呉服業界に革命をもたらしてきた一蔵がメルカートを利用してECサイトのリニューアルを実施

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1991年に和装事業(呉服の販売)の会社としてスタートした株式会社一蔵は、呉服業界にさまざまな“革命”をもたらしてきた。産地直送スタイルを取り入れた「銀座いち利」では、それまで業界の通例だった卸問屋を通した流通を行わず、工房と直接取引を行い、購入しやすい価格帯を実現。さらに、振袖のレンタル事業もスタートし、購入という概念そのものを覆した。
一蔵がECサイトをオープンしたのは2012年。今年2月にはクラウド版のメルカートを導入したリニューアルを実施している。

そこで今回は、ECサイトリニューアルの背景について、同社いち利プロジェクトの二階堂 崇さんと波多野 友紀さんに話を聞く。

一蔵 基本情報

一蔵 基本情報


<社 名>

株式会社一蔵

<設立年月日>

1991年(平成3年)2月5日

<事業内容>

和装事業(呉服・振袖の販売・レンタル等)およびウエディング事業(結婚式場の運営等)

<従業員数>

703名(2018年3月末現在における一蔵グループの正社員・契約社員数)

<資本金>

1,012,699,362円

<所在地>

東京本社

〒100-0005

東京都千代田区丸の内1丁目8番1号 丸の内トラストタワーN館13階

呉服業界に新しい風を吹き込んだ一蔵

――初めに一蔵様の事業内容について教えてください。

波多野:弊社は1991年に設立した会社で、「和装事業」と「ウエディング事業」の2つの事業を展開しています。和装事業では、呉服や振袖の販売・レンタルなど、ウエディング事業では結婚式場の運営などを行っています。

――着物を扱っている企業は多数ありますが、一蔵様のこだわりと競合他社との違いは?

二階堂:設立当時、呉服業界では小売店が在庫商品を製造元に返品することが一般的でしたが、弊社は返品なしの「現金買取」制度を導入しました。これにより、お客様に対してリーズナブルな価格で商品を提供することができるようになったのです。


また、2008年にオープンした店舗「銀座いち利」では、産地直送スタイルを取り入れ、それまでは当たり前だった卸問屋を間に入れるのではなく、産地の工房と直接契約することで、さらに買い求めやすい価格を実現できるようになりました。このスタイルを取り入れたことで、工房にお客様のニーズを直接伝えて議論を交わしながらものづくりができるようになり、より一層お客様のニーズに沿った商品をつくることができるようになりました。


現在、産地直送の着物はECサイトでも購入することができます。

セキュリティ面の担保と機能の移行を重視

セキュリティ面の担保と機能の移行を重視

――ECサイトの話が出ましたが、御社がECサイトをスタートしたのはいつからですか? また、その背景について教えてください。

二階堂:「いち利モール」というECサイトを2012年6月にオープンしています。


オープンした背景は、当時、実店舗の「銀座いち利」が銀座本店と心斎橋店の2店舗しかなく(※現在は福岡天神店を含めた3店舗)、実店舗だけでは販路拡大のスピードに限界があると感じたことです。ECサイトをオープンして、販路を拡大していきたいと考えました。

――今年2月にはECサイトをリニューアルされていますが、その理由は?

波多野:導入したサーバーのOSが古くなっていたため、旧ECサイトではアップデートするたびに改修費がかかっていました。でも、セキュリティ面を向上させていくためには“継続した改修”が不可欠です。


改修を繰り返してもセキュリティ面が万全の状態なのか安心できない状況があったので、この状態を改善したいといと考えたことがリニューアルのきっかけです。

――リニューアルにあたって重視した点を教えてください。

 ――リニューアルにあたって重視した点を教えてください。


二階堂:重視したのはセキュリティ面の担保に加えて、旧サイトの機能をそのまま移行できるか、という点です。


というのは、弊社が扱っている「着物」は一般的なアパレル商品とサイズ表記が全く違い、S・M・Lではなく、「肩桁」「身丈」「袖口」「前巾」「後巾」など、購入する際は細かい情報の設定が不可欠です。旧サイトでは大幅にカスタマイズを入れて導入したのですが、今回のリニューアルでもそこは実現する必要がありました。


あとはオムニチャネルですね。「銀座いち利」という実店舗があり、旧サイトでも店舗取り寄せ機能を設けてO2O施策を行っていましたが、そこを強化したいと思いました。


波多野:さらに細かい点では、旧サイトではメルマガやレコメンドは別のサービスを利用していたり、商品をピッキングする際は受注データを1件1件印刷して倉庫にもっていったりしていたので、スタッフに手間がかかっていました。そこもスリムにできるといいと思っていました。


また、弊社のECサイトは、ご購入いただくだけではなく、お客様に楽しんでもらえる「遊べるサイト」であることも重視しています。Web試着サービスやコーディネートコンテスト、ゲームなどのコンテンツがあるので、その世界観を引き継げることも大事なポイントでした。

ワンストップでサービスを提供している点に安心感

――リニューアルに向けては具体的にどのように動きしましたか?

二階堂:まずは複数のパッケージ企業に相談しました。そのうちの1社がecbeingさんでした。


ecbeingさんに話を聞いたところ、私達が重視したセキュリティや旧システムの移行など、全てをクリアしてリニューアルできることがわかりました。また、「システムをつくって終わり」ではなく、システム設計、運用、販促など、川上から川下までワンストップでサービスを提供しているため、ここであれば最後までお付き合いいただけると安心感がありました。

――他にecbeingに決めた理由があれば教えてください。

波多野:ecbeingさんはみなさん優秀だと感じました。要件定義では「御社の旧サイトにはこのような機能があります」と一覧で見せてくれて、それについて1個ずつ「このようにすれば再現できます」と細かく説明してくれました。私達がわからないところを質問すると全て丁寧に対応してくれて、ごまかしたり、はぐらかしたりすることが一切なかったので、安心できると思いました。

――今回はパッケージ版ではなく、「クラウド版のメルカート」を導入しています。メルカートを選択した理由は?

二階堂:他社からはパッケージ版を提案されていて、それで検討も進めていたのですが、ecbeingさんからは「パッケージ版とクラウド版の2つがありますが、御社の場合はクラウド版のメルカートで対応可能」と教えてもらいました。


弊社としてはどちらかに対するこだわりはなく、重視した項目を実現できるのであれば、どちらでも構わないと思っていたというのが正直なところです。

リニューアル後、大きな反響

――実際のリニューアルについて教えてください。

二階堂:着物の「仕立て」は大きなポイントでした。旧サイトでは着物や帯など、どのカテゴリの商品もまずはカートに入れて、決裁手続きの中で仕立てを選ぶUIでした。その際、仕立てを複数つけると1個ずつリロードされてしまったり、チェックボックスが押しづらかったりという懸念点があったのです。


その点、今回のリニューアルでは商品の入口から分けていて、仕立てがいらないものはすぐに購入できて、仕立てが必要なものは決済前の段階で行うというシステムに変更しました。この点は何度もecbeingさんと相談して、最終的には「Mac方式にしよう」と、カスタマイズしたいチェックボックスにチェックを入れていくと、見積もりが加算されていき、その場で見積もりを確認することができるようにしました。


――実際のリニューアルについて教えてください。


――実際のリニューアルについて教えてください。

――リニューアル後の反響は?

二階堂:リニューアル後の3月の決算セールでは、大きな反響が見られました。これはやはり購入フローがスムーズになったことが大きく影響していると思います。


波多野:社内の管理も楽になりました。旧サイトではメルマガやレコメンドは別のサービス会社と、商品詳細のカテゴリ設定などはシステム会社と、コーディネートコンテストの票数計算は管理会社と、複数の外部とやり取りをする必要がありましたが、今はecbeingさんのシステム内で一括で管理することができるので、余分な手間がなくなりました。


あと、以前はセールのときにサーバーが止まってしまうことがありストレスを感じていたのですが、今はそんなことはありません。そのおかげで売上増加にも繋がっています。

早め早めの準備が大切

――今後の目標は?

二階堂:今回のリニューアルについては理想通りのものができたので、これで一旦はひと段落で、今後は分析ツールを使って分析していき、課題が生まれたらまたecbeingさんに相談して改修する予定です。きっと柔軟に対応してくれると思います(笑)。

――最後に、これからECサイトをリニューアルする企業に向けて、アドバイスをお願いします。

二階堂:ecbeingさんは多数の業態業種の企業をクライアントに抱えているので、弊社の着物のような特殊な商材を扱う企業のECサイトも、これまでの経験と知見をもとに的確な提案をしていただいたと思います。


今回のような大幅リニューアルでは遅れることが常ですが、今回はリスケもなく、私達もほぼ残業することなくスケジュール通りに実施することができました。それはecbeingさんから「早い段階から準備を進めてください」と言われていて、実際に準備を進めておいたことがよかったと思います。直前になってからやると、どうしても遅れてしまいますからね。



二階堂 崇(にかいどう・たかし)

株式会社一蔵 いち利プロジェクト 主任


波多野 友紀(はたの・ゆき)

株式会社一蔵 いち利プロジェクト


●取材・文:廣田喜昭

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