BtoB EC(BtoB コマース)とは?
基本情報やメリット、成功に導くポイントを事例と併せてご紹介

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企業間取引(BtoB)向けECサイトの市場規模は年々増加しており、全てのBtoB取引の内でECを経由した取引の割合を示す“EC化率”も右肩上がりで増えています。

弊社でも、BtoB EC(BtoB コマース)サイトを構築し、営業面の業務効率化や売上アップのために活用していきたいというお声を多数いただいています。

BtoB EC(BtoB コマース)サイトを構築する上では、メリット・デメリットはもちろん、導入時の注意点も理解しておくことが重要です。

今回は、ECサイトを活用したBtoB取引のはじめの一歩として、BtoB EC(BtoB コマース)サイトのメリット・デメリットや必要な機能、構築ならびにリニューアル時の注意点、成功に導くためのポイントを弊社で構築した成功事例と併せて紹介します。

BtoB EC(企業間取引向けECサイト)は、近年その市場規模が大きく拡大し、製造業・卸売業・サービス業など多くの企業が導入を進めています。
本記事では、BtoB ECの基本から最新動向、導入メリットとデメリット、必要な機能、実際の成功事例まで、2025年最新情報をもとに分かりやすく解説。BtoB EC構築やリニューアルを検討中の方は、ぜひご一読ください。


BtoB EC(BtoB コマース)とは?

BtoB ECとは?BtoCの違い

まずBtoBとは、英語の「Business to Business(企業間取引)」という言葉を簡略化する際に使用される表現で、「B2B」と表記されることもあります。
またECという言葉は、「Electronic Commerce(電子商取引)」という英語の頭文字を取っており、インターネット上で物やサービスなどの商品を売買することを指しています。そして、インターネット上で商品購入ができるWEBサイトは「ECサイト」や「eコマースサイト」、「ネットショップ」、「通販サイト」などと呼ばれています。

これまでは、BtoC(企業対消費者間取引)と呼ばれる一般消費者をターゲットにしたビジネスモデルがECの中心でしたが、近年では独自のBtoB ECを活用して販路拡大や売上アップ、業務効率化などを図っている企業が増えています。


BtoBビジネスについて詳しくはこちら
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一方、BtoC(企業対消費者取引)は、企業が個人の消費者に商品やサービスを販売する形態です。
BtoCでは、誰でも同じ価格で商品を購入でき、決済もクレジットカードや現金などの前払いが主流です。
購入の流れはシンプルで、消費者が欲しいときに気軽に注文できる点が大きな特徴です。
BtoBと比べると、取引単価や数量は小さく、個別の条件交渉や複雑な手続きは基本的に発生しません。

BtoBの取引形態(BtoB ECとEDI)

BtoB ECを通じた企業間取引は、主に「BtoB EC」と「EDI(電子データ交換)」の2つの形態に大別されます。
どちらも企業間の商取引をデジタル化する仕組みとなりますが、それぞれの目的や利用シーンが異なります

■ BtoB EC
BtoB ECは企業間で「商品の売買」をインターネット上で行う仕組みを持ちます。
商品カタログの閲覧、注文、決済、場合によっては見積や発注書もWeb上で完結することができます。単なる受発注機能だけでなく、マーケティング機能を備えたものも多く、新規顧客の獲得や売上拡大といったBtoC ECに近い機能を実現することが可能です。

■ EDI(Electronic Data Interchange)
EDI(電子データ交換)は、企業間で「見積書・注文書・請求書などの取引書類やデータ」を、紙やFAXでなく電子データとしてやり取りし、業務効率化を図る仕組みです。


BtoB ECサイトとの違いなどEDIについて詳しくはこちら
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BtoB ECのほうが、EDIの機能も含めて取引業務をすべてWeb上で完結できるため、柔軟性や拡張性が高く、より幅広い業務に対応できます。

BtoB ECの種類

BtoB ECで構築されることが多い「クローズド型」「スモールB型」「セミクローズド型」の3つのタイプをご紹介します。それぞれの特徴や違いについて解説します。


■ クローズド型BtoB EC


クローズド型BtoB ECサイトのイメージ図

クローズド型BtoB ECは、既存の取引先や特定の会員企業のみが利用できる会員制のサイトです。
IDやパスワードによるアクセス制限があり、取引先ごとに価格や支払い条件を個別に設定することができます。
これまでの商習慣を維持しつつ、受注業務の効率化や顧客ごとの柔軟な対応ができるのが特徴です。


■ スモールB型BtoB EC


スモールB型BtoB ECサイトのイメージ図

一方、スモールB型BtoB ECは、新規顧客やこれまで取引のなかった法人、ロングテール層など幅広い法人をターゲットにしたECサイトです。サイト上で会員登録ができ、誰でも利用の申請が可能なオープンな仕組みが特徴です。
価格やサービス内容は基本的に全ユーザー共通で、決済方法も銀行振込やクレジットカードなど多様。新規顧客を効率よく開拓し、売上拡大を目指す企業に適しています。


■ 「クローズド型」と「スモールB型」の特徴の違い

「クローズド型」BtoBサイト 「スモールB型」BtoBサイト
ターゲット 契約がすでにある「既存得意先」 ロングテール層の法人や新規見込み客
会員登録 WEBからは行わない
※あらかじめ得意先アカウントを登録し案内
得意先がフロントサイトから新規登録
決済 従来通りの売掛
※得意先ごとの支払いサイトや与信管理を伴う
銀行振込や代引き、カード、出荷単位での決済
※月次ではなく注文ごとの請求
特徴 得意先ごとの売価や留め型品への対応等、
既存の商習慣を反映する必要がある
・新規取引顧客を広くWEBから開拓を行う
・法人ごとにサービスの違いは発生しない
サイトの目的 自社の受注処理に関する業務省力化 新規顧客の開拓、売上増加

■ セミクローズド型(半クローズド型)

最近増えているのがセミクローズド型(半クローズド型)です。
このタイプは、サイトの閲覧は誰でもできますが、商品の詳細情報や注文には会員登録と管理者による承認が必要です。新規顧客の開拓と、既存顧客へのきめ細やかな対応の両立ができるため、多くの企業が採用しています。

このように、BtoB ECはターゲットとする顧客層やビジネス目的によって選ぶべき型が異なります。自社の戦略に合わせて、最適なサイトタイプを選択することが重要です。

BtoB ECに求められる機能

BtoB ECは、BtoC ECサイトと比較して、より複雑で独自性の高い機能が必要とされます。
効率的な業務運営やスムーズな取引を実現するために、ここではBtoB ECにおいて特に重要な3つの機能をご紹介します。

■ 顧客管理機能
BtoB ECでは、取引先ごとに異なる契約条件や商品価格を設定する必要があります。
顧客ごとに細かく情報を管理できる顧客管理機能は、業務効率化に直結します。

・顧客企業ごとの請求先・納品先情報の一元管理
・与信管理や取引履歴の記録
・顧客別の商品価格設定や割引条件のカスタマイズ
・法人アカウントごとの担当者管理


こうした多機能な顧客管理により、BtoB特有の複雑な取引条件にも柔軟に対応できます。

■ 見積機能
BtoB取引では、購入前に見積書の提出や稟議申請が必要なケースが多く見られます。
そのため、見積機能は必須機能の一つです。

・見積書や領収書の自動発行・ダウンロード
・顧客ごとの見積履歴の保存・管理
・見積内容の編集や再発行への対応
・見積から注文へのシームレスな連携


見積機能を備えることで、顧客はスムーズに社内承認や比較検討を進められ、受注までのリードタイム短縮にもつながります。

■ 承認ワークフロー機能
企業間取引では、現場担当者だけでなく上長や管理者の承認を経て発注が確定します。
承認機能(承認ワークフロー機能)は、社内規定に沿った適切な購買プロセスを実現することができます。

・担当者が設定した承認者への自動通知・承認依頼
・承認者ごとに異なる承認権限の設定
・段階的な承認フロー(多段階承認)への対応
・承認履歴の記録と管理


この機能を使うことで、社内のルールに従った正しい手続きで発注を進めることができるため、取引ミスや不正な発注を防ぎやすくなります。
また、管理体制を強化し、会社全体でのチェック体制もしっかり整えることができます。

BtoB ECの市場規模と成長動向

企業間取引のデジタル化が急速に進む中、BtoB ECはさまざまな業界でその存在感を高めています。
従来のアナログな商習慣から脱却し、効率的かつ柔軟な取引を実現できることから、多くの企業で導入が進んでいます。
ここでは、BtoB ECの市場規模や成長の背景について、最新データをもとに解説します。

成長を続けるBtoB EC市場

BtoB(企業間取引)ECサイトの市場は、2023年も大きく成長を続けています。
経済産業省が2024年9月に発表した「令和5年度(2023年)電子商取引に関する市場調査報告書」によると、2023年の日本国内BtoB EC市場規模は約465.2兆円に達しました。
BtoB取引全体に対するEC化率は40.0%と、前年からさらに拡大しています。


2018年から2023年までのBtoB ECの市場規模とEC化率のグラフ

出典:経済産業省 商務情報政策局 情報経済課(2024) 令和5年度 電子商取引に関する市場調査 報告書

BtoC EC市場と比較しても、BtoB ECがいかに企業活動に浸透しているかが分かります。2023年のBtoC EC市場規模は約24.8兆円、物販分野のEC化率は9.38%とされています。BtoB領域では、デジタル化と業務効率化へのニーズがより強いことが、数字からも明らかです。

特に製造業のEC化率は高い傾向にあり、「運送用機械」「食品」「電気・情報関連機器」の分野では約70%以上に近い割合でECサイト経由で取引を行っています。


BtoB EC市場規模の業種別内訳表

出典:経済産業省 商務情報政策局 情報経済課(2024) 令和5年度 電子商取引に関する市場調査 報告書

BtoB EC市場成長の背景

BtoB EC市場が急速に拡大する理由について、以下の点をご紹介します。


1.ITインフラの整備による業務効率化
従来のFAX・電話・郵送といったアナログな取引方法から、ECサイトを活用したデジタル取引への移行が加速しています。
これにより、発注・見積もり・請求などの業務が自動化され、取引履歴の一元管理も可能となるため、業務効率の大幅な向上が実現しています。

2.働き方改革とリモートワーク推進
働き方改革や新型コロナウイルスの影響で、テレワークやフレックスタイム制など柔軟な働き方が広がっています。
BtoB ECを活用することで、社員はオフィスにいなくても取引業務を進めることができます。
時間や場所にとらわれずに仕事ができ、企業の生産性向上にも寄与しています。

3.BCP(事業継続計画)対策の強化
BCP(事業継続計画)とは、自然災害や感染症などの緊急事態が発生した際に、企業の重要な事業を止めず、早期復旧を目指すための計画です。
こうしたリスクへの備えは、多くの企業にとって重要な課題となっています。
BtoB ECを導入すれば、取引データをクラウド上で安全に管理できるため、非常時でも社外から業務を継続しやすくなります。
これにより、災害時などでも安定した事業運営が可能になります。

4.DXの推進によるビジネス変革
企業の競争力強化や新たな価値創出を目指して、DX(デジタルトランスフォーメーション)が各社で進められています。
BtoB ECは、業務プロセスのデジタル化や自動化を実現し、企業の変革を支える重要な役割を担っています。
DX推進の流れの中で、EC導入は今や欠かせない選択肢となっています。

5.高まるEC化率
さまざまな業界でBtoB取引のEC化率が年々上昇しています。
従来の紙や対面でのやり取りが減り、ECサイト経由での注文や見積もりが主流になりつつあります。
これにより、企業間取引がより効率的かつスピーディーになり、市場規模の拡大が期待されています。

BtoB EC導入のメリット・デメリット

BtoB取引のデジタル化が進む中、多くの企業がBtoB ECの導入を検討しています。
しかし、BtoB ECには業務効率化や売上拡大といった大きなメリットがある一方、導入時には注意すべきデメリットも存在します。
ここでは、BtoB ECを導入することでどのようなメリット・デメリットがあるのか、それぞれ詳しく解説します。

BtoB ECのメリット

■ 新規顧客の獲得が容易に
BtoB ECを導入することで、これまで訪問営業や電話・FAXでの取引だけではアプローチできなかった新たな顧客層にもリーチできるようになります。
オンラインで情報発信や受発注が可能になるため、地理的な制約を受けず、より多くの企業と取引を始められる点が大きな魅力です。
これにより、今まで対応できなかった顧客への営業機会が広がり、新規顧客の獲得が促進されます。

■ 受注機会・売上の拡大
BtoB ECは24時間365日稼働しているため、営業時間外でも注文を受け付けることができます。
顧客はいつでも商品情報を確認し、その場で発注が可能です。その結果、従来のアナログな発注方法では逃していた注文機会を取りこぼさず、売上拡大につながります。
さらに、サイト上で関連商品やおすすめ商品を自動的に紹介できるため、顧客があわせて他の商品も購入しやすくなり、より一層の売上増加が期待できます。

■ 受注対応業務の効率化
BtoB ECを活用することで、注文内容の自動入力や確認作業が自動化され、人的ミスや業務工数を大幅に削減できます。
従来の電話やFAXによる注文で発生していた入力ミスや手間のかかる確認作業が減るため、業務全体の効率化が実現し、従業員はより付加価値の高い業務に注力できるようになります。

■ 問い合わせ対応の負担軽減
BtoB EC上に在庫情報や納期、見積もりなどの詳細を掲載したり、近年増加しているAIを活用したチャットボットを導入したりすることで、顧客からの問い合わせ件数を大幅に減らすことが可能です。
見積書の自動発行機能を取り入れることで、従来手間がかかっていた対応工数もさらに削減できます。

BtoB ECのデメリット

■ 導入コストが高い
BtoB ECの導入には、BtoC向けECサイトよりも高額な初期費用やシステム構築コストがかかる傾向があります。
業界特有の商習慣や企業ごとの個別要件に対応するため、カスタマイズや独自開発が必要になるケースも多く、数百万円〜数千万円の費用が発生することも珍しくありません。

■ 既存顧客へのサポートが必要
BtoB EC導入時には、既存顧客への取引方法変更の説明やフォローが不可欠です。
これまで電話やFAXで取引してきた顧客に対しては、操作マニュアルの作成やデモサイトの案内など、丁寧なサポートが求められます。
スムーズな移行のためには、社内外での調整やフォロー体制の構築も重要です。

BtoB EC構築で押さえたいポイント

BtoB ECの構築・導入には、業務効率化や売上拡大など多くのメリットがありますが、成功させるためにはいくつかの重要なポイントと注意点を押さえる必要があります。
ここでは、BtoB EC構築で失敗しないためのポイントと導入時の注意点を詳しく解説します。

BtoB ECの構築方法

まずBtoB ECを構築する方法について把握しましょう。主に「パッケージシステム」「ASPカート」「フルスクラッチ」という3種類が挙げられます。
構築方法によってできることや、コスト感などが変わってくるので、実現したいことに合わせた方法で構築を進めるようにしましょう。


BtoB ECを構築する手法であるフルスクラッチ、パッケージ、ASPについての説明

■ パッケージシステム
パッケージシステムとは、ECサイト運営に必要な基本機能があらかじめ組み込まれているシステムです。
標準機能に加え、自社のニーズに合わせて追加カスタマイズが可能なため、ゼロから開発する必要がなく、効率的にBtoB ECを構築できます。
近年ではBtoB取引に特化したパッケージも登場しています。 ただし、標準機能やカスタマイズ可能な範囲は提供ベンダーごとに異なるため、コストだけでなく、機能や拡張性が自社の要件に合っているかをしっかり確認することが大切です。

■ ASPカート(クラウド型EC)
ASPカートは、クラウド上で提供されるECシステムを利用して、手軽にBtoB ECを始められるサービスです。
初期費用が安く、導入期間も短いため、コストを抑えたい企業やスピーディーにサイトを立ち上げたい場合に最適です。
また、ベンダーが定期的にバージョンアップやセキュリティ対応を行ってくれるため、運用負担も軽減できます。
一方で、カスタマイズの自由度は低く、独自の機能追加や特殊な業務フローには対応しにくい場合があります。自社独自のBtoB ECを構築したい企業は注意が必要です。

■ フルスクラッチ開発
フルスクラッチは、必要な機能やデザインを一から完全オーダーメイドで開発する方法です。
開発期間やコストは高くなりますが、自社独自の要望や複雑な業務フローにも100%対応でき、理想のBtoB ECを実現できます。
ただし、サイトの改修やセキュリティ対策も自社で行う必要があるため、十分なリソースと予算が求められます。
独自性を重視したい、独自の運用ルールが多い企業に適した構築方法です。

BtoB EC導入時の注意点

BtoB ECは様々な導入効果を得ることができますが、導入時の課題もあります。
導入検討を進める場合は、以下のような点に注意しましょう。

■ 既存取引先に利用してもらえるECサイトを作る
BtoB ECを構築しても、従来どおり電話やFAXで発注を行っている既存の取引先が、すぐにECサイトへ移行してくれるとは限りません。
移行が進まない場合、かえって業務が煩雑化してしまう恐れもあります。
そのため、「在庫数や納期を簡単に確認できる」「24時間いつでも発注できる」といった取引先が得られるメリットをしっかり訴求しましょう。
また、事前に既存顧客へアンケートを行い、ニーズや要望を反映したサイト設計を行うことも重要です。

■ 業務フローと要件を明確にする
BtoB EC導入によって、これまでの受注業務や社内フローが大きく変わるケースも少なくありません。
自社の業務フローや取引ルール(ロット単位、価格設定、在庫・納期管理など)を棚卸しし、ECサイトで実現したい内容を明確にしましょう。
特に、サイト制作会社やシステムベンダーとの間で要件定義をしっかり行い、どの業務をEC化するか、どこを自動化・連携するかを整理することが成功のカギとなります。

■ 基幹システムとの連携
受発注管理・在庫管理・請求など、既存の基幹システムとのデータ連携は、BtoB ECの効率的な運用には不可欠です。
どこまで自動化するか、どこを手作業にするかも含めて、事前にしっかり検討しましょう。

■ セキュリティ対策の徹底
BtoB ECでは、多くの顧客情報や取引データを扱います。
情報漏えいなどのセキュリティリスクに備え、SSL対応やアクセス制限、定期的なセキュリティチェックなど、万全の体制を整えることが重要です。
トラブル発生時は、企業の信頼低下や損害賠償リスクもあるため、運用体制の構築も欠かせません。


ECサイトのセキュリティ・情報漏えい対策について詳しくはこちら
記事を読む

■ 使いやすさ・分かりやすさを重視したサイト設計
BtoB ECは「業務効率化のツール」であることを意識し、使いやすさや分かりやすさを重視したUI/UX設計が不可欠です。
導入後も継続して取引先に使ってもらえるよう、シンプルで直感的なサイトを目指しましょう。

BtoB EC構築では、自社の業務整理・要件定義、既存顧客の利用促進、基幹システム連携、セキュリティ対策、分かりやすいサイト設計が成功のポイントです。
これらをしっかり押さえることで、BtoB ECの導入効果を最大化し、競争力のあるビジネス基盤を構築できます。

構築・リニューアルを成功に導くポイント

ここでは、BtoB ECの新規構築やリニューアルを成功させるために、さらに押さえておきたい重要なポイントをご紹介します。
現在BtoB ECの導入や刷新を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

■ 自社業務の可視化・棚卸し
BtoB ECの構築やリニューアルに着手する際、最初に取り組むべきなのが「自社業務の可視化・棚卸し」です。
BtoB ECは、これまで営業担当やオペレーターが対応していた受注処理や納期回答、在庫・価格の確認などリアル業務を、Web上のシステムに置き換えるものです。
企業ごとに異なる販売方法や業務フローがあるため、自社独自の「売り方」「業務プロセス」を明確にしておくことが非常に重要です。
具体的には以下のような点を明確にする必要があります。

【商品の販売方法】
ロット単位での販売有無
最小販売数量の設定
付属品やセット商品の有無
入り数や組み合わせ
カスタムオーダー対応

【価格設定】
・法人ごとの仕切率の有無
・掛け率、単価の割引など価格設定のルール
・価格設定のルール(更新のタイミングや理由)

【出荷・配送】
・法人ごとの配送先指定
・都度配送先指定の可否
・複数商品の一部在庫割れ時の対応
・分納時の送料負担のルール

【在庫管理】
在庫引き当てのタイミング
在庫情報の取り扱い方

【納期回答】
納期確定のタイミング
納期連絡の方法

日常業務で当たり前に行っていることほど、要件定義から抜け落ちやすいものです。
その結果、システム導入後に運用がうまくいかないケースも少なくありません。
トラブルを防ぐためにも、注文受付から商品納品までの流れをフロー図や全体概要図で可視化し、業務プロセスを明確にしておきましょう。

■ 基幹システムとの連携設計
多くのBtoB企業では、営業や受注担当者が基幹システムを活用し、受注入力や在庫・納期の確認を行っています。
そのため、ECサイトと基幹システムの連携は、業務効率化・データ一元管理の観点からも非常に重要です。

ecbeing BtoBと基幹システムとの連携イメージ


ECサイトと基幹システムを連携する際は、「どの情報をシステム間で連携するのか」「自社運用でカバーすべき部分はどこか」などを明確にし、業務の抜け漏れがないように設計することがポイントです。


BtoB ECサイトと基幹システムを連携で発生する業務イメージ


■ BtoB EC構築・リニューアル成功のためのチェックリスト
ここまでご紹介してきたことを踏まえて、BtoB ECを成功に導くための重要なチェックポイントを改めてまとめます。

@顧客ターゲット・構築目的の明確化
・既存取引先向けのクローズドサイトで業務効率化を目指す
・新規顧客獲得や売上拡大を狙ったスモールB型/オープンサイトを構築する
・業務効率化と売上拡大を両立させるハイブリッド型サイトに挑戦する
・得意先に使いやすい仕組みを提供

A得意先が業務効率化を実感できるユーザー体験を設計する

B業務フローの棚卸し
商品やお金の流れを詳細に整理し、システム要件に反映させる

C自社運用できる範囲の明確化
システムで自動化すべき部分と、自社で運用する部分を切り分ける
(どんなシステムも全て満たせるものはない)

ecbeing BtoBで実現!最新BtoB EC成功事例まとめ

BtoB ECの導入・リニューアルを検討されている企業様へ、「ecbeing BtoB」は、1,600社を超えるECサイト構築ノウハウを活かした、企業間取引用の専門ECプラットフォームです。
業種・業態ごとの商習慣にフィットする標準機能はもちろん、各社独自の業務フローや要望に合わせた柔軟なカスタマイズにも対応。
「売上拡大」「業務効率化」「顧客満足度向上」を同時に実現するBtoB ECを構築できます。
ecbeing BtoBを活用して実際に成果を上げた最新のBtoB EC成功事例を厳選してご紹介します。BtoB EC構築・リニューアルを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

BtoB EC構築で社内業務を半分以下に削減【コニカミノルタジャパン株式会社様】

コニカミノルタジャパン様は、複合機やヘルスケア機器、産業用計測機器など多角的に事業展開する中、社内外のDX推進・働き方改革の一環として、ecbeing BtoBを活用した3つのBtoB ECを新たに構築しました。
複合機のポータルサイト「e-bizhub」、オフィス用品購買サイト「bizconcie」、サブスクリプション商材申込サイト「bizconcieDX」と、用途に合わせて段階的なEC化を実施。

これらの取り組みにより、営業・業務部門の手作業による発注業務が大幅に電子化され、EC化率は伝票発行全体の50%超を達成。
商品管理や価格設定も自動化し、30万点以上の商品を効率的に運用。社内工数削減・顧客満足度向上・売上拡大に大きく貢献しています。


コニカミノルタジャパン様の成功事例について詳しくはこちら
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展示会受注のDX化で業務効率を劇的に改善【株式会社コロンビアスポーツウェアジャパン様】

株式会社コロンビアスポーツウェアジャパン様は、展示会での卸先受注業務のデジタル化を目的に、ecbeing BtoBによるクローズド型BtoB ECを新規構築。
従来は紙カタログやFAX・メールによるアナログな受注フローが中心でしたが、デジタルカタログ連携や在庫のリアルタイム見える化、受注から出荷まで一気通貫したシステムを導入しました。

この仕組みにより、受注業務の効率化や在庫確認の電話やメールのお問い合わせ対応も大幅の削減。顧客の利便性と社内の生産性が大きく向上しました。
正確でタイムリーな商品情報提供で、顧客満足度もアップしています。


コロンビアスポーツウェアジャパン様の成功事例について詳しくはこちら
記事を読む

BtoBtoC ECサイトで会員数が年間20万人以上増加【株式会社ミルボン様】

株式会社ミルボン様は、美容室専売品を中心としたBtoBtoC向けECサイト「milbon:iD」をecbeing BtoBで構築。サロン様の売上計上や、顧客が普段通うサロン経由で商品購入できる仕組みを整え、美容室と顧客双方の課題を解決するECビジネスモデルを実現しました。

その結果、出店サロン数は順調に増加し、顧客会員数も毎年20万人以上増加。
CRMメールによるリピート促進やサロン業務の効率化にも寄与し、ECサイト立ち上げ後も着実に会員基盤の拡大を続けています。


ミルボン様の成功事例について詳しくはこちら
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まとめ

BtoB ECの構築は、単なる受発注のデジタル化にとどまらず、「業務効率化」「売上拡大」「顧客満足度向上」など、企業のビジネス成長を強力にサポートする施策です。
市場規模も年々拡大し、今や多くの企業が導入を急いでいます。

構築時は、自社の業務フローや要件を明確にし、「クローズド型」「スモールB型」など最適なサイト形態を選ぶことが成功のカギです。
また、基幹システム連携やセキュリティ対策、使いやすいUI/UX設計も重要なポイントとなります。

実際にecbeing BtoBを活用してBtoB ECを導入した企業では、業務工数の大幅削減・受注効率化・新規顧客獲得・会員数増加など、具体的な成果が続々と生まれています。
競争が激化する2025年以降も、BtoB ECの活用は企業成長のカギを握ると言えるでしょう。

BtoB ECの構築・リニューアルをご検討中の方は、まずは自社の現状分析と要件整理から始め、実績豊富な専門パートナーへの相談がおすすめです。

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