含めてどんな呼び方が想定できるかを機種毎で選定し、データベース化することでヒット率を上げる工夫をしています。



「社長賞」を受賞したサイト構築プロジェクト

「社長賞」を受賞したサイト構築プロジェクト

――お話を聞いて、販売店の“現場の声”を反映して構築されたサイトであるということが伝わってきますが、実際にサイトをオープンしてからの販売店の反応はいかがでしたか?

大M:正式なオープンの前に販売店限定でプレオープンを行い、テスト的に使ってもらってヒアリングを実施しました。そこでもさまざまな改善点の指摘があり、その内容に社内で優先順位をつけて修正を進めました。すぐに対応できたものから、今後検討すべき項目まで幅広く現場の声を集めることができました。


横山:正式オープン後は「使いやすい」と好評をいただいています。たとえば、弊社の製品は過去から何度もモデルチェンジを繰り返していて、販売店の方が全ての型式を覚えているわけではありませんが、「プロダクトセレクターに現状の型式を入れれば最新の製品が表示されるのでとても便利」という声をいただいています。販売店にとっても、「富士電機のプロダクトセレクター」と意識する必要なく、主要なメーカの製品型式を入力すれば富士電機の最新機種情報が出るので、これは画期的な仕組みだと自負しています。

今後、ご要望に応じてメーカの追加を検討していこうと考えています。


また、エンドユーザーは従来、仕様書や外形図などの技術資料を販売店経由で取り寄せたり、弊社資料データベースを検索して入手する必要がありましたが、プロダクトセレクターでは、それら技術資料は型式毎にダウンロードできるリンクが貼られており、時間をかけることなく直接ダウンロードし入手でき、大幅な業務効率アップにもつながっていると思います。こういう機能を弊社のような重電メーカで実装しているところはあまりないと思います。

――営業など、社内からの反応はありましたか?

横山:営業からは「以前は設計部に問い合わせていた内容が、このサイトで簡単に調べられるようになって仕事がスムーズになった」と好評です。さらに今後に期待する声も多く、「掲載されている型式をもっと増やしてほしい」「納品日をその場でお客様に伝えたいから納期の情報も入れてほしい」という声が挙がっています。


大M:社内で取組みが評価されて「社長賞」もいただきました。また、WEBサイトの社外評価指標の一つにしているトライベック・ブランド戦略研究所の「BtoBサイトランキング」でもプロダクトセレクター効果で、今後さらに順位が上がっていければと期待しています。



“前向きな言葉”でプロジェクトを推進する

“前向きな言葉”でプロジェクトを推進する

――今後の展望について教えてください。

横山:現状は製品を検索する機能で止まっていますが、そこから受注に繋げていきたいですね。ただ、販売店との関係性もあるので、方法を検討したいと思っています。これまでの販売チャネルや販売方法を尊重しながらも、市場の購買変化に合わせてメーカ側の売り方も対応していく必要があると感じています。


大M:これは、たとえば埼玉県のエンドユーザーがサイトにアクセスして製品をバスケットに入れたら、その情報が埼玉県の販売店に自動で流れるようにするという方法などが考えられます。そうすれば販売店は自らの営業活動以外でも受注が増え、また弊社はお客様のニーズがダイレクトに見えるようになります。 エンドユーザー、販売店、メーカー3者にとってメリットがある、WIN・WIN・WINのサイトとして発展させていきたいですね。

――ありがとうございました。最後に、今後をオープンまたはリニューアルする企業に向けて、今回の体験を踏まえてアドバイスをお願いします。

横山:今回の立ち上げプロジェクトはデータベースづくりなど、本当に大変なことが多々ありました。でも、ecbeing、協力会社、私たちが1つのチームとしてまとまり、全員で同じ方向を目指すことができたからこそ、それが実現したと感じています。依頼元である私たちがいい加減な気持ちだと、それが周りの方に伝わって適当な仕事になると思いますので、常に前向きな気持ちと姿勢で取り組んでいくことが、より良いものを生み出す秘訣と考えます。



――


富士電機機器制御株式会社

事業企画本部 プロモーション部 部長

大M一弘(おおはま かずひろ)


富士電機機器制御株式会社

事業企画本部 業務部 受配機器課

横山 斗(よこやま はるか)



●取材・文:廣田喜昭




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