
食品・飲料業界向けに必要となる機能や、業界特有の課題への対応方法を詳しく紹介しています。
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食品・飲料業界の受発注システムについて、FAX・電話受注、荷姿・入数、賞味期限・ロット、温度帯、不定貫、規格書・アレルゲン情報など業界特有の課題と必要な機能、導入の進め方を解説します。
食品・飲料向け受発注システムとは、取引先からの注文受付や受注処理をデジタル化し、得意先別の商品・価格、荷姿・入数、賞味期限・ロット、温度帯など食品業界特有の取引条件にも対応する仕組みです。
基本的な受注処理だけであれば対応できますが、食品特有の商習慣や商品管理まで考える場合は、荷姿・入数、賞味期限・ロット、常温・冷蔵・冷凍、不定貫、規格書・アレルゲン情報などへの対応を確認する必要があります。
すべての取引先を一度にWebへ移行する必要はありません。Web注文への移行を進めながら、FAX注文をデータ化するなど、段階的に受注業務をデジタル化する方法があります。
現在の注文方法をWeb化できるかだけでなく、得意先別価格、発注単位、温度帯、賞味期限・ロット、基幹・在庫・物流システムとの連携など、自社の取引条件と物流条件まで含めて判断することが重要です。
受発注システムは受注・発注業務の効率化が中心ですが、BtoB ECでは商品検索、Webカタログ、商品提案など取引先とのデジタル接点まで広げられます。
食品メーカーや食品卸、飲料卸の受注現場では、飲食店、小売店、ホテル、施設など、多くの取引先から日々注文が入ります。
WebやEDIで注文を受け付ける取引先が増える一方、「この取引先はFAX」「こちらは電話」「この得意先は専用フォーマット」といったように、複数の注文経路が残っている企業もあります。その場合、受注担当者が内容を確認し、販売管理・基幹システムへ入力する作業が発生します。
さらに食品・飲料の場合、単に商品コードと数量を受け付ければよいわけではありません。ケース・バラなどの発注単位、賞味期限やロット、常温・冷蔵・冷凍といった温度帯、精肉や鮮魚などの重量商品、規格書やアレルゲン情報など、業界特有の条件を考慮する必要があります。
本記事では、「食品 受発注システム」「飲料 受発注システム」を検討している企業向けに、食品・飲料業界で受発注システムが必要とされる理由、求められる機能、システム選定のポイントを解説します。
食品・飲料向け受発注システムを考える際には、「注文画面をWeb化すること」だけを目的にしないことが重要です。受注から在庫確認、出荷、請求までを含め、食品・飲料業界の取引全体をどのようにデジタル化するかという視点で考える必要があります。
受発注システムとは、企業間で行われる注文受付、発注、受注確認などの業務をデジタル化する仕組みです。
例えば取引先がWebサイトにログインし、次のような操作を行います。
FAXや電話、メールで受け付けていた注文をWeb上で受け付けることで、受注担当者による転記や内容確認の作業を減らしやすくなります。
一般的な物販と食品・飲料の大きな違いは、商品の扱い方そのものに条件が多いことです。
そのため食品・飲料向けの受発注システムでは、注文画面をWeb化するだけでなく、その後の在庫・物流・出荷業務につながる情報まで考えて設計することが重要です。
「BtoB EC」と「受発注システム」は実際の製品カテゴリーでは重なる部分が多い言葉です。受発注システムは、注文情報を受け付け、処理する仕組みを広く指します。
一方、BtoB ECでは受注処理だけでなく、取引先が商品を探し、情報を確認し、発注するまでの購買体験も重要になります。
| 観点 | 受発注システム | BtoB EC |
| 主な目的 | 受発注業務の効率化 | 受発注+販売・営業のデジタル化 |
| 主な利用者 | 既存取引先 | 既存取引先+新規取引先など |
| 主な機能 | 注文、受注確認、履歴 | 注文、商品検索、Webカタログ、商品提案 |
| 重視する効果 | 作業削減、入力ミス削減 | 業務効率化+売上・顧客接点強化 |
■考え方のポイント
・「FAXをなくす」だけでなく、取引先が商品を探し、必要な情報を確認し、継続的に注文しやすい環境を作るところまで考えると、BtoB ECとしての価値を高めやすくなります。
食品・飲料業界では、得意先ごとの商習慣に加えて、商品そのものにもさまざまな制約があります。受発注システムを検討する前に、まず自社の複雑さがどこから生まれているのかを整理することが重要です。
既存取引先との関係が長いほど、従来の注文方法を簡単には変更できない場合があります。
その結果、ある取引先はFAX、別の取引先は電話、メール、EDI、Webというように、複数の注文チャネルが併存しやすくなります。
受注担当者側では、注文方法が違っても最終的に同じ販売管理・基幹システムへ入力しなければならず、転記や内容確認といった人手による処理が残ります。
食品・飲料では、商品ごとに発注できる単位が異なります。例えば同じ飲料でも、1本、6本、24本入りケースといった複数の販売単位を持つことがあります。
「24本入りケースを1つ注文したつもりが、1本だけ注文していた」といった認識違いを防ぐためにも、荷姿や入数が注文者に分かりやすく表示される必要があります。
食品では在庫数だけ確認すればよいとは限りません。同じ商品コードでも複数の製造ロットが存在し、それぞれ期限が異なる場合があります。
また、得意先との契約や運用ルールによって必要な残存期間が異なるケースもあるため、受発注システム単体で管理するのか、在庫・倉庫・基幹システムと連携するのかを整理する必要があります。
食品・飲料では、温度帯も重要な条件です。同時に注文された商品でも、常温・冷蔵・冷凍が混在すれば、配送方法や送料計算が変わる可能性があります。
注文時には一つのカートに見えていても、物流側では複数配送に分かれることがあります。そのため、受注画面だけでなく配送まで含めた設計が必要です。
精肉、鮮魚、チーズなどでは、1個あたりの重量が一定ではない商品があります。例えば「約5kg」で注文を受け、実際の商品が5.2kgであれば、最終的な請求金額を実重量から計算する運用があります。
こうした商品を扱う場合、注文時の数量・概算金額と、出荷時の実数量・確定金額をどう管理するかという一般的なECとは異なる設計が必要になります。
食品では「注文を受ける」以外にも、「アレルゲン情報を確認したい」「規格書を送ってほしい」「原料原産地を確認したい」といった問い合わせが発生します。
こうした情報をWeb上の商品情報と紐づけて取引先自身が確認できれば、営業担当者や受注担当者への問い合わせ削減にもつながります。
受発注システムを選定する際には、「ECサイトとして何ができるか」ではなく、現在の受発注・商品・物流業務と照らし合わせて確認することが重要です。
| 現在の課題 | 検討したい機能・仕組み |
| FAX・電話注文の入力負荷が大きい | Web受注、注文データ化、AI-OCR等との連携 |
| 得意先ごとに価格・商品が違う | 得意先別の商品・価格・取引条件 |
| 毎回同じ商品を注文する | リピート注文、発注リスト、一括発注 |
| ケース・バラなど単位が複雑 | 荷姿・入数・最低発注数の管理 |
| 賞味期限・ロット条件がある | 期限・ロット情報と在庫・基幹システムの連携 |
| 常温・冷蔵・冷凍が混在する | 温度帯別配送、送料、混載ルール |
| 精肉・鮮魚など重量商品を扱う | 不定貫への対応、確定重量・金額の反映 |
| 規格書などの問い合わせが多い | 商品情報、規格書、アレルゲン情報の提供 |
| 基幹システムへの二重入力がある | 販売管理・基幹・在庫・物流システム連携 |
BtoB取引では、全取引先に同じ商品を同じ価格で販売するとは限りません。得意先ごとの販売商品、価格、最低発注数量、納品先などを管理できるか確認します。
食品・飲料のBtoB取引では、同じ商品を繰り返し注文するケースが多くあります。過去の注文からの再注文、定番商品、お気に入り、発注リストなど、従来のFAXより簡単に注文できる導線を用意することが重要です。
ケース・バラなど複数の発注単位がある場合、単位を明確に表示し、必要に応じて「1ケース=24本」「ケース注文のみ」「最低2ケースから」といった条件を注文時に分かりやすく伝えられる設計が必要です。
確認したいのは「賞味期限という項目があるか」だけではありません。どのシステムを正として管理し、注文・在庫引当・出荷へどう反映するのかまで確認する必要があります。
常温・冷蔵・冷凍の商品を扱う場合には、温度帯別の配送区分、送料、混載可否、配送方法などをどこで判断するかを決めます。
「注文時は概算、出荷時に実重量で確定」という業務フローがある場合、その後の売上・請求処理まで含めて確認することが重要です。
商品マスタに食品特有の属性を持たせ、商品ページから確認できるようにすると、Web受発注システムを単なる注文窓口ではなく、取引先向けの商品情報基盤として活用できます。
受発注システム導入の目的として最初に挙がりやすいのは「受注業務の効率化」です。しかし、食品・飲料業界にとっての効果はそれだけではありません。
Webから受け付けた注文情報をそのままシステムへ連携できれば、FAXや電話で受けた注文を再入力する作業を減らせます。入力ミスや読み間違いの防止にもつながります。
商品、価格、入数、規格書、アレルゲン情報などを取引先自身がWebで確認できるようにすれば、買い手にとっては回答を待つ必要がなくなり、売り手側も問い合わせ対応を減らせます。
つまりBtoB ECは、売り手の業務効率化と買い手の利便性向上を同時に考える仕組みです。
定型的な注文をWebへ移行できれば、営業担当者は新商品の提案、売場提案、顧客の課題把握、新規開拓など、人が対応したほうが価値の高い仕事へ時間を使いやすくなります。
「いつもの商品をすぐ注文できる」「入数を間違えず注文できる」「過去の注文から再注文できる」といった使いやすさも取引先にとって重要です。
受注効率化だけでなく、取引先から見て発注しやすい会社になることまで考えることで、BtoB ECの価値を高められます。
受発注システムを導入すれば、自動的にFAXや電話がなくなるわけではありません。特に食品・飲料業界では、既存取引先の注文習慣や物流条件を考えながら進める必要があります。
FAXに慣れている取引先へ一律にWeb注文への切り替えを求めると、取引先側の負担が増えることがあります。Web利用に積極的な取引先から始め、段階的に対象を広げるほうが現実的です。
「A社だけこの価格」「この商品だけこの締め時間」といった例外をすべて実装すると、システムが必要以上に複雑になる場合があります。Web化を機に統一できる業務ルールがないかを見直すことも重要です。
取引先がWebから注文できるようになっても、その注文内容を担当者が販売管理システムへ再入力していては十分な効率化にはなりません。
商品、得意先、価格、在庫、ロット、注文、出荷など、どの情報をどのシステムが管理し、どこまで連携するかを導入前に整理する必要があります。
食品・飲料業界では、受発注システムというとFAX削減や入力業務の効率化に目が向きがちです。しかしBtoB ECは、商品を検索してもらう、新商品を知ってもらう、関連商品を提案するなど、取引先との新しいデジタル接点にもなります。

受発注システムを検討するときは、最初から製品比較を始めるのではなく、現在の受発注業務を整理するところから始めます。
まず、現在どのような方法で注文を受けているかを整理します。
注文件数だけでなく、どの取引先がどの方法で注文しているかまで確認すると、Webへ移行しやすい領域が見えてきます。
次に、次のような自社独自の条件を整理します。
すべてをEC側で管理しようとせず、どこまでをWebで判断し、どこから基幹・在庫・WMSなどへ渡すかを明確にします。
取引先側から見れば「企業のDX」より「簡単に注文できるか」のほうが重要です。定番商品、過去注文、発注リストなどを活用し、少ない操作で注文できる設計を目指します。
すべての取引先を一斉に切り替える必要はありません。Web移行しやすい取引先から始め、運用上の問題を確認しながら対象を拡大します。
食品・飲料の受発注システムでは、単純なWeb注文だけでは対応できないケースがあります。重要なのは、自社の商品・取引・物流条件を整理し、それをWeb受注と基幹・在庫・物流システムへどうつなぐかを設計することです。
食品・飲料では、荷姿・入数、賞味期限・ロット、温度帯、不定貫、商品規格情報など、一般的なBtoB取引だけでは表現しにくい要件があります。
こうした条件をどこまでECで扱い、どこから基幹・在庫・物流側で管理するかを含めて検討することが重要です。
FAXを利用している取引先が多い場合、一度にWeb注文へ変更することが難しいケースがあります。そのため、Web、FAX、EDIなど異なる受注チャネルを前提にしながら、最終的に注文データをデジタルにつないでいく考え方が重要です。
「自社ではどこまでWeb受注へ移行できるのか」「食品特有の条件や既存システムを維持できるのか」といった点を検討している方は、食品・飲料業界向けのページもあわせてご覧ください。
食品・飲料業界向けECソリューション
食品・飲料向け受発注システムを検討するときは、単にFAXや電話をWeb注文へ置き換えるだけでは十分ではありません。
得意先ごとの商品・価格、ケース・バラなどの荷姿・入数、賞味期限・ロット、常温・冷蔵・冷凍などの温度帯、不定貫商品、規格書・アレルゲン情報、基幹・在庫・物流システムとの連携など、食品・飲料業界ならではの取引条件をどこまでデジタルで支えられるかが重要です。
導入を検討する際には、次の順番で進めると必要なシステムを整理しやすくなります。
1.現在の注文方法と業務量を整理する
2.食品特有の取引・物流条件を洗い出す
3.ECと基幹・在庫・物流システムの役割を決める
4.取引先が使いやすい注文導線を設計する
5.移行しやすい取引先から段階的に始める
受注業務を効率化するだけでなく、取引先にとって「商品を探しやすい」「入数を確認しやすい」「いつもの商品を簡単に注文できる」という環境を作ることも、食品・飲料業界が受発注をデジタル化する大きな意味です。

