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【22年下期最新版】化粧品・コスメECサイトの市場規模と構築ポイント
構築・リニューアルを成功させる秘訣を最新事例と共に深掘り

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更新日:   公開日:

化粧品やコスメを製造するメーカーや、販売するドラッグストアでも近年EC化が進んでおり、多くの化粧品・コスメをECサイト上で購入することが可能になりました。また、2020年の新型コロナウイルス感染拡大による生活様式の変化などもあり、ECという販路は注目が集まっています。
今回は、市場規模などの現状や最新の事例などから、化粧品・コスメECサイトの構築・リニューアルを成功させるためのポイントを解説していきます。

化粧品やコスメを製造するメーカーや、販売するドラッグストアでも近年EC化が進んでおり、多くの化粧品・コスメをECサイト上で購入することが可能になりました。また、2020年の新型コロナウイルス感染拡大による生活様式の変化などもあり、ECという販路は注目が集まっています。
今回は、市場規模などの現状や最新の事例などから、化粧品・コスメECサイトの構築・リニューアルを成功させるためのポイントを解説していきます。


化粧品・コスメECの市場規模とEC化率

経済産業省が発表した『令和3年度 電子商取引に関する市場調査 報告書』によると、2013年から2021年にかけて日本国内の物販系分野のBtoC ECの市場規模は2倍以上増加し、EC化率も5%近く伸長しており右肩上がりで成長を続けています。


出典:経済産業省 商務情報政策局 情報経済課(2022)
令和3年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)報告書

化粧品・コスメのEC市場もBtoC EC全体の市場規模と比例して拡大傾向にあります。経済産業省のデータでは医薬品業界と合算された数字にはなりますが、2019年に6,611億円だったECの市場規模は8,552億円に、EC化率も6%から7.52%まで伸びているというデータが出ています。

市場規模 EC化率
2019年 6,611億円 6.00%
2020年 7,787億円(+1176億) 6.72%(+0.72%)
2021年 8,552億円(+765億) 7.52%(+0.80%)

化粧品、医療品のBtoC ECの市場規模とEC化率の推移
令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)報告書、令和3年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)報告書を基に作成

化粧品・コスメECが伸び悩んでいる理由

化粧品・コスメのEC化率は、BtoC向けの物販分野の中でもやや低い傾向にあります。

分類 2020年 2021年
史上規模
(億円)
EC化率
(%)
市場規模
(億円)
※下段:昨年比
EC化率
(%)
@ 食品、飲料、酒類 22,086
(21.13%)
3.31% 25,199
(14.10%)
3.77%
A 生活家電、AV 機器、PC・周辺機 器等 23,489
(28.79%)
37.45% 24,584
(4.66%)
38.13%
B 書籍、映像・音楽ソフト 16,238
(24.77%)
42.97% 17,518
(7.88%)
46.20%
C 化粧品、医薬品 7,787
(17.79%)
6.72% 8,552
(9.82%)
7.52%
D 生活雑貨、家具、インテリア 21,322
(22.35%)
26.03% 22,752
(6.71%)
28.25%
E 衣類・服装雑貨等 22,203
(16.25%)
19.44% 24,279
(9.35%)
21.15%
F 自動車、自動二輪車、パーツ等 2,784
(16.17%)
3.23% 3,016
(8.33%)
3.86%
G その他 6,423
(16.95%)
1.85% 6,964
(8.42%)
1.96%
合計 122,333
(21.71%)
8.08% 132,865
(8.61%)
8.78%

出典:経済産業省 商務情報政策局 情報経済課(2022)
令和3年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)報告書

EC化が進んでいるアパレルや、生活雑貨、家具、インテリアといった分野のEC化率が軒並み20%を超えているのに対して、化粧品・医療のEC化率が7%ほどなので伸び悩んでいるということが分かるのではないでしょうか。 化粧品ECが伸び悩んでいる要因は、主に3つの課題があると考えられます。

@商品の特性

化粧品やコスメには、色や香り、自分の肌に合うのかどうかなどを実際に店舗に足を運んで試さなければ判断がすることが難しいという特性があります。特にデパートなどの百貨店で販売されている「デパコス」と呼ばれる高価格帯の商品はよりその傾向があります。実際に商品を試すだけではなく、販売員からのアドバイスをもらいながら購入したいというニーズが多いということが、ユーザーがECに流れない要因の一つとなっています。

A利便性

「プチプラコスメ」と呼ばれる低価格帯の商品を中心に、ドラッグストアやコンビニエンスストア等でも化粧品を購入することが可能です。ECサイトには好きな場所・時間で注文できるというメリットがありますが、商品の到着までに時間や送料を要するという点で商品を手軽に購入できるドラッグストアやコンビニに利便性で劣っているため、マッチしないということもあります。

BWEBマーケティングが難しい

化粧品ECは競合企業が多いレッドオーシャン市場であり、かつ広告費も高騰していることからWEBマーケティングが難しい市場です。
また、広告コストを抑えるための施策として、アフィリエイトサイトと呼ばれる口コミサイトを作るという方法もありました。しかし、化粧品などの健康分野において信頼できない記事が上位に入ってくることが多くなったこともあり、Googleでは企業公式サイトやAmazonや楽天といったショッピングモールが検索上位に表示されるアルゴリズムになっており、Yahoo!でもアフィリエイトの広告出稿が禁止になるなど、上位にサイトを表示させるためには専門性が高いコンテンツを準備しなければならなくなりました。

こうしたこともあり、化粧品やコスメを取り扱うECサイトで売上を出すことは難しいです。しかし近年では、従来の化粧品ECのウィークポイントを払拭する取り組みが続々と誕生して、WEBにシフトする企業も増えてきています。
この後は実際の各社の取り組みを含め、化粧品・コスメECを成功させるためのポイントを3つに分けてご紹介していきます。

化粧品・コスメECを成功させるポイント@(マーケティング施策の実施)

デジタルカウンセリングサービス

従来では実店舗でしか試すことができなかった化粧品をオンライン上で試すことができる、スマートフォンで撮影した顔写真からAIが最適なメイクを提供するサービスなどから、各社がユーザーに体験できるサービスを提供しています。

KOSEでは、デジタル施策の一つとしてオンラインサイト「「Maison KOSÉ(メゾンコーセー)」の中で「メイクアップシミュレーター」というサービスを提供しています。このメイクアップシミュレーターを活用することで、スマートフォン等で撮影した自分の顔写真を使ってオンライン上で簡単にメイクを試すことができるようになりました。
また、こうした技術の活用はECだけにとどまらず、店頭のカウンセリングでもメイクのデジタルカウンセリング機能の一部を利用し、カウンセリングサービスをオンラインとオフライン相互で活用することができるようになります。

KOSEの事例について詳しくはこちら
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オンライン接客

化粧品やコスメの店頭購入のニーズが高いのは、実際に商品を体験できるという点もありますが、もう一つのポイントとして化粧品のプロである美容部員(ビューティーアドバイザー)によるカウンセリングや商品の説明・レクチャーといったサービスもあるからと言えます。
ECで商品を購入する際は、自分で欲しいものを探して商品詳細から理解をしていくというプロセスが必要でしたが、この流れも化粧品・コスメのECサイトでは新たな動きがあります。それがオンライン接客です。

大丸松坂屋百貨店が展開する「DEPACO(デパコ)」では、ビデオチャットを使って美容部員から1対1のカウンセリングを受けられる「オンラインカウンセリング」を無料で提供しています。

大丸松坂屋百貨店の事例について詳しくはこちら
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SNSやコンテンツの活用

使い方などを実演しながら商品の魅力を発信することが増えたという点で、SNSやコンテンツの活用は化粧品やコスメと切っても切り離せない要素となってきています。

KOSEでは、InstagramやYouTubeにアップした写真や動画コンテンツを手軽に自社サイトで活用できるビジュアルマーケティングツール「visumo」を活用し、様々なデジタル施策を実施しています。
まずは自社のInstagramに掲載した画像コンテンツをECサイト上にも掲載し、コンテンツの充実化を図っています。また、商品の実演など「動画コマース」と呼ばれる長尺の動画コンテンツに関しても、visumoを利用することでチャプター分けを行いながらユーザーが見たい商品説明に簡単に辿り着けるようになりました。
こうした化粧品・コスメ業界のECにおけるvisumoの活用方法は、自社で発信したコンテンツのみではありません。近年ではUGCコンテンツと呼ばれる、自社で撮影することができないユーザーが投稿した写真を活用してECサイト上に掲載する新しい取り組みも積極的に行われています。

ECサイト上におけるコンテンツの活用は、SNSで掲載したものだけではなく自社サイト向けに制作したものを利用するというやり方もあります。
「DEPACO」では、コンテンツを読んで気になった商品を購入してもらう流れを作るべく、商品紹介のみならず占いや有名人へのインタビュー記事などエンターテイメント性のある様々なジャンルの読み物コンテンツを掲載しています。

メインコンテンツに表示できる商品には限界がありますが、SNSを活用することでなかなか目に留まりにくい商品にフォーカスをあてることも可能です。そして、情報発信という意味合いでもメーカーが推奨する以外のユーザーがおすすめする利用方法や使用感などを伝えることになりユーザーのレビューと同等の効果をもたらすことが可能になります。

ビジュアルマーケティングツール「visumo」について詳しくはこちら

化粧品・コスメECを成功させるポイントA(信頼性のアピール)

ユーザーレビューの活用

ECサイトでの買い物は、ユーザーが実際に商品を手に取ることができないため、不安を感じるという方も多くいらっしゃいます。また化粧品・コスメに関しては、特に従来の商習慣であった体験ができないこともあり、なかなかECでの買い物に気が進まないという方も多いかと思います。
こうした不安取り除いて安心して商品を購入してもらうために、事業者は信頼性をアピールする必要があります。ここで生きてくるのがユーザーレビュー(口コミ)です。これは化粧品・コスメ業界だけではなく、全てのECサイトでもとても重要なコンテンツではないでしょうか。

「THE BODY SHOP」の公式オンラインショップでは、レビュー最適化ツールReviCoを導入したことで、レビューの投稿数が導入前と比較して11.83倍、5段階評価の★は平均約4.3から4.6に向上したという結果が出ています。

こうして得たユーザーレビューの活用法はECサイト上のコンテンツにとどまりません。例えば、ECサイト上での購入体験に関するレビューであればサイトのサービス品質の向上に、実際に商品を使用した時の感想などのレビューであれば商品開発に活用することもできるのです。

THE BODY SHOP他ReviCoの事例のついて詳しくはこちら
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化粧品・コスメECを成功させるポイントB(リピーターを増やす)

ECサイト上での定期購入の展開

化粧品・コスメは消耗品のため、ユーザーは定期的に商品を購入する必要があります。こうしたユーザーの商習慣に対応すべく、ECサイト上で定期購入のサービスを展開する事業者が増えています。
定期購入は商品の買い忘れを防ぐなどユーザーのメリットはもちろんのこと、EC事業者にとっては安定したストックとなり、収益の見通しがしっかりと立てられる優良ユーザーを確保することが可能です。

こうした優良ユーザーに同じ商品を定期的に購入してもらうだけではなく、色々な商品を購入してもらえるリピーターになってもらうために様々なメリットを提供している化粧品・コスメECサイトが多くあります。具体的には初回購入時の割引や、他の単品商品の同時購入値引き、定期購入ユーザーのみへのクーポン配布、回数を重ねることによるインセンティブなどがここに該当します。

新規顧客の獲得に要する費用は既存顧客の5倍かかると言われているので、定期購入を活用することでそのコストを抑えつつリピーターを増やすことが、安定的な売上を上げることに繋がっています。

プレミアアンチエイジング株式会社が展開している化粧品ブランド「DUO」の公式通販サイトでは、商品を特別価格で販売する定期便を展開しています。

ecbeingで構築した化粧品・コスメECサイトの成功事例

ecbeingには1,500を超えるECサイト構築実績があり、化粧品・コスメを扱うサイトの構築も多数経験しています。今回はその中でも特に皆さんにご紹介したい、化粧品・コスメECサイトの成功事例を3つピックアップしました。

株式会社コーセー

2019年11月にコーセーの保有するブランドを集約し機能を充実させたオンラインサイト「Maison KOSÉ」を立ち上げ、12月には同名のコンセプトストアをオープンしました。「メイクアップシミュレーター」の提供や実店舗の販売スタッフのオムニチャネル化を推進するアプリケーションサービス「STAFF START(スタッフスタート)」の実装など様々な施策を行っています。

KOSEの事例について詳しくはこちら
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株式会社ミルボン

美容室向けヘア化粧品で日本最大手の株式会社ミルボン。
BtoBtoC向けのECサイトを構築し、サロン様にちゃんと売上が計上され、顧客も普段通っているサロンから購入しているような状況、かつ物流から裏側の請求モデルは既存の商流を変えない形で作ることを意識されたビジネスモデルになっています。

KOSEの事例について詳しくはこちら
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株式会社社大丸松坂屋百貨店

大丸松坂屋百貨店ではリアルとEC、オウンドメディア機能を組み合わせたメディアコマースサイト「DEPACO」を、2022年3月にリニューアルオープンしました。
DEPACOでは商品の魅力を発信してファンを創出するコンテンツだけではなく、美容部員のリソースを活用したオンライン接客や、自社倉庫を活用してオーダーが入り次第スピーディーな出荷を実現させています。

大丸松坂屋百貨店の事例について詳しくはこちら
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まとめ

日本国内における物販系のBtoC ECは市場規模、EC化率共に右肩上がりで伸び続けています。化粧品・コスメECも成長を続けてはいますが、全体から見るとやや低い傾向です。
商品特性や実店舗の利便性の違いといった理由から化粧品ECは伸び悩んでいましたが、近年ではマーケティング施策を行ったり、ユーザーレビューの活用、定期購入の展開など様々な施策を行う事業者が増えています。
こうした化粧品・コスメ業界でECを活用してDX化を推進していく動きは今後もさらに進化していくことが予想されます。
化粧品ECの新規構築やリニューアルを検討中の方は、今回の記事や他社の事例などを参考にしながら、自社の独自の施策を行うECサイトを検討してみてはいかがでしょうか?
化粧品・コスメのECサイトの構築・リニューアルに関して、気になることがあればお問い合わせください!




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