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バーチャルトライオンとは?
化粧品・アパレル業界が押さえるべき新しい顧客体験

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皆さんは、バーチャルトライオンという言葉をご存知でしょうか。現代ではECが広く普及していますが、ECの問題の一つとして購入前に試せない点が挙げられます。バーチャルトライオンは、その問題を解決するサービスとして注目を集めています。今回は、そんなバーチャルトライオンについて事例を交えて解説していきます。

皆さんは、バーチャルトライオンという言葉をご存知でしょうか。現代ではECが広く普及していますが、ECの問題の一つとして購入前に試せない点が挙げられます。バーチャルトライオンは、その問題を解決するサービスとして注目を集めています。今回は、そんなバーチャルトライオンについて事例を交えて解説していきます。


バーチャルトライオンとは?

まず、バーチャルトライオンという言葉の意味から確認していきましょう。

バーチャルトライオンとは?

「バーチャルトライオン(Virtual Try-on)」とは、3D技術やAR技術などを活用し、バーチャル上で商品の試着・試用をすることや、それを提供しているサービスのことを指す言葉です。特にアパレル業界や化粧品業界などで用いられており、最近では腕時計やメガネ、イヤリングなどの装飾品を販売している業界での活用も見られます。また、「バーチャル試着(バーチャルフィッティング)」などと呼ばれることもあります。

ECが普及している現代ですが、オンラインショッピングで購入した商品が想定していたサイズと違うなどの問題から、返品の多さが問題視されています。こうした問題の解決策として、バーチャルトライオンが注目されているのです。

バーチャルトライオンのメリット

バーチャルトライオンのメリットとしては、主に以下の3点が挙げられます。

返品率の減少につながる

1点目は、返品率の減少につながるという点です。バーチャルトライオンで事前に試しておけば、想像していたよりもサイズが大きい・小さい、デザインが思っていた感じと違うといった問題に購入前に気づけるようになり、返品されにくくなります。返品が多ければ多いほど配送コストや商品を倉庫に戻す人件費がかかるため、返品率の減少は、コスト削減にもつながります

顧客満足度・購買意欲の向上が見込める

バーチャル上で試着・試用ができるようになれば、顧客は購入後に失敗だったと後悔することも少なくなり、より買い物に満足するようになるでしょう。また、ARなどを使ってバーチャル上で試着するというサービスは、顧客にとって新たな買い物体験になるでしょう。普段は買わないような商品を手に取ってみたり、まとめて商品を買ってもらったりすることも期待できます。

さらには、ECサイトの課題としてよく上がる「試着ができないという理由でオンラインショッピングを敬遠」してきた顧客層も、バーチャルトライオンの導入によって商品を購入してくれるようになり、新規顧客を獲得できる可能性もあります。

実店舗の試着室スペースの削減

また、バーチャル上で試着をできるようにすれば、その分実店舗における試着室の数を減らすという策も検討できます。試着室のスペースの一部をなくして売り場を拡大するなど、さまざまな活用方法が考えられます。

バーチャルトライオンの活用例

続いて、バーチャルトライオンを活用している企業の事例を紹介します。

アパレル業界:ZOZO

アパレルECサイト大手ZOZOは、利用者に「ZOZOSUIT」というボディスーツを着用してもらい、正確な採寸を行ったうえで、バーチャル上で試着ができるというサービスを提供していました。バーチャルトライオンという概念が普及していない時期だったこともあり、ZOZOSUITを使ったサービスは画期的な試みとして大きな注目を集めました。

なお、2022年にZOZOSUITはサービス終了となっており、現在は関連サービスとして、靴のサイズを正確に測り利用者に合ったものを提案する「ZOZOMAT」や似合うメイクを提案する「ZOZOGLASS」を提供しています。

化粧品業界:メイベリン

コスメブランド大手として知られるメイベリンは、バーチャル上でメイクを試せるバーチャルトライオンサービスを提供しています。自分に合うものが見つかったら、そのままオンラインで購入することも可能です。また、同社はMicrosoftと共同で、ビデオ通話プラットフォーム「Microsoft Teams」内において画面上でメイクアップができるバーチャルメイクアップサービスを2023年7月から提供しています。

メイベリンの他にも化粧品業界では、ディオールやロレアルなどのコスメブランドがバーチャルトライオン機能を備えたスマホアプリを提供しています。

家具業界:IKEA

家具大手のIKEAは、「IKEA Kreativ」という、バーチャル上で自室の模様替えを試せるアプリを提供しています。このアプリで自室を撮影すると、3Dレプリカ画像が生成され、その画像内に利用者がIKEAの家具を自由に配置することができるというサービスです。さらに、新たに家具を配置できるだけでなく、今置いてある家具をバーチャル上で削除できるうえ、アプリ内から商品を購入することも可能です。

バーチャルトライオンを導入する際の注意点

最後にバーチャルトライオンを導入する際に注意すべき点を2つ紹介します。

開発コストが高い

バーチャルトライオンは、ARや3D技術など、高度で専門的な知識が求められるため、一から開発する場合はかかるコストもかかりがちです。ただ、最近では安価で導入できるサービスも出てきており、自社でコストや人員を大きく割くことなく始められるようになっています。

個人情報の取り扱いについて慎重に決める必要がある

バーチャルトライオンを実現するためには、ユーザーの顔や体型などのデータを取り扱う必要があります。これらの情報は極めてセンシティブなものなので、バーチャルトライオンに際して入手した情報の取り扱いについては、慎重に決めなければなりません。自身の体型などの情報がどのように扱われるのか心配に思うユーザーも少なくありません。わかりやすいプライバシーポリシーを策定し、安心できるサービスだとユーザーに思ってもらう必要があるでしょう。

まとめ

バーチャルトライオンを活用すれば、返品率の減少やコストの削減が見込めるだけでなく、買い物の失敗を減らし、顧客満足度の向上にもつながりえます。購入後に失敗し、後悔する人の多いアパレルや化粧品、家具などの業界ではすでに浸透しつつあります。ただ、バーチャルトライオンを導入する際は、個人情報の取り扱いについてしっかりと決めておくなど、事前の準備は欠かせません




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