発注とは?意味や業務の流れ、発注書・WEB化のメリットまで徹底解説

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「発注」と「注文」は、ビジネスや日常の中でよく使われる言葉ですが、その違いをご存じですか?正しい使い分けは、取引先との円滑なコミュニケーションやミスの防止に欠かせません。また、発注業務には発注書の作成や確認など、さまざまな手順がありますが、近年はWEB化による効率化・省力化も進んでいます。
本記事では、「発注」と「注文」の違いから、発注業務の基本的な流れ、発注書の役割、そして発注業務をWEB化することで得られるメリットまで、わかりやすく解説します。

「発注」と「注文」は、ビジネスや日常の中でよく使われる言葉ですが、その違いをご存じですか?正しい使い分けは、取引先との円滑なコミュニケーションやミスの防止に欠かせません。また、発注業務には発注書の作成や確認など、さまざまな手順がありますが、近年はWEB化による効率化・省力化も進んでいます。
本記事では、「発注」と「注文」の違いから、発注業務の基本的な流れ、発注書の役割、そして発注業務をWEB化することで得られるメリットまで、わかりやすく解説します。


発注とは?意味と注文との違い

ビジネスシーンや日常生活でよく使われる「発注」と「注文」。どちらも「何かを頼む・買う」という意味合いがありますが、実は使われる場面や意味に明確な違いがあります。ここでは、それぞれの定義や違い、使い分けのポイントをわかりやすくご紹介します。

発注の意味

発注とは、主に企業や組織が取引先やサプライヤーに対して、商品やサービスの提供を正式に依頼する行為を指します。発注はビジネス上の取引で使われることが多く、発注書や見積書などの書類が伴うのが一般的です。
たとえば、製造業の会社が部品メーカーに部品の納入を依頼する場合や、イベント会社が印刷業者にパンフレット作成を依頼する場合などが該当します。

注文の意味

注文とは、個人や消費者が商品やサービスを購入する際に使われる言葉です。飲食店での料理のオーダーや、ネットショップでの商品購入など、日常的な買い物やサービス利用の場面で使われます。注文の場合、発注書のような正式な書類は特に必要とされないことが多いです。

発注と注文の違い

それぞれの言葉の意味や法律上の違いは特にありませんが、実際の使い方には傾向があります。また、明確な定義があるわけではなく、状況や立場によって使い分けられています。

  • 「発注」は主に事業者が他の事業者に依頼する際に使われ、それ以外の場合は「注文」が使われることが多いです。
  • 「注文」は「注文する」「注文を受ける」といったように、依頼する側・受ける側どちらにも使えますが、「発注」は依頼する側でのみ使われ、受ける側には「受注」という言葉が使われます。

それぞれの使い方の違いを、以下の表にまとめました。

発注 注文
主な利用者 企業・法人 個人・消費者
書類の有無 発注書・見積書など正式書類を作成 通常は書類不要(口頭・Web注文など)
主な場面 BtoB取引、サプライチェーン管理 飲食店、BtoC ECサイト、小売店
目的 業務上の取引、在庫・品質管理 商品やサービスの購入
例文 「新製品を100台発注しました。」
「発注書を送付してください。」
「ランチセットを注文しました。」
「ネットで靴を注文しました。」

発注業務の流れと必要書類

発注業務は、企業や組織が取引先に商品やサービスを依頼し、円滑に調達・納入を進めるための重要な業務です。ここでは、一般的な発注業務の流れと、必要となる書類についてわかりやすく解説します。

発注業務の基本的な流れ

  1. 見積依頼・取得
    必要な商品やサービスの内容・数量・納期などを明確にし、取引先に見積もりを依頼します。
  2. 見積内容の確認・合意
    取引条件(価格・納期・支払条件など)を確認し、内容に問題がなければ発注を決定します。
  3. 発注書の作成・送付
    発注内容を明記した「発注書(注文書)」を作成し、取引先に送付します。発注書は正式な注文依頼の証拠となるため、記載内容に誤りがないよう注意が必要です。
  4. 受注書(注文請書)の受領
    取引先(受注側)は、発注書の内容を確認し、承諾したことを示す「受注書(注文請書)」を発行します。これにより、両者の間で契約が成立します。
  5. 納品・検品
    取引先から商品やサービスが納品され、発注側は数量や品質を確認します。問題がなければ納品受領となります。
  6. 請求・支払い
    納品が完了したら、取引先から請求書が発行され、発注側は支払いを行います。

発注業務で必要となる主な書類

  • 発注書(注文書)
    発注内容(品目、数量、金額、納期、支払条件など)を明記し、取引先に注文を正式に依頼する書類。
  • 受注書(注文請書)
    発注内容を受注側が承諾したことを示す書類。発注側への返送や押印が必要な場合もあります。
  • 見積書
    取引先から提出される、品目や価格、納期などを明記した書類。発注内容の確認や比較検討のために使われます。
  • 請求書
    納品後、取引先から発行される支払い請求用の書類。
  • 納品書
    商品やサービスの納品時に発行され、納品内容の確認・証明に使われます。

発注書作成時の注意点

発注書を作成する際は、商品名や数量、金額、納期、支払い条件などを正確に記載し、記入漏れやミスがないか必ず確認しましょう。また、社内の承認手続きや必要な押印を忘れずに行うことも重要です。さらに、見積書の有効期限や条件の変更がないかをチェックし、発注書や受注書は一定期間適切に保管しましょう。
主な注意点は以下のとおりです。


  • ・商品名、数量、金額、納期、支払い条件などを正確に記載する
  • ・記入ミスや記載漏れがないか、発行前に必ず再確認する
  • ・社内の承認フローに従い、必要な押印や承認を得る
  • ・見積書の有効期限や価格・条件の変更がないか確認する
  • ・発注書や受注書などの書類は、法律や社内規定に従って一定期間保管する

見落とし厳禁!発注書に関する法制度・保存義務

発注書は通常、法的な発行義務はありませんが、例外も存在します。特に「下請法(下請代金支払遅延等防止法)」が適用される場合、親事業者は下請事業者に対し発注書の発行が義務付けられています。
下請法は、下請取引の公正化と下請事業者の利益保護を目的とした法律であり、発注時に以下の項目を発注書へ記載し、書面で交付することが求められます。



【3条書面に記載すべき具体的事項】

  1. (1) 親事業者及び下請事業者の名称(番号,記号等による記載も可)
  2. (2) 製造委託,修理委託,情報成果物作成委託又は役務提供委託をした日
  3. (3) 下請事業者の給付の内容(委託の内容が分かるよう,明確に記載する。)
  4. (4) 下請事業者の給付を受領する期日(役務提供委託の場合は,役務が提供される期日又は期間)
  5. (5) 下請事業者の給付を受領する場所
  6. (6) 下請事業者の給付の内容について検査をする場合は,検査を完了する期日
  7. (7) 下請代金の額(具体的な金額を記載する必要があるが,算定方法による記載も可)
  8. (8) 下請代金の支払期日
  9. (9) 手形を交付する場合は,手形の金額(支払比率でも可)及び手形の満期
  10. (10) 一括決済方式で支払う場合は,金融機関名,貸付け又は支払可能額,親事業者が下請代金債権相当額又は下請代金債務相当額を金融機関へ支払う期日
  11. (11) 電子記録債権で支払う場合は,電子記録債権の額及び電子記録債権の満期日
  12. (12) 原材料等を有償支給する場合は,品名,数量,対価,引渡しの期日,決済期日,決済方法

引用元:公正取引委員会 下請法とは 親事業者の義務


また、発注書は帳票類に該当するため、発行した場合には税法上は7年間、会社法上は10年間の保存義務があります。さらに、見積書や基本契約書に基づいて発注書を発行する際には、課税文書扱いとなり、印紙の貼付が必要となる場合もあります。
このように、発注書には法的義務があるケースや、発行・保存に関する規定があることを把握し、適切に対応することが大切です。

発注業務をWEB化するメリット

従来の発注業務では、紙の発注書を作成して郵送・FAXでやり取りしたり、手作業でデータを入力したりと、多くの手間や時間がかかっていました。近年は、発注業務をWEBシステムで管理・運用する企業が増えており、業務効率化やコスト削減など、さまざまなメリットが得られます。


■業務効率化・省力化
発注書の作成や送付、データ管理をシステムで一元化できるため、手作業による入力ミスや確認作業が大幅に削減されます。

■ペーパーレス化・コスト削減
書類の印刷・郵送・保管が不要となり、紙や郵送費、保管スペースなどのコストを削減できます。

■リアルタイムな情報共有
発注状況や納品状況をリアルタイムで把握できるため、社内外のコミュニケーションがスムーズになります。

■トレーサビリティの向上
発注履歴や取引記録が自動で保存され、必要な情報をすぐに検索・確認できるようになります。

■内部統制・コンプライアンス強化
承認フローやアクセス権限をシステム上で管理でき、不正防止や監査対応にも有効です。

実際にWEB化を導入した企業による、受注業務の負荷軽減に成功した事例もご紹介しています。


発注業務WEB化の注意点と導入のポイント

発注業務のWEB化は多くのメリットがある一方で、導入や運用にあたって注意すべき点も存在します。スムーズなデジタル化と安定運用のために、事前に押さえておきたいポイントを解説します。

WEB化における主な注意点

■現場の業務フローとの適合性
システムが現行の業務プロセスに合わないと、逆に混乱や手戻りの原因となります。導入前に現場の声をしっかりヒアリングし、必要に応じて業務フローの見直しも検討しましょう。

■情報セキュリティ対策
発注内容や取引先情報など、重要なデータを扱うため、システムのセキュリティ対策は不可欠です。不正アクセス防止やデータのバックアップ体制も確認しておきましょう。

■法令・社内規程の遵守
電子帳簿保存法や下請法など、発注書の電子化に関する法令や社内ルールを事前に確認し、適切な運用体制を整えてください。

■操作性・定着化への配慮
システムが複雑すぎると、現場の担当者が使いこなせず、結局手作業に逆戻りするケースもあります。直感的で分かりやすいUIや、マニュアル・研修体制の整備が重要です。

■取引先との連携
自社だけでなく、取引先もWEBシステムを利用する場合は、十分な説明やサポートを行い、システム切り替えに伴う混乱を防ぎましょう。

導入のポイント

WEB化を成功させるためには、導入前の準備や計画も重要です。以下のポイントを意識して進めることで、スムーズな運用と効果的な業務改善につながります。


  • ・導入前に現状業務の課題を整理し、WEB化の目的やゴールを明確にする
  • ・必要な機能や予算、運用体制をあらかじめ検討し、複数のサービスを比較検討する
  • ・テスト運用期間を設け、現場の意見を取り入れながら段階的に本格導入する
  • ・システム提供会社のサポート体制や、将来的な拡張性もチェックしておく

WEB発注システムと一口に言っても、単純に企業間で受発注業務を行うものから、受注者が発注者に対して商品訴求や販促ができるEC機能を持つものまで、さまざまな種類があります。導入する際は、自社の業務フローや目的に合ったシステムを選択することが重要です。


受発注システムについて詳しくはこちら

発注業務の効率化に役立つ
BtoB ECシステム「ecbeing BtoB」とは

近年、法人間取引(BtoBビジネス)においてもECサイトの活用が広がりつつあります。従来のECサイトは一般消費者向け(BtoC)が中心でしたが、BtoBの発注業務はBtoCと比べて手続きや管理が複雑なため、業務効率化のためにはBtoB向けに特化したシステムが求められています。

「ecbeing BtoB」は、BtoB取引に必要な多様な機能を備えた受発注システムです。商品の発注や履歴確認といった基本機能はもちろん、見積の発行依頼や価格交渉、さらには発注者ごとに異なる社内承認フローの設定など、BtoBならではの業務を幅広くサポートします。これにより、発注側だけでなく受注側の業務効率化やミス削減、コスト削減にもつながります。


BtoB ECシステムの導入を検討中の方は、ぜひ「ecbeing BtoB」の導入事例や機能詳細をご覧ください。

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BtoB ECで実現できる業務改善について詳細は以下ご覧ください。
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まとめ

発注業務の効率化は、企業の生産性や信頼性向上に直結します。WEB化やBtoB ECシステムの活用で、業務のスピードアップやミス削減、コスト削減が実現可能です。法令遵守や現場の運用にも配慮しながら、最適な仕組みを導入しましょう。自社の課題や目的に合ったシステム選びが、発注業務改革の第一歩となります。効率的な発注体制づくりにぜひ取り組んでみてください。





  

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