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ECプラットフォームとは?
プラットフォームの種類と選ぶポイントを徹底解説!

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更新日:   公開日:

ECサイトを構築するうえで、ECプラットフォーム選びは極めて重要です。近年は、ECプラットフォームも多様化しており、それぞれのサービスの特性も大きく異なります。自社のニーズに合ったプラットフォーム選びができなければ、ECサイト運用もうまくいかないでしょう。

特に、オンラインショッピングの市場が拡大するなか、適切なプラットフォームを選択することは、競争力を持つECサイトを構築するためのカギとなります。そこで今回は、ECプラットフォームの種類ごとの特性と選ぶ際のポイントを紹介していきます。

サクッと理解!本記事の要点まとめ

ECプラットフォームとは何ですか?

ECプラットフォームとは、ネットショップ(ECサイト)の構築や運営に必要な機能をまとめて提供するシステムです。商品登録、注文受付、決済処理などをサポートし、専門的な知識がなくても効率的にECサイトを運営できます。

ECプラットフォームにはどんな種類がありますか?

主な種類は「ECモール」「ASPカート」「ECパッケージ」「オープンソース」の4つです。集客力やコスト、カスタマイズ性、専門知識の必要性など、それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なります。

ECプラットフォームを選ぶ際のポイントは?

主な選定ポイントは「機能・カスタマイズ性」「コスト」「サポート体制」「セキュリティ」の4つです。自社の目的や将来の展開、必要な機能や予算、サポート内容を総合的に比較・検討しましょう。

コストを抑えたい場合、どのECプラットフォームが適していますか?

初期費用や月額費用を抑えたい場合は、ECモールやASPカート、オープンソース型が比較的安価です。ただし、長期的な運用コストや拡張性も考慮し、自社に合ったバランスの良いプラットフォームを選ぶことが大切です。

ECサイトを構築するうえで、ECプラットフォーム選びは極めて重要です。近年は、ECプラットフォームも多様化しており、それぞれのサービスの特性も大きく異なります。自社のニーズに合ったプラットフォーム選びができなければ、ECサイト運用もうまくいかないでしょう。

特に、オンラインショッピングの市場が拡大するなか、適切なプラットフォームを選択することは、競争力を持つECサイトを構築するためのカギとなります。そこで今回は、ECプラットフォームの種類ごとの特性と選ぶ際のポイントを紹介していきます。


ECプラットフォームとは

まず、ECプラットフォームの概要から確認していきましょう。

ECプラットフォームはどんなサービス?

ECプラットフォーム(ECサイト構築プラットフォーム)とは、ECサイトを構築・運用するための基盤となるシステムのことです。このプラットフォームは、商品の登録から注文の受付、決済処理に至るまでの一連の流れをサポートする機能を持っています。これにより、企業や個人は技術的な深い知識がなくても、効率的にECサイトを立ち上げ・運営することが可能となります。

ECサイトを運用するためには、さまざまな機能が必要になります。近年、オンラインショッピングの普及とともに、ECプラットフォームの種類も増加し、それぞれが異なる特色や機能を持つようになりました。新たにECサイトを開設する際や、既存のサイトをリニューアルする際には、自社のビジネスモデルやターゲットとなる顧客層、さらには将来的な展開を見越して、最適なプラットフォームを選択することが不可欠です。

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ECプラットフォームの主な機能

ECプラットフォームには、ECサイトの構築から日々の運営までに必要な、多岐にわたる機能が標準で搭載されています。これらの機能があることで、専門的な知識がなくても効率的にネットショップを運営できます。ここでは、ECプラットフォームが持つ代表的な機能を「フロント機能(顧客向け)」と「バックエンド機能(管理者向け)」に分けてご紹介します。

フロント機能(顧客向け機能)

フロント機能とは、ECサイトを訪れた顧客が実際に目にして操作する部分の機能です。快適な購買体験を提供し、購入率を高めるために欠かせません。

商品検索機能:キーワードやカテゴリ、価格帯、ブランドなど、さまざまな条件で商品を絞り込める機能です。顧客が目的の商品にたどり着きやすくなります。

カート機能:顧客が購入したい商品を一時的に保管しておく、いわゆる「買い物かご」の機能です。数量の変更や削除も簡単に行えます。

決済機能:クレジットカード決済、コンビニ払い、代金引換、後払い決済など、多様な支払い方法に対応する機能です。幅広い決済手段を用意することで、購入のハードルを下げます。

会員登録・マイページ機能:顧客が自身の情報(氏名、住所、連絡先など)を登録し、購入履歴の確認や配送状況の追跡ができる機能です。リピート購入時の入力の手間を省き、顧客満足度を高めます。

レビュー機能:商品に対する顧客の評価や感想を投稿・表示する機能です。他の顧客の購買意欲を高める効果が期待できます。

バックエンド機能(管理者向け機能)

バックエンド機能は、ショップ運営者が裏側でサイトを管理するための機能です。日々の業務を効率化し、正確な店舗運営を支えます。

商品管理機能:商品の登録・編集・削除を行う基本機能です。商品名、価格、商品説明、画像などを設定します。

在庫管理機能:商品の在庫数をリアルタイムで管理する機能です。注文が入ると自動で在庫が減り、在庫切れになった商品を「品切れ」表示に切り替えることも可能です。

受注管理機能:顧客からの注文を受け付け、入金確認、発送処理、キャンセル対応など、注文から配送完了までの一連のステータスを管理します。

顧客管理機能:会員登録した顧客の情報(購入履歴、ポイント、会員ランクなど)を一元管理する機能です。顧客対応やマーケティング施策に活用できます。

売上・データ分析機能:日別・月別の売上や、商品ごとの販売数、顧客の属性、アクセス数などを分析・レポートする機能です。データに基づいた販売戦略の立案に役立ちます。

マーケティング・販促機能

上記の基本機能に加え、売上を伸ばすためのマーケティングや販促に特化した機能も重要です。

クーポン・ポイント機能:割引クーポンの発行や、購入金額に応じたポイントの付与・利用ができる機能です。リピート購入や顧客の囲い込みを促進します。

メールマガジン配信機能:会員顧客に対して、新商品のお知らせやセール、キャンペーン情報などを一斉に配信する機能です。

レコメンド機能:顧客の閲覧履歴や購入履歴を基に、「この商品を見た人はこんな商品も見ています」といった形で関連商品をおすすめ表示する機能です。

これらの機能は多くのECプラットフォームに搭載されていますが、提供される機能の範囲やカスタマイズの自由度はサービスによって大きく異なります。自社のビジネスでどのような機能が必要になるかを事前に洗い出しておくことが、最適なプラットフォーム選びの第一歩となります。

ECプラットフォームの種類とそれぞれの特長

ECプラットフォームは、オンラインショッピングの基盤となる重要なツールです。しかし、ECプラットフォームと一口に言っても、多様な種類と特性が存在します。企業の規模や業態、目的によって最適なプラットフォームは異なるため、選択は慎重に行う必要があります。

ECプラットフォームの重要性
昨今、ネットショップ市場は急拡大しており、競争も激化しています。各ECプラットフォームは、それぞれに独自のメリット・デメリットや得意分野を持ち、導入や運用にかかる費用にも幅があります。そのため、単に機能の多さや費用の安さだけで選ぶのではなく、自社のビジネスモデルや将来的な展望に合ったプラットフォームを選択することが求められます。以下では、主要な4つのECプラットフォームの特徴を比較・解説していきます。

ECプラットフォーム比較表
ECモール ASPカート ECパッケージ オープンソース
初期費用 0〜5万円前後 無料ASP:0円〜
有料ASP:〜10万円
500万円〜 0円〜(制作費などを除く)
月額費用 0〜5万円前後 無料ASP:0円〜
有料ASP:〜10万円
10万円〜 10万円〜
カスタマイズ性 不可 不可 可能 可能
年商規模目安 - 〜1億円 1億円〜 1〜5億円
メリット 集客力・信頼性が高い
専門知識不要
必要機能が揃う
低コスト
新機能対応
機能充実
カスタマイズ自由度高
高セキュリティ
カスタマイズ性高い
コスト削減
プラグイン豊富
デメリット 出店料や手数料が必要
価格競争
差別化困難
売上に応じ手数料増
追加機能に費用
カスタマイズ性低い
初期費用高い
専門知識必要
最新化が難しい
高度なスキル必要
サポートなし
セキュリティリスク
ここからは各EC構築プラットフォームについて解説していきます。

1.ECモール

Amazonや楽天市場のような、巨大なオンライン上のショッピングモールに出店する形態です。すでに多くの人が集まる場所に自分のお店を出すイメージです。 マーケットプレイス型やテナント型があります

マーケットプレイス型
モールが商品の取引を仲介し、購入者と出店者の間に入る形です。 一般的には、商品の取り扱いや配送は出店者が行い、決済やカスタマーサポートはモールが担当することが多いです。代表的なサービスにはYahoo!ショッピングが挙げられます。

テナント型
各店舗が独自のショップページを持ち、商品の取り扱いから配送、カスタマーサポートまでを一手に担当します。 モールは基本的に出店スペースを提供するだけで、取引の仲介は行わないことが一般的です。代表的なサービスには楽天市場が挙げられます。

項目 費用
初期費用 0〜5万円前後
月額費用 0〜5万円前後
カスタマイズ
(拡張性)
不可

メリット
・圧倒的な集客力:モール自体に知名度と集客力があるため、開店初期からアクセスが見込めます。
・信頼性:有名なモールの看板を借りられるため、ユーザーに安心感を与えやすいです。
・手軽さ:サーバーやシステム構築が不要で、商品登録などを行えばすぐに販売を開始できます。決済機能も用意されています。

デメリット
・コストが高い:初期費用は安くても、売上に応じた販売手数料や出店料がかかり、利益率が圧迫されがちです。
・ブランディングが難しい:デザインの自由度が低く、他店との差別化が困難です。モール内での価格競争に巻き込まれやすくなります。
・顧客情報が自社の資産にならない:顧客リストは基本的にモールが管理するため、メルマガ配信などの自由なマーケティング活動に制限があります。

こんな企業におすすめ
・ECサイト運営が初めてで、まずはテスト的に商品を販売してみたい企業。
・すでに知名度のあるナショナルブランド商品を取り扱っており、販路拡大を狙いたい企業。
・自社での集客に自信がない、またはリソースを割けない企業。

【代表的なサービス例】
・楽天市場:テナント型の代表例。各店舗が独自のデザインでショップページを構築でき、メルマガ配信など自由な販促活動が行いやすいのが特徴です。楽天経済圏の強力な集客力を活用できます。
・Amazon:マーケットプレイス型の代表例。商品ページに複数の出品者が相乗りする形式で、Amazonのブランド力と集客力を活かせます。商品の保管から梱包、発送までを代行する「FBA(フルフィルメント by Amazon)」も利用可能です。

2.ASPカート

ASPは、「Application Service Provider(アプリケーションサービスプロバイダ)」の略称で、クラウド上でECサイト構築の仕組みを提供する形式です。

項目 費用
初期費用 ・無料ASP:0円〜 ・有料ASP:〜10万円
月額費用 ・無料ASP:0円〜 (手数料を除く) ・有料ASP:〜10万円
カスタマイズ
(拡張性)
不可
サイト年商規模目安 〜1億円

メリット
・コスト・スピーディ:初期費用や月額費用が安価で、専門知識がなくてもすぐに自分だけのECサイトを開設できます。
・運用が簡単:システムのアップデートやサーバー管理はすべてサービス提供会社が行うため、販売活動に集中できます。
・豊富な機能:アプリ(拡張機能)を追加することで、後から機能を手軽に増やせます。デザインテンプレートも豊富です。

デメリット
・カスタマイズの限界:パッケージやオープンソースほど自由なカスタマイズはできません。基幹システムとの特殊な連携など、複雑な要件には対応しにくい場合があります。
・手数料:月額費用の他に、売上に応じた決済手数料がかかります。
・サービス依存:プラットフォーム側の仕様変更やサービス終了のリスクがゼロではありません。

こんな企業におすすめ
・個人事業主や中小企業で、スモールスタートで自社ECサイトを持ちたい方。
・D2Cブランドなど、ブランディングを重視しつつ、コストを抑えてスピーディに事業を始めたい企業。
・社内にIT専門の担当者がいない企業。

【代表的なサービス例】
・Shopify(ショッピファイ):世界で圧倒的なシェアを誇るカナダ発のサービス。デザインのテンプレートが豊富で、専用アプリを追加することで機能を柔軟に拡張できるのが強みです。海外販売(越境EC)にも強く、本格的なサイト構築が可能です。
・BASE(ベイス):初期費用・月額費用が無料で始められる手軽さが魅力のサービス。「お母さんも使える」がコンセプトで、専門知識がなくても直感的な操作でネットショップを開設でき、個人やスモールビジネスに人気です。
・STORES(ストアーズ):BASEと同様に、手軽さとシンプルな料金プランで人気のサービス。決済手数料が比較的安価な点が特徴で、実店舗向けのキャッシュレス決済やPOSレジ機能も提供しており、オンラインとオフラインの連携にも強みがあります。

3.ECパッケージ

ECパッケージは、ECサイトの構築・運用に必要な機能をまとめて提供しているタイプのサービスです。
自社サーバーにインストールすれば、一からシステムのプログラミングをする必要なくネットショップを開設することができます。基本的な機能だけでなく、独自の機能やデザインを追加することが可能で、ブランドイメージに合わせたサイトの構築や、特定の顧客層への対応が容易になるのが特徴です。

項目 費用
初期費用 500万円〜
月額費用 10万円〜
カスタマイズ
(拡張性)
可能
サイト年商規模目安 1億円〜

メリット
・柔軟なカスタマイズとシステム連携:デザインや機能を自由に設計できるだけでなく、在庫管理システムや基幹システム(ERP)、CRMなど、社内の既存システムと柔軟に連携させることが可能です。これにより、オムニチャネル戦略など高度な施策が実現できます。
・事業規模に応じた拡張性:ASPでは限界があるような大規模なアクセスや商品点数にも耐えうるサイトを構築できます。将来的な事業拡大に合わせて、BtoB機能、定期購入機能、独自のポイント制度などを追加開発し、サイトを育てていくことができます。
・資産としてのデータ保持:顧客情報や購買データなど、全てのデータを自社で管理・保有できます。これにより、外部の影響を受けずにデータを分析し、深い顧客理解に基づいたマーケティング施策を展開できます。

デメリット
・高額なコスト:初期費用として数百万円〜数千万円かかることが多く、導入のハードルが高いです。また、サーバー維持費や保守費用などのランニングコストも発生します。
・専門知識とリソースが必要:サーバーやシステムの管理・運用にある程度のIT知識が必要です。トラブル発生時の一次対応など、自社で担うべき領域が広くなります。(※近年はベンダーが管理するクラウド型のパッケージも増えています)
・導入期間とベンダー依存:要件定義から構築、テストまで含めると、サイト公開までに半年〜1年以上かかることも珍しくありません。また、一度導入すると、改修やサポートはその開発ベンダーに依存しやすく(ベンダーロックイン)、乗り換えが困難になる場合があります。

こんな企業におすすめ
・年商数億円以上を目指す、またはすでに達成している中〜大規模事業者。
・独自のビジネスモデル(複雑なBtoB取引、高度なサブスクリプションなど)を持っており、ASPでは実現できない要件がある企業。
・基幹システムとの連携が必須で、バックオフィス業務全体の効率化を図りたい企業。
・長期的な視点でEC事業に投資し、自社の資産として唯一無二のECサイトを構築したい企業。

【代表的なサービス例】
・ecbeing(イーシービーイング): 1,600サイト以上の豊富な導入実績を誇る、国内大手のECパッケージです。中〜大規模のECサイト構築に強く、標準機能の豊富さに加え、企業の要望に応じた柔軟なカスタマイズが可能です。手厚いサポート体制も評価されています。
・ecforce(イーシーフォース): D2C(単品通販)や定期通販に特化した機能を強みとするECパッケージです。広告効果の測定や顧客分析など、売上を最大化するためのマーケティング機能が充実しており、成長を目指す企業に選ばれています。
・ebisumart(えびすマート): 常に最新のシステムに自動でアップデートされる「クラウド型」のECパッケージ。システムの陳腐化を防ぎつつ、パッケージならではのカスタマイズ性を両立しているのが大きな特徴です。

4.オープンソース

オープンソースとは、無償で利用できるソフトウェアのことです。ソースコードが公開されており、世界中の開発者によってソフトウェアの機能追加やバグ修正などが常に行われるのが特徴です。

項目 費用
初期費用 0円〜(制作費などを除く)
月額費用 10万円〜
カスタマイズ
(拡張性)
可能
サイト年商規模目安 1〜5億円

メリット
・ライセンス費用が無料:ソフトウェア自体の費用がかからないため、初期コストを抑えられる可能性があります。
・究極のカスタマイズ性:ソースコードを直接編集できるため、理论上は実現できないことはありません。完全にオリジナルのECサイトを構築できます。
・豊富な情報:世界中の開発者が利用しているため、カスタマイズに関する情報やプラグイン(拡張機能)がコミュニティで共有されています。

デメリット
・すべてが自己責任:構築から運用、セキュリティ対策、トラブル対応まで、すべて自社の責任で行う必要があります。公式のサポートはありません。
・高度な専門知識が必須:サーバー、プログラミング、セキュリティに関する高度な知識を持つエンジニアが社内にいなければ、構築・運用は極めて困難です。
・隠れたコスト:無料なのはソフトウェアだけで、サーバー代や、セキュリティ対策、機能追加の開発を外部に委託する場合は、結果的に高額になる可能性があります。

こんな企業におすすめ
・社内に優秀なエンジニアチームを抱えている企業。
・コストを抑えつつ、パッケージ並みのカスタマイズ性を実現したい技術志向のスタートアップ。
・サイト構築の過程も含めて、ノウハウを社内に蓄積していきたい企業。

【代表的なサービス例】
・EC-CUBE(イーシーキューブ):日本国内で開発され、国内No.1のシェアを持つオープンソースです。日本の商習慣に合った機能が多く、日本語のドキュメントや開発コミュニティが充実しているため、情報を得やすいのが特徴です。
・Magento(マジェント) / Adobe Commerce:世界的に非常に高いシェアを持つオープンソースで、現在はアドビ社が「Adobe Commerce」として提供しています。機能が極めて豊富で拡張性も高く、大規模で複雑な要件を持つECサイトの構築に向いています。
・WooCommerce(ウーコマース):世界で最も利用されているCMS「WordPress」のプラグインとして提供されるオープンソースです。既存のWordPressサイトに手軽にEC機能を追加できるのが最大の魅力で、コンテンツマーケティングとECを両立させたい場合に最適です。

ECプラットフォームを選ぶポイント

ここまで紹介してきた通りECプラットフォームは多岐にわたる形態を持ち、選ぶ際は特性を理解したうえで、自社のニーズや目的に合わせて慎重に選定する必要があります。各プラットフォームの特性だけでなくコスト、機能の充実度、セキュリティ対策、サポート体制などから適切なものを選ばなくてはなりません。

さらに、BtoBビジネスをターゲットとする場合、その対応が可能なプラットフォームかどうかも重要な判断基準となります。プラットフォームの選定やベンダーとの交渉時には、絶対に妥協したくない条件や必須の機能要件を明確にして、仕様書や要件定義書にまとめておくことが効果的です。ここからは、ECプラットフォーム選びの際に注目すべきポイントを4点紹介します。

ポイント1: コスト|「総額」で比較しないと損をする

ECサイト運営には、初期費用だけでなく、月々の運営費や売上に応じた手数料など、様々なコストがかかります。目先の安さだけで選ぶと、長期的に見て割高になるケースも少なくありません。

ECサイト運営にかかるコストの内訳

コストの種類 内容 主にかかるプラットフォーム
初期費用 サイト構築費、出店料など、最初に一括でかかる費用。 ECパッケージ、オープンソース(高額)
月額費用 サーバー代、システム利用料など、毎月固定でかかる費用。 全てのプラットフォーム
販売手数料 売上に対して数%かかる手数料。 ECモール、ASPカート
決済手数料 サイト更新、保守、トラブル対応などにかかる社内コスト。 ECパッケージ、オープンソース(高くなりがち)

短期的な売上予測だけでなく、3年後の事業計画を立て、その時点でのトータルコストを試算しましょう。「売上が伸びたらASPからパッケージへ移行する」という選択肢も視野に入れることが重要です。

ポイント2:事業規模と手間|誰が、どこまでやるのか?

プラットフォームによって、構築や運営にかかる手間(専門知識の要不要)は大きく異なります。社内のリソースと事業規模に合わせて選ぶことが重要です。

【小規模・個人】とにかく早く簡単に始めたい → ASPカート or ECモール
・特徴:専門知識はほぼ不要。システム管理は提供会社に任せられるため、商品登録や販売促進に集中できます。
・おすすめ:BASE, STORES(特に初心者向け)、楽天市場(集客力を借りたい場合)

【中規模・成長期】ブランド力を高め、機能を拡張したい → 高機能ASP or ECパッケージ
・特徴:ASPでもShopifyのようにアプリで機能を拡張したり、ECパッケージで独自の要件を実装したりする必要が出てきます。ある程度のITリテラシーや外部パートナーとの連携が求められます。
・おすすめ:Shopify, FutureShop(ASP)、ecforce, ecbeing(パッケージ)

【大規模・専門家】システム連携や独自開発が必須 → ECパッケージ or オープンソース
・特徴:基幹システムとの連携、特殊な販売方法など、高度な要件が求められます。構築・運用には専門のチームやベンダーが必須です。
・おすすめ:ecbeing, SI Web Shopping(パッケージ)、Magento(オープンソース)

「誰がサイトを更新するのか?」「トラブルが起きた時に対応できるエンジニアはいるか?」など、具体的な運用体制をイメージして選びましょう。背伸びしすぎると、高機能なシステムを導入しても使いこなせず、宝の持ち腐れになります。

ポイント3:機能とカスタマイズ性|「やりたいこと」は実現できるか?

「自社ブランドの世界観を表現したい」「便利な機能をつけたい」といった要望をどこまで実現できるかは、プラットフォームのカスタマイズ性にかかっています。

プラットフォーム デザインの自由度 機能拡張の自由度 実現できることの例
ECモール 低い 低い モールのテンプレート内での装飾。セールバナー設置など。
ASPカート 中程度 中程度 豊富なテンプレートから選択・カスタマイズ。アプリ追加で予約販売やサブスク機能などを後付け。
ECパッケージ 高い 高い 完全オリジナルデザイン。基幹システムと連携した在庫表示。BtoB向けの複雑な価格設定。
オープンソース 非常に高い 非常に高い 制限なく、あらゆるデザイン・機能が実装可能。(ただし技術力次第)

まずは「Must(絶対に必要)」な機能と「Want(できれば欲しい)」な機能を洗い出しましょう。例えば、「定期購入機能」がMustなら、それが標準搭載されているか、安価なオプションで追加できるプラットフォームが候補になります。将来の拡張性も考慮し、「今はWantだけど、将来的にはMustになる機能」が追加できるかも確認しておきましょう。

ポイント4:集客とマーケティング|どうやってお客様を呼ぶか?

ECサイトは「作って終わり」ではありません。お客様を集め、リピーターになってもらうためのマーケティング施策が不可欠です。プラットフォームによって、集客のしやすさや使える施策が異なります。

集客をプラットフォームに頼りたい → ECモール
・強み:楽天市場のセールイベントやAmazonの検索など、モール自体の集客力が見込める。
・弱み:顧客データが自社の資産にならず、CRM施策(LTV向上など)が打ちにくい。価格競争になりがち。

自社で集客し、ファンを育てたい → ASPカート、パッケージ、オープンソース
・強み:SEO、SNS連携、コンテンツマーケティングなど、自由な集客施策が可能。顧客データを活用し、メルマガやLINEでのCRM施策も自由自在。
・弱み:立ち上げ当初は自力で集客する必要がある。

【やりたいマーケティング施策で選ぶ】
SNSと連携したファンマーケティングがしたい → ShopifyなどSNS連携に強いASPカート
詳細な顧客分析に基づいたOne to Oneマーケティングがしたい → MAツールと連携しやすいECパッケージ
コンテンツ(ブログ記事など)で集客したい → WordPressと連携しやすいASPカートやオープンソース

自社でどのようなマーケティングを行いたいかを具体的に考え、それを実現できる機能(メルマガ機能、クーポン機能、外部ツール連携の可否など)が備わっているかを確認しましょう。

ポイント5:セキュリティとサポート|もしもの時に頼れるか?

お客様の大切な個人情報や決済情報を扱うECサイトにとって、セキュリティは生命線です。また、万が一のトラブル時に迅速に対応してくれるサポート体制も欠かせません。

プラットフォーム セキュリティ対策 サポート体制
ECモール ◎モール側で高度な対策 ◎専任コンサルタント等
ASPカート ◎提供多会社側で常時アップデート 〇〜◎メール、電話、チャット等
ECパッケージ △〜◎ベンダーと自社の責任範囲を確認 ◎開発ベンダーによる手厚い保守
オープンソース △自己責任 △基本的になし

セキュリティで特に確認すべきこと
・PCI DSS準拠:クレジットカード情報を安全に取り扱うための国際基準。
・常時SSL化:通信を暗号化し、データの盗聴や改ざんを防ぐ。
・WAF (Web Application Firewall):不正なアクセスからアプリケーションを守る。
・脆弱性への対応:システムの弱点が見つかった際のアップデート頻度や体制。

特にECパッケージやオープンソースを選ぶ際は、「どこからどこまでが自社の責任範囲か」を明確にすることが重要です。社内に専門家がいない場合は、セキュリティ対策やサーバー管理をすべて任せられるASPカートや、保守サポートが手厚いECパッケージベンダーを選ぶのが安心です。

まとめ

ECサイトを構築する際、最も重要なのは自社の目的やニーズに合ったECプラットフォームを選択することです。具体的な目標や実現したい機能を明確にし、それに適したプラットフォームを選ぶことで、効果的なECサイト運営が可能となります。
ecbeingは1,600サイト超の豊富なECサイト構築実績があり、お客様のニーズに合わせた理想的なプランを提案することができます。ECサイト構築で悩んでいる方は、お気軽にご相談ください。

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この記事の監修者

株式会社ecbeing
塩見 駿介
ECサイト構築プラットフォーム「ecbeing」・BtoB専用ECサイト構築プラットフォーム「ecbeing BtoB」をご導入いただいている企業のへの取材を通じて得た知識をもとに、EC構築・運用するうえで役に立つ情報や最新トレンド情報を発信。
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