中国BtoC-ECシェアNo.2の「京東商城」(JD)とは?

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世界一の市場規模を誇る中国BtoC-EC市場において、シェアNo.1の天猫とともに市場を牽引しているのがシェアNo.2の「京東商城(ジンドン)」(JD)です。京東商城は「天猫(テンマオ)」(T-MALL)とは異なるビジネスモデルを持ち、独自の発展を遂げています。

今回は天猫と京東商城の違いを比較しつつ、京東商城の取り組みや特徴についてご紹介します。

「京東商城」(JD)とは?

京東商城は2004年にスタートしたPC機器専門のECサイト「京東多媒体網」を前身とし、その後家電製品や携帯電話など取り扱い品目を増やしていき、現在ではあらゆるジャンルの商品を取り扱う総合ECサイトになっています。


2016年における中国のBtoC-EC市場は9,276億ドルで、第2位のアメリカの3,984億ドルを大きく引き離して第1位の規模を誇ります。


その中国のBtoC-EC市場は天猫と京東商城の二大サイトが圧倒的なシェアを獲得しています。天猫のシェア率が57.7%、それに次ぐ京東商城が25.4%で、この2サイトだけで市場全体の8割を占めます。

「京東商城」の特徴

中国二大ECサイトの天猫と京東商城ですが、その特徴やビジネスモデルは大きく異なります。京東商城の特徴を天猫と比較しつつ詳しく見ていきましょう。

直販型モデル

天猫は各企業にマーケットプレイスを提供し、出店者から出店料を徴収する事業スタイルです。それに対し京東商城は自社で商品を仕入れて販売する直販型の事業形態を採用しています。例えるなら天猫は「楽天」、京東商城は「Amazon」に近いビジネスモデルといえます。


なお中国直販型ECサイトの分野では、京東商城はシェア50%以上を占める最大手です。

デジタル家電に強い

京東商城は元々の成り立ちがPC・家電販売だったため、デジタル家電に強いECサイトとして広く認知されており、売上比率も2015年まではデジタル家電の比率がその他商品の比率よりも多くを占めていました。


最近ではアパレル関連や食品、生活用品などにも力を入れ、2016年にはデジタル家電とその他商品の比率が逆転していますが、それでも「デジタル家電を買うなら京東商城」というブランドイメージを確立しています。

充実のアフターケア

ユーザーにとってデジタル家電を購入する際に気になるのが、購入後のサポートです。

京東商城では購入後7日以内であれば理由を問わず返品が可能で、15日以内に品質に問題があれば返品・修理を受け付けています。この充実したアフターケアがユーザーの安心感につながっています。


独自の物流部門

Amazonが大規模な物流部門を持っているのは有名ですが、京東商城も独自の物流部門に力を入れており、中国国内に約6,900ヶ所の配達センター、約84,000人の配達員を抱えています。日本最大の宅配業者であるヤマト運輸が約6,800センター、配達員数約60,000人なので、それをも超える規模です。


独自に物流部門を運営することで、当日配送や翌日配送といったスピーディな配送を可能にしています。


またロボット技術を駆使した無人物流倉庫の実現や、無人配送車・ドローンを使った配送自動化の研究といった、先進的な取り組みも積極的に行っています。

「京東全球購」(JD Worldwide)とは?


「京東全球購」(JD Worldwide)とは?


中国の越境EC市場は2016年時点で約2.2兆円、対前年比32.6%という高い成長率を誇っています。調査機関の推計によると、2020年には約1.84倍にも成長すると見られており、越境EC市場は今後も順調に伸びていくと思われます。


そんな中で天猫が2014年に越境ECサイト「天猫国際」をオープン、それに続いて京東商城も2015年に「京東全球購」(JD Worldwide)をオープンしました。

京東全球購の売れ筋商品は?

京東全球購におけるカテゴリ別売上比率は、マタニティ/ベビー関連が24.6%、デジタル製品/家電が24.6%、美容関連が22.8%となっています。マタニティ/ベビー関連と美容関連の比率が高いのは天猫国際と共通する点ですが、デジタル製品/家電の比率も高いのが京東全球購の特徴といえるでしょう。

「日本館」がオープン

京東全球購では日本企業の誘致に力を入れており、2015年に日本製品専門の「日本館」をオープンしました。花王、キヤノン、ソニー、資生堂といった有名企業が多数出店しています。

中国EC進出を強力サポート

京東商城は、フランクジャパン社とヤマトグローバルロジスティクスジャパン社(YGL)の3社間で業務連携を図り、日本企業の中国EC市場への進出を支援するとしています。店舗設立から運営までをフランクジャパンがサポートし、日本から中国への商品輸送をYGLが行うため、中国にチャネルの無い企業でもスピーディかつ安全に越境ECに参入することができます。

「京東全球購」で手軽に中国進出を

中国の越境ECプラットフォームは「天猫国際」と「京東全球購」がシェアを争っています。どちらも中国EC市場への進出を検討する上で欠かせない存在です。費用面やサポート内容などを吟味し、自社のビジネスや商品に最適なプラットフォームを選択しましょう。


越境ECを自社で全て行うのは時間やコストが掛かるうえに、越境ECならではのノウハウも必要です。越境ECに興味がある、これから海外進出したいと考えている方は、成長を続ける中国ECサイトを参考にしてみてはいかがでしょうか。




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