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マドラス創業100周年に起死回生!オムニチャネル基盤構築“大失敗”から売上130%達成への復活劇 ― 失敗から学んだEC構築にとって大切なこととは? ―

公開日:

足に合った”本物の履き心地”を追い求めてきた”靴づくり”のメーカー「マドラス」は今年2021年に創業100周年を迎えた。
マドラス株式会社 取締役 岩田 敏臣氏は、2013年に広告代理店からマドラスに入社後、マドラスのEC事業の責任者だけでなく、営業、商品開発、プロモーションなど幅広く事業に携わっている。
そんなマドラスはECサイトのリニューアルで2019年初めに一度「“大失敗”」をし、1年も経たないうちに再リニューアルを検討し始め、2021年ecbeingで2度目のリニューアルを行い、売上前年比130%という復活劇を遂げる。失敗から成功までのリアルなストーリーを本記事では岩田氏に語っていただいた。

マドラス株式会社 取締役 経営戦略事業本部長オムニチャネル事業推進担当
岩田 敏臣 氏(右)

株式会社ecbeing Eビジネス営業本部 部長
大久保 洋(左)

“本物の履き心地”を求め続けて100周年の「マドラス」


足に合った”本物の履き心地”を追い求めてきた”靴づくり”のメーカー「マドラス」は今年2021年に創業100周年を迎えた。
マドラス株式会社 取締役 岩田 敏臣氏は、2013年に広告代理店からマドラスに入社後、マドラスのEC事業の責任者だけでなく、営業、商品開発、プロモーションなど幅広く事業に携わっている。
そんなマドラスはECサイトのリニューアルで2019年初めに一度「“大失敗”」をし、1年も経たないうちに再リニューアルを検討し始め、2021年ecbeingで2度目のリニューアルを行い、売上前年比130%という復活劇を遂げる。失敗から成功までのリアルなストーリーを本記事では岩田氏に語っていただいた。




ECリニューアルで「大失敗」なぜ?

岩田氏がECに携わるようになったきっかけは2017年のこと。

経営陣から新しいミッションとして、「店舗とEC、モールの在庫連携を行うように」と言われ、すぐさま数名の社員とともに様々なECベンダーの話を聞いて回り、在庫連携の方法を模索したという。

そして、2019年3月に某ベンダーでECサイトをリニューアル。
店舗とEC、モールの在庫を一元化、今まで自社で行っていた物流やささげ業務も取りやめ、EC事業は大きく効率化された、”はずだった”。

リニューアル後しばらく経ち、岩田氏とECを運営するチームは、サイト運営でいつもと違う「違和感」を覚え、重大な「失敗」をしていたことに初めて気づく。

新しく構築したECサイトでは、予定通り、在庫情報の一元化がされ、効率的なバックヤード運用が可能となっていた。しかし、その一方で、元々統合されていたはずの店舗とECの「会員情報」「ポイントサービス」が何故か分離してしまっていたのだ。
これから全社的にオムニチャネルを目指していこうとしていたマドラスにとっては、初手から大きな躓きであった。

その原因として、マドラスと当時のリニューアルを行ったECサイト構築ベンダーとの間に認識の齟齬があったことが一因といえる。マドラス側の“在庫を一元化したい”という要望はしっかりと伝わっており、実装することが出来たが、問題となった「会員統合」は要件として漏れていたがため、「会員情報が分離する」という失態が起きてしまったのだ。

マドラスとしては「言わなくてもECベンダーなのだから、常識として当然やってくれる」という過信があった。しかし、構築ベンダーとしては「要件として聞いていない要件を実装しなかっただけ」という、お互いのボタンの掛け違いが発生していたのだった。

当時のマドラスには、岩田氏も含めECシステムの仕組みに明るい者がおらず、いわゆる「任せておけば何とかなる」と“業者感覚”でECベンダーと付き合ったが故に生まれた必然的な結果であった。

「効率化を目的に行ったリニューアルだったが、本当に自身の選択は正しかったのか?」岩田氏の葛藤は消えることはなかった。

ecbeingとの出会い
そんな大失敗から3か月後、岩田氏は2019年6月に株式会社ビジョナリーホールディングス(メガネスーパー)のECエバンジェリスト川添隆氏の開催するEC・デジタル領域の学びの場「ZOE祭」に参加し、当社ecbeing営業担当の大久保洋と出会う。

大久保は、岩田氏の抱えるECの悩みを聞き「それはリニューアルに“失敗”していませんか?」とストレートに言葉を投げかけた。そのときの印象は、岩田氏の中でも色濃く残っているという。「リニューアルで失敗した」ことを本当の意味で自覚したのはこの時だった。

ZOE祭り後、再度話をすべくecbeingに来社した岩田氏は「どうして失敗してしまったのか納得できるまで帰りません」と大久保に頼み込む。
大久保もまた、「納得してもらえるまで帰しません」と、4時間かけて、ホワイトボードに現在起きている問題やシステム相関図を整理し、マドラスの目指すべきオムニチャネルを実現した図までを書き上げた。

これがecbeingとの出会いであると、岩田氏は熱く語る。



その後も様々な課題をecbeingと一緒に探りながら2021年初めに2度目のリニューアルを完成させる。今後も更なるオムニチャネルの推進に向けて、ECサイトを発展させ続けていく予定である。




ecbeing選定理由 「目標を形にしてくれたのはecbeingでした。」

岩田氏「実は2度目のリニューアルを決めたあの時、ecbeing社以外の他ベンダーさんを検討することは一切ありませんでした。
ecbeingさんが沢山の時間をかけて、オムニチャネルとは何か、どんなことが出来るのか、とことん弊社に向き合ってくれたからだと理解しています。
また、ecbeingさんはオムニチャネルの事例が多く、他社シューズメーカーの事例もあったことから、私たちマドラスが考えている“未来”をしっかりと明示してくれたと思っています。」


ECベンダーは「業者」ではなく、パートナー

「ECベンダーさんを業者呼ばわりしているうちは絶対にうまくいかないです。」岩田氏自身、リニューアルを通して2年間、大きく目線が変わったという。

「ECリニューアル、オムニチャネルと簡単に言っても、実際に実現するのは本当に難しいです。店舗やECの会員、在庫、物流、決済、運営、マーケティングなど全てをつなげたシステム全体図を描き、1つの形にしなければいけません。 店舗のPOS選びから、ポイントの連携、会員の連携、お客様とのタッチポイントを増やすためのマーケティング施策まで、考えることは本当に幅広いです。

ecbeingさんと関わり始めてからは、ベンダーさんを業者扱いせずに、パートナーとして心髄し、共にEC事業を作っていくことができました。」


失敗から得た学びとは?

「失敗を失敗だったと認めて次に生かすこと」が失敗から得た学びです。
マドラスの場合、ECシステムのパートナーは簡単に選択してはいけないということが大きな学びになっています。

1回目のリニューアルで「在庫一元化で販売が効率化される」という聞こえの良い部分だけを理解し、実際のECや在庫、会員、物流の全体の仕組みを理解せずにリニューアルをしてしまったせいで、結果としては致命的な失敗を起こしてしまいました。「ECを理解しないで進めるECなんてECじゃない」ということがよく分かりました。

もちろん、ecbeingさんとのリニューアルを進める中でも、課題に一切ぶつからなかったとは言いません。しかし、課題が起きた時に面と向かってコミュニケーションが取れたのはecbeingさんとだったからだと思っています。




オムニチャネル化を実現するための具体的なリニューアルポイント

経営陣から降ってくる様々な経営課題に対し、ecbeingさんに1つずつ相談し紐解きながら、今マドラスがオムニチャネルを着実に進めるために、行うべき事業計画や今後の方針を一緒に決めてきました。

まずはリニューアルで分かれてしまった店舗会員とECサイト会員の情報を再統合、そして、会員情報と利用店舗情報を紐づけることが出来ました。
また、一度止めてしまった自社物流も再稼働させ、ECサイトとモールの在庫を共通化、店舗在庫の有無をEC上で表示したりと、会員、物流、在庫の最適化を行いました。


100周年プロジェクトも同時に立ち上げ、ECサイト内にコンテンツ統合



リニューアルとタイミングを同じくして、創業100周年を記念した「マドラス100周年特設サイト」立ち上げプロジェクトが開始。こちらもecbeingさんにご協力いただきながら、100周年ならではの、「マドラス100年の歴史」、「靴づくりへのこだわり“クラフトマンシップ”」や「マドラスの靴を履いた100人の紳士&淑女のコーディネート」「次の100年に向けて」などの特別コンテンツをご用意しています。

マドラス100周年特設サイトはこちら >




また、今回のリニューアルに合わせて、元々分離していたブランドサイトとECサイトのコンテンツも統合。ECサイト内で自由に特集が組めるようになり、“コンテンツから店舗・ECの販売の促進につなげること“が可能になりました。


マドラス今後のビジョン 「EC事業を会社のど真ん中にする」

今までのマドラス社内では、ECは“店舗”の1つという認識があまりありませんでした。
会社の中でECへの理解も薄く、運営するメンバーもどこか後ろ向きの様な印象を受けました。

しかし、2020年から2021年にかけて、ECサイトリニューアル、広告施策改善、100周年記念サイトの立ち上げ、ブランドサイトとのコンテンツ統合、さらには、BtoBの抗菌・抗ウイルス事業サイトの立ち上げ、グループ会社とのサイト統合を経て、今マドラスEC事業は新たな段階にきていると感じています。

来年には、グループ会社全体として、基幹システムを統合、会員のデータベースを構築、LINEとの連携や、店頭試着システム構築などの実施をecbeingさんと引き続き協力しながら進めていく予定です。

ECサイトを、ただ商品を見せるだけの存在でなく、リアル店舗へつなげるハブとなる存在とし、全社的に相乗効果の発揮できるよう、“事業のど真ん中に来るECサイトの実現”を目指していく所存です。

「コロナ禍の影響もありますが、今後ECサイトがさらに小売全体の中心となり、マドラス銀座店のように、「旗艦店」と呼ばれる時代がくる、そうしていきたいと思っています。」




現在ECシステムを検討中の方へ

ECシステムは、売り上げを作り、右肩上がりを約束する魔法のツールではありません。

まずは、経営として悩んでいること、現場で悩んでいること、それをあぶり出し、オペレーションとして、運用できるかまでECベンダーさんとしっかり相談することが必要だと思います。

マドラスでは店舗のスタッフ達に「自身が体験して“いいな”と思ったデジタルを活用したサービス」を意見としてあげてもらったりと、社内全体でデジタルを考える機会も設けています。
同時に、自社内のチーム作りもとても重要です。良きパートナーは、社内にも当然必要ですからね。既成概念で仕事をせずに、新しいことに挑戦する、風通しの良いチームを作るために、マドラスは直営店の店長をEC課に異動させるなど、思い切った人事異動・配置転換なども行いました。

また、経営陣も現場もシステムのことを「わからないから任せる」のではなく、皆が理解しておくべきだと考えます。単純に、システムの値段が「高いから」「安いから」で選ぶのではなく、自分たちの描いている目標や構想をまずはベンダーさんに相談してみる。そして、その未来図を実際に形に出来るベンダーさんなのかを社内全体で見極める必要があると思います。マドラスの未来図を理解して、一緒に描いてくれたのがecbeingさんだったから、マドラスはecbeingを選びました。そんなお互いを理解しあい、一緒に描いていけるパートナー選びが大切だと考えています。

世の中に色々なツールやサービスがありますが、結局運用するのは「人」であり、その人を動かすのは「熱量」だと思っています。 ECは、デジタルという温度が伝わりにくい領域なのに、成功しているECサイトの玄人たちが口を揃えて大切だと仰るのが「熱量」なんです。不思議ですよね。

でも私もそう思いますし、とても大切にしています。


ecbeing担当者からのコメント (Eビジネス営業本部 大久保 洋)

今回のプロジェクトで意識した事はデータと物の流れに対する「全体の最適化」になります。
ECシステムだけではなく、在庫入庫から購入者の手元に商品が届くまでのデータと物の流れを考慮しプロジェクトを進めていきました。 また、靴業界では日常的に発生する「返品・交換」に対してもシステム面だけではなく、業務をできる限りシステム化する事で現場の皆様の業務負荷を軽減できるよう全体相関図を描いていきました。
初めてお会いした時から人並外れた熱量を感じた岩田様とプロジェクトをご一緒出来たことで私自身もたくさんの学びがありました。
プロジェクトを推進する上で、絶対的な熱量と牽引力は不可欠だと改めて実感させて頂きました。
描いた未来はまだ遠いですが、引き続き宜しくお願い致します。



――

マドラス株式会社
取締役 経営戦略事業本部長
オムニチャネル事業推進担当
岩田 敏臣 (いわた としおみ)氏


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●取材・文:近藤




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