AI-OCRとは?従来OCRとの違い・ 業務効率化のポイント・導入時の注意点や種類を解説

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本記事では、AI-OCRの基本や従来OCRとの違い、業務効率化のポイント、導入時の注意点、実際の活用事例までを分かりやすく解説します。FAX受注の業務効率化のヒントとして、ぜひ参考にしてください。

デジタル化やペーパーレス化が叫ばれる中、企業や自治体では紙の書類を効率的に電子化し、業務をスピードアップさせる取り組みが加速しています。特に近年、AI技術を活用した「AI-OCR(エーアイ・オーシーアール)」が注目されており、従来のOCRでは難しかった手書き文字や多様な書式にも柔軟に対応できるようになりました。
本記事では、AI-OCRの基本や従来OCRとの違い、業務効率化のポイント、導入時の注意点、実際の活用事例までを分かりやすく解説します。


AI-OCRとは?従来OCRとの違い


業務のデジタル化やペーパーレス化が進む中、多くの企業や自治体では紙の書類を効率的に電子化し、業務をスピードアップすることが求められています。そんな中で注目されているのが「AI-OCR」です。ここでは、従来のOCRとAI-OCRの違いについて詳しく解説します。

OCRとは

OCR(光学文字認識/Optical Character Recognition)とは、紙の書類や画像の中にある文字を自動で読み取り、パソコンで使えるテキストデータに変換する技術です。たとえば、紙の請求書や手書きの申込書をデジタルデータ化したいときによく使われます。
従来のOCRは、印刷された文字や決まったフォーマットの書類(定型帳票)の読み取りには強みがあります。しかし、手書き文字やレイアウトがバラバラな書類(非定型帳票)の場合、認識ミスや誤読が起きやすいという課題がありました。また、従来型OCRは自動で学習して精度を高める機能がないため、業務効率化には限界がありました。

AI-OCRとは

AI-OCRとは、従来のOCRにAI(人工知能)の技術を組み合わせて、さらに進化した文字認識技術です。
AI-OCRは、AIの機械学習やディープラーニングを活用することで、今まで苦手だった手書き文字や、クセのある文字、レイアウトがバラバラな書類(非定型帳票)でも高い精度で文字を読み取ることができます。 また、AI-OCRは使えば使うほどAIが新しいパターンやミスを学習し、認識精度がどんどん向上していくのが大きな特徴です。これにより、さまざまな業務で効率化が実現しやすくなります。

AI-OCRと従来OCRの主な違い

■対応できる文字の種類
従来のOCRは主に印刷された文字(活字)のみを高い精度で読み取りますが、手書き文字の認識は苦手です。一方、AI-OCRはAIの学習能力により、手書き文字やクセのある文字にも対応できます。

■対応できる帳票の形式
従来OCRは、あらかじめ決められたレイアウト(定型帳票)でないと正しく読み取れません。AI-OCRは、レイアウトが異なる非定型帳票にも柔軟に対応します。

■学習・精度向上の仕組み
従来OCRは、認識ミスがあっても自動で学習・改善することはできません。AI-OCRは、AIが利用データをもとに継続的に学習し、使うほど精度が向上します。

■認識精度
従来OCRは一定の認識精度から大きく向上しませんが、AI-OCRは利用を重ねることで、さらに高い認識精度を目指すことができます。

従来OCR AI-OCR
対応できる文字 印刷文字のみ 印刷文字・手書き文字
書類の有無 定型フォーマットのみ 定型・非定型どちらも対応
学習能力 なし AIによる継続的な学習あり
認識精度 一定、向上しにくい 使うほど向上しやすい

そのため、AI-OCRは従来OCRの課題を大きく改善し、より幅広い業務での活用が期待されています。

AI-OCRの種類

AI-OCRと一口にいっても、対応できる書類や技術の特徴によっていくつかの種類があります。自社の業務内容や帳票の種類に合わせて、最適なタイプを選ぶことが重要です。ここでは主なAI-OCRの種類を紹介します。

汎用型(定型フォーマット対応)

汎用型のうち定型フォーマット対応のAI-OCRは、あらかじめレイアウトが決まっている帳票に対応するタイプです。たとえば、請求書や注文書、申込書など、毎回同じ形式で作成される書類がこれに当たります。事前にそのフォーマットをシステムに登録しておくことで、非常に高い認識精度を保つことができます。こうした帳票が大量に発生する業務では、定型対応のAI-OCRが特に力を発揮します。

汎用型(非定型フォーマット対応)

汎用型の中でも非定型フォーマット対応のAI-OCRは、レイアウトや書式が毎回異なる書類にも対応できるのが特徴です。AIが帳票ごとのレイアウトや項目の配置を自動的に判断し、必要な情報を抽出します。たとえば、フォーマットが統一されていない各種証明書や、顧客から送付される多様な書類など、さまざまなパターンの帳票を扱う現場で導入されることが多いです。

業務特化型

業務特化型のAI-OCRは、特定の業種や業務に最適化されている点が特徴です。たとえば経理業務のための請求書特化型や、不動産業界向けの契約書特化型などがあります。これらはサービス提供会社があらかじめ多くの帳票パターンや業界独自の表現を学習させているため、導入直後から比較的高い認識精度が期待でき、初期設定や運用も簡単です。専門的な帳票を扱う現場では、こうした業務特化型のAI-OCRが選ばれるケースが増えています。


AI-OCRの種類は「定型フォーマット対応」「非定型フォーマット対応」「業務特化型」と大きく分けられますが、自社の業務フローや帳票の性質に合わせて、最適なタイプを選択することが重要です。

AI-OCRで実現できる業務効率化のポイント


AI-OCRは単なる文字認識ツールにとどまらず、業務全体の効率化と生産性向上に大きく役立つ技術です。AI-OCRの導入によって、これまで手作業で行っていた書類の入力や確認作業が大幅に効率化されます。ここでは、AI-OCRがもたらす主な業務効率化のポイントをわかりやすくご紹介します。


■手入力作業の大幅な削減
AI-OCRを使えば、伝票や申込書、請求書などの紙書類をスキャンするだけで自動的にテキストデータ化できます。これまで人の手で一つずつ入力していた作業が不要になり、入力作業の手間や時間を大きく減らせます。


■入力ミスやヒューマンエラーの防止
人が手作業で入力すると、どうしてもミスが発生します。AI-OCRは大量の書類でも一定の精度でデータ化できるため、入力ミスや記入漏れといったヒューマンエラーを大幅に減らすことが可能です。


■多様な書類への柔軟な対応
AI-OCRは手書き文字やレイアウトが異なる書類(非定型帳票)にも対応できます。これにより、さまざまなフォーマットの書類を扱う現場でも、効率的にデータ化が進みます。


■他システムとの連携による業務自動化
AI-OCRでデジタル化したデータは、会計ソフトや顧客管理システムなど他の業務システムと簡単に連携できます。これにより、書類の管理やデータ入力だけでなく、後続の業務も自動化しやすくなります。


■作業時間の短縮とコスト削減
これらの効果によって、全体の作業時間が短縮され、人件費などのコストも抑えることができます。人手不足の解消や、スタッフをより重要な業務に振り分けることも可能になります。



導入時の注意点と選定のコツ

AI-OCRは非常に便利な技術ですが、導入すれば必ず成功するわけではありません。自社に合ったAI-OCRを選び、スムーズに活用するためには、いくつかの注意点と選定のポイントがあります。

WEB化における主な注意点

■対応したい書類や業務を明確にする
どのような書類(定型・非定型・手書きなど)をデータ化したいのか、どの業務で使いたいのかを事前に整理しておきましょう。 これにより、適切なAI-OCRの種類や機能を選ぶことができます。


■サンプルデータで精度を必ず確認する
AI-OCRは帳票や文字のクセによって認識精度が変わります。 導入前に自社の実際の書類(サンプルデータ)でテストし、十分な精度が出るかどうかを必ず確認しましょう。


■システム連携や運用のしやすさをチェック
AI-OCRで抽出したデータを、その後どのシステムに連携するかも重要なポイントです。 既存システムとの連携がしやすいか、運用フローに無理がないかも確認しましょう。


■セキュリティや個人情報保護への配慮
書類の中には個人情報や機密情報が含まれる場合があります。 クラウド型AI-OCRを使う場合は、データの取り扱いやセキュリティ対策がしっかりしているかも必ずチェックしましょう。


■サポートや導入後のフォロー体制も重要
導入後に困ったとき、しっかりサポートしてもらえるかも大切なポイントです。 トラブル対応や操作説明など、ベンダーのフォロー体制も確認しておくと安心です。

選定のコツ

  • ・自社の帳票や業務内容を具体的に洗い出す
  • ・サンプル帳票で事前に精度をテストする
  • ・システム連携や運用のしやすさも考慮する
  • ・セキュリティ・個人情報保護を重視する
  • ・サポート体制の充実したベンダーを選ぶ

このようなポイントを押さえることで、AI-OCR導入の失敗リスクを減らし、最大限の効果を得ることができます。

ecbeingにおけるAI-OCR活用と受注業務DXへの取り組み

当社ecbeingでは、受注業務のあらゆる接点をデータ化し、業務効率化・デジタル化を推進するため、AIを活用した多様なソリューションの展開を進めています。

例えば、得意先の事情でFAX注文が残る場合でも、AI-OCRを活用することで、様々なレイアウトのFAX注文書を自動的にデータ化し、商品コードや得意先コードなど不足情報も自社マスターと連携することが可能です。納期回答についても、従来のReFAX(FAX返信)をやめて、ECサイト上で行うことで、ペーパーレス化や受注業務のオンライン化を推進できます。



AI-OCRとecbeingのシステムを組み合わせることで、従来のアナログ業務に起因するさまざまな課題を解消し、受注業務全体のDXをサポートすることが可能です。

受注業務のデジタル化やAI-OCR活用にご興味がございましたら、ぜひ当社までお気軽にご相談ください。

まとめ・導入検討のアドバイス

AI-OCRは、従来のOCRと比べて手書き文字や多様なレイアウトの帳票に対応できる点、そして使うほどに認識精度が向上する点が大きな特長です。導入することで、これまで多くの時間と労力がかかっていた書類の入力作業を大幅に効率化できるだけでなく、ヒューマンエラーの削減や業務自動化も実現できます。

ただし、AI-OCRは「導入すれば必ず成功する」というものではありません。自社の業務や帳票の種類、運用体制に合った製品を選ぶことが重要です。また、事前に実際の帳票を使った認識テストを行い、十分な精度や運用イメージを確認してから本格導入することをおすすめします。

今後、ペーパーレス化や業務のデジタル化がさらに加速する中で、AI-OCRはますます重要なツールになっていくでしょう。 導入を検討する際は、「どんな書類をどの業務で使いたいのか」「既存システムとどう連携するか」「セキュリティやサポートは十分か」といったポイントをしっかり押さえて、自社に最適なAI-OCRを選ぶことが成功への近道です。



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