アパレル市場に未来はあるのか? 生き残りの秘訣とは

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アパレル市場全体の伸びが縮小傾向にあるのをご存知でしょうか? しかしアパレルのEC化率のシェアは拡大傾向にあります。大手メーカーの参入も群雄割拠の様相を呈しており、顧客獲得に苦戦する企業も続出しています。

今回はアパレル市場の過去、現在、未来を見ながら生き残りの秘訣を探してみます。

アパレル市場のピークは過去の話

アパレル業界の景気に関するさまざまなニュースを耳にしますが、過去のアパレル市場はどうだったのでしょうか? 過去、とくにバブル時代に着目してみましょう。

1980年代後半のバブル最盛期は、高級高額指向で婦人服消費の高度成長期でした。1987年婦人服の市場規模は4兆6,394億円、1990年度は6兆3,606億円と、わずか3年で約135%以上の伸び率で市場は盛り上がりを見せていました。また、紳士服と子供服を含めた推定市場規模が10兆5,623億でしたので、婦人服は60%あまりを占めるシェアがあったということになります。

当時の購買行動はどうだったのでしょうか? 日本でインターネットプロバイダサービスが開始されたのは1992年なので、バブル期にインターネットは普及していません。実店舗や通信販売での購買がメインでした。

インターネットも普及していない、世の中は高級高額指向、これらは百貨店の売上に比例しています。このバブル期こそがアパレル市場最盛期の時代でした。

出典:経済産業省 百貨店 衣料品販売の低迷について 2017年2月

出典:経済産業省 百貨店 衣料品販売の低迷について 2017年2月

バブル崩壊…そしてインターネット普及とEC時代の幕開け

バブル崩壊後の1990年代はインターネット環境が整備されるとともにパソコンも急速に普及していきます。94年にダイヤルアップIP接続サービスがスタート、95年にはNTTが『テレホーダイ』サービスを開始、97年に最大128kbpsの常時接続サービス、99年にはADSLが登場するなど、通信環境や速度が劇的に改善されていきます。

インターネットの普及とともにECはどのような展開を見せたのでしょうか? 1990年代後半にECが登場します。大手モール系ECとEC市場の中でも際立って好調な『ZOZOTOWN』を見てみましょう。

Amazon.co.jp

米国Amazonは1995年7月に正式スタートをしていますが、『Amazon.co.jp』のオープンは2000年11月。当時『本』のストアだったという記憶がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。オープン翌年の2001年には『音楽』『DVD』『ビデオ』のサービスを開始、その後アパレルなどさまざまな商品、カテゴリを展開し、2016年日本事業の流通総額は1兆8,000億円規模と推定されています。

楽天市場

日本を代表するECモール『楽天市場』の誕生は1997年5月に遡ります。「インターネットでモノは買わない」と言われた時代に、地方の小規模店舗でも、インターネットやコンピューターに強くなくても、インターネット上で店舗を構えることができるというコンセプトのもと『楽天市場』が誕生します。

パソコン、インターネットが急速に普及するとともに、楽天も急成長を遂げ2017年2月に発表した2016年の国内EC流通総額は3兆95億円に上ります。

ZOZOTOWN(ゾゾタウン)

ZOZOTOWN を展開している株式会社スタートトゥデイはEC黎明期である2000年に、アパレル商材のセレクトショップEPROZE(イープローズ)のインターネット運営を開始、2004年に17店のインターネット上のセレクトショップを集めたZOZOTOWNの運営を開始しました。使い勝手の良さや購入履歴、細かいサイズ表示、商品にマッチした同時購入など消費者目線の施策が功を奏し、商品取引高は右肩あがりで通期連結業績予想は商品取扱高2,700億円を超えると見られます。

現在アパレル市場は縮小傾向。突破口はあるのか?

バブル期以降、日本のアパレル市場は緩やかに縮小傾向にあります。実店舗とECサイトを含めた善良取引は2002年には20兆円を超えていたのが、2016年には13兆9,954億円へと縮小傾向にあります。

突破口はECにあり

このような下降気味のファッション市場の中でも売上確立の突破口となりそうなのがECです。

ECの市場規模は勢いを増しており、経済産業省が2017年4月に発表した「平成28年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」によると、2016年BtoC-ECの市場規模は1兆5,297億円と前年1兆3,839億円から10.5%上昇しています。

EC化率も2015年の9.04%から2016年には10.93%と順調なシェアの広がりを見せており、実店舗での売上が伸びないなかで、アパレル業界におけるECサイトの重要性がわかります。

EC化率が伸びている理由は?

なぜアパレル業界でEC化率が伸びているのでしょうか? それはインターネットとスマートフォンの普及が関係しています。

出典:平成28年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)インターネット利用端末の種類

出典:平成28年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)インターネット利用端末の種類

インターネット利用者数は、総務省による2016年度の調査では利用者数1億84万人、人口普及率は83.5%。総務省は概ね上昇傾向にあると報告しています。また上図の通り利用端末はスマートフォンが54.3%と自宅のパソコンについで2番目の利用率となっています。スマートフォンの急激な伸び率を見ると、自宅のパソコンと入れ替わることも十分にあり得るでしょう。

EC利用が身近になりつつあるので、ユーザーは気に入った商品があればすぐに購買行動を起こすということが言えます。

アパレルEC、生き残りの秘策は、『変化』への対応

「アパレル市場が縮小傾向にある中、EC化率があがっている」。今やアパレル市場はシェアの奪い合いとも言える時代です。今後どのような対策をしていけばいいのでしょうか?

ユーザーの生活変化への対応

年齢、性別、収入をはじめ、スマートフォンのタッチポイントやTwitter、Facebook、Line、InstagramなどのSNS、口コミ、などを含めると、ユーザーの購買行動はより複雑化しておりマーケティング手法も多様です。

ターゲットとなるユーザーの生活行動や購買行動の細かな把握をするとともに、ブランディング・マーケティング戦略の立案がポイントとなります。

テクノロジーの進歩

現時点ではアパレル業界と親和性が高いSNSマーケティング施策などが功を奏している方もいるかもしれません。しかしこの先はどうでしょうか? 日進月歩でテクノロジーは進歩していきます。すでにVR技術を活用した商品の閲覧やショッピングを試験的に導入しているメーカーもでていきています。

実店舗とECサイトの連携

実店舗との連携も欠かせません。最近では店舗=購入という概念が崩れつつあります。いくつかのアパレルメーカーでは、実店舗は試着のみ購入はECというような取り組みも始まっています。あらゆる角度からの初回購入の壁を取り除く取り組みも必要になるでしょう。

海外ユーザーの変化

越境ECも見逃せません。なぜなら中国をはじめとした各国のEC規模は拡大傾向にあり、各国スマートフォンの普及が進んでいることもあり、国境は関係なく購入することができるからです。

出典:平成28年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)世界の各国別BtoCEC市場規模2015年・2016年(単位:US億ドル)

出典:平成28年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)世界の各国別BtoCEC市場規模2015年・2016年(単位:US億ドル)

さらに、アパレル業界でいうと米国、中国の消費者ともに越境EC利用における売れ筋商品は『アパレル/靴/アクセサリー』が1位にきています。他カテゴリよりも越境ECに進出する障壁は低いと言えるでしょう。

いかがでしたでしょうか。経済状況やテクノロジー、ユーザーの環境変化により市場は変化していきます。アパレルEC市場の中で売上シェアを伸ばしていくには、これらの要素は決して無視はできません。市場の変化を見極めて、適した対応を行っていくことが勝ち抜く一歩となります。

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