
【2025年最新版】AIプロンプトエンジニアリングの実践方法

「ChatGPTなどの生成AIをどう指示すれば思い通りに動かせるのか」
「回答の質を上げるにはどうしたらいいのか」
というお悩みはありませんか?
本記事では、AIプロンプトエンジニアリングの基本から、実際のプロンプト例、新商品開発やECデータ分析に役立つ応用テクニックまで、はじめての方にもわかりやすく解説します!
- AIプロンプトエンジニアリングの基礎とコツ
- ChatGPTプロンプトの実例
- 新商品開発AI活用法
- ECデータ分析AI活用法
- Tree of Thoughts(ToT)など応用テクニック
「新商品のアイデアがなかなか出てこない…」
「ECの取引データ、どう分析すればいいのかわからない…」
特にこうしたお悩みを持つ方は必見です!
AIプロンプトエンジニアリングの力で、アイデア発想やデータ分析を効率化しましょう。
このページでわかることや想定読者
AIプロンプトエンジニアリングやChatGPTプロンプトの書き方を知りたい方、AIを活用した新商品開発やECデータ分析に興味がある方、業務効率化やビジネスアイデア創出を目指す方に向けて、実践的なノウハウとプロンプト例を解説します。
AIプロンプトエンジニアリングとは?
一言でいえば、AIへの指示を工夫して、何らかの目的を達成することです。
プロンプトの書き方の基本については、以下のコンテンツでも詳しくご紹介していますので、ぜひ併せてご覧ください。
プロンプトエンジニアリングガイド:今すぐ使える!書き方のコツ
すぐに実践できる、AIの回答精度アップのコツをご紹介します。(「プロンプト26の原則」より一部抜粋・要約)
- ・役割を指定する
例:「あなたはECサイトの改善アドバイザーです。今週のA/Bテストの結果を見て、改善のための提案を3つ考えてください。」 - ・対象を指定
例:「プロフェッショナル向けに説明して」→正確だが難解になる、「小中学生向けに説明して」→回答がとても平易になる - ・複雑なタスクは複数のプロンプトに分ける
例:- ・1回目のプロンプト: ターゲット分析の指示
- ・2回目のプロンプト: チャネル選定の指示
- ・3回目のプロンプト: メッセージ案の作成指示
- ・出力形式や文字数を指定する
例:「箇条書きで」、「300文字以内で」 - ・否定表現は使わない
例:✕「商品説明を省略しないでください」、〇「商品説明は必ず記入してください」 - ・「ステップバイステップで考えてください。」をプロンプトの最後に足す。
AIの思考過程が可視化され、精度も向上します。 - ・見出し付きでプロンプトを整理する
Markdown形式との相性が良いです。
## 指示 ECサイトの新商品のキャッチコピーを3つ考えてください。 20〜30代の女性をターゲットに、春の新生活を応援するイメージで作成してください。 ## 例 ・新しい季節、新しい私へ。春色ドリンクで毎日をもっと楽しく! ・今日から始まる、新生活応援キャンペーン! ・あなたらしい春を彩る、とっておきの一杯。
これらの原則を意識することで、回答の質が高まります。
機密情報の漏洩にご用心ください
何も対策せず業務上の機密データをアップロードすることは個人情報を漏洩させる等インシデントにつながる可能性があり、大変危険です。
以下のコンテンツでも詳しくご紹介しています。
ChatGPTの危険性とは?悪用されるリスクや5つの対策も解説
もしこのページを参考にChatGPTで機密データをアップロードしてグラフ生成する場合、企業向けのChatGPT Enterpriseプランを契約するなどの安全策を推奨いたします。
また、AIの回答をそのまま事業アイデアにすると他者の権利を侵害する可能性もあるため、しっかりと調査を行うことも推奨します。
※ 今回の実演では、AIに生成してもらったダミーデータを使うのでご安心ください。
実践例@:新商品開発
新商品のヒントを得るにもAIが大活躍します!
※セキュリティ上の懸念もあるため、先にご一読ください。
機密情報の漏洩にご用心ください
1. 新商品ジュースのアイデアを考えてもらう!
# 新商品ジュースのアイデア発案 あなたは飲料メーカーの新規事業担当です。 「新しいジュース商品のアイデア」を発想するため、次の手順で思考してください。 1. 最初に、市場や日常で見られる「飲料・ジュースに関する課題」を3つ挙げてください。 2. それぞれの課題について、解決につながる新しいジュース商品アイデアを2つずつ考えてください。 3. その中で、最も実現しやすい商品アイデアを1つ選び、その商品の簡単なビジネスモデル案を作ってください。
すると新しい商品アイデアや課題を考え、「スリムパックジュース」がもっとも実現性が高いと教えてくれました!
さらにターゲット、流通チャネル、プロモ方法などのビジネスモデル案まで出してくれるとは驚きです。


AIの回答をすべて見るには、ここをクリックして展開してください。
もちろんです!「新しいジュース商品アイデア」を発想するため、指定された手順に従って考えてみます。 --- ## 1. 市場や日常で見られる「飲料・ジュースに関する課題」を3つ挙げる 1. **砂糖や添加物が多く、健康に悪影響がある** 2. **持ち運びやすさや飲みきりサイズが少ない** 3. **季節限定や地域限定の味を楽しみにくい** --- ## 2. 各課題に対する新しいジュース商品アイデア(各2つ) ### 課題1:砂糖や添加物が多く、健康に悪影響がある * **アイデアA**:果物と野菜だけで作った「完全無添加・低糖質ジュース」。砂糖や保存料を一切使わず、素材そのものの甘さを活かす。 * **アイデアB**:腸活をサポートする「乳酸菌入りフルーツジュース」。乳酸菌や食物繊維を豊富に配合し、健康志向層向け。 --- ### 課題2:持ち運びやすさや飲みきりサイズが少ない * **アイデアC**:カバンやポケットに入る「スリムパックジュース」。飲みきりサイズで、パウチタイプや紙パックなど、外出先で手軽に飲める設計。 * **アイデアD**:水で割って作る「濃縮ジューススティック」。個包装スティックで、好きな濃さで作れてゴミも少ない。 --- ### 課題3:季節限定や地域限定の味を楽しみにくい * **アイデアE**:毎月異なる産地の果物を使った「ご当地ジュース定期便」。サブスク型で、季節ごとの地域特産フルーツジュースが自宅に届く。 * **アイデアF**:限定素材ミックスの「季節のミックスジュース」。旬の果物や野菜を使った毎月変わるフレーバー展開。 --- ## 3. 最も実現しやすい商品アイデアを選び、ビジネスモデル案を作成 ### 選択アイデア **アイデアC:カバンやポケットに入る「スリムパックジュース」** --- ### ビジネスモデル案 #### 商品概要 * スリムで持ち運びやすい、100mlのパウチ型ジュース。 * フレーバーは3種類(例:りんご・オレンジ・ベリー)。 * 保存料不使用・常温保存可。 * 学生やビジネスパーソン、外出が多い人向け。 #### ターゲット * 外出時に手軽に水分補給したい若年層・ビジネスパーソン・親子連れ。 #### 流通チャネル * コンビニ・ドラッグストア・自動販売機・ネット販売。 #### 価格帯 * 1本150円前後。お試し3本パックで400円。 #### プロモーション * SNSで「かばんにIN!」キャンペーン * 有名インフルエンサーやYouTuberとのタイアップ * 店頭POPや駅広告で「新生活応援」訴求 #### 差別化ポイント * 小型・軽量で持ち運びやすい * 無添加、常温保存可 * パッケージデザインはおしゃれな限定デザインも展開 --- ご要望に合わせて、他アイデアのビジネスモデル案や具体的な商品名・パッケージ案などもご提案可能です。もし気になるアイデアがあれば、さらに深掘りしますのでご相談ください!
(もっと詳しく知りたい方はこちら)Tree of Thoughts(ToT)とは?
プロンプトエンジニアリングには、一部の工夫手法に名前がついています。
先ほどの例では Tree of Thoughts(ToT) という手法が使われています。
AIに「一つの答え」ではなく「複数の思考の枝」を展開させ、段階的に最適解へ導かせるというテクニックです。
ToTを活用することで、AIの発想力や分析力をより引き出すことができます。
名前は仰々しいですが、御覧の通り簡単です!
Q. どうしてTree of Thoughtsで回答してくれたの?
A.
プロンプトの下記部分がToTの特徴です。
このフレーズを入れることでToTが誘発されたのです!
1. 最初に、市場や日常で見られる「飲料・ジュースに関する課題」を3つ挙げてください。
2. それぞれの課題について、解決につながる新しいジュース商品アイデアを2つずつ考えてください。
3. その中で、最も実現しやすい商品アイデアを1つ選び、その商品の簡単なビジネスモデル案を作ってください。
2. パッケージデザインも生成してみる!
また、一言続けるだけでパッケージ画像を生成できます。
# スリムパックジュースのパッケージデザイン生成 ## 指示 スリムパックジュースの日本人向けパッケージ画像を生成してください。

商品のイメージをすぐ伝えるにもピッタリですね!プレゼンにも使えそうです。
画像生成については、以下のコンテンツでも詳しくご紹介しています。
画像づくりが”会話”になる時代へ ChatGPTを使った画像生成
実践例A:ECデータ分析
― ECデータ分析に悩む担当者様にうってつけ ―
「ECデータをどう活用すればいいかわからない」という悩みは多くのEC担当者が抱えています。
AIを使えば、「分析手法の選定」「特徴量の抽出・分析」まで、段階的に整理しながらAIに考えさせることができます。
※セキュリティ上の懸念もあるため、先にご一読ください。
機密情報の漏洩にご用心ください
1. AIで注文データを分析する!
今回は注文データをグラフ化するデモを検討してみました。もちろん目的などは自由に変えてください。
## 前提 あなたはBtoB業界に精通したマーケターです。 これから、注文データをもとにグラフ化するデモを検討します。 デモの対象は、BtoB業界のECサイト運営者です。 注文データについては、仮のデータを用意します。 ## 指示 「どういった注文データをサンプルとして用意し、更にそれをもとにどんなグラフを使ってデモすればよいか?」を発想するため次の手順で試行してください。 1. 最初にBtoB領域で注文データからを分析するにあたって業務課題を3つ挙げてください。 2. それぞれの課題について、解決につながる分析手法、利用するグラフのアイデアを2つずつ考えてください。 3. その中で、最もデモとして相手に伝わりやすく、実現しやすいアイデアを一つ選んでください。
すると、以下の観点で注文データ基軸の分析方法を提案してくれました!
- ・どういった観点で分析するのが現実的か?
- ・グラフはなにが最適か?
今回は パレート分析 で売上・利益集中している商品を解明するのが最適なようです。
最初のプロンプトで何を目的とするか?の指定によってこの回答も変わってくるでしょう。



AIの回答をすべて見るには、ここをクリックして展開してください。
(ここに長文のAI回答が入ります。省略)
ここからは順を追って、AIの提案をもとに実際に手順を進めてみましょう。
2. 注文データのサンプルCSVを作ってもらう
サンプルデータを用意してもらいましょう。
※ このように一つ一つ指示することが、最終的に正しい回答を得やすくなります
## 指示 課題 1「売上・利益集中」× パレートチャート 上記課題1のデモ用にサンプル注文データCSVを生成してください。
AIが注文のダミーデータを作成してくれます。

3. パレートチャートを作成
AIのプラン通り、パレートチャートを作ってもらいましょう。次のような指示を与えます。
※ そのままだとグラフの日本語が文字化けするため、Windows標準で付属している meiryo.ttc
をプロンプトに添付しています。
## 指示 課題 1「売上・利益集中」× パレートチャート 上記課題1のデモ用にパレートチャート(棒=商品別売上、折線=累積比)をグラフ生成してください。 グラフ生成時には以下のルールを遵守してください。 - 先ほど作ってもらったサンプル注文データ(CSV、300件)をグラフ化してください。 - 添付したmeiryo.ttcフォントファイルを使用してください。
無事パレートチャートが出来上がりました!

4. パレート分析を行う
いよいよパレート分析です!
## 指示 サンプルデータをもとにしたグラフに対して、以下の手法で分析してください。 - ABC分析(累積売上比でA/B/Cランク) - パレート分析(20/80の偏り確認)
AIの回答をすべて見るには、ここをクリックして展開してください。
(ここに長文のAI分析回答が入ります。省略)

しっかりと分析できていますね。
このように「何から始めればいいかわからない」方でも、すぐに具体的な一歩を踏み出せます!
※ このチャートはプログラムによって動的に作成されています。詳しい方なら、ChatGPTからチャート作成スクリプトだけを拝借し、自分のマシン上でセキュアにグラフ生成できます。
(もっと詳しく知りたい方はこちら)ToT活用時のポイント・注意点
- ・観点(枝)の設計が重要
どのような切り口で思考を分岐させるかが、アウトプットの質を大きく左右します。 - ・段階的な指示で深掘り
一度に全てを求めるのではなく、ステップごとに具体化させることで、AIの強みを引き出せます。 - ・現実性・実行可能性の評価も忘れずに
アイデア出しだけでなく、実際の業務や市場に適用できるかを検証する視点も大切です。
ToTはアイデア発想や複雑な意思決定が必要なシナリオに最適です!
システム設計、プロジェクトの方針、商品開発、ビジネスモデルの立案、マーケティング戦略の検討、漫画のストーリー検討、ブレインストーミング
こういったケースで発想の壁を突破する強力なツールとなります。
ToT以外のも様々なテクニックがあり、例えば
初回のプロンプト
EC業界におけるAI活用の最新事例について、ビジネス関係者向けにわかりやすく紹介する3分間のスピーチ原稿を作成してください。受注予測、在庫最適化、顧客分析、チャットボット等、具体的な導入例や成果を盛り込んでください。
その後、以下のプロンプトを2,3回繰り返す
今作成したスピーチ原稿について、内容の分かりやすさ、説得力、具体性、聞き手への訴求力などを総合的に考えて10点満点で自己評価してください。 また、どの点を評価し、どの点を今後改善すべきか、理由も簡単に述べてください。 10点でなければ改善したスピーチ原稿を改めて全文出力してください。
このように一発目の回答をそのまま使うのではなく、AI自身に2,3回改善を促すことでよりよい回答を得る手法もあります。
これらを学ぶことでAIを駆使するスキルに差がつきます!
まとめ
いかがでしょうか?
プロンプトを少し工夫するだけで、回答の質が変化したり、0から目的を達成することができました。
もしはじめのプロンプトの書き方がよく分からなければ、
「***をTree of Thoughtsで考えるプロンプトを教えてください」 とAIに聞けばすぐ出来上がります。
AIについてもっと詳しく知りたい方はぜひご連絡ください。
