中国向け越境EC攻略のカギ『ソーシャルバイヤー』とは?

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「国が違えば文化も違う」とよく言われますが、日本と中国では商習慣も違えばEC市場を取り巻く環境も全く異なります。
特に中国EC市場の特殊性を色濃く反映しているのが『ソーシャルバイヤー』の存在です。

今回は、中国EC市場を理解する上で欠かせない『ソーシャルバイヤー』についてご紹介し、中国向け越境EC攻略の糸口を探ります。

中国EC市場の特徴

まず中国のEC市場についておさらいしておきましょう。日本と中国のEC市場の違いは、BtoCとCtoCの比率に如実に表れています。


日本の場合はBtoCのほうが圧倒的に大きく、2016年のBtoCの15.1兆円に対し、CtoCはわずか6,500億円で、BtoCが96%を占めています。※1


それに対して中国のBtoCとCtoCの比率は、2014年まではCtoCがBtoCを上回っている状態が続き、2015年に初めてBtoCがCtoCを超えました。


中国EC市場の特徴

※1


2016年時点でBtoCが55.3%、CtoCが44.7%となっており、わずかにBtoCのほうが大きい状況ですが、日本と比較すると、いかに中国のCtoC市場が隆盛かが分かります。※2


中国のCtoCを支えているのが、世界最大のECサイトであるタオバオ(淘宝網)です。タオバオの2016年の流通総額は約35兆円で、Amazonグローバルの約16兆円と比較しても圧倒的な規模を誇っています。

中国の国内事情

ではなぜ中国ではCtoCが盛んなのでしょうか?


日本人がネットショッピングをする際には、通常はAmazonや楽天、その他企業が運営するECサイトから購入するのが一般的で、それが最も信頼性の高い購入方法だと考えられています。そしてヤフオクやメルカリといった個人売買のほうが、詐欺や偽物のリスクが高いというイメージが少なからず存在します。


中国ではその考え方が全く逆になっています。それは中国人が政府や企業に対して不信感を抱いている傾向があり、信頼できる人物からの紹介やクチコミを重視する国民性を持っているためです。

中国の越境EC

中国国内では粗悪品や偽物が横行しており、日本や欧米といった海外製品に人気が集まっています。


この傾向は中国の越境ECが盛んな点にも表れています。2016年の中国における越境EC市場は2.2兆円で対前年比32.6%という成長率で拡大しており、日本の越境ECの2,400億円、成長率7.5%と比較すると圧倒的な規模と伸び率です。


これらの国内ニーズに呼応して『ソーシャルバイヤー』は生まれました。

『ソーシャルバイヤー』とは?

「信頼できる個人から購入したい」「海外の高品質の製品を買いたい」という国内ニーズを受けて誕生したのが『ソーシャルバイヤー』です。

ソーシャルバイヤーは『代購』『海淘』と呼ばれる、いわゆる代理購入者のことです。

ソーシャルバイヤーのビジネスモデル

ソーシャルバイヤーは、海外製品を欲している中国人顧客を募り、集まった商品リストをもとに日本や海外で商品を仕入れます。そして商品を中国に持ち帰り、顧客に購入手数料を徴収するというビジネスを行っています。


あるいは転売業者が海外で商品を大量に仕入れ、それを持ち帰りタオバオなどで販売するケースもあります。

前者は在庫を抱える必要がないので、高額商品やニッチな商品を販売するのに適しており、後者は確実に売れる人気商品や生活用品の販売に適しています。

爆買いの影の主役

2104年頃から中国人観光客による大量購入が目立つようになり、『爆買い』というキーワードで多くのメディアが取り上げることになりましたが、この爆買いの裏にはソーシャルバイヤーの存在がありました。

主な商材

爆買いの対象とされる商品は、中国人観光客の間で『四宝』と呼ばれている「炊飯器」「魔法瓶」「温水洗浄便器」「セラミック包丁」のほか、紙おむつ、医薬品、化粧品などが挙げられます。

ソーシャルバイヤーの市場規模

ソーシャルバイヤーがもたらした市場規模は、ある調査によると19兆円にのぼるといわれています。先ほど中国の越境EC市場規模が2.2兆円と紹介しましたが、日本企業が中国に販売した額の10倍近くを中国人ソーシャルバイヤーが販売していることになります。


この点から見えてくるのは、日本企業が中国人に直接販売することの難しさと、ソーシャルバイヤーと協業する有用性です。

『ソーシャルバイヤー』が越境EC攻略のカギ

中国向け越境ECを目指す企業が口を揃えるのは、中国EC市場への参入障壁の高さです。

中国最大のBtoCサイトである『天猫』は出店の際に厳しい審査があり、中小・中堅企業が出店するのは困難です。そこでより効率的に中国人に販売する方法として、ソーシャルバイヤーとの協業が注目され始めているのです。


ソーシャルバイヤーは優良な中国人顧客を多く抱え、顧客の欲している商品を正確に把握しています。ソーシャルバイヤーから自社製品を顧客に宣伝してもらえれば、これほど効果的な宣伝効果はないでしょう。


信頼のおけるソーシャルバイヤーを見つけて協業に持ち込むのは容易なことではありません。ソーシャルバイヤー側にもメリットとなる提案ができなければ、協業は叶わないでしょう。


しかしソーシャルバイヤーの持つ販売力や宣伝力を活用できれば、中国向け越境ECの突破口となりえます。自社で直接売り込む手法以外の方法として、ソーシャルバイヤーとの協業も視野に入れて検討してみてはいかがでしょうか。


※1参考:経済産業省 平成 28 年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)

※2参考:BTMU(China)経済週報 2017年6月21日 第353期 2016年の中国電子取引市場規模は23兆元〜ネット小売は中高速成長を維持

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