株式会社 読売IS様

  • EC導入の背景
  • 採用のポイント
  • 構築時の対応
  • 導入後の効果

「オーダーメイド商品」X「新聞折込配布」X「BTO」を組み込んだ新しい通販サービスは、ecbeingのビジネスモデルに対する深い理解によって実現しました。

株式会社 読売IS

1976年開業。地域密着型の新聞折込広告(チラシ)展開から全国一斉の大規模展開まで、企業のさまざまなプロモーション活動をサポートしています。
折込広告扱い高・国内No.1のポジションに加えて、オンナゴコロ研究所「WisE」や、ライフコースマーケティングモデルを開発するなど常に生活者の視点を重視した戦略の提案を行ってきました。マス、デジタル、イベントの各媒体を組み合わせた新しいコミュニケーションモデル統合的「生活コミュニケーション®」は生活者の視点でクライアントのビジネスの課題を解決しています。

eコマースのタイプ

  • BtoB(ecbeing基本パッケージ)

今回独自開発した機能

  • インターネット折込広告受注システム「Orikonnect(オリコネクト)」連携
  • BTO

「印刷+折込広告」通販サイト「よみプリ」プロジェクトの軌跡

2012年
新規事業開発プロジェクトチーム発足
ブレーンストーミング、企画立案&検討
2013年3月
インターネット折込広告受注システム「Orikonnect(オリコネクト)」の自社運用プラン決定
2013年4月
「Orikonnect(オリコネクト)」ASPサービスの提供を開始
多数の印刷通販会社に「オリコネクト」との連携提案開始
2013年5月
システム会社検討
ecbeingとの出会い
2013年5月
「印刷+折込広告」自社通販サイト「よみプリ」プロジェクト開始
2013年6月
ecbeingに発注決定
要件定義開始
2013年9月
システム開発着手
2013年10月
プロジェクトから新規部署「よみプリ推進部」発足
2014年2月
プレオープン
2014年4月
サービスイン

EC導入の背景

「15人全員兼任のプロジェクトチーム結成」 よみプリ推進部 よみプリ推進課 課長 太田厚博 様

新聞折込市場は右肩上がりの成長をしてきましたが、インターネットを含めたメディア環境の変化などの影響もあり、2006年をピークに鈍化の傾向にありました。折込広告プロモーションを簡単にお客様に注文してもらう方法はないかということは常に考えていたのですが、2011年に新規プロジェクトチームが正式に発足されてから、アイデアを形にしていくプロセスが始まりました。チームは15名、全員が兼務、多くはクライアントを持った営業でした。通常業務を抱えながらの定例会議、市場環境調査、競合分析など時間の確保には苦労しましたが、業界の未来を創るミッションですし、「とにかくチャレンジしなさい」という経営陣の嬉しいバックアップもあり、常に積極的な意見交換を心掛けました。

営業からプロジェクトマネージャへの転向

多くの企画アイデアが生まれたのですが、ネットで折込広告プロモーションを活用してもらうというサービスは世の中にないということで、インターネット上での新聞折込広告配布発注システム「ORIKONNECT(オリコネクト)」の開発プロジェクトが社内で正式に決定、2013年4月にサービスインしました。さらに使いやすさ(利便性)向上を目指して、一度に印刷と折込広告を同時に発注できるサービスにしていく為、印刷の部分は印刷通販を行っている企業とのシステム連携で実現することになりました。エンドユーザーがどの印刷通販会社のサイトを訪れても「ORIKONNECT(オリコネクト)」により折込が注文できる仕組み作りの始まりです。

一方、「ORIKONNECT(オリコネクト)」のサービスイン直前、2013年3月には、 自社でも印刷通販サイトを構築し「オリコネクト」サービスを運用していこうという計画が立ち上がりました。自社サイト構築ということですぐにシステム開発発注の検討が始まります。この後、システムベンダー探しを行っている中で、ecbeingさんと出会うことになるのですが、サイト制作もシステムの経験も全くない営業の私が、プロジェクトチームのリードをとることになったのは、ひとつにはecbeingさんと読売ISとの接点が私だったからとも言われています(笑)。

EC採用のポイント

「組織としての対応力と強靭なセキュリティ体制」 よみプリ推進部 よみプリ推進課 リーダー 箕岡真実 様

営業、マーケティングに長く携わってきましたが、ウェブサービスの構築は経験がなかったため、システムの発注に関してはまずどういう会社があるのかを調べるところからのスタートでした。通販サービスのパッケージ会社と思われる会社をみつけては、印刷と折込広告をできるだけ簡単に申し込んでもらえるサービスをしたいことを説明し続けました。そんな中にecbeingさんとの出会いがあったのです。

システム会社の選択のポイントとしては、サービス開始のスケジュールが決まっていたことから、スピードも含めた組織的な対応力、個人情報保護を含めたセキュリティ面ははずせない条件でした。選定を始めたのが2013年5月、サービスのプレオープンは2014年2月と決まっていたため、社内稟議、予算の確保から要件定義、システム構築やテストまで約8ヶ月。社内の情報システム部に相談すると、“単純な物販とは異なるため、システム会社決定は一日も無駄にできないスケジュールだ”と言われていました。

ビジネスモデルに対する理解と提案力

社内の情報システム部からは、私自身が開発に携わるのは初めてであること、納期まであまり時間がないこと。そして予算面などから、今回はパッケージベンダーを選択することをアドバイスされました。しかし、棚にあるものを販売する一般的な通販とは異なるため、基本パッケージを利用しながらのカスタマイズについて質問後すぐに明確に返答をいただける会社はほとんどありませんでした。ecbeingさんは特別な案件ということで執行役員の方が自ら即日訪問対応してくださいました。私たちの予算感を伝えると、それでは厳しいということ、なぜなら基本パッケージではカバーできない独特の折込配布システムとの連携があるためと率直にご指摘いただきました。“できない”、“予算が足りない”ということではなく、こちらの要望を聞いていただき社内で検討できるような概算の価格表示や具体的な提案をスピーディにしていただいたことも、決定の大きな要因となりました。

今回読売IS様は、費用を抑えて開発期間が短いパッケージベンダーを選択されました。一般的にパッケージの場合、独自の機能を追加することが難しいのですが、ecbeingはあらゆる業界に対応し、サイトステージも新規・リニューアルを問いません。パッケージ+カスタマイズに対応が可能なecbeingスタイルはちょうど下記対応表の間に位置していると言えます。

独自開発のパッケージ利用の一般的な違い

構築プロジェクト時の対応

初めての要件定義

費用面から独自開発(スクラッチ)ではなく既存のパッケージを利用した開発を決定しましたが、もっとも苦労したのは、ecbeingの基本パッケージの利用と実現したい自社サービスの形のバランスでした。ウィークリーで定例のミーティングを設定し、予算、納期の観点から個別のスペックについて対応するか、持ち越しにするかの精査が2ヶ月間行われました。ecbeingさんのプロジェクトマネージャは、常に読売ISの新規プロジェクトとしての位置づけを理解し、対応、持越しの判断材料をシステム経験のないチームに丁寧に提示してくれました。

先行している印刷通販会社のサイトは徹底的に研究しました。どのサイトも街の店舗オーナーが使いこなすには難易度が高いなぁと感じていたので、とにかく簡単に使えるサイト作りを目標として私たちのイメージに近いサイトを共有してみてもらって、こちらの希望をecbeingさんに形にしてもらう作業が続きました。お客様にとって簡単で使いやすい機能とはいっても、複数の機能との組み合わせでかえって複雑になることもあります。外部であるecbeingさんが顧客プロファイルや市場を理解してくれているからこその提案が数多くありました。

例えば、通常の通販だと2個の商品を購入し、それぞれ別の届け先に送付するという機能がありますが、私たちの商品単位は「チラシ10,000部」というものです。ひとつの商品を5,000部ずつに分けて別の場所に送付するというソリューションが必要な訳ですが、通常の通販パッケージにこの仕組みはありません。この分納についてはカスタマイズで対応いただきましたが、結果的にお客様の多くがこの分納機能を活用されており、ecbeingさんのズバリな提案に感謝しています。

ECオープン後の効果

お客様のお問い合わせが商品企画のヒントに

サービス開始前は「とにかくチャレンジしなさい」と後ろ盾をしてくれた経営ボードに対して、現在のチームのミッションはお客様の数を増やすことです。ひとつの社内KPIは登録会員数です。

よみプリ推進部としての業務は販促活動、商品戦略、CRMと多岐にわたりますが、数字の動きを見ながら優先順位をつけてひとつずつ取り組んでいます。ビジネスモデルを理解してくれているecbeingは、相談に対しての対応が的確かつスピーディなので私たちチームにとって心強いビジネスパートナーです。

サービス開始後は、お客様からの入電も多く、市場に対するの手応えを感じています。お問い合わせの内容はお客様のニーズの発見につながっています。簡単にお申し込みいただけるサービスを目指したのですが、そもそもチラシのデザインや入稿をどうしたらよいかわからないと言われるケースも多いです。最初のフローはお客様に入稿していただくことが大前提のサービス設計だったので、制作を弊社で受けると、完成したデータを一度お客さまにお渡ししてお客様にウエブから入稿していただくというかえって不便なフローになってしまいます。バックオフィスからこちらで作成したデータをあげるためのユーザーサイドの入稿管理システムの拡張も行いました。

私たちのターゲットは、印刷や折込広告を活用する街の商店オーナー様です。代理店や専門マーケティングチームのある大手企業とは異なり、印刷データの入稿にも不慣れなお客様にも簡単に利用していただけるサービスにするためにはどうしたらよいか、サービスイン後も常に改善にむけてecbeingとの連携は続いています。

販売店というチャネルを活かした新しい市場の形成

読売ISは全国に広がる新聞販売店ネットワークを持っています。現在でも新聞販売店が近隣の街の商店からチラシの印刷や折込を直接頼まれることがあります。「よみプリ」を販売店に利用してもらうことによって、簡易印刷だけでなくカラー印刷の受注や、お客様に即時にお見積もりを提示できるインフラを提供できるようになったわけです。全国の販売店の皆様に「よみプリ」による地域活性化の提案についてプレゼンテーションさせていただくのも重要な仕事のひとつです。テレビ、新聞に比べると広告単価が低かったウエブ広告ですが、昨今は利用方法も複雑になり、業界によっては広告費が高騰している場合もあります。逆に折込広告は部数を限定することができるので、商圏の小さいビジネスにとってはウエブ広告と比較しても価格優位性があるため喜ばれています。

取材後記

読売IS様のプロジェクトを振り返って、オーダーメイド商品+折込配布見積もりサービスとの連携+BTOの組み込みをパッケージ利用で行うという、カスタマイズが多い難しいプロジェクトだったと感じます。納期を守りつつ、コストをおさえるための落とし込みの擦り合わせは2ヶ月かかりました。せっかく当社のパッケージを選択いただいたのに、スクラッチと変わらなくなってしまっては意味がないわけです。開発としての技術力に自信はあるが、読売IS様のビジネスを理解しないとシステム構築できない。ecbeingを使ってどこまで読売IS様のビジネスを実現できるかということの社内のチームへの植え付けがキーでした。弊社のメンバーは読売IS様視点で的確なご提案ができるように努力しましたが、太田さんを始めとしてチームのみなさんが、私たちを信頼してくださったからこそ、サービスインできたと思っています。初めてのおつきあいとなる会社同士の仕事はお互いが見えるまで緊張感漂うものですが、短期間での信頼関係の構築とお互いを理解する努力があってこその成功だったと感じています。

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