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BIツール活用で実現するデータドリブンなEC運営と構築のポイント

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公開日:

「ECサイトの売上を伸ばしたい」「会員ごとに最適な施策を打ちたい」

ECサイトの売上、日々の運営判断を「勘」や「過去の経験」だけに頼っていませんか?

たとえば、「なんとなくこの商品が売れ筋な気がする」「セールを打てば売上が上がるはず」といった判断も大切ですが、競合がひしめくEC市場で勝ち続けるためには、データに基づいた客観的な裏付けが不可欠です。

コロナ禍以降、オンラインでの消費はますます加速し、販売チャネルとしてのECサイトの役割はこれまで以上に重要になっています。しかし、多くのEC担当者様が「データはたくさんあるのに、どう活かせばいいか分からない」「レポート作成に時間がかかり、分析まで手が回らない」といった課題を抱えているのも事実です。

このような課題や悩みを解決し、EC事業を次のステージへ引き上げる強力な武器が「BI(ビジネスインテリジェンス)ツール」です。

今回は、ECサイト運営におけるBIツールの役割から、具体的な活用方法、そして導入を成功させるためのポイントまで、EC担当者様が知りたい情報をとことんお伝えします!

サクッと理解!本記事の要点まとめ

BIツールとGoogleアナリティクスは何が違うのですか?

Googleアナリティクスは主に「Webサイト内のユーザー行動」を分析することに特化したツールです。例えば、どのページが多く見られているか、ユーザーがどのサイトから来たか、といったウェブ上の動きを把握するのに優れています。

一方、BIツールはより広範なデータを扱える点が大きな違いです。サイトのアクセスデータに加え、基幹システムにある「販売データ(どの顧客が・何を・いつ買ったか)」「顧客データ」「在庫データ」「広告媒体ごとのコストデータ」など、社内に散らばる様々なデータを統合して分析できます。これにより、「どの広告から来た顧客が、最もLTV(顧客生涯価値)が高いか」といった、複数のデータを掛け合わせた、より深く、経営判断に直結する分析が可能になります。

BIツールを導入すれば、すぐに売上は上がりますか?

BIツールはあくまで「意思決定を支援するツール」であり、導入するだけで自動的に売上が上がるわけではありません。重要なのは、BIツールによって可視化されたデータから「課題を発見し、具体的な改善アクションに繋げること」です。

例えば、「カゴ落ち率が高い」というデータが見つかったら、「決済画面の入力項目を減らす」「利用できる決済方法を増やす」といった施策を実行し、その結果をまたBIツールで検証する、というPDCAサイクルを回すことが売上向上に繋がります。BIツールは、このサイクルを高速かつ正確に回すための強力なエンジンとなります。

BIツール導入を検討していますが、何から始めれば良いですか?

まずは「目的の明確化」から始めることが最も重要です。記事でも触れた通り、「リピート率を10%上げたい」「優良顧客を特定して特別なキャンペーンを打ちたい」など、BIツールを使って「何を知りたいのか」「何を解決したいのか」を具体的に設定します。

目的が明確になったら、次に「その分析に必要なデータが、現在のECサイトで取得できているか」を確認します。もし必要なデータが取得できていない場合、それはBIツールの選定と同時に、ECサイトのシステム改修やリニューアルを検討すべきサインです。データ活用の成功は、分析ツールの性能だけでなく、その元となるデータを正しく取得できるECサイトの土台があってこそ成り立ちます。

「ECサイトの売上を伸ばしたい」「会員ごとに最適な施策を打ちたい」

ECサイトの売上、日々の運営判断を「勘」や「過去の経験」だけに頼っていませんか?

たとえば、「なんとなくこの商品が売れ筋な気がする」「セールを打てば売上が上がるはず」といった判断も大切ですが、競合がひしめくEC市場で勝ち続けるためには、データに基づいた客観的な裏付けが不可欠です。

コロナ禍以降、オンラインでの消費はますます加速し、販売チャネルとしてのECサイトの役割はこれまで以上に重要になっています。しかし、多くのEC担当者様が「データはたくさんあるのに、どう活かせばいいか分からない」「レポート作成に時間がかかり、分析まで手が回らない」といった課題を抱えているのも事実です。

このような課題や悩みを解決し、EC事業を次のステージへ引き上げる強力な武器が「BI(ビジネスインテリジェンス)ツール」です。

今回は、ECサイト運営におけるBIツールの役割から、具体的な活用方法、そして導入を成功させるためのポイントまで、EC担当者様が知りたい情報をとことんお伝えします!

1. なぜ今、ECサイト運営にBIツールが必要なのか?

ECサイトを運営していると、販売データ、顧客データ、サイトのアクセスログ、広告データなど、日々膨大なデータが蓄積されていきます。これらのデータは、お客様の声なき声であり、ビジネスを成長させるための貴重なヒントが詰まった「宝の山」です。

しかし、これらのデータは様々な場所に散らばっていることが多く、手作業で集計・分析するには膨大な時間と手間がかかります。

BIツールは、そうした点在するデータを自動で集約・分析し、グラフや表などの直感的に理解しやすい形に「見える化」してくれるツールです。これにより、EC担当者様は面倒なレポート作成作業から解放され、データから得られるインサイト(洞察)を基にした戦略立案に集中できるようになります。

2. BIツールとExcel分析の違い 比較表

「データ分析ならExcelでもできるのでは?」と考える方も多いかもしれません。もちろんExcelも優れたツールですが、ECサイト運営のように大量かつ多様なデータを扱う場面では、BIツールに大きなメリットがあります。

手軽に始められるExcel分析も有効な場面はありますが、EC事業を本格的に成長させていくフェーズでは、迅速性・正確性・拡張性の観点からBIツールの活用が推奨されます。


比較項目 Excelでの手動分析 BIツールでの分析
データ処理能力 大量データの処理は苦手。動作が重くなる。 大量のデータも高速で処理できる。
データ更新 手動での更新が必要。リアルタイム性に欠ける。 自動でデータを更新。常に最新の状況を把握可能。
データソース 複数のデータソースを手動で統合する必要がある。 複数のデータソースと自動連携が可能。
専門性 関数やマクロなど、ある程度の専門知識が必要。 専門知識がなくても、直感的な操作で分析可能。
情報共有 ファイルの送受信が必要で、バージョン管理が煩雑。 ダッシュボードを共有するだけで、関係者全員が同じ情報を見れる。

3. ECサイトにBIツールを導入する5つのメリット

1. 迅速で正確な意思決定が可能になる

日次や週次のレポート作成が自動化され、常に最新のデータに基づいたダッシュボードを確認できます。これにより、売上の急な変動やキャンペーンの効果をリアルタイムで把握し、「次の打ち手」をスピーディーに判断できます。

2. 顧客を深く理解し、LTVを最大化できる

顧客の購入履歴や頻度から優良顧客や離反しそうな顧客を特定し、セグメントに合わせたアプローチが可能になります。お客様一人ひとりに寄り添った施策で顧客満足度を高め、LTV(顧客生涯価値)の向上に繋がります。

3. 効果的な販売戦略・マーケティング施策を立案できる

「A商品とB商品は一緒に買われやすい」「この広告から来たお客様はリピート率が高い」といった、データに基づいた客観的な事実から、効果的なクロスセル戦略の立案や、広告予算の最適な配分が可能になります。

4. 在庫管理や業務プロセスを効率化できる

季節ごとの需要や商品の売れ行きを正確に予測することで、過剰在庫や欠品による機会損失を防ぎます。データに基づいた需要予測は、キャッシュフローの改善にも大きく貢献します。

5. サイトが抱える課題を早期に発見できる

「コンバージョン率がなぜか下がっている」「特定ページでの離脱が多い」といったサイトの問題点をデータからいち早く察知できます。原因を深掘りし、改善施策を実行、その結果をまたデータで検証する、という高速なPDCAサイクルを実現します。

4. BIツールでここまで分かる!ECサイトの分析活用例

BIツールで具体的にどのような分析ができるのか、代表的な活用例を表にまとめました。自社のECサイトで「何を知りたいか」をイメージしながらご覧ください。

分析軸 主な分析手法・指標 これで分かること・できること
売上分析 ・商品別/カテゴリ別売上
・ABC分析
・リピート売上分析
・本当に力を入れるべき「売れ筋商品」や「利益貢献商品」の特定
・新規顧客とリピート顧客、どちらの売上が伸びているかの把握
顧客分析 ・LTV(顧客生涯価値)
・RFM分析
・デモグラフィック分析
・自社にとって最も価値のある「優良顧客層」の可視化
・離反しそうな顧客へのフォローアップや、休眠顧客の掘り起こし
サイト内行動分析 ・CVR(コンバージョン率)
・カゴ落ち分析
・アクセス経路分析
・購入のボトルネックになっているページの特定とUI/UXの改善
・お客様が購入を諦めてしまう原因の追及と決済プロセスの見直し
広告・施策分析 ・広告費用対効果(ROAS)
・流入チャネル別CVR
・どの広告が本当に売上に貢献しているかの費用対効果を測定
・SNS、SEO、Web広告など、チャネルごとの戦略最適化

5. BIツール導入を成功させるための3つのポイント

1. 目的の明確化:「何を知りたいか」を定める

最も重要なのが、「導入して何を解決したいのか」という目的を明確にすることです。「リピート率を10%向上させたい」「カゴ落ちによる損失額を月50万円減らしたい」など、具体的な目標(KPI)を定めることで、見るべきデータや必要な分析がクリアになります。

2. データ整備:分析できる環境を整える

分析したいデータが、そもそもECサイト側で正しく取得できているかを確認する必要があります。正確な分析は、正確で整理されたデータがあってこそ成り立ちます。

3. スモールスタート:小さく始めて大きく育てる

最初から壮大な分析を試みるのではなく、まずは特定の課題(例:メルマガ経由の売上分析)から始め、成功体験を積み重ねながら徐々に活用範囲を広げていくことが、社内に定着させる秘訣です。

6. 【結論】BI活用の成否を分けるのは「ECサイトの設計」

ここまでBIツールの魅力と活用法をお伝えしてきましたが、最後に最も重要なポイントをお伝えします。

それは、「どのような優れたBIツールを導入しても、元となるECサイトがデータ活用に適した設計になっていなければ、その効果は半減してしまう」ということです。


  • ・分析に必要な顧客データや行動ログを、そもそも正確に取得できる構造になっているか?
  • ・将来使いたいMAやCRMといった外部ツールと、データをスムーズに連携させることは可能か?
  • ・ビジネスの変化に合わせて、分析したい項目を柔軟に追加・拡張できる設計か?

実はこれらの要件は、ECサイトを「構築する段階」でその多くが決まってしまいます。後からデータが取れるようにシステムを改修しようとすると、多大なコストと時間がかかってしまうケースも少なくありません。

つまり、BIツールの真価を最大限に引き出し、真のデータドリブン経営を実現するためには、ツール選定以上に、「将来のデータ活用まで見据えて設計された、拡張性の高いECサイトを選ぶこと」が成功への最短ルートなのです。

7. ECサイトのデータ活用 まとめ

ここまでお読みいただきありがとうございます。最後に、本記事のポイントをまとめます。


  • ・勘と経験頼りの運営から脱却し、成長を続けるにはデータ活用が不可欠
  • ・BIツールは、ECサイトに散らばるデータを「見える化」し、迅速な意思決定を支援する。
  • ・メリットは「売上向上」「顧客理解」「業務効率化」など多岐にわたる。
  • ・BIツールを最大限活かすには、データが取得・連携しやすいECサイトの土台そのものが何より重要。

これからECサイトを立ち上げる方、現在のサイト運営に限界を感じてリニューアルを検討している方は、ぜひこの機会に、データ活用を前提としたECサイト構築をご検討ください。




ecbeing

この記事の監修者

株式会社ecbeing
塩見 駿介
ECサイト構築プラットフォーム「ecbeing」・BtoB専用ECサイト構築プラットフォーム「ecbeing BtoB」をご導入いただいている企業のへの取材を通じて得た知識をもとに、EC構築・運用するうえで役に立つ情報や最新トレンド情報を発信。
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