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【2026年最新版】EC化率とは?
定義から日本・世界の市場動向、業界別EC化率までわかりやすく解説

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公開日:

ネットショッピングの普及により、商品やサービスの購入方法は大きく変化しています。企業にとってもECは重要な販売チャネルとなり、市場は年々拡大を続けています。では、実際にECはどれくらい普及しているのでしょうか。この記事では、日本や世界のEC市場の動向や業界別のEC化率、BtoB・BtoCそれぞれの市場状況などをデータをもとにわかりやすく解説します。EC市場の現状と今後の可能性を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

サクッと理解!本記事の要点まとめ

EC化率とは何ですか?

EC化率とは、商品やサービスの総取引額のうち、電子商取引(EC)による取引が占める割合を示す指標です。市場全体の中で、どれくらいオンライン取引が行われているかを把握するために用いられます。

EC市場規模とEC化率の違いは何ですか?

EC市場規模は、ECによる取引の総額を示す指標です。一方、EC化率は市場全体の取引のうちECが占める割合を示します。つまり、EC市場規模は「市場の大きさ」、EC化率は「ECの普及度」を表しています。

日本のEC化率はどれくらいですか?

経済産業省の調査によると、2024年の日本の物販系BtoC-EC化率は9.78%となっています。また、BtoB-ECのEC化率は43.1%と、企業間取引ではオンライン化がより進んでいます。

EC化率が高い業界・低い業界の特徴は?

家電や書籍など、商品情報を比較しやすい分野はEC化率が高い傾向があります。一方、生鮮食品や理美容サービスなど、実物確認や対面サービスが必要な分野ではEC化率が低い傾向があります。

EC化率は今後も上がるのでしょうか?

DXの進展やスマートフォンの普及、物流サービスの発展などにより、EC化率は今後も緩やかに上昇すると考えられています。さらに、海外向け販売を行う越境ECの拡大もEC市場の成長を後押しすると期待されています。

ネットショッピングの普及により、商品やサービスの購入方法は大きく変化しています。企業にとってもECは重要な販売チャネルとなり、市場は年々拡大を続けています。では、実際にECはどれくらい普及しているのでしょうか。この記事では、日本や世界のEC市場の動向や業界別のEC化率、BtoB・BtoCそれぞれの市場状況などをデータをもとにわかりやすく解説します。EC市場の現状と今後の可能性を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。


EC化率の定義

EC化率とは、商品やサービスの総取引額のうち、電子商取引(EC)による取引が占める割合を示す指標です。つまり、すべての商取引の中で、どの程度がインターネットなどのオンライン上で行われているかを表しています。一般的には、次のような計算式で表されます。

EC化率 = EC市場規模 ÷ 市場全体の取引額 × 100

例えば、ある分野の市場全体の取引額が100兆円で、そのうちECによる取引が10兆円だった場合、EC化率は10%となります。
EC化率は、その業界や国においてECがどれくらい普及しているかを示す重要な指標として用いられます。EC化率が高いほどオンラインでの取引が一般化していることを意味し、低い場合はまだ実店舗や対面取引が中心であると考えられます。こうした指標は、EC市場の成長状況や今後の拡大余地を把握するためにも活用されています。

EC市場規模とEC化率の違い

EC市場規模とEC化率は、どちらもECの状況を示す指標ですが、意味は異なります。
EC市場規模は、ECによって行われた取引の総額を指し、EC市場の大きさを表します。一方、EC化率は、市場全体の取引額のうちECによる取引が占める割合を示す指標です。
つまり、EC市場規模は「EC取引の金額の大きさ」、EC化率は「市場全体の中でECがどれだけ普及しているか」を示すものです。これらをあわせて見ることで、EC市場の規模と普及状況を把握することができます。

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日本のEC化率

日本のBtoC EC化率

経済産業省の報告によると、2024年の物販系分野のBtoC-EC市場規模は15兆2,194億円となり、前年の14兆6,760億円から5,434億円増加しました。増加率は3.70%で、EC市場は引き続き堅調に拡大しています。
また、EC化率は9.78%となり、前年から0.40ポイント上昇しました。コロナ禍のような急激な成長は落ち着いたものの、ネットショッピングの利用は生活に定着し、EC化は今も着実に進んでいることがうかがえます。


【物販系分野のBtoC-EC市場規模及びEC化率の経年推移】

日本のBtoB EC化率

また、2024年のBtoB-EC市場規模は514兆4,069億円で、前年比10.6%増となりました。「その他」を除いたEC化率は43.1%となり、前年から3.1ポイント上昇しています。
企業間取引では、従来の電話やFAXによる受発注からオンライン取引への移行が進んでおり、DX推進の流れも相まってEC化が着実に進んでいることがわかります。


【BtoB-EC 市場規模及びEC化率の経年推移】

日本のCtoC EC化率

一方で、2024年のCtoC-EC市場規模は2兆5,269億円で、前年比1.82%増となりました。
フリマアプリの普及により個人間取引は広く定着しましたが、コロナ禍のような急激な拡大期を経て、現在は成長がやや落ち着いた段階にあると考えられます。それでも、個人が手軽に売買できる環境は今後も維持され、CtoC市場は安定した規模で推移していくと見られています。


【CtoC-EC推定市場規模】

引用:経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査報告書」(2025年8月発表)

世界のEC化率と国別EC市場シェア

世界のEC化率

では、世界で見るとどうでしょうか。次のグラフは、世界のBtoC-EC市場規模とEC化率の推移を示したものです。2024年の世界のBtoC-EC市場規模は6.09兆USドル、EC化率は20.1%と推計されています(2025年以降は予測値)。パンデミック後は成長スピードがやや鈍化したものの、市場は着実に拡大しています。今後も緩やかな成長が続くと見込まれており、2028年には市場規模8.09兆USドル、EC化率22.9%に達すると予測されています。こうしたデータから、小売分野では今後も世界的にEC化が進んでいくことが示唆されています。


【世界のBtoC-EC市場規模(単位:兆 US ドル】

国別EC市場シェア

国別に見るとEC市場はどのような構成になっているのでしょうか。次のグラフは、2024年の国別BtoC-EC市場シェアのトップ10を示したものです(推定値)。
中国が世界全体の50.4%と圧倒的なシェアを占めており、続いて米国が19.6%、英国が3.6%、日本が2.8%、韓国が2.2%となっています。特に中国の市場規模は突出しており、1国だけで世界のEC市場の半分以上を占めています。さらに米国を加えると、上位2か国だけで世界全体の約70%を占めており、EC市場が特定の大規模市場に集中していることがわかります。
このように、世界のEC市場は中国と米国が中心となって成長をけん引しており、他国と比べてもその存在感の大きさが際立っています。


【国別EC市場シェア】

国内の業界別EC市場とEC化率

つづいて、国内の業界別EC市場とEC化率を見ていきましょう。

物販系分野

物販系BtoC-ECの主要カテゴリーを見ると、市場規模の大きい順に「食品・飲料・酒類」「衣類・服装雑貨」「生活家電・AV機器・PC周辺機器」「生活雑貨・家具・インテリア」「書籍・映像・音楽ソフト」となっています。特に上位4カテゴリーはすべて市場規模が2.5兆円を超えており、これらだけで物販系EC市場の約74%を占めています。以下では主なカテゴリーの特徴を見ていきます。


【物販系分野の BtoC-EC 市場規模(▲は減)】


食品、飲料、酒類
「食品・飲料・酒類」分野のBtoC-EC市場規模は3兆1,163億円で、前年比6.36%増となりました。EC化率は4.52%です。
食品分野では、ネットスーパーの拡大が市場成長を支えていると考えられます。コロナ禍をきっかけに、食品や飲料をオンラインで購入する消費行動が定着し、現在も利用は広がり続けています。
また、ネットスーパーには店舗から商品を配送する「店舗出荷型」と、物流拠点から配送する「センター出荷型」があり、大手小売企業では両者を組み合わせて効率化を図るケースも増えています。今後は物流の最適化や配送サービスの高度化が、市場拡大の鍵になると考えられます。

生活家電、AV機器、PC・周辺機器
本カテゴリーのBtoC-EC市場規模は2兆7,443億円で、前年比2.26%増となりました。EC化率は43.03%と、物販系の中でも特に高い水準です。
家電製品は仕様や性能が明確で比較検討しやすい「探索財」であるため、ECとの相性が良いとされています。現在は、大手ECプラットフォームと家電量販店のECサイトが競合する市場構造となっています。
また近年は、リユース家電やリファービッシュ製品などの循環型ビジネスも拡大しており、サステナビリティ志向の高まりとともに新たな市場として注目されています。

書籍、映像・音楽ソフト
本カテゴリーのBtoC-EC市場規模は1兆8,708億円で、前年比0.84%減となりました。EC化率は56.45%と非常に高い水準です。
紙の出版市場が縮小する中でEC販売は拡大してきましたが、近年は電子書籍の成長がやや落ち着き、市場全体は横ばい傾向にあります。また、映像や音楽ソフトについては動画配信サービスの普及により、フィジカルメディアの需要が減少しています。今後はオンラインコンテンツが市場成長の中心になると考えられます。

化粧品、医薬品
「化粧品・医薬品」分野のBtoC-EC市場規模は1兆150億円で、前年比4.54%増となりました。EC化率は8.82%です。
化粧品は実際に試して購入することが多い「経験財」であるため、EC化率は比較的低い傾向があります。一方で、オンラインカウンセリングやAIによる肌診断、ライブコマースなどの新しい販売手法が広がり、EC利用は徐々に増加しています。
また、メンズ美容市場の拡大やインバウンド需要の回復などもあり、今後も安定した成長が期待されています。

生活雑貨、家具、インテリア
本カテゴリーのBtoC-EC市場規模は2兆5,616億円で、前年比3.62%増となりました。EC化率は32.58%です。
日用品はまとめ買いや定期購入と相性が良く、サブスクリプションサービスの普及が市場拡大に寄与しています。また、家具やインテリアではARを使って自宅に配置したイメージを確認できるサービスなどが登場し、EC購入のハードルを下げる取り組みも進んでいます。

衣類、服装雑貨
「衣類・服装雑貨」分野のBtoC-EC市場規模は2兆7,980億円で、前年比4.74%増となりました。EC化率は23.38%です。
コロナ禍で急成長したEC販売は現在やや落ち着いていますが、ECと実店舗を組み合わせたオムニチャネル戦略が進んでいます。例えば、ECで取り寄せて店舗で試着できるサービスや、オンライン接客、バーチャル試着などの導入が進んでいます。
さらに近年は、メタバースやNFTなどのデジタル領域を活用した新しいファッション体験も登場しており、今後の市場拡大に向けた新たな可能性として注目されています。

サービス系分野

2024年のサービス系BtoC-EC市場は、前年と比べて全体の伸びはやや鈍化したものの、多くの分野で堅調な成長が見られました。 市場規模は、旅行サービスが3兆5,249億円(前年比10.32%増)、飲食サービスが9,692億円(同18.70%増)、金融サービスが9,890億円(同16.59%増)となっています。 特に金融サービスは、株式市場の好調を背景にオンライン取引が活発化し、大きく伸びました。また、飲食サービスやチケット販売はコロナ禍で大きく落ち込んだものの、その後は回復が進み、現在はコロナ前の水準を上回る規模にまで成長しています。一方で、フードデリバリーは外食需要の回復などの影響により、市場の縮小が見られました。 以下では、主要カテゴリーの動向を見ていきます。


【サービス系分野の BtoC-EC の市場規模(▲は減)】


旅行サービス
2024年の旅行サービスのBtoC-EC市場規模は3兆5,249億円で、前年比約10%増となりました。
このカテゴリーには、航空券、鉄道・バス利用、旅行代理店の申し込み、ホテル・旅館の宿泊費などのオンライン予約が含まれます。
国内旅行は、コロナ禍での自粛を経て回復が進み、2024年にはコロナ前水準の約9割まで回復しました。また、訪日外国人旅行は円安や水際対策の撤廃の影響もあり大きく増加し、2024年の訪日外国人消費額は約8.1兆円と過去最高を記録しています。
さらに、スマートフォンの普及によりオンライン予約は旅行手配の主流となりつつあります。現在では、オンライン予約と対面サービスを組み合わせた販売方法も増えており、SNSや生成AIなどを活用した新しい旅行サービスの展開も進んでいます。

飲食サービス
飲食サービスとは、インターネットを利用した飲食店の予約(座席予約やコース予約など)を指します。
2024年の市場規模は9,692億円で、前年比18.70%増と大きく成長しました。
外食産業全体では、訪日外国人の増加によるインバウンド需要の回復や、原材料費・人件費の上昇に伴う価格改定などの影響により売上が拡大しています。オンライン予約の普及も進んでおり、飲食店の集客においてECサービスの重要性はさらに高まっています。

チケット販売
チケット販売のBtoC-ECは、コンサートやスポーツ、映画、舞台などのチケットをインターネットで申し込むサービスです。
2024年の市場規模は7,061億円で、前年比6.05%増となりました。
コロナ禍直後の急回復期と比べると成長率は落ち着いていますが、大規模イベントの開催増加やプレミアム席などの高価格チケットの導入により、チケット単価が上昇しています。その結果、市場規模は安定した成長を続けています。

理美容サービス
理美容サービスには、ヘアサロン、ネイルサロン、エステ、リラクゼーション、アイビューティなどのネット予約が含まれます。
2024年の市場規模は7,302億円で、前年比6.54%増となり、過去最高を更新しました。
この分野は2015年以降、ネット予約の普及により継続的に市場が拡大しており、コロナ禍の影響を受けた時期を除いて安定した成長を続けています。現在では多くの店舗でオンライン予約が一般化しており、サービス業におけるEC化の代表的な事例といえます。

フードデリバリー
フードデリバリーは、コロナ禍をきっかけに急成長したサービスの一つです。
市場規模は2023年まで拡大していましたが、2024年は5,442億円(前年比7.26%減)と減少に転じました。
これは外出機会の増加による外食回帰や、物価上昇による消費者の節約志向などが影響していると考えられます。ただし、フードデリバリーの利用自体はすでに生活に定着しており、外食市場全体の規模を考えると、今後も一定の成長余地があると見られています。

デジタル系分野

デジタル系分野のBtoC-EC市場では、オンラインゲームが1兆2,553億円と最も大きな規模となりました。ただし前年比ではほぼ横ばいとなっており、市場の成長にはやや落ち着きが見られます。
続いて、電子出版(6,722億円)、有料動画配信(4,873億円)、有料音楽配信(1,233億円)の順となっています。いずれもスマートフォンやサブスクリプション型サービスの普及を背景に、安定した市場を形成しています。
以下では、主なカテゴリーの動向を見ていきます。


【デジタル系分野の BtoC-EC 市場規模(▲は減)】


電子出版(電子書籍・電子雑誌)
電子出版とは、紙の書籍を電子化したものに加え、最初からデジタル形式で提供される出版物も含みます。
2024年の市場規模は6,722億円(前年比0.58%増)となり、前年に続き過去最高を更新しました。 電子出版市場はスマートフォンやタブレットの普及を背景に拡大してきました。特に2020〜2021年は、いわゆる「巣ごもり消費」によって大きく成長しましたが、近年は成長率がやや落ち着いています。
市場を牽引しているのは電子コミックで、電子書籍市場の約9割を占めています。近年は、スマートフォンで縦スクロールで読む「ウェブトゥーン」の普及などにより、利用者層の拡大が進んでいます。
一方で、電子コミックアプリの増加により競争が激しくなっており、独占配信やオリジナル作品の強化などによる差別化が重要になっています。また、海賊版サイトによる被害も依然として大きく、市場の課題となっています。

有料動画配信
2024年の有料動画配信市場は4,873億円(前年比3.31%増)となりました。
有料動画配信には、以下のような視聴形式があります。

SVOD:定額制見放題サービス(サブスクリプション)
TVOD:作品ごとに料金を支払うレンタル型
EST:デジタルコンテンツの購入型

現在は、追加料金を気にせず利用できるサブスクリプション型(SVOD)が主流となっています。 コロナ禍では巣ごもり需要により市場が大きく拡大しましたが、現在は成長率が落ち着いています。一方で、各配信事業者はオリジナルドラマや映画、スポーツの独占配信などを強化し、ユーザー獲得競争を続けています。
近年はサービス料金の値上げも進んでおり、今後はユーザーのサービス選別がより厳しくなると考えられます。

有料音楽配信
2024年の有料音楽配信市場は1,233億円(前年比5.84%増)となり、3年連続で過去最高を更新しました。 市場拡大の大きな要因は、SpotifyやApple Musicなどのサブスクリプション型音楽配信サービスの普及です。ストリーミング配信は音楽配信売上の約9割以上を占めており、音楽消費の中心となっています。
一方で、ダウンロード販売は減少傾向にあります。また、違法音楽アプリや海賊版サイトの問題も依然として存在しており、著作権対策の強化が進められています。

オンラインゲーム
デジタル系分野の中で最大の市場はオンラインゲームです。
2024年の市場規模は1兆2,553億円となりましたが、前年比では0.58%減とわずかに縮小しました。
オンラインゲーム市場は、コロナ禍の巣ごもり需要によって大きく拡大しましたが、その後は外出機会の増加や消費行動の変化により、成長がやや落ち着いています。可処分所得の減少なども影響し、課金ユーザーが減少している可能性も指摘されています。
一方で、今後の成長要因として注目されているのがeスポーツです。日本のeスポーツ市場は年平均20%以上の成長が見込まれており、オンラインゲームの認知拡大や新たなユーザー層の獲得につながる分野として期待されています。

EC化率が低い業界

EC化率が低い業界にはいくつか共通する特徴があり、主に対面サービスが重要な業界や、実物確認が必要な商品を扱う業界でEC化が進みにくい傾向があります。代表的な例は次のとおりです。

食品・生鮮食品
食品分野はEC市場自体は拡大していますが、EC化率は比較的低い傾向があります。特に生鮮食品は品質や鮮度を直接確認して購入したいという消費者が多く、店舗での購入が主流となっています。また、配送コストや温度管理など物流面の課題もEC化率が伸びにくい理由です。

医療・医薬品
医薬品や医療関連商品は、法律や規制の影響を受けるためEC販売に制限があります。薬剤師の説明が必要な場合もあり、対面販売が求められるケースが多いため、EC化率は比較的低くなっています。

理美容・対面サービス業
美容院やエステ、マッサージなどのサービス業は、実際に店舗で施術を受ける必要があるため、EC化が難しい業界です。インターネット予約などは普及していますが、サービス自体をECで提供することは難しいため、EC化率は低くなります。

不動産・高額商品
住宅や不動産などの高額商品は、実際に物件を見学してから購入するケースが多く、完全なオンライン取引はまだ一般的ではありません。情報収集はオンラインで行う場合が増えていますが、最終的な契約は対面で行われることが多いのが特徴です。

引用:経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査報告書」(2025年8月発表)

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BtoBのEC化率

企業間で行われる取引を電子的に行うBtoB-ECは、日本のEC市場の中でも特に大きな規模を持つ分野です。近年は企業のデジタル化(DX)の進展により、受発注や取引のオンライン化が進んでおり、市場規模も着実に拡大しています。

業界別EC化率

BtoB-ECは業界によって市場規模やEC化の進み具合が大きく異なります。製造業や卸売業などでは受発注のデジタル化が進んでいる一方で、業種ごとに取引形態や商習慣の違いも見られます。ここでは、主要な業種ごとのBtoB-EC市場規模とEC化率の動向について見ていきます。


【BtoB-EC 市場規模の業種別内訳】


製造(食品)
法人企業統計によると、食料品製造業の総売上高は2022年に41兆9,226億円、2023年に47兆3,835億円、2024年には51兆1,341億円と増加しています。
これに伴い、2024年のBtoB-EC市場規模は41兆5,859億円(前年比17.0%増)となりました。EC化率も81.3%まで上昇しています。
背景には、訪日外国人の増加による外食需要やホテル需要の拡大に加え、原材料価格の高騰による販売価格の上昇があります。こうした要因により業務用食品市場が拡大し、企業間取引のEC化も進んでいると考えられます。

製造(産業関連機器・精密機器)
産業関連機器・精密機器分野の総売上高は、2022年49兆4,254億円、2023年49兆6,660億円、2024年49兆7,935億円とほぼ横ばいで推移しています。
2024年のBtoB-EC市場規模は23兆8,228億円(前年比7.5%増)となり、EC化率は47.8%まで上昇しました。市場規模は大きく変化していないものの、企業間取引のデジタル化が着実に進んでいることがうかがえます。

製造(鉄・非鉄金属)
鉄・非鉄金属業の総売上高は、2022年64兆9,856億円、2023年66兆9,771億円、2024年66兆3,521億円と推移しています。
2024年のBtoB-EC市場規模は33兆5,717億円(前年比8.6%増)となり、EC化率は50.6%となりました。企業間取引の半数以上がECを通じて行われており、この分野でもデジタル取引の普及が進んでいることが分かります。

情報通信
情報通信業の総売上高は、2022年81兆7,344億円、2023年95兆6,311億円、2024年94兆6,392億円となりました。
売上高はやや減少したものの、2024年のBtoB-EC市場規模は22兆8,688億円(前年比2.1%増)と微増しています。EC化率も24.2%となり、オンライン取引の利用は引き続き拡大しています。

卸売
卸売業の総売上高は、2022年323兆6,540億円、2023年323兆5,702億円、2024年319兆8,539億円となり、やや減少しています。
しかし、2024年のBtoB-EC市場規模は128兆8,684億円(前年比6.3%増)となり、EC化率は40.3%まで上昇しました。
卸売業では、大手GMSやスーパーマーケットを中心にEDI(電子データ交換)の標準化が進んでおり、流通BMSなどの導入がEC化率の向上につながっていると考えられます。

引用:経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査報告書」(2025年8月発表)

BtoB ECが伸びている理由

BtoB-EC(企業間電子商取引)が伸びている主な理由は、次のような要因が挙げられます。

企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進
多くの企業で業務のデジタル化が進み、受発注や取引をオンラインで行う仕組みが整備されています。紙の伝票や電話・FAXによる取引から、ECシステムやEDI(電子データ交換)へ移行する企業が増えていることが、市場拡大の大きな要因です。

業務効率化とコスト削減
BtoB-ECを導入することで、受発注業務の自動化や在庫管理の効率化が可能になります。人的ミスの削減や業務時間の短縮にもつながるため、多くの企業が導入を進めています。

取引のスピード向上
オンラインで取引を行うことで、見積もり・注文・決済などを迅速に行えるようになります。これによりサプライチェーン全体の効率化が進み、企業間取引のスピードが向上します。

インターネット・クラウドサービスの普及
クラウド型のECシステムや受発注システムの普及により、中小企業でも比較的低コストでBtoB-ECを導入できるようになりました。これが市場拡大を後押ししています。

コロナ禍によるオンライン化の加速
新型コロナウイルスの影響で対面営業が難しくなったことをきっかけに、オンラインでの受発注や商談が急速に普及しました。この流れはコロナ後も継続しています。

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今後の見通し

EC化率について

今後もEC化率は緩やかに上昇していくと考えられます。その背景には、企業のデジタル化(DX)の進展やスマートフォンの普及による消費者の購買行動の変化があります。また、物流や配送サービスの発展によってオンラインで商品を購入する利便性が高まっていることも大きな要因です。さらに、実店舗とECを連携させたオムニチャネル戦略や、SNSコマース・ライブコマースなど新しい販売手法の広がりもEC利用の拡大を後押ししています。加えて、インターネットを通じて海外の消費者へ商品を販売する「越境EC」の拡大も市場成長の要因の一つです。国内市場だけでなく海外市場にも販売機会が広がることで、企業にとってECの重要性はますます高まると考えられます。こうした要因から、今後もECは重要な販売チャネルとして定着し、EC化率の上昇が続くと見込まれます。

EC化率の向上によって発生する課題

EC化率の拡大に伴い、いくつかの課題も指摘されています。例えば、EC利用の増加によって配送量が増え、ドライバー不足や再配達の増加など物流への負担が大きくなっています。また、オンライン取引の拡大によりクレジットカードの不正利用やアカウントの不正アクセスといったセキュリティリスクも高まっています。さらに、日本では高齢化が進んでおり、デジタル機器やオンラインサービスの利用に不慣れな高齢者にとってECの利用が難しい場合もあることから、誰でも使いやすいサービス設計やサポート体制の整備が求められています。こうした課題に対応していくことが、今後のEC市場のさらなる発展には重要になると考えられます。

まとめ

本記事では、EC化率の定義やEC市場規模との違い、日本および世界のEC市場の動向、さらに業界別のEC化率やBtoB-ECの拡大要因について解説しました。ECはすでに多くの分野で重要な販売チャネルとなっており、消費者の購買行動や企業の取引形態にも大きな変化をもたらしています。今後もDXの進展やスマートフォンの普及、越境ECの拡大などを背景に、EC化率は緩やかに上昇していくと考えられます。一方で、物流負担の増加や不正利用対策、高齢者への対応などの課題も存在します。これらの課題に対応しながら、ECをどのように活用していくかが、今後の企業活動や市場成長の重要なポイントとなるでしょう。

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この記事の監修者

株式会社ecbeing
塩見 駿介
ECサイト構築プラットフォーム「ecbeing」・BtoB専用ECサイト構築プラットフォーム「ecbeing BtoB」をご導入いただいている企業のへの取材を通じて得た知識をもとに、EC構築・運用するうえで役に立つ情報や最新トレンド情報を発信。
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