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ECサイトにおけるMA(マーケティングオートメーション)とは何か?EC担当者が知っておくべきポイントとCRMとの違いを解説!

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公開日:

WebマーケティングやECサイトの売上アップ施策において耳にする機会の多い『CRM』と『MA』ですが、その違いを明確に説明できる人はそう多くないのではないでしょうか。
市場には「CRMツール」や「MAツール」といった製品が乱立し、用語の解釈もベンダーによってまちまちであることも理解を難しくしている一因でしょう。

そこで今回は、マーケティング施策の要である『CRM』と『MA』について、その成り立ちや使用目的に立ち返って正しく理解し、それぞれを効果的に活用するためのポイントについて解説します。

サクッと理解!本記事の要点まとめ

『CRM』と『MA』の違いは何ですか?

『CRM』は既存顧客との長期的な関係構築や管理に使われるシステムで、『MA』は見込み客の獲得・育成を自動化するマーケティングツールです。

『CRM』はどの営業プロセスに役立ちますか?

『CRM』は見込み客の発掘後の「商談・契約」「アフターフォロー」など、顧客との関係維持と長期的な関係構築に役立ちます。

『MA』はどの段階で活用されますか?

『MA』はリードの発掘・育成フェーズで、Web問い合わせやメルマガなどを使って見込み客を効率的に育てるために使います。

『CRM』と『MA』を連携させるメリットは何ですか?

既存顧客と見込み客の情報を統合し、営業とマーケティングの連携が強化され、より効果的な施策を実施できるようになります。

導入時に気をつけるべきポイントは何ですか?

コストや運用負担を考慮し、両者を連携させることも視野に入れて、組織や目的に合ったツール選定を行うことが重要です。

「CRM」と「MA」の違いは営業プロセスにあり

『CRM』と『MA』は同列に扱われることが多く、他に『SFA』(営業支援システム)という用語も混同されがちですが、これらには明確な違いがあります。それは「利用される営業プロセス」です。

営業活動のプロセスには、大まかに「1.リード(見込み客)発掘・育成」「2.セールス・商談」「3.アフターフォロー」の3段階があり、それぞれのフェーズとCRM/MA/SFAは以下のように対応しています。

営業プロセスとCRM/MA/SFAの役割の違い

1.リード(見込み客)発掘・育成MA(マーケティングオートメーション)
2.セールス・商談SFA(営業支援システム)
3.アフターフォローCRM(顧客関係管理)

このようにCRMとMAでは利用される営業プロセスが異なり、おのずと利用目的や役割も変わってきます。

それでは次に、CRMとMAの違いについてもう少し詳しく見ていきましょう。

MAとは?

MAとは「Marketing Automation」(マーケティングオートメーション)の略です。2000年代にアメリカで普及したCRMより新しい概念で、マーケティング活動をITで自動化・効率化するツールを指します。 前述の通りMAは営業プロセスにおける最初の段階「リード(見込み客)発掘・育成」で利用されます。

リードを集め、獲得したリードを育成し、そして購買意欲の高い見込み客を選別して次のプロセスに渡す役割を担っており、そのターゲットは見込み顧客です。

CRMとMAの違いをまとめると、CRMは広義では「顧客関係管理」という経営手法、狭義では「顧客管理システム」という既存顧客をターゲットとしたツールです。 一方のMAは見込み顧客をターゲットにしたツールということになります。

MAの機能と活用方法

CRMとMAの違いが明らかになったところで、次にそれぞれの機能や具体的な活用方法についてご紹介します。営業の流れに沿って、まずはMAから見ていきましょう。

ちなみにMAにはBtoB向けのものと、BtoC向けのものがあり、それぞれ機能に違いがありますが、今回はBtoC向けのMAに絞ってご紹介します。MAは「1.リード(見込み客)発掘・育成」のフェーズで利用されることは先にご説明しましたが、このフェーズはさらに「リードジェネレーション」「リードナーチャリング」「リードクオリフィケーション」の3段階に細分化することができ、MAはそれぞれの段階に対応した機能を有しています。

リードジェネレーション

リードジェネレーションとは「見込み客の創出」を行うプロセスで、見込み顧客の情報を集めて管理します。 自社のWebサイトからの問い合わせ、アンケート、サンプル商品の配布、メルマガ登録、資料請求などで顧客情報を収集し一元管理することができます。 またランディングページやWebフォームの作成機能も備わっています。

リードナーチャリング

リードナーチャリングとは「見込み客の育成」を行うプロセスで、獲得したリードの関心度や購買意欲を高めるためにアプローチします。 メール配信やコンテンツ配信など、顧客が求める情報を最適なタイミングで提供し、自社製品に対してより興味を持ってもらうのが目的です。 ステップメール配信機能、Web接客機能、育成シナリオ作成、広告配信といった機能があります。

リードクオリフィケーション

リードクオリフィケーションとは「見込み客の選別」を行うプロセスで、育成したリードを属性別や関心度合い別に分類し、分類に応じた最適なアプローチを支援します。 スコアリング機能によって、特定のWebページを閲覧したユーザーや、メルマガの開封率、クリック率などをスコアにして可視化し、より購買意欲の高い見込み客に個別に商談するといった営業アプローチが可能になります。

MA導入のメリット・デメリット

まず、MA導入の利点は、主に3つあります。

1. 顧客との関係性強化とリピート促進

顧客の行動や属性に合わせたパーソナライズされたコミュニケーションを自動化し、顧客満足度や再購入率の向上を実現します。

2. マーケティングの効率化

今まで手動で行っていたメール配信などの作業を自動化させることによってより戦略的な業務に集中することができます。

3. 高精度なターゲティング

顧客のサイト内行動や購買履歴を分析し、最適なタイミングと内容でアプローチ。無駄の少ない販売促進が可能です。顧客の興味や購買ステージに合わせて情報提供や提案を自動化し、長期的な関係と顧客価値を最大化します。

一方でデメリットとしては以下の2点が挙げられます。

1. 導入コストと運用コストが高い

高機能なMAツールは初期導入費用や月額料金が高額な場合が多く、導入や運用には一定の投資が必要です。

2. 継続的な改善とバランスの必要性

自動化に頼りすぎると顧客の期待に応えられなくなる可能性があるため、定期的なシナリオの見直しや人間的な対応も併せて行う必要があります。そのため、専門知識が必要になります。

メリット デメリット
  • 顧客との関係性強化とリピート促進
  • より戦略的な業務に集中することができる
  • 高精度なターゲティング
  • 導入コストと運用コストが高い
  • 継続的な改善とバランスの必要性

CRMとは?

CRMは「Customer Relationship Management」(顧客関係管理)の略で、顧客満足度と顧客ロイヤリティの向上を通じて売上拡大と収益向上を目指す経営手法を指します。

CRM(顧客関係管理)という戦略は、1990年代後半に登場しました。その背景には大量生産・大量消費を基本とした「マスマーケティング」の終焉と、消費者個別のニーズに対応した「One to Oneマーケティング」の誕生があります。 多様化する消費者ニーズに対応するために、消費者個人にフォーカスを当て、関係性を良好にしていくことで収益性を高めるのがCRMの目的です。

このようにCRMは元々手法や戦略を指す用語でしたが、それが転じて顧客との関係性を深めるのに役立つツールやシステムを表すようになり、現在では「CRM=顧客管理システム」と訳されるのが一般的になっています。

「CRM=顧客管理システム」は、顧客の基本情報や購入履歴などの顧客データを管理し、顧客サービスの向上やクロスセル・アップセルに活用して、顧客生涯価値(LTV)の最大化を図るツールです。そのターゲットは主に既存顧客になります。

CRMの機能と活用方法

次に、CRM(顧客管理システム)の機能と活用方法についてご紹介します。 MAが見込み客をターゲットにしたツールであるのに対し、CRMは既存顧客との継続的なコミュニケーションを通じて、顧客をファン化し、長期的な関係を築くことを目的としています

そのため顧客一人ひとりの詳細な情報(好みや購入履歴、購入頻度など)を管理する機能や、ファン化に寄与するキャンペーンの管理、顧客満足度を高める問い合わせ対応などの機能を持っています。

顧客情報管理

顧客の個人情報や購入履歴、購入金額、直近の購入日などを管理・分析します。 また購入頻度や購入金額などで顧客をセグメント分けし、セグメント毎にメルマガの内容を変更したり、クロスセル・アップセルといったアプローチをターゲット毎に使い分けたりすることで、適切な営業活動が行えるよう支援します。

キャンペーン/プロモーション管理

会員限定の特別セールや、誕生日に割引クーポンを配布するなど、顧客との関係性を良好にするために欠かせない各種キャンペーンやプロモーションを管理します。 キャンペーンの対象となる顧客を選出して自動でメールを送信し、その結果を測定するような機能もあります。

問い合わせ管理

顧客からの問い合わせや意見、要望、苦情などの履歴を管理します。 電話、Web、メールといった様々なルートからの問い合わせを一元管理し、個別の案件対応や、カスタマーサポート/コールセンターと連携し、顧客満足の向上に貢献することが可能です。 また蓄積された問い合わせ情報は、商品開発や経営戦略など、全社的な意思決定にも役立てられます。

CRM導入のメリット・デメリット

まず、コンテンツマーケティングの利点は、主に3つあります。

1.顧客情報の一元管理

顧客の基本情報や購買履歴などを一元化し、情報の共有や管理が容易になります。

2. 顧客満足度の向上

顧客のニーズや履歴を把握し、きめ細やかな対応や提案が可能となり、満足度やロイヤルティが高まります。

3. リピート促進と売上拡大

クロスセルやアップセルの提案、定期的なフォローなどにより、長期的な関係構築と売上増につながります。

一方でデメリットとしては以下の2点が挙げられます。

1. 導入コストと運用負担

システム導入や運用にはコストがかかり、スタッフの教育やデータ整備も必要となる場合が多いです。

2. 継続的な改善とバランスの必要性

自動化に頼りすぎると顧客の期待に応えられなくなる可能性があるため、定期的なシナリオの見直しや人間的な対応も併せて行う必要があります。

メリット デメリット
  • 顧客情報の一元管理
  • 顧客満足度の向上
  • リピート促進と売上拡大
  • 導入コストと運用負担
  • 継続的な改善とバランスの必要性

CRMとMAを連携してより強力に

CRMとMAは別個に導入するよりも、双方が管理する顧客データを連携させることでより効力を発揮します。 例えばCRMに既存顧客の情報だけでなく見込み客の情報も蓄積していけば、MAをより有効に活用することができるようになるでしょう。

また「CRMは営業部門」「MAはマーケティング部門」というように、組織的にも情報的にも分断されているケースが多く見受けられますが、CRMとMAを連携することにより、部門の垣根を超えて双方の施策を最大化できるというメリットもあります。

CRMやMAの導入を検討されている企業は、双方の連携を視野に入れた上でツールを選定してみてはいかがでしょうか。




ecbeing

この記事の監修者

株式会社ecbeing
塩見 駿介
ECサイト構築プラットフォーム「ecbeing」・BtoB専用ECサイト構築プラットフォーム「ecbeing BtoB」をご導入いただいている企業のへの取材を通じて得た知識をもとに、EC構築・運用するうえで役に立つ情報や最新トレンド情報を発信。
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