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吉野家がECサイトリニューアルで在庫顧客の一元化。利便性も強化し離脱率が大幅に減少。

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▼導入システム・サービス
メルカート , visumo

1899年の創業以来、「うまい、やすい、はやい」というコンセプトの元で、味へのこだわりを守りながら進化を続けてきた株式会社吉野家。新たな商品を生み出すことにも注力し、外食No.1のサービスの実現を目指して努力を重ねている。
同社は、メルカートで2018年7月にECサイトをリニューアルオープン。今回は諏訪さん、木村さん、寺澤さんにリニューアルの背景や具体的な改善点、その後の変化などについて聞いた。

吉野家 基本情報

<社 名>

株式会社吉野家

<設立年月日>

2013年12月26日

<事業内容>

牛丼「吉野家」のチェーン展開

<従業員数>

1,336名、パート社員数(8時間換算)8,624名 ※2018年8月31日現在

<資本金>

1,000万円

<所在地>

〒103-0015 東京都中央区日本橋箱崎町36番2号Daiwaリバーゲート18階

Tel:  03-5651-8601(代)



新しいお客様に吉野家の味を届けるため、EC事業をスタート

 新しいお客様に吉野家の味を届けるため、EC事業をスタート

――吉野家さんでは、2013年から自社ECサイト(吉野家公式通販ショップ)の運営をスタートされています。その狙いや背景について教えていただけますか?

寺澤:主な狙いは、新たなお客様に吉野家の味を知ってもらうことにあります。吉野家の店舗のお客様は40〜50代の男性が中心です。それが25年ほど前に生協を中心に冷凍牛丼を販売していたところ、主婦層の方から多く購入いただけました。このことから、販売チャネルを変えることで、別のお客様層にもアプローチできることを実感しました。

そこで、より多くのチャネルで、さまざまなお客様に商品を届けたいという想いから自社でのEC事業をスタートさせました。

――ECでの主力商品はやはり『冷凍牛丼の具』ですか?

木村:はい。『冷凍牛丼の具』が一番人気で、特にお得な「初めての方限定セット」を購入される方が多いですね。

また、『冷凍牛丼の具』以外の商品も好評をいただいています。自社ECサイトでは、豚丼の具や焼肉丼の具をはじめに、親子丼の具など店舗で扱っていないメニューを含めて幅広く取り揃えています。

また、EC限定のギフト商品も用意しています。例えば、2019年の父の日母の日ギフトとして販売した若狭塗の吉野家オリジナル箸と吉野家の丼のセットなどのように、今後もバリエーションを増やしていく予定です。

――「吉野家」といえば誰もがなじみのある牛丼ブランドですが、改めて商品へのこだわりや競合他社との違いについて教えてください。

寺澤:EC商品、店舗提供メニューを問わず、私たちが何よりも大切にしているのが品質へのこだわりです。

具体的には食材、特に牛肉の品質にこだわっています。吉野家の牛丼に使っているのは、私たちが牛丼にもっともふさわしいと考える、穀物飼育した牛です。牧草だけで育った牛に比べて臭みが少なく、また吉野家の秘伝のたれにもよく合うことから、私たちが理想とするおいしい牛丼に仕上げることができます。

もちろん、米や玉ねぎなどそのほかの食材もすべて厳選されたものです。店舗でもECでも「毎日食べられる牛丼」を提供することに尽力しています。



2年かかったリニューアルのパートナー選び。ecbeingに決めた理由とは?

2年かかったリニューアルのパートナー選び。ecbeingに決めた理由とは?

――ECサイトの運営開始から約5年後、2018年にリニューアルを実施していますが、どのような課題がきっかけになったのでしょうか。

木村:ひとつは、ユーザーの利便性の向上です。以前のサイトはパソコンからでないと使いづらい仕様で、スマートフォンからだとテキストや画像を見る際に、その都度拡大して見なければなりませんでした。その為、スマホユーザーの増加に合わせてスマートフォン向けにデザインやユーザビリティを最適化したいと考えました。

もうひとつは、運営側の管理の効率化です。私たちは自社ECサイト以外に、いくつかのECモールでも商品を販売していますが、リニューアル前は在庫やお客様情報などをモールごとにバラバラに管理していたため、お客様から問い合わせを受けた際にもスムーズな対応ができていませんでした。それを一元管理することで、サービスの質をより高めるとともに、運営にかかる工数を削減したいと考えていました。

そのほか、Tポイント機能の実装なども課題としてありました。


諏訪:実は、これらの課題を感じてリニューアルを検討し始めたのは2016年頃からだったのですが、依頼するベンダー選びに時間がかかってしまいました。一度は開発段階まで進みましたが、ベンダー都合によりプロジェクトが頓挫してしまったという経緯があります。そのため、リニューアルの検討を始めてから、最終的にecbeingさんにお願いすることが決まるまでに2年以上かかったことになります。

――開発以前のパートナー選びで相当苦労されたのですね。そうした中でecbeingに決められた理由は何だったのでしょう?

諏訪:まず、Tポイントや、セールスフォースドットコム社のMarketingcloudとの連携など、弊社が実装したかった機能に対応できること。さらに、それらの機能実装に対応できるサービスの中でも、ecbeingさんは当社に合ったリニューアルの在り方を一緒に考え、提案してくださったことが理由です。

ecbeingさんにお願いしようと決めたときは、すでに「半年後にリニューアルオープンする」というタイムリミットが決まっている状況でした。そのことを踏まえ、最初にecbeingさんと当社で、半年間で確実にできることを明確化し、その上でecbeingさんに「それ以外の必要な機能はアップデートで対応しましょう」と提案いただきました。最初に何もかも入れようとしていたら、きっとトラブルが起きていただろうと思います。


また、当社が採用した『メルカート』は、標準機能の範囲で実現できることの幅広さに魅力を感じました。インスタグラムのユーザー投稿を活かす「visumo(ビジュモ)」は私たちが作りたいコンテンツのイメージにマッチしていましたし、サイトのデザインにおける豊富なテンプレートや管理画面の使いやすさなどにも惹かれました。SaaS型で自動的にバージョンアップされる点もメリットが大きいと感じました。ecbeingのパッケージ版も検討しましたが、私たちがやりたいことはメルカートの標準機能で十分実現できると思いました。

――いざリニューアルに向けて開発が始まってから、オープンに至るまでに苦労された点はありましたか?

諏訪:それが、まったくといっていいほどなかったんです。私たちの場合、パートナー選びに苦労した分、要件や必要な機能の優先順位がしっかり固まっていたことも大きいと思います。開発そのものはecbeingさんにすべてお任せで、オープンまでスムーズに進んだ印象です。



離脱率が大幅に減少。リニューアル後に見えたユーザーのポジティブな反応

離脱率が大幅に減少。リニューアル後に見えたユーザーのポジティブな反応

――予定どおり、開発スタートから約半年後にリニューアルオープンされましたが、お客様の反応も含めて、変化はありましたか?

諏訪:リニューアルに関してお客様からの声を直接聞ける機会は少ないのですが、データから、離脱率が以前に比べて大きく改善していることがわかっています。ユーザーを迷わせない、使いやすいサイトになっているという証拠だと思っています。


visumoに関しても、バリエーション豊富な投稿が増えてきている印象です。例えば、食卓のおかずとしてだけでなく、お弁当にも牛丼の具を利用いただくなどのアイデアも投稿されるようになっています。

また、visumoではどの投稿からコンバージョンしたかというデータも調べられるのですが、中には多く売り上げにつながっている投稿も出てきています。皆様に楽しんでいただける、効果的なコンテンツになっているという手ごたえがありますね。

――運用面で、特に使い勝手がよい機能などはありますか?

諏訪:分析機能はとても便利です。集計が早くて正確な上、管理画面が見やすくて、知りたいデータをすぐに調べることができます。よくチェックするデータとしては、カゴ落ち(ユーザーが商品をカートに追加したまま離脱すること)やスマホユーザーの割合、デバイス別の購入単価など。分析が容易になったことで、次のアクションに動きやすくなりました。現在はまだ使えていませんが、今度はABテストの機能を活用して、デザイン別のコンバージョン率の違いなどを検証していきたいと思っています。


木村:諏訪もいうとおり、管理画面は全体的に大変使いやすいですね。「もしかしたらこういう機能も使えるかも?」と、自分でいろいろ実験してみたくなるほどです。先日も、予約販売商品の設定を試してみました。ただ、弊社の場合はカスタマイズを入れている為、少し調整が必要だったみたいで、エラーが出てしまったんですよね。でも、すぐにecbeingさんに連絡してフォローしていただきました。


諏訪:サイトの機能の利便性はもちろんですが、それ以上にecbeingさんの手厚いサポートはありがたいです。開発過程だけでなくリニューアル後も、当社の問い合わせに素早く丁寧に対応いただき、私たちも安心して運営できています。

特にオープン当初は、ユーザーへのトランザクションメールが送られなかったり、モールから取り込まれてこないデータがあったりと、いくつか調整が必要な部分もありましたが、即対応していただけたので助かりました。



ECサイトで“未来のお客様”をつくる

ECサイトで“未来のお客様”をつくる

――ユーザーにとっても運営側にとっても使いやすいECサイトにリニューアルした上で、これからどんなサービスにしていきたいか、今後のEC事業における展望について教えてください。

諏訪:現状は吉野家のコアなファンの方を中心に利用いただいていますが、やはり、そもそもEC事業を立ち上げたきっかけである「新しいお客様に吉野家の味を届ける」ということに、より注力していきたいです。

例えば、ブログ機能などを使って公開している、ECサイトで購入できる商品を使ったアレンジレシピの数を増やしたり、食材や味のこだわり、商品の安全性や利便性をもっとしっかりと伝えていくためのコンテンツを拡充しなければならないと考えています。


木村:新しいお客様の中でも、特にお子様のいる30〜40代女性の手に届けたいという想いがあります。お子様に小さな頃から吉野家の味に親しんでもらい、吉野家の長いファンになってもらうのが狙いです。ご家庭で吉野家の牛丼を初めて食べていただき、そのお子さんが成長して大きくなったときに、自分のお小遣いを使って吉野家の店舗で食べてもらう。それが、私たちが考えるECサイトと店舗の理想的な関係のひとつです。


寺澤:加えて、現在のEC事業は会社全体で見ればまだまだ売上の規模が小さいので、今後インパクトのある数字を達成したいという目標もあります。そのために、新たなECモールへの出店など、販売チャネルの拡大も計画しているところです。

――最後に、これからEC事業を始める企業にアドバイスをお願いします。

諏訪:繰り返しになりますが、当社のリニューアルがスムーズに進んだのは、要件がしっかり固まっていたこと、またリリース時に実装する機能を絞ったことが大きな要因だったと思います。必要な機能とその優先順位はもちろん、運営にあたっての社内体制なども含めて、依頼前に丁寧に検討し、決めておくことが重要ではないでしょうか。


木村:私たちの場合はリニューアルの検討を始めてからオープンまでに約3年近くかかりました。開発のパートナー選びはそれほど大変なんです。開発時だけでなく、その後の運用にも関わってくることですから、時間や手間をかけても、信頼できる相手を選ぶことが何より大切だと思います。当社がecbeingさんに出会えたように、自社と相性の合うパートナーを見極めていただきたいですね。



――



株式会社吉野家

諏訪和博(すわ かずひろ)


株式会社吉野家

木村陽子(きむら ようこ)


株式会社吉野家

寺澤裕士(てらさわ ゆうじ)



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●取材・文:塩見 駿介




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