
- BtoB TOP
- BtoB ECノウハウ記事
- 法人向けPCの販売を成功させる!ECプラットフォーム構築ガイド
法人向けPCの販売を成功させる!ECプラットフォーム構築ガイド

2024年以降、製造業ではDX(デジタル化)が急速に進み、人手不足や高齢化、リモート対応など部品調達の環境も大きく変わっています。製造業で使われる工作機械の部品の注文は、今も多くが電話やFAXなどアナログな方法です。そのため、「必要な部品を探すのが大変」「見積もりに時間がかかり、チャンスを逃す」などの課題があります。こうした問題を解決するために、BtoB向けのECサイト(ネット通販)の導入がおすすめです。
この記事では、BtoB ECサイトの導入メリットをわかりやすく紹介します。
デジタル化・DXの進展により、法人向け業務用PCの販売チャネルとしてECサイトの活用が加速しています。これまで法人営業中心だったPC販売も、効率化・顧客体験の向上を目的に、オンラインチャネルの整備が必須となりつつあります。一方で、法人向け商材ならではの「商品構成の複雑さ」や「見積?納品までの商流の長さ」「支払い方法の特殊性(売掛対応など)」など、一般的なBtoC向けECとは異なるハードルも多く存在します。そうした背景を踏まえ、本記事では法人向け業務用PCを販売するためのECプラットフォーム構築のポイントを解説します。
なぜ今、法人向けPC販売にECが必要なのか?
営業効率の向上とDX推進の両立
これまでの法人営業は訪問や電話、FAXなどのアナログな手法に頼ることが多く、非効率さが課題となっていました。しかしコロナ禍をきっかけとして業務改革が進み、法人顧客の間でもオンラインでの購買ニーズが急速に高まっています。ECサイトを活用すれば、24時間365日いつでも見積もりや発注、納品状況の確認、再注文などが可能となり、営業コストを大きく削減することができます。これにより、営業効率の向上とDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を両立することが可能となっています。
購買担当者の世代交代と購買行動の変化
近年、法人の購買担当者が若年化しつつあり、まずはWebで情報収集を行い、複数の選択肢を比較検討してから購買を決定するというスタイルが主流になっています。情報の非対称性が減少している現代では、オンライン上で十分な情報を提供し、購入までのプロセスを整備することが、顧客からの信頼獲得に直結します。
法人向けPC販売ならではの課題とは?
BTO対応やスペック条件の多様性
法人向けPCは、設計や開発、事務用途、教育機関など、用途や業務内容によって求められるスペックが大きく異なります。そのため、BTO(Build to Order)への対応が不可欠です。CPUやメモリ、ストレージ、OSなどのカスタマイズに柔軟に対応できる設計が求められます。
決済方法の特殊性(売掛、請求書払い)
法人取引では、クレジットカード決済だけでなく、月末締め翌月払いなどの売掛や請求書払いが一般的です。こうした法人特有の決済スキームに対応できるECプラットフォームの構築が必要不可欠となります。
価格の可変性(契約価格、ボリュームディスカウント)
取引先ごとに契約価格が異なったり、購入数量に応じてボリュームディスカウントが発生するなど、価格設定が可変的であることも法人向けPC販売の特徴です。こうした複雑な価格設定に柔軟に対応できる仕組みが求められます。
在庫・納期の柔軟な管理
法人取引では、納期指定や在庫調整の精度が非常に重要です。リアルタイムでの在庫連携や、出荷条件の細分化、さらには分納対応など、柔軟かつ高精度な在庫・納期管理が必要とされます。
法人向けPC販売に最適なEC構築の要件
法人向けのEC構築には、以下のような要件を満たすことが重要です。
@ 顧客別価格・商品表示対応
法人向けECでは、ログインした顧客ごとに個別の価格や在庫状況、キャンペーン情報などを表示できる仕組みが必須となります。また、組織内の部署や担当者の権限によって購入可能な商品を制限したり、申請フローを管理することも重要です。これにより、社内ルールや取引条件に即した柔軟な運用が可能になります。
A 複雑な商品構成への対応
・法人向けPCの場合、BTO(Build to Order)に対応するために、多様な構成パターンを自動生成できるシステム設計が求められます。さらに、ユーザーが必要なスペックを簡単に絞り込んだり、複数モデルを比較できる機能も重要です。こうした仕組みによって、専門性の高い商品選定もスムーズに行うことができます。
B 売掛・請求書決済機能
法人取引に欠かせないのが、売掛や請求書払いなどの決済方法です。ECサイト上で与信管理や回収管理と連携できる機能を備えることで、社内の運用負担を軽減し、取引の信頼性も高まります。また、購買申請や承認などの社内ワークフローとも連動させることで、決裁プロセスを効率化することができます。
C 見積・注文書作成機能
・見積書や注文書の作成機能も、法人向けECサイトには欠かせません。カートに入れた商品をそのまま見積書として出力したり、顧客側が見積書をダウンロードし、上長による確認や承認をスムーズに行える仕組みが求められます。これにより、見積・発注のプロセスをオンラインで完結させ、業務効率の向上につなげることができます。
D ERPや基幹システムとの連携
在庫や出荷、請求、CRMなど、既存のERPや基幹システムとリアルタイムで連携できることも大きなポイントです。APIを利用することで、外部システムと柔軟に接続し、業務全体のデジタル化や自動化を推進することが可能となります。こうした連携によって、ヒューマンエラーの削減や運用負荷の軽減が実現できます。
PC販売特化型ECに強いプラットフォームとは?
カスタマイズ性 vs コスト vs スピードのバランス
法人向けPC販売のECサイトは、BtoCサイトよりも高いカスタマイズ性が求められます。しかし、スクラッチ開発では時間もコストも肥大化しがちです。
このバランスを取るためには、
・法人ECに特化したテンプレートを有する
・高カスタマイズ性とセキュリティを兼ね備える
・多くの実績を持ち、ノウハウが蓄積されている
といった条件を満たすプラットフォーム選定が重要です。
その点において、ecbeingは多数の法人向けEC構築実績を有し、短期間での立ち上げと柔軟な個別対応を両立できる点で選ばれています。
構築事例:業務用PC販売のDX成功パターン
ここでは、弊社が実際に手掛けた「VAIO公式 オンラインストア」の新規立ち上げ事例をご紹介します。
VAIO株式会社
独自の付加価値をお客様に直接届けることを目的に、Eコマースによるダイレクト販売へのチャレンジを開始されました。従来は主にパートナー企業を通じた販売が中心でしたが、独立をきっかけにオンラインで新たな顧客層へアプローチするため、ecbeingによるECサイトの構築をご採用いただきました。このプロジェクトでは、多彩なカスタマイズに対応するCTO(Configure to Order)機能の実現や、VAIOストア限定のオリジナル商品ラインナップ、PCとSIMの同時購入体験の提供など、他社にはない購買体験をECサイト上で形にすることに成功。基幹システムとの連携や、複雑な商品仕様・在庫管理、さらにはコールセンター・生産現場・本社・EC運営部門の多拠点連携など、全体最適化に向けた運用体制づくりもecbeingが徹底的にサポートしました。
リリース後は、想定以上の売上と顧客単価の向上を実現。オリジナルSIMの販売や高性能PCのカスタマイズ販売など、ストアならではの独自性を発揮し、安定稼働と高い顧客満足度を両立しています。また、社内外からの評価も高く、今後の新たなビジネス展開へ向けた基盤としても、非常に大きな価値をもたらしています。

法人向けPC販売ECの今後と拡張性
今後、業務用PC販売のオンライン化はさらに加速していくと考えられます。特に、ハードウェアと保守サポート、ソフトウェアをまとめて月額で提供する「Device as a Service(DaaS)」といったサブスクリプションモデルとの連携が重要になるでしょう。また、AIやRPAと連携し、顧客の業種や利用状況に応じたおすすめスペックの提案や、自動見積・自動発注機能の導入によって、さらなる業務効率化も期待できます。 加えて、ECで得られた購買データをCRMやSFAと連携させることで、営業活動の質の向上やデータドリブンな営業支援にもつなげることが可能です。
まとめ
法人向け業務用PCの販売においてEC化を進めることは、営業効率の向上、顧客満足度の向上、そして事業の持続的成長に不可欠な戦略です。特に、BTO対応、売掛決済、価格の個別設定といった法人特有の要件を満たすEC構築には、経験と実績を兼ね備えたパートナーの選定が鍵となります。
ecbeingでは、多くの法人向けECサイトを支援してきた知見をもとに、業種・商材・顧客ニーズに合わせた最適な提案が可能です。
法人向けPC販売のオンラインチャネル構築をご検討の際は、ぜひお気軽にecbeingまでご相談ください。
