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沿線地域の魅力を発掘し、地域活性化につなげるECサイト「いいもの探訪」

公開日:   更新日:

JR東海は2015年12月に同社初のECサイト「いいもの探訪」を立ち上げた。沿線エリアの美味しい食品や伝統の技を受け継ぐ工芸品など、その土地ならではの「いいもの」を紹介するサイトだ。

今回は、JR東海にとって“初めての試み”となるEC立ち上げプロジェクトに携わった、東海旅客鉄道株式会社 事業推進本部 課長代理(新規事業) 地域活性化プロジェクト シニアプロデューサー 宍戸聡朗さんと、同社 事業推進本部 主席(新規事業)地域活性化プロジェクト アシスタントプロデューサー 上野美奈さんに、EC立ち上げの背景と今後の展望について聞く。

基本情報

<社 名>

東海旅客鉄道株式会社(JR東海)

<設立年月日>

1987年4月1日

<事業内容>

鉄道事業、関連事業

<従業員数>

18,116名(2018年3月末時点)

<資本金>

1,120億円

<営業収益>

1兆4,274億円(2018年3月末時点)

<所在地>

本社

愛知県名古屋市中村区名駅一丁目1番4号 JRセントラルタワーズ

本社(東京)

東京都港区港南二丁目1番85号 JR東海品川ビルA棟



目的は「沿線の活性化」

目的は「沿線の活性化」

――はじめに、御社のECサイト「いいもの探訪」で販売されている商品について教えてください。

上野: JR東海沿線の京都、滋賀、奈良、三重、岐阜、愛知、静岡、山梨、長野の9府県のエリアにある、全国でまだ知られていない逸品や名産品など、その土地ならではの個性あふれる“いいもの”を私たちが厳選して、現在は約1,000アイテムを販売しています。商品カテゴリは大きく分けて、「食べ物」と「工芸品」の2つがあります。

――「食べ物」や「工芸品」は、一見すると鉄道事業とは関連が低いようにも感じますが、なぜそれらを販売するECを立ち上げたのでしょうか?

上野:私たちは「地域活性化」を使命に掲げて「いいもの探訪」の企画をスタートしました。JR東海沿線エリアの逸品や名産品を紹介することで、お客様が「実際にその土地に行ってみよう」と実際に訪れてもらうことを目標にしています。2015年12月に紹介サイト「いいもの探訪」をオープンしたときは商品の販売はしておらず、「味わう、使う」「体験する」「知る、楽しむ」というテーマのもと、商品だけでなく観光地の情報も紹介していましたが、オープン後にお客様から「実際に食べてみたい!」という声を多数いただいたので、2016年10月からは食べ物と工芸品をメインにしてネット販売もはじめました。

――お客様の要望からネット販売もスタートしたんですね。現在、最も売れている商品は何ですか?

上野:今はスイーツがよく売れています。当初は「自分用のお取り寄せ」というコンセプトではじめたネット販売ですが、実際にオープンしてみるとギフト用の需要がとても高く、お中元やお歳暮、手土産としてスイーツを送るケースがよく見られます。その中でも最近特に売れているのは、「万治カフェ」の「京都祇園クッキー万治セレクション」です。山椒とチョコ、大徳寺納豆とオレンジなど、京都らしい素材との組合せも秀逸で、つくり手のセンスと真心が伝わってくる素敵な商品です。リピーターも多く、「手土産で渡したら大好評だった」というお声もいただいています。



セキュリティの高さと丁寧なコミュニケーションに、ecbeingを信頼できた

セキュリティの高さと丁寧なコミュニケーションに、ecbeingを信頼できた

――ここからはEC立ち上げの経緯について教えてください。「いいもの探訪」は2015年12月にオープンしていますが、企画はいつ頃からスタートして、パッケージベンダーはどのように決定したのでしょうか?

宍戸:ECの企画が立ち上がったのは2014年頃です。ただ、実際にECをつくろうと思っても、弊社はEC事業の経験も知見も全くない状態でした。最初はハウスエージェンシーやグループ会社に話を聞いてみたのですが、EC構築の実績がなかったので依頼するのは難しい状況だったんです。そのとき……確か同年5月頃だったと思いますが、通販ソリューション展でたまたまecbeingの方と出会い、多数の実績をお持ちであることを知りました。他にいくつかのパッケージベンダーについて調べたのですが、最終的に弊社のシステム部署に話を通したところ、ecbeingであればセキュリティ条件をクリアできることがわかりましたので、迷うことなく安心して依頼しました。

――なぜ、ecbeingは基準をクリアできたのでしょうか? 基準のポイントは何ですか?

宍戸:弊社は鉄道会社なのでセキュリティ面を特に重視しているため、非常に高いセキュリティ基準を設定しています。その基準をクリアできたのがecbeingだったんです。ecbeingの担当者からは他社事例をもとにしてセキュリティ基準の高さを教えてもらったり、専用線を引いてもらって弊社の基準をクリアするための措置をしていただいたりと、基準をクリアするためにいろいろと動いていただきました。

――ecbeingに決まってから、ECをオープンするまでのスケジュールを教えてください。

宍戸:2015年1月からecbeingとの打ち合わせが本格的にスタートして、紹介サイトがオープンしたのは同年12月です。その間、とにかく時間と労力をかけたのは、社内に「安定、安全なECになる」ことを認知してもらうことでした。準備段階では社内の各部署から山ほど質問が来たので、それをecbeingに投げて、回答をつくってもらい、また社内と調整するということを繰り返しました。私たちはECの素人なので疑問点が多々ありましたが、ecbeingの方達はコミュニケーションが取りやすくて本当に助かりました。



地元で愛されているものを、自分たちで取材して伝える

地元で愛されているものを、自分たちで取材して伝える

――「いいもの探訪」をつくるうえで、こだわったポイントを教えてください。

上野:現在、「いいもの探訪」の制作メンバーは私たちを含めて4人いますが、オープン当時から全ての商品の説明ページの文章を自分たちで取材して書くことにこだわっています。このサイトの目的は地域活性化であり、最終目標はその土地に行ってもらうことなので、ただ単に「おいしい」だけではなく、「その商品が生まれた土地の歴史」や「商品のこだわり」などを生産者に取材して書くようにしています。


宍戸:掲載する商品を選ぶときは、まだ全国で買えないもの、できれば大手ECサイトに出品されていないものをポイントにしています。現在は約250の生産者様と契約していますが、数ある候補の中から私たちが実際に生産者のもとを訪れて、原材料やこだわりなどの話を直接聞いて判断するようにしています。

――サイトを拝見しましたが、1個1個の商品についてかなり細かく書かれているので驚きました。

上野:私たちは生産者さんとの関係をとても大事にしているんです。「いいもの探訪」は弊社に商品を集めて販売するのではなく、生産者がお客様に商品を直接送る“産地直送”の仕組みを取っているため、生産者にご負担を掛けないように、個数制限と期間限定の機能を設けているところもポイントですね。旬の果物など少数しか取れないものもあるので、この機能は必須です。


宍戸:生産者とかなり近い関係性でECを運営しているので仲良くなりましたね。生産者の思いがサイトに反映されているところもあって、良い関係ができているし、地域活性化に繋がると思いますので、今後もそこは大事にしていきたいですね。



お客様から「産地に行ってみました」の声が多数

お客様から「産地に行ってみました」の声が多数

――実際に「いいもの探訪」をオープンしてみて、お客様からの反応はどのようなものがありますか?

上野:お客様から直接問い合わせを受けているため、私も話す機会が多いのですが、当初のコンセプト通りに「サイトで買ったものを食べたらおいしかったから、愛知の豊田にあるお茶屋さんに行ってみました」、「三重のきんこ芋を買って食べて気に入ったから、三重のお店まで行っちゃいました」など、本当にその土地に行っていただいている方が多数いらっしゃるんです。お客様にきちんとコンセプトが伝わっているのでうれしいですね。


宍戸:生産者からも多くの共感を得られています。最初はこだわって少量だけつくっているからこそ、「お店の分で終わってしまうからサイトでは売れない」と掲載を断られるパターンも多かったのですが、今は生産者のほうから「こんなにおいしいものができたから売ってほしい」と言っていただくことも多くなりました。「一緒に地域を盛り上げていこうという思いでやっていることがうれしい」などの声もいただいています。また、お客様からも「うちのまわりにこんないいものがあるから載せて」と、問い合わせの連絡をいただくこともあります。

――コンセプト通りに「いいもの」が集まり、地域活性化にもつながっているんですね。このような順調な結果を出すために、これまでに改善してきたことはありますか?

宍戸:最初はカテゴリの分類が大枠となっており、お客様から「商品を探しづらい」というご意見をよくいただきました。そこでecbeingと相談しながら商品をよりスムーズに見つけられるようなジャンル分けをしようと、カテゴリ分けを細分化し、サイズ違いの商品をバリエーション機能でまとめて見やすくしました。その結果、お客様からは「探しやすくなった」「ストレスがなくなった」と言っていただけるようになりました。


カテゴリ分けを細分化


上野:ecbeingから提案いただいて、画像や文章をより多く掲載する「リッチページ」にも力を入れるようになりました。特に売り出していきたい商品について、文章量や画像を増やして、デザイン性を高くしたページをつくっています。最初に冬のカニをお試しでやってみたらとても売れたんですね。それでさらにジェラートもリッチページ化したらまた売れるようになったので、この提案は助かりました。


リッチページ

――さらなる購入率アップのための施策は?

上野:「いいもの探訪」は一度買っていただくと、リピーターになってくださるお客様が多いので、まずはまだ買ったことがない方に購入のハードルを下げてお試しいただけるよう、カスタマイズでクーポン機能を追加しました。あとはギフトの需要が多いことがわかったので、お客様に熨斗や手提げ袋の種類をサイト上で選んでもらい、その情報が生産者にメールで連携するようカスタマイズしました。京都の熨斗は特殊で、エリアが違うと熨斗の種類も異なるため、間違いがないよう十分に注意しています。これも産地直送の「いいもの探訪」ならではの施策だと思います。


宍戸:最近は法人需要に対応できるように領収書のカスタマイズもしました。今までは手書きで領収書を発行していましたが、ネットでダウンロードできるようになって好評をいただいています。



リアルからネットへの動線づくり

リアルからネットへの動線づくり

――今後の「いいもの探訪」の展望やビジョンを教えてください。

宍戸:現状では、商品の入れ替えの頻度や季節への対応など、コンテンツの充実化についてやり切れてないところがまだまだあります。そこを深掘りしていきたいので、細かいところを日々変えています。あとはリアルを使いながらネットに来てもらうことを進めていきたいです。去年初めて8月にジェイアール名古屋タカシマヤで「いいもの探訪フェア」をやったところ売れ行きがよかったので、今年も第2回を開催します。リアルの場で「いいもの探訪」の存在を知ってもらって、ECでも購入するという流れをつくっていきたいと思っています。

またせっかく素晴らしいシステムを持つことができたので、当社グループ全体で使えるプラットフォームにしていきたいですね。これまで鉄道部品を販売する「JR東海鉄道倶楽部」や「新幹線なるほど発見デー」の各イベントへのネット申込受付、当社グループの株式会社ジェイアール東海ツアーズによる「IDOLiSH7 OFF/旅」の関連商品の販売など、「いいもの探訪」のシステムを活用して様々な取り組みを行ってきました。今後も少しずつ広げていきたいと思っています。

――ありがとうございました。最後に、今後ECサイトをリニューアル、またはオープンする企業に向けてアドバイスをお願いします。

宍戸:発注前に一回、ecbeingの方と飲みに行くといいと思います(笑)。私たちは本当にECの素人だったので、飲みの席でざっくばらんに疑問点を何でも聞いたところ、丁寧に教えてもらえました。コミュニケーションが気軽に取れる関係になると、ECサイトの立ち上げもうまくいくのではないでしょうか。



――



東海旅客鉄道株式会社

事業推進本部 課長代理(新規事業)

地域活性化プロジェクト シニアプロデューサー

宍戸聡朗(ししど としあき)


東海旅客鉄道株式会社

事業推進本部 主席(新規事業)

地域活性化プロジェクト アシスタントプロデューサー

上野美奈(うえの みな)



⇒「いいもの探訪」のサイトはこちら


●取材・文:廣田喜昭




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