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初心者でもわかる!AIクローリングがネットショップに与える影響と対策

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公開日:

生成AIとAIクローリングの基礎知識やネットショップへの影響、対策方法をわかりやすく解説。初心者でも理解できる活用法を学び、今後のECサイト運営に役立てましょう。

近年のネットショップ(ECサイト)では、他のお店の価格や商品の情報をすばやく集めることがとても大切になっています。そこで注目されているのが、AI技術を活用したWebクローリングです。

このページでは、「AIクローリングとは何?」という基本から、ネットショップにどう影響するのか、どう対応すればいいのかを、わかりやすく解説します。

AIクローリングとは?

クローリングとは、ネット上のページを自動で見て回って情報を集めることです。

たとえば、Googleの検索エンジンが、いろんなホームページを見て、検索結果を作るのもクローリングの一種です。

最近は、このクローリングにAI(人工知能)が使われるようになり、もっと賢く・柔軟に情報を集められるようになりました。

AIクローリングで何ができる?

AIクローリングではあらかじめ指定された場所だけを見るのではなく、ページの中から「価格っぽい情報」をAIが自分で見つけてくれます。

さらに、AIはページの見た目(画像としてのレイアウト)も理解できるようになってきました。

つまり、私たちが目で見て「ここに価格が書いてあるな」と見つけるように、AIも同じように商品の価格を探すことができるようになっているんです。

ECサイトへの影響は?

メリット(良い点)

1. 競合のお店の情報をすぐに集められる

AIが自動で他のネットショップをチェックしてくれるので、価格や在庫の変化にすぐ気づけます。「あ、あそこのお店が値下げしたな」なんてことも、すぐにわかります。

2. お客様の声を分析しやすくなる

たくさんのレビューをAIが読んで、商品改善のヒントを見つけてくれます。人間だと時間がかかる作業も、AIならあっという間にこなしてくれます。

3. 在庫予測に活用できる

競合価格や販売動向、レビュー傾向といった外部情報をクローリングで取得し、それらをAIが分析することで「これから売れそうな商品」を予測できます。結果として、在庫管理の精度が上がり、無駄な在庫や欠品を減らせます。

デメリット(困ること)

1. アクセスが集中してサーバーが重くなる

多くのAIクローラーが一気にアクセスしてくると、サイトが重くなったり、遅くなったりします。サイトが重いと感じることで、顧客体験が悪くなる可能性があります。

2. 自分の情報が勝手に取られる可能性がある

他社があなたのサイトから商品情報を取って、自分のビジネスに活かしてしまうこともあります。苦労して作った情報が、簡単にコピーされてしまうかもしれません。

クローリングを止める・制限する方法は?

AIによるクローリングを防ぐためには、「技術的な対策」と「ルールでの対策」の両方が大切です。どちらか一つだけでは効果が限定的なので、組み合わせて使うのがポイントです。

技術的な方法

1. robots.txt(ロボッツドットテキスト)を使う

これはクローラーに対してアクセス制限を要請するものです。ただし、これは法的拘束力のない「お願い」レベルの制限であり、悪意のあるクローラーには効果が限定的です。

※注意:検索エンジン(Googleなど)のクローラーも制限してしまうと、ページがインデックスされなくなり、検索結果やAI検索(AIO)の対象外となるリスクがあります。結果として、

  • 商品ページやブログ記事が検索結果に表示されなくなる
  • AI最適化(AIO)で想定している情報発信がAIに拾われなくなる
  • トラフィックや集客の機会損失につながる

可能性があります。そのため、robots.txtでは「本当にクローリングさせたくない部分(管理画面やテスト環境など)」だけを除外し、公開して集客に活かしたいページは必ずクロール許可するよう設定しましょう。

2. CAPTCHA(キャプチャ)を使う

「私はロボットではありません」といった確認画面で、人間とAIを区別します。自動車を選択したりパズルをはめたりするあの仕組みのことです。

3. アクセス制限をかける

同じIPアドレスからの大量アクセスをブロックしたり、不審な動きを制限したりします。これにより怪しいと思ったアクセスを自動でシャットアウトしてくれます。

ルール・契約面での方法

1. 利用規約に「スクレイピング禁止」と書く

サイトの利用規約に「情報を勝手に取らないでください」とはっきり書いておきます。法的な根拠にもなります。

2. 著作権表示をする

「©2024 あなたの会社名」のような表示を行うことで、サイトの内容が勝手に使えないことを明記しておきます。

新しい取り組み

近年注目されているのが、llms.txtという新しい標準の活用です。これはAI企業に対して利用可能なデータと利用条件を明示するファイルで、robots.txtよりもAI専用に、より詳しく指示できる仕組みです。

さらに、AIクローラーによるアクセスに課金を促す仕組みも提案されています。

今までは「取られるのを防ぐ」だけでしたが、「適正な対価をもらって使ってもらう」という考え方が生まれています。

まとめ

AIクローリング技術は、Eコマース業界にとっての大きなチャンスでもあり、課題でもあります。

顧客体験の向上や需要予測の精度向上など、消費者にとってのメリットは少なくありません。

しかし一方で、クローリングによるサイトへのアクセス集中といった新たな課題も浮上しており、業界全体での対応が求められています。

ECサイト運営者にとって重要なのは、robots.txtやアンチボット技術といった技術的対策と、利用規約の整備や著作権表示といった法的対策を組み合わせることです。

データを「守る」だけでなく「活かす」視点を持ち、バランスを取った戦略を構築することが、持続可能なEコマース業界の発展につながるのです。

ECサイトのこれからに備えるために

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ecbeing

この記事の監修者

株式会社ecbeing
五戸 建
ECサイト構築プラットフォーム「ecbeing」・BtoB専用ECサイト構築プラットフォーム「ecbeing BtoB」の製品開発責任者として、最先端のEC×AI活用の情報を発信。
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