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株式会社ミルボンが次なる成長戦略として開始したBtoBtoC向けのECサイトとは?

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▼導入システム・サービス
BtoCパッケージ , BtoBパッケージ

美容室向けヘア化粧品で日本最大手の株式会社ミルボンは、2019年より美容室専売品をオンラインで購入できるEC事業を開始いたしました。2017年よりコーセーと業務提携しスタートしたスキンケアブランド「IMPREA/インプレア」を皮切りに、取り扱いブランドを拡大、サイトの利便性向上に努めています。
今回はそんな株式会社ミルボンが、美容室と顧客の課題を解決するために始めた「milbonミルボン公式オンラインストアーズmilbon:iD」について目的や背景、運用、今後の展望について聞く。

株式会社ミルボン 基本情報

<社 名>

株式会社 ミルボン

<設立年月>

1960年7月

<事業内容>

ヘアカラー剤、ヘアスタイリング剤、パーマ剤、シャンプー、ヘアトリートメント、 薬用発毛促進剤、スキンケア・メイクアップ化粧品の製造および販売(国内・輸出)など

<資本金>

20億円

<所在地>

本社: 東京都中央区京橋2丁目2番1号 京橋エドグラン


サロン様と顧客のことを考え抜いたビジネスモデル

――BtoBtoC向けのECサイトの背景について教えてください。

竹渕:企画の立ち上げから振り返ると、今の原形のECサイトをやることになったのは10年数年前からです。当時はマーケティング部の部長をしていた現社長がサロン様からの要望を受けて、顧客に対して商品を配送する、その仕組みを何とか作れないかというところから企画が立ち上がりました。
ただ、その当時ECのインフラや送料に関して物流をどのようにしていくかというところが課題であったため、テスト的にFAXでサロン様にいただいた受注を弊社側の物流に流し、お客様に直接送ることを始めました。
サロン様への配送に加え顧客にもそこを拡張していこうという形でやっていたのですが、どう考えてもそのシステムと採算が合わず断念したというきっかけがあります。

その後、また5年くらい前にECサイトを企画しましたが、これに関しては顧客にフロントを開放するのではなく、あくまでもサロン様が受注したものを弊社がお客様に届けるというようなB2Bの配送を顧客にそのまま持っていく形式で検討し進めていきました。
その時、ecbeingさんには裏側の受注を手伝っていただきシステムの開発をテスト的に行っていきました。ただ、テストでやってはみたものの、なかなか対顧客向けに提供できるサービスまで水準が高まらず、そのプロジェクトも一旦終了することになりました。

そして今から3年ほど前になりますが、BtoBtoC型の顧客にフロント側をちゃんと開放し、弊社側の方で受発注を回し、売上データをサロン様に還元するという通常の商流と同じ形ができないかということで、経営戦略部の事業として3回目のチャレンジを行い、今のECサイトが出来上がった経緯があります。

――ビジネスモデルをつくるにあたってのコンセプトについて教えてください。

竹渕:コンセプトとして、事業モデルの設計段階からサロン様にちゃんと売上が計上され、顧客も普段通っているサロンから購入しているような状況、かつ物流から裏側の請求モデルは既存の商流を変えない形で作ることを意識していました。
試行錯誤しながら検討していたため、半年〜1年弱ほど構想とビジネスモデルを作るためだけに時間をかけました。

経緯としまして、当時私たちが3回目に検討する際、他社の販売モデルを調べていました。
その中で、利益のマージンをサロン様に返すというような形のECサイトをテスト的にやられているブランドがありました。内容としてはメーカーが直接販売し、途中で美容室や店舗をお客様に選択していただいて、それぞれに利益をキックバックするような販売モデルになるのですが、実はそのモデルがあまりうまく行かなかったということがわかりました。
前提として店舗内で販売した時と同様に、ECの売上がちゃんと立つのかというのは美容室からすると非常に重要なポイントです。
法人で行っている場合、売上自体がECに含まれるため、昨年対ベースで売上を換算している美容室からするとECに移行した分の売上が減ります。
美容室は、サロン店舗や一人一人の生産性を売上当たりで計算している美容室がほとんどですので、何とかして売上が直接美容室に計上される形、そのうえでインフラとして弊社側で丸っとできるような形というのができないかということを検討していました。

リーフレットを通じたブランド価値

――ビジネスモデルを確立したことにより運用はどのようになされていますか?



竹渕:フローやコンセプトにこだわったことにより、どこのシステム会社に相談をしても「こんなに面倒くさいことをやるってどういうことですか?」と、毎回聞かれていました。
そもそもの根幹として、弊社の商品ブランドは顧客に対して美容師が問診/視診/触診を行う対面カウンセリングによって販売をするという流れを順守していただく契約を結んでいるため、販売を来店顧客に限定するという方法にこだわって運用していく必要がありました。
カウンセリングをする意図としては、知らない商品を買ってしまうとお客様にとって価値の棄損になりますので最終的にはお客様の価値につながることを大事に考え対面カウンセリングを行うようにしています。

ここを非常に大事にしていまして、不特定多数の方や来店していないお客様が購入できてしまうサイトをつくるというのは、弊社のブランド価値を自ら破ってしまうことになってしまうため、そこが一番すべての根幹になっています。
そのため、来店してカウンセリングを受けたお客様にはリーフレットカードをお渡し、記載の会員コードから登録を行いECサイトで商品を購入できるような仕組みになっています。
ブランド価値をきちっと守るために重要なルールという形で会員限定の販売であるとか、リーフレットをわざわざ提供するというプロセスを踏むとか、店舗管理を全部キッチリするとかというのは、顧客価値ももちろんそうですが、ブランドとしてお客様に提供する上で重要な規定というところに基づいた形でECサイトを設計しています。



――サイト施策としてはどのようなことをされていますか?

竹渕:まだサロン様の店舗数がスタートした段階のため、これから仕掛けていく予定です。
ただ、リピーターに関する施策としては、購入したお客様に対してCRMを設定しており、購入された商品に合わせた使い方のサポートをするメール、ブランドの概要を伝えるメールなど、弊社も既定の使用期間というのがフェーズごとにありますので、1ヶ月後や2ヶ月後といった商品のボトルサイズに合わせて、再購入を促すというようなメールをお送りしています。
通常美容室だと商品を買った後、2ヶ月後に来店するまでフォローアップできませんので、そこをメールのCRM機能でどこまで支援できるか組んでいます。

また、今展開している美容室で積極的にやっているところでは、来店の前にいろいろな新商品をご紹介するのはもちろん、会員のお客様に対して事前に新商品が出たとか、この時期は夏だとリフレッシュ系の炭酸シャンプーがおすすめだという、アプローチをするのにecbeingさんの中に入っている会員データを使いたいという要望が出てきているので、そこは追加の開発として今後検討していきたいと考えています。
コミュニケーションとして、このサイトとサロン様のつながりができるようになってくると、ただの購買するという売り場ではなく、顧客とちゃんとつながってサポートできるサービスに変わると思っています。ここは年末から来年にかけて強化していきたいと考えています。

難易度の高い要求に対するecbeingの対応

――ecbeingを選んでよかった点はどこになるでしょうか?

竹渕:そもそもECサイトの立ち上げ時の選定条件として、ある程度パッケージのベースやセキュリティがしっかりしていることはもちろん、カスタマイズ性や細かいところの小回りがどこまで作れるかというところは前提にはありました。
その中でecbeingさんを選んでよかった点は、結局対峙した窓口の人じゃないかと思っています。
もちろん担当者によって色々できることできないことが変わってしまうのは、会社として問題はありますが、長くお付き合いできる関係性というところは非常に重要なポイントだと思います。
また当時、BtoBtoCモデルの事例を出してくれる企業が少ない中で、ecbeingさんはBEAMSさんやナノ・ユニバースさんなどの事例もご提示いただけました。弊社側の思いとしてサイト自体がブランドサイトのように、ただの商品の売り場というよりは、ある程度コンテンツが作れて、ブランドサイト的な要素を取り入れたいと考えておりましたので、頂いた事例からやりたいことを網羅しているなという感覚がありました。

そもそもメーカーが立ち上げたECサイトなのに、ある意味楽天のようなモールやAmazonのマーケットプレイスに近いことを行っていますので、運用をしていて気を使った点は多々あります。
商品に関しては、弊社の方でコントロールしていますが、モールのように各サロン様に出店してもらい、お客様には各出店しているEC上にある店舗で買ってもらう形になります。そこの設計・運用、管理画面をどのように出しわけをして、サロン様からの自由度をお客様にどうやって提供できるかなど、バランスとカスタマイズ性というところはかなり難易度が高い中でecbeingさんには頑張っていただいたと思っています。

出店するサロン様の増加とEC運用の負担軽減

――サイトを立ち上げて1年ほど経ちますが、効果はいかがでしょうか?

竹渕:実際にフルで稼働し始めたのは2020年6月からなのでこれから成果が出てくるかと考えています。
ただし今、弊社側からすると出店してくれる美容室をどれくらい増やせるかというところを非常に重要視しています。そこで言うと、受付を始めたのが4月からですがそこから大体1000件弱くらいの依頼が来ており順調に動いていると思います。
それらを登録申請して、マスタデータを作り、顧客に展開できる準備を社内の4人体制で全部行えています。その他サロン様の美容師が動きやすいよう、一旦管理画面を印刷したマニュアルを作り、展開用のリーフレットと店頭に置くPOPの作成もこちらですべて準備しています。店舗型ECのサポートとして、こういったEC以外の細かい運用部分も含めて行うことで、ちゃんとサロン様から顧客の方に情報が流れていきます。
また顧客の会員数で言うと、約2カ月で現在約6000人くらいです。
広告などを一切打たずに、全てサロン様のオペレーターから個々にご案内しており、多いサロン様だと2週間ほどで100人くらいの会員登録を取っていたりします。
初動はまだ物足りない部分もありますが、徐々に年末にかけて稼働が進めば、出店する店舗やお客様も増え、その中で買っていただける方がちゃんと回るという形を作っていけると考えています。

――サロン様やエンドユーザーからの反応はいかがでしょうか?

竹渕:お客様にとっては、シャンプーやトリートメントなどをリピート購入されている方ほど、500mlや1Lなど大容量を買われる方も多く、重くて持ち帰るのが大変ですのでECで購入できるという部分は喜ばれています。
また新型コロナウイルス感染症の影響により都内含めて緊急事態宣言で店舗自粛があったため、美容室が独自にECを行っていた期間が2ヶ月くらいありました。期間限定で行っていたのですが、美容室に来店できないお客様から直接受注を受けて、宛名を個人で書いて、梱包資材を詰めという作業を内製化し、電話注文も受けるようにしていました。
通常業務の中でECの運用も一緒に行ってしまうと、負荷が大きくなりすぎてしまうため、弊社のサービスを使っていただき、物理的にリーフレットをお渡しして、お客様にご登録いただき商品を選んで注文をしていただければ、あとは弊社の方で対応や商品ごとの自動返信メールなどの設定も行っていますので、サロン様はお客様にご紹介するところだけに集中でき、非常にシンプルに運用できます。
ナンバリングされたQRコードを読み込めば個別パスが入力されている画面に飛べるようなリーフレットをお店にお渡しするので、会員カードがユニークになっています。
そうすると美容室は、ただ個別に振られているQRコード付きのリーフレットをお渡しするだけなので、美容室からするとかなり負担が改善されているかと思います。

ワンチームでの取り組み

――現在の課題と今後の展望について教えてください。

竹渕:まずは購入する場の利便性をしっかりと整えて、店舗でしか買えなかったというところをECでいつでも買えるようなサービスにするところです。
またビジネスモデルとしては、サロン様や代理店様をちゃんと巻き込もうというところは初期のところで設計できたとは思っているので、次はやはりサロンと顧客の関係を密にしていくところが課題です。
もちろんEC化率をあげていくという問題もあるのですが、お客様と美容室の間でつながりを持つためにCRM機能の強化であるとか、あとそのサロン様からするとお客様に対してのメッセージングというコミュニケーションをミルボンIDの顧客データに対してちゃんと提供するなど、サロン様とお客様の間にECがデジタル上でのインフラとしての役割にちゃんとなっていけばいいかと思ってはいます。

それらを叶えるために、LINEなどの外部ツールとの連携に関して、既存のものをどのようにつなげるかというところはしっかり検討をしていきたいと考えております。
また定期販売の機能もやっていきたいと思っており、来年テスト的にお客様の選択肢を増やすという意味で、通常販売とは別に定期販売の仕組みを作りたいと考えております。
他にもまだスタートはしていませんが、ノベルティを特定の商品や期間にオフィシャルでつけるような仕組みも検討しております。

CRMではコンテンツを掲載するだけの一方向なので、商品を買った1ヶ月後にフォローメールで商品の満足度や足りてない部分などの要望を伺い、それをサロン様の顧客データに紐づけ、今よりラフにサロン様が顧客データをカルテのようにつなげることができれば、来店した時点でそのお客様が1ヶ月後にどういった満足度で不満を持っているかが分かり、アドバイスがそこでスタートできますので、そういったところはおそらく、デジタルやECの可能性と思っています。

――ありがとうございました。最後に、これからEC事業をはじめる企業にアドバイスをお願いします。

竹渕:事前準備といいますか、事業モデルというのを上流できちっと組み立てて、その上でいかにデジタルやECに関わる方々や顧客の便益とどうつなげられるかというところに時間と様々なリスクも含めて、網羅してやりきれるかが非常に大事かと思います。
あとはやはり事業主からすると関わる会社さんと担当のチームをきちっと作り、丸投げをしないことが大事だと思います。
私の感覚では事業主とベンダーさんという関係ではなく、ワンチームという考えで対等なパートナーさんという形でEC事業は進めていかないと厳しいと思います。
それが欠けていると、スタートは切れますが、スタート後の運用は大変だと実感して思います。
そういった意味でecbeingさんとは同じチームとしていられたというところは大きいと思います。


――


竹渕 祥平(たけぶち しょうへい)
株式会社ミルボン 経営戦略部 ブランド戦略室


ミルボン公式オンラインストアーズmilbon:iDはこちら


●取材・文:塩見駿介




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