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オムニチャネルの先駆者であるザ・ボディショップ。7年間のオムニチャネル施策を通じて今後新たに行っていきたいことは?

公開日:
▼導入システム・サービス
BtoCパッケージ , visumo , Sechstant , ReviCo , オムニチャネル施策

1976年に英国ブライトンで自然派化粧品のお店をオープンするところから始まったザ・ボディショップ。現在世界中に60カ国以上、3000店舗以上、日本では約100店舗を展開する。
2005年からECへも力を入れ、現在までサイトデザイン、スマホアプリデザインリニューアル、ECと店舗の顧客一元化など、お客様に寄り添い、オムニチャネルの先駆者としてさまざまな施策を行ってきた。
そんな、ザ・ボディショップ様に7年間のオムニチャネル施策を通じて、今後はどのような動きをしていくのか伺う。

ザ・ボディショップ 基本情報

<社 名>

ザボディショップジャパン株式会社

<設立年月>

1990年6月

<事業内容>

英国の化粧品専門店「ザ・ボディショップ」の日本国内での経営

<所在地>

本社:東京都中央区日本橋堀留町1丁目9番11号NEWS日本橋堀留町ビル4階


段階を踏んだオムニチャネル施策

――2013年から約7年間でどのようなEC事業へのお取り組みをされてきましたか?

小坂:まずecbeingを導入する以前は、店舗のお客様とECのお客様のデータを別々に管理していました。
ECのお客様データはそのままデータベースへ集約されていたのですが、店舗のお客様データは会員登録に必要な情報を直接用紙に書いていただき、それを外部の入力代行サービスに依頼してデータ化していました。
そこから今後のことを考えデータを統合することになり、ecbeingを導入した経緯があります。

2つあったお客様のデータベースを統合するという大きなプロジェクト動かすとともにecbeingのEC機能を利用していたのですが、そこがすごく大変でした。
というのも、当時はオムニチャネルという言葉だけが定着してきたぐらいの時期で店舗とECの両方を持つ企業は大体データベースも2個持っているのが普通でした。恐らく現在でもそこに悩まれている企業は少なくないと思いますが、当時、弊社はいち早く取り組みました。データ統合では名寄せ作業などに苦労しましたが、結果としてきれいなデータベースを持つことができました。
その初期の1〜2年の段階では、まだそこまで店舗とECを混ぜたような施策はできておらず、徐々にいろいろ考えて土台を最初に固めた時期でした。

――当時では早い段階でデータ統合をされたのですね!その後はどのような動きをされたのでしょうか?

小坂:その後に進めたことは、店舗とECの両方で購入してくれている人がどれぐらいいるかを調べました。すると、購入者の約3%のお客様が店舗とECの両方で購入していることがわかりました。
そういった統計を踏まえ、やりたいことを考えていきました。例えば繰り返し購入のあったお客様をECに誘導する施策や、化粧品の香りなどを確かめてもらうために最初は店舗に来てもらいお客様に定着した商品をECで購入してもらうなどの構想はあったのですが、今まで店舗が主体でECが後発だったということもあり、顧客データを統合したからといってもなかなかそのような動きがすぐにできずにいました。

ただ、そのままでいいという訳ではなく段階を踏むようにして進めていきました。
まずは購入される商品の傾向を調べていきました。
例えば、最初に買う商品が何で、何回目に買うのはどんなものが多いのかなど購買パターンを調べたのですが、最初に買ってもらえるのは体を洗うボディシャンプーであるシャワージェル、ボディバターそのあたりが初期購買に貢献していることがわかりました。
また2回目に購入される商品というのが実は2つパターンあり、同じシャワージェルの別の香り、例えばピンクグレープフルーツのシャワージェルを買った場合、ストロベリーのシャワージェルを買う。ないしは、ピンクグレープフルーツのシャワージェルを買って、同じ香りのボディクリームを買う。といった傾向が多いことがわかりました。

次のステップとして、フェイスケアを売るためにデータベースが活用できるのではと考えていきました。フェイスケア自体、当時会社としても力を入れておりましたが、厳しい状況が続いていましたので、そこからデータベースを活用したCRMを始めていきました。
そこで最初に手を付けたのはメルマガです。
今までは新規で会員登録した人に許可を頂ければメルマガが送られ始めますが、1通目から定期メルマガが配信されるような仕組みになっていました。
そのため、購入したばかりなのに次の新商品のプロモーションなどが届いてしまうということもありましたので、まず店舗とECも含めてメルマガの1、2、3通目は別のものを送るようにしました。
メルマガの内容として、1、2通目では香り違いの商品があることや初心者向けのコンテンツなどを送るようにし、3通目でこんな人気の商品もありますよという内容でフェイスケアについて送っていました。
その他にも、美容液を買った人に対してそろそろなくなりそうじゃないですか?といった商品を使い切る期日をある程度予測してメールをお送りすることや、同じシリーズの別のもの例えば美容液じゃなくて化粧水とか洗顔などもいかがでしょうか?という内容でターゲティングメルマガを始めていきました。

店舗スタッフとECの関係を繋ぐアプリ

――アプリの導入に関してはいかがでしょうか?

小坂:アプリは2014年ごろから始めており、当時はやはり会員登録を促進させるというところがメインでした。というのも、店舗での新規のお客様に会員登録していただく手段として、スタッフが会計時にプラスチックカードをお客様にお渡しして、お家で会員登録して頂くという形式をとっていたため配るだけ配って実際は登録してもらえていないという現状がありました。
カード番号は割り振られていくのですが、情報がないのでアプローチができないというジレンマがあったので、アプリを導入していこうと割と早い段階で開発をしていきました。

結果的に、何度かアップデートしていますが、アップデートする度に店舗スタッフのアプリに対する抵抗感というのが地道に取り除かれ、現在、新規会員の中にはプラスチックカードの会員はほとんどおらず、約9割がアプリ会員になっています。
もちろん、ここまで来るのに何百人もいる店舗スタッフの意識を変え、アプリを知ってもらう必要がありましたので時間はかかりました。
ただその分、結果として連絡可能な方の情報を増やすことができ、プッシュ通知も今は送ることができますのでやってよかったと感じています。

斉藤:お客様とのコミュニケーションをスピード感をもってここまで早くできたのは組織の体制の在り方にも関係があると考えています。
私自身Eコマースの担当者として、ものすごいやり易いと感じているのが、店舗とECが同じ本部にいるというところです。本部をまたがなくていいので、横の連携を取りやすく、施策実行時の承認フローが少ないので、スピード感もってできるというところは組織の在り方として重要かなと思います。

お客様との距離感を縮めるツール施策

――現在はどのような施策を行っていますでしょうか?

斉藤:ecbeingさんのサービスの一つであるvisumoによる施策も行っています。
現状SNSをたくさんの方にフォローしていただいており、興味深く見て頂いている方もいるのですが、ECとSNSが同じデジタルでも分断されている部分を感じ、そこをつなげるためにどうしたらいいかを考えていた時に、visumoの提案をecbeingさんから頂き導入しました。
メリットとして連携がスムーズにでき非常に相談しやすい、という部分があります。
例えば、外部ツールをつなぐ場合パートナーさんとecbeingさんの間に弊社が立つことになります。そうなると、やはり技術的な部分が事業会社の人間には難しくなるので、そういったやりとりがなくなることによってコミュニケーションコストが下がり実行スピードが上がるという意味では、ecbeingさんのツールを入れるのはメリットがあると考えています。ツールとツールが点で存在せずに、線で繋がっているイメージに近いです。


ベストコスメ


使いやすく、売上にもしっかりとつながっています。
またUGC活用という面では2020年5月に『みんなのザ・ボディショップBESTコスメ』というキャンペーンを行いました。
ただ、キャンペーンを行うにしても課題がいくつかあり、運用するメンバーの中でリソース、そもそもお客様が写真の許可を頂けるのかなど、そういったものを確認するためにまず一回やってみようということではじめました。
実際やってみると、きれいな写真がたくさんあり、掲載していいですか?という質問に対してもNoと答える人は1人もおりませんでした。
工数に関しても、どれぐらい工数がかかるのかを自分で試したところ正直そんなにかけずにできそうな感触を得ることができました。
なので今後の活用方法として、ここからどうやってお客様とコミュニケーションを取りつつ、しっかりと売り上げを取っていけるかということを考えた時に、リアルの方にも使えるのではと感じており、色々検討していきたいと考えています。

――visumoを積極的にご活用いただきありがとうございます!
弊社の別サービスである分析ツール『Sechstant(ゼクスタント)』と
レビュー最適化ツール『ReviCo(レビコ)』はいかがでしょうか?

斉藤:『Sechstant(ゼクスタント)』は非常に細かくデータが取れるということで、弊社が肌感覚で持っていた部分と実際のお客様データのギャップを埋めることができるということが一つメリットとして感じています。
もう一つのメリットとして、どこの会社でもそうかもしれませんが社内でデータや数値がない会話をしてしまうと、多数決で多数派の意見が尊重されてしまうことがありますので詳細なデータが確認できるのは大事なことだと考えています。もちろん定性的な部分も必要ですが定性と定量の両方を交えて様々な角度から検証し、仮説や実装ができるというところに一番期待しています。
『ReviCo(レビコ)』は逆に定性な情報を収集するために導入します。私たちが販売している商品は当然レビューを見てから購入される方が多いため、以前からレビューキャンペーンを手運用で行っていたのですが、『ReviCo(レビコ)』で一番惹かれたのはレビュー促進メールが自動で送られるところや絞り込みなど自分たちで開発をするのは重めなところで手軽にできるというところが非常に魅力的でした。

日頃からの積み重ねと共通の認識がカギ

――コロナ禍における取り組みはいかがでしょうか?

小坂:コロナの影響でどこの会社もそうだとは思うのですが、やはり店舗が休業してECサイトにお客様が流れてきてくれている状況が特に4月5月は見られました。
結果として、ECの売上は去年と比べても2倍ぐらいになっており、6月も1.5倍ほど売り上げを伸ばしています。
傾向を調査したところ、そもそも弊社の店舗のお客様は大体半分が非会員、半分が会員なのですが、その非会員の方でもお店で定期的に買っていただいていた方が今回を期にECサイトに来て購入してくれていました。
ただ購入されたのではなく弊社のECサイトの場合、会員登録しないと購入できない仕組みになっているため、会員登録者数を増やすことにもつながりました。
またこの期間で結構売れそうな新商品を5月に発売開始しました。新しい香りでレモンとキューカンバーというのを予定では店頭とECで大々的に販売したいと考えていたのですが、ほとんどの店舗が閉まっているのでECサイトで販売したところ結構売れまして、店舗用在庫の一部をECサイトの方に持っていき拡販することができました。
店舗が休業期間中は会社の売上をECで稼ぐしかありませんので、お客様を逃さないためにも、この時期のECによる売上の重要性を店舗スタッフも再認識するきっかけにもなったと思います。


ショッピングリスト


斉藤:店舗スタッフとECサイトの距離もさらに近づきました。元々そんなに離れていたわけではなかったのですが、店舗が休業になると急な連絡やコミュニケーションが発生します。お客様のために今自分たちに何ができるのかというところで目標が一つになるので、店舗もオンラインも関係なく、必死に一つの作業を進めていくみたいな部分があり、在庫の融通の問題などもコミュニケーション取りながら進めることができ、売上は会社全体を見ると厳しいものにはなっていますが、それを取り戻せるようなコミュニケーションの土台はできたと思っております。
また、このコロナ禍でアプリ経由の売上が大体普段の3倍ぐらいまで伸びました。売り上げの構成比もアプリ経由がほぼ1位で、弊社のアプリのインストール自体はどこで行われているかというと主に店舗になるため、日頃からお客様に店舗スタッフがアプリを勧めてくれたおかげで、こういった緊急事態の時でも売上につながるタッチポイントを残せたと考えています。

改めて考えさせられる店舗とECの関係性

――ecbeingを選んでよかった点はどのようなことがありますでしょうか?

小坂:そもそものデータベース統合の段階で、かなり難易度が高かったところ構築することができたのはecbeingさんのおかげだと思っています。
ecbeingさんは業界のスタンダード的な位置づけだと思いますので、外部サービスとのつなぎ込みというのも恐らく、どこの会社に聞いてもecbeingさんなら経験あるよと言ってもらえると思います。特にここ最近システム改修などはせずに、様々なecbeingのサービスや外部ツールと連携が取りやすくなり助かっています。

斉藤:ASPカートだと、機能的に実装が難しく諦めるしかない場合もあります。
自分たちがやりたいと思うことを実現できるというのは非常にメリットだと感じています。

――今後の展望や叶えていきたいことについて教えてください。

小坂:今やりたいと思っていることは店舗スタッフの活躍できる場を広げ、もう少し店舗とECサイトを近づけたいなと考えています。 実際休業中にも店舗スタッフは例えばコロナ禍の中でもお客様にしてあげられるデモのアイデアや、マスクをしていても映えるアイメイクを考案したりと、いろいろ自分たちで工夫し動画にして共有したりすることも行っており、その才能を上手に利用できないかなと考えています。
結果としてECサイトの売上にも繋がり、店舗にこんなスタッフがいてお店に入ったらいい商品を紹介してもらえるなど、店舗への送客にもつなげられればと考えています。

斉藤:6/3に全店舗が営業再開しましたが、正直想像以上に店舗にお客様が戻ってきていただけたと感じています。
これが節制させられていたリバウンドというのも、もちろんあるとは思いますが店舗の報告書を見ても久々に会えてうれしいなどと言ってくれるお客様がいてくれて、やはり店舗あってのデジタルだなと痛感しました。
店舗が閉まったことによって今のECの実力がわかったので、店が開いている状態で超えられるように様々な施策や運用をしていきたいです。
もう一つはECだけで超えるのも重要ですが、やはり店舗あってのECなのでもう一度ECってどういう立ち位置であるべきなのかをこの期間で考えるきっかけになりました。
今後オムニチャネルの重要性はより高まってくると思いますので、特に開発などの面ではecbeingさんからご支援を受けながら、協力して進めていければと考えています。

――ありがとうございました。では最後にこれからECをスタートする、またはリニューアルする企業に向けてアドバイスや注意点をお願いします。

小坂:店舗とECどちらも持つ企業様は、店舗ではお客様に店舗の存在意義をしっかりと打ち出し、そして利便性の高いECも知ってもらい併用していただける環境を整えることが重要だと思います。
お客様の状況に応じて商品を買える場所をストレスなく自由に選択できる、そんな仕組みだったり組織だったりにしないと後々つまずくことになると思います。

斉藤:実務を進める側の目線で言うと、今回のコロナでECの期待値というかお店の在り方というのが世間だけじゃなくて、社内的にも見直された企業が多いと思います。なので特にEC担当していた人がこれまで秘めていたアイデアとかを表に出して社内に発信しやすい環境になったかなと思います。
店舗とECの立ち位置がフラットになりデジタルでお客様の体験価値を上げるというところに踏み出すすごくいい機会だと思っています。
やるなら今だからこそ社内に発信してやるべきだと思います。


――


小坂 亨子(こさか りょうこ)


斉藤 正賢(さいとう まさのり)


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●取材・文:塩見駿介




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