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スーパーアプリとは?なぜ需要があるのか事例を踏まえ徹底解説

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更新日:   公開日:

当たり前のようにスマートフォンを使用し、知りたい情報や欲しいものを手に入れることができる現代において、「スーパーアプリ」というワードがよく見られるようになってきています。
今までのアプリと何が違うのか?どのような使い方ができるのか?などスーパーアプリに関する事例も含めて解説します。

当たり前のようにスマートフォンを使用し、知りたい情報や欲しいものを手に入れることができる現代において、「スーパーアプリ」というワードがよく見られるようになってきています。
今までのアプリと何が違うのか?どのような使い方ができるのか?などスーパーアプリに関する事例も含めて解説します。


スーパーアプリとは?

スーパーアプリとは、プラットフォームとなる一つのスマホアプリの中に、さまざまな機能をもつアプリを統合して、日常生活のあらゆる場面で活用シーンをもつ統合的なアプリのことを言います。
例えば、LINEで言えばチャットや電話ツールとして以外に、音楽が聴けて、ゲームや漫画も読むことができ決済や買い物もすることができるアプリが一つのアプリの中に搭載されています。
一見、関連性がないように見える機能やサービス群ですが、一貫してユーザー体験のもと統合されています。スマートフォンで何かをする度に複数のアプリを立ち上げる必要がなくなり、ユーザーにとって一つのアプリで完結するのは利便性がかなり高いです。

スーパーアプリが必要とされる理由

ここまでスーパーアプリの需要が高まっているのには理由があります。
そもそも今のスマートフォンアプリの現状として、ダウンロードしたアプリをすべて利用している人は極めて少ないです。
一般的に普段使用しているアプリはすでにダウンロードしているアプリのうちの数個しか利用されていないと言われています。
また新しくアプリをダウンロードするのも、目的が明確でない限り積極的にダウンロードすることは少ないです。

もちろん、人によって利用するアプリは異なり、LINEで連絡を取るためだけにアプリを使用している人もいれば、FacebookやTwitter、InstagramなどのSNSやYoutube、漫画、音楽、その他サブスクリプションサービスアプリも含めアプリを多岐に分けて使う方もいるかとは思います。
ただ、利用者の現状として、アプリストアには数えきれないほどのアプリが登録されているにも関わらず、そのほとんどが普段利用されていない状態です。

では、これだけアプリストアにアプリが存在するのに、なぜダウンロードしないのかというと、新しくアプリをダウンロードする度にID、パスワードを作成し、必要に応じてクレジットカードを登録する流れが負担になっていることがあげられます。
また、携帯の容量も決まっており、無限にダウンロードできるわけではないことも言えます。

これが、1つのアプリで様々な機能が使用でき、いちいち複数のアプリを立ち上げたり、閉じたりしなくすみ、ユーザー体験はよりスムーズになります。

もちろん世の中の動き的に、急速なユーザー数の増大によって、その有用性が実証されつつあることも言えます。
中国でWeChatが初めてスーパーアプリ・ミニプログラムの仕組みを導入したことにより、WeChatの利便性が更に高まりユーザーがアプリを使うプラットフォームに変化を与えました。

スーパーアプリとミニアプリの違い

スーパーアプリはあくまでミニアプリを搭載したプラットフォームになるアプリになります。スーパーアプリ自体、普通のアプリストアからダウンロードするアプリ(ネイティブアプリ)ですが、ミニアプリはスーパーアプリの中からダウンロードなしで起動するアプリのことを言います。
例えば、LINEもスーパーアプリの一つです。LINE内には「LINEミニアプリ」というものがあり、クーポンアプリやタクシーの配車アプリ、電車の乗り換え案内アプリが搭載されています。

世界各国のスーパーアプリ事例

ここまでスーパーアプリの概要やなぜ必要なのかについて説明してきましたが、実際どのようなスーパーアプリが存在しているのかご紹介します。

WeChat(中国)


WeChat(ウィーチャット)は中国ではほとんどの方が使用しているといわれているアプリで、一言で言うと「中国版のLINE」のようなものです。
2011年に中国テンセント社が運営するインスタントメッセンジャーアプリとして生まれ、「メッセンジャー機能」と「ソーシャル・ネットワーキング・サービス機能の融合」が特長です。
WeChat上から使用できるミニアプリとしてチャットはもちろん、買い物、チケットの予約、決済など幅広い機能を持っています。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大により、WeChat上で感染状況をリアルタイムで確認できるサービスや健康状態を確認するサービスなどコロナ対策に対しても活用がされています。

AliPay(中国)


「Alipay(アリペイ)」は中国国内でのスマホ向けキャッシュレス決済サービスです。中国のEコマース企業でBtoBのECサイトでは世界有数のシェアを誇り、Amazonと並ぶ阿里巴巴集団(アリババ・グループ)が提供するAlipayは中国最大のECプラットフォームタオバオの決済手段として普及しました。
WeChat同様にスーパーアプリ化が進み、バイクシェアリングサービスやタクシーの呼び出し、医療関連といった様々なミニアプリが存在します。

GoJek(インドネシア)


Gojek(ゴジェック)はインドネシア初のオンラインタクシーまたは配車を行うアプリです。
2010年に設立され、ジャカルタに本社を置くGojek(正式にはGO-JEK)は、オジェック予約(バイクタクシーの予約)のためのコールセンターとしてスタートし、今ではインドネシアに滞在する方なら必須のアプリとなっています。
現在はバイク便などの物流系サービスをはじめ、映画のチケット購入、ハウスキーパーの手配、食事のデリバリーなどを行うミニアプリを統合したスーパーアプリとなっています。
※アプリは基本的にインドネシア語もしくは英語。

LINE(日本)


スーパーアプリという概念を打ち出していないものの、LINEというネイティブアプリをプラットフォームとしてミニアプリを使用できる構造を持っています。LINEアプリから決済や送金、クーポン、ゲーム、音楽などLINE上のミニアプリで立ち上げ使用している方も多いはずです。

LINE公式アカウントとの役割も明確に分かれており、LINEミニアプリと違いLINE公式アカウントの場合は友だちになったユーザーに対して、チャットボットやメッセージ配信を使って、サービスや商品購入への販促を促すことができます。


LINEとECの連携についてはこちら
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欧米ではなく、アジアでスーパーアプリが誕生した背景

スーパーアプリは欧米ではなく中国や東南アジア圏で多く見られます。アプリストアが生まれたアメリカや展開を進めてきた先進国では、PCからモバイルへ移行する中でそれぞれに特化したアプリが新しいサービスとして生まれたため、そのまま認知度も高まり、結果独立したアプリのサービスが増えていった状態になります。

それに対して中国や東南アジアは、すでにビジネスモデルとして確立しているネイティブアプリを模範して作り、特に中国の場合はアメリカ企業が開発したアプリに関する規制もあるため、上記で上げた「WeChat」や「Alipay」を作るにあたりメッセージングサービスだけでなく配車サービスなど他のアプリの仕組みも実装した経緯があります。

スーパーアプリのデメリット

スーパーアプリはネイティブアプリと異なり、ダウンロードの手間や一度に複数のアプリを立ち上げることが不要になることなどメリットを上げましたが、スーパーアプリにも欠点はあります。
セキュリティ面で見ると仮にスーパーアプリのアカウントを乗っ取られた場合、一つのアプリ上から様々な情報が漏洩することにもつながる可能性はあります。名前や住所、決済だけではなく、いつ何を食べて、どこへ行ったかまで個人の行動記録もわかる可能性があります。
ネイティブアプリにも同様のセキュリティ課題のことは言えますが、万一の被害の規模は大きく、セキュリティ自体が強固であっても、もちろん100%大丈夫と言えるわけではないためセキュリティ上の脅威については未知数です。

また、スーパーアプリを起動して目的のミニアプリにアクセスできるかはスーパーアプリ側のユーザビリティに左右されてしまいます。
ネイティブアプリ自体の背景として、目的にアクセスしやすくする面も含まれるため、自分たちで自由にアプリ開発や取り組みを行うにしてもスーパーアプリ側に依存してしまうことがデメリットの一つとして挙げられます。
例えばLINEアプリも元々LINE Payをアプリ内部で利用することが前提のUIでしたが、運用開始後しばらくして別のアプリとしても利用ができるようになっています。

まとめ

ここまでスーパーアプリ・ミニアプリについてご説明してきましたが、スーパーアプリの需要は今後も高まりを見せていくと考えられます。
これからWebやアプリケーションと関わる人にとって、モバイルファーストによりPCよりもスマートフォンを最初に使う人が増えてくることが予想されます。そういった中でアプリの需要自体は高まり、よりユーザーが使いやすい回遊性に優れたスーパーアプリの改善もされていきます。
もちろん、ネイティブアプリが古い過去の部類なわけではありません。当然といえば当然ですが、各企業が差別化を図り工夫してオリジナルで開発しているネイティブアプリは状況に応じて必要なものです。
ユーザーは差別化してアプリを使い分けし、各企業はミニアプリにはない付加価値をつけるなどして、ネイティブアプリとスーパーアプリ、ミニアプリを使い分けていくことが必要になると思われます。




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