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    日本電商が新規顧客獲得を目的にクローズドBtoB ECをオープン型に切り替え
    〜営業マンの協力を前提としたDX化でEC化率向上を実現〜

日本電商が新規顧客獲得を目的にクローズドBtoB ECをオープン型に切り替え
〜営業マンの協力を前提としたDX化でEC化率向上を実現〜

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公開日:

株式会社日本電商は、電設資材・設備機器を取り扱う総合商社で、より豊かな電化社会をつくるために、日々進化する電気に関するあらゆる産業資材を見出し、開発し、豊富な製品ラインナップで提供し続けています。

今回は、株式会社日本電商が運営する、防災機器を中心に販売するECサイト「防災機器.com(ぼうさいききドットコム)」について、サイト構築の背景や活用状況、クローズドサイトからオープンサイトに切り替えた背景、目的、戦略などについて株式会社日本電商 村尾 潤一 氏と 岡本 麻由子 氏にお話を伺いました。

左から
株式会社日本電商 岡本 麻由子 氏
株式会社日本電商 村尾 潤一 氏

業界/業種
電設資材、設備機器を取り扱う総合商社
運用形態
2024年にクローズド型で新規構築 → 2025年にオープン型へ切り替え
導入ソリューション
ecbeing BtoB
目的/課題
・電話などによるアナログな業務プロセスを改善したい。
・新規顧客の獲得を効率化したい。
導入効果
・サイト構築後1年以内で既存顧客のうち8割弱のアカウント開設に成功。
・オープン型への切り替えで新規顧客獲得に向けて始動。

株式会社日本電商は、電設資材・設備機器を取り扱う総合商社で、より豊かな電化社会をつくるために、日々進化する電気に関するあらゆる産業資材を見出し、開発し、豊富な製品ラインナップで提供し続けています。

今回は、株式会社日本電商が運営する、防災機器を中心に販売するECサイト「防災機器.com(ぼうさいききドットコム)」について、サイト構築の背景や活用状況、クローズドサイトからオープンサイトに切り替えた背景、目的、戦略などについて株式会社日本電商 村尾 潤一 氏と 岡本 麻由子 氏にお話を伺いました。

株式会社日本電商 基本情報

防災機器.com TOP

<社名>
株式会社日本電商
<設立>
1927年
<事業内容>
電設資材・設備機器、制御機器・FA機器卸売、防災防犯機器、環境システム住宅設備機器の卸売
<資本金>
2億63,00万円

営業現場の理解を得て実現したクローズドECサイトのオープン化戦略

クローズドサイトとして構築後、オープンサイトに切り替えられた背景を教えてください。

村尾氏:そもそもクローズドBtoB ECサイトの構築は、もともと既存顧客向けのアナログ業務プロセスを改善することが目的でしたが、将来的にはサイトをオープン化し、新規顧客の獲得にもつなげていきたいと考えていました。スタートをクローズド型で運営することにした理由としては、いきなりオープン型にしてしまうと、社内のオペレーションがまだ慣れていない状態で新規のお客様が入ってきてしまい、混乱が生じるリスクがあったためです。
既存のお客様の場合、信頼関係が構築できているため事前の共有や万一の際のご説明等をすることができますが、新規のお客様はこれから関係性を築いていくため既存のお客様と同じようにご説明することが難しいです。そのため、まずはクローズドサイトで既存のお客様の対応をしっかりとおこない、運用に慣れてからオープン化する、という流れを最初から想定していました。
実際、クローズドサイトをオープンしてから半年後にオープン化のキックオフをおこないましたが、営業の頑張りもあり、この時点で既存顧客の6割弱がアカウント開設を完了していたので、シナリオ通りに進めることができたと思っています。

サイト構築にecbeingを選んでいただいた理由について教えてください。

村尾氏:まずはecbeingの営業担当がとても信頼できる方だったことが大きな決め手でした。
非常に親身になって対応してくださって、ちょうど大阪にいらっしゃったということもあり、顔を合わせてじっくり相談できた点も信頼感につながりました。
ECプラットフォーマーは東京の企業が多く、どうしてもやり取りがオンライン中心になりがちですが、直接会って細かい話までできたことで安心してお任せできると感じました。
また、BtoBの商習慣をしっかり理解されていた点が、とても好印象でした。他社サービスとも比較しましたが、他社はどちらかというとBtoC向けの機能が多く、掛け率の話など、細かな法人間取引独特の商習慣についての話が通じづらい部分もありましたが、ecbeingさんは専用でのBtoB ECシステムをお持ちで合ったこともあり、細部まできちんと伝わりスムーズに進めることができました。

当初クローズドサイトとして新規構築されましたが、今までと業務フローが変わり、社内に関して理解を得ることに苦労するケースがあると思いますが、営業マンの協力を得るために工夫されたことなどございましたか。

村尾氏:当初は、営業の中でも反対の声が多かったです。ECサイトというと、どうしてもアマゾンや楽天のようなオープンサイトを想像する人が多く、クローズドサイトのイメージを持てない方が多かったため、営業する側にとって都合の悪いことが発生してしまうのではないかという先入観があり、なかなか理解が得られない部分がありました。
また、反対意見が多かった背景には、もともとecbeingさんのシステムを導入する前に使っていた別のシステムの使い勝手があまり良くなかったという事情もあります。その時は営業も積極的にお客様に勧められず、実際にお客様からクレームをいただくこともありました。

一方で、営業の業務担当者は注文処理などの手続きをもっと効率化したいという思いが強く、業務部門と一緒にチームを組んで業務効率の向上を目指して進めていきました。結果的に、その点をしっかりアピールできたことが、プロジェクトをうまく進めるポイントになったと思っています。

実際にサイトが出来上がってみると、想像以上に良いものができ、お客様からの評判も非常に良かったです。今回、商習慣に合った、本当に営業や現場が「こういうものが欲しい」と思えるECサイトができたことで、営業も自信を持ってお客様に提案できるようになり、結果として利用も増えていったのかなと思います。

防災機器.comにおける既存顧客のEC化とサイト機能改善のポイント

御社の営業マンが既存顧客を回られて、短い期間でアカウント開設できたと伺っていますが、全既存顧客のどのぐらいの割合をEC化(アカウント開設)できたのでしょうか。

岡本氏:既存顧客のうちアカウント開設できた顧客の割合は、オープンから半年で6割弱、1年で8割弱ほどになります。
やはりこれまで使っていたシステムから新しいECサイトに切り替えてもらうのは、なかなか簡単ではなかったです。特に、今までのやり方に慣れているお客様は、新しいものを取り入れること自体に苦手意識があったのではないかと思います。ただ、実際に営業マンが新しいECサイトを紹介して、実際に使ってもらうと、「あ、前のより断然使いやすい!」と、すぐに受け入れてもらえた印象があります。
また、お客様側でも働き方改革や、若い方を中心に興味をもっていただけたことも促進できた要因の一つかと考えています。

既存顧客が「防災機器.com」をご利用いただくために、アナログ受注の際にはなかったメリットや使いやすさが必要かと思いますが、工夫された機能や見せ方などを教えてください。

岡本氏:一番大きいのは、在庫の有無や取り寄せ品かどうかがECサイト上で確認できるようになっている点です。我々の強みは「豊富な在庫」なのですが、これまでは電話などで問い合わせてもらわないと、お客様も本当に在庫があるのか確信が持てませんでした。でも今は、サイトで商品の在庫を確認していただければ納期もかからずにすぐ納品できるので、ここは大きなメリットだと思っています。

また、商品詳細ページにも工夫があります。弊社のお客様は、よく「この商品の図面が欲しい」や、「図面を確認したい」とおっしゃるのですが、今は商品ページから図面もすぐに手に入れられるようになっています。わざわざメーカーのサイトで品番を入力して探す手間が省けて、ECサイト内ですべて完結できるのは、やはり便利だと思います。

商品詳細ページ>「商品ページはこちら」をクリックでメーカーのサイトに遷移

また、商品ページの下には「この商品を買った人はこんな商品も買っています」といった関連商品を並べています。我々のお客様はセットで買う商品が多いので、関連商品を分かりやすく並べておくことで、品番をいちいち探す手間がなくなりますし、買い忘れも防げるため、こういったところも工夫しているポイントですね。

商品詳細ページの「関連商品」

オープンサイトに切り替えるにあたり、新規顧客の利用を前提に新たに導入された機能や工夫された点について教えてください。

岡本氏:オープン化のタイミングで、「特集」と「売れ筋商品」のコンテンツを新しく追加しました。正直、新規のお客様はまだまだこれからなのですが、既存のお客様にはトップページにそういったコーナーを置いたことで、注文につながっていますし、良いコンテンツだと感じています。まだまだこれからたくさん新規顧客向けのコンテンツは考えていきたいです。

また、日本電商と取引していただくきっかけとして、新規の方でもクレジットカードで購入できるようにしています。ただ、そこで終わりというわけではなくて、今後はそこから信頼関係ができたお客様には、既存の得意先と同じような契約形態で取引していきたいと考えています。まずはこのサイトにきてどんな商品があるのかを知ってもらい、日本電商と取引をする入口のツールとしても活用したいですね。

オープンサイトに切り替わり、どのような認知活動・集客戦略をおこなっていくのかお伺いさせて下さい。また、新規購入された方がリピーターとなり、再度購入してもらうための工夫や戦略も教えてください。

岡本氏:集客については、テレビCMやラジオ、ダイレクトメール、メルマガ、ウェブ広告、展示会など、いろいろな方法を考えています。ウェブ広告はecbeingさんに運用支援していただく予定ですね。また、テレビCMは今まで首都圏では流したことがなかったので、今回エリアを広げるのは初めてのチャレンジになるので楽しみです。

リピーターになってもらうための工夫については、一番はとにかく「素早い対応」を心がけています。注文が入った後、すぐに出荷するようにしています。あとは、これまでは商品のお届けに無地のダンボールを使っていたのですが、今後はこのECサイトで購入いただいたお客さんには「防災機器.com」のロゴが入った専用のダンボールでお届けする予定です。
イメージとしては、アマゾンの箱のような感じですね。実際に届いた箱を見て、「あ、ここから買ったんだ」と印象に残りますし、ブランディングの面でも効果があると考えています。

ecbeing導入で実現した業務効率化とサービス品質の向上

今回の構築で苦労されたことについて教えてください。

岡本氏:やはり一番苦労したのは、基幹システムとの連携ですね。もともと我々の会社には売上計上などをおこなう基幹システムが別であるので、ECサイトだけで業務が完結するわけではありません。ですので、ECサイトと基幹システムをどうやってうまく連携させるか、そのシステムの構築には結構苦労しました。
社内のシステム課にも協力してもらいながら、データの出力方法なども独自で作ってもらって、なんとかECサイトと基幹システムがうまくつながるように工夫しました。やはりこういったシステム間の連携は、想定はしていたものの、実際にやってみると思った以上に手間がかかりました。

構築当時及び現在対応する弊社スタッフの対応はいかがでしたか?

岡本氏:弊社ではシステムに詳しいスタッフが少なく、専門用語にもあまり慣れていないメンバーが多かったのですが、そんな中でも一つひとつ丁寧に教えていただき、とても親身にご対応いただいています。
また、「こうした方が良いのでは」といったご提案も積極的にしてくださり、当社にとって初めての取り組みで何が正解かわからない中でも、安心して進めることができています。スタッフの皆さんには、いつも丁寧にサポートしていただき感謝しています。

AIデジタルスタッフをご導入されるかと思いますが、ご導入の背景や期待していることはどのようなことでしょうか。

村尾氏:AIを活用してお問い合わせ対応の自動化を進めることで、業務効率の向上を図りたいと考えています。これまで対応に時間や労力がかかっていた部分をAIがサポートしてくれることで、スタッフの負担軽減にもつながると期待しています。
また、お客様へのレスポンスもより迅速になることで、サービス全体の質の向上につながればと考えています。将来的には、人が対応しているのと変わらないレベルの応対ができることを期待しています。

ecbeingを導入したことによる効果について教えてください。

岡本氏:導入前は電話でのご注文が多く、言った・言わないの行き違いや、商品違い、未着といったトラブルが発生しやすい状況でした。しかし、ecbeingでECサイトを構築してからは、お客様ご自身で入力・注文いただく形になり、記録がしっかり残るため、発注ミスやトラブルが大幅に減ったと感じています。
また、在庫や価格の確認もサイト上でできるので、お客様からも「便利になった」とよく言われます。特に、ECサイトを通して購入せずにお客様がご自身で見積もりを作成されるケースがあるのですが、その場合もECサイトにログインすれば個別の販売価格がすぐに確認できるためご好評いただいています。

サービスという点においても、電話対応は営業時間内に限られますが、ECサイトであれば24時間情報を確認できるので、現場が終わった後の夜間に事務処理をされるお客様にも大変便利にご利用いただいています。

ECサイトを軸としたDX推進へ

今後ecbeingを活用して取り組んでいかれたい構想や戦略についてお聞かせください。

岡本氏:社内でよく話しているのは、これからはお客様を営業が一人ひとり取り込んでいくのではなく、ECサイトを通じてお客様の方から自然にアクセスしてもらえるような形にしていきたい、ということです。やはりだんだん若い人材が減ってきている中で、デジタルで対応できる体制を整えていければいいなと思っています。
今後は、これまで以上にDX化を進めて、今回構築したシステムを中心とした販売にシフトしていきたいと考えています。

新規構築を検討している方へメッセージをお願いします。

岡本氏:やはり、最初はECサイトを作るのに正直かなり苦労もあるのですが、構築した後はサイトを使っていくうちに日々の業務が確実に楽になったと実感できるはずです。それに、サイトを構築したおかげで、歴の浅いスタッフでもベテランと同じとまではいかなくても、それに近いレベルで業務を処理できるようになります。 ですので、EC導入を検討されている方は、ぜひ一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。業務効率化の面でも、きっとおすすめできると思います。



――
株式会社日本電商 村尾 潤一 氏
株式会社日本電商 岡本 麻由子 氏


『防災機器.com』サイトはこちら

●取材・文:塩見 駿介





ecbeing

この記事の監修者

株式会社ecbeing
塩見 駿介
ECサイト構築プラットフォーム「ecbeing」・BtoB専用ECサイト構築プラットフォーム「ecbeing BtoB」をご導入いただいている企業のへの取材を通じて得た知識をもとに、EC構築・運用するうえで役に立つ情報や最新トレンド情報を発信。
  

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