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【セミナーレポート】
シモジマに学ぶ、売上拡大につなげる!BtoB ECにおけるCRM活用

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公開日:

2025年10月8日、「シモジマに学ぶ、売上拡大につなげる!BtoB ECにおけるCRM活用」セミナーを開催しました。本セミナーでは、包装資材事業を展開する株式会社シモジマが、ECサイトを7年で売上5倍へ成長させた戦略について、EC構築を支援した株式会社ecbeingとパネルディスカッションを実施。本レポートでは、その具体的な取り組みと成功要因をご紹介します。

2025年10月8日、「シモジマに学ぶ、売上拡大につなげる!BtoB ECにおけるCRM活用」セミナーを開催しました。本セミナーでは、包装資材事業を展開する株式会社シモジマが、ECサイトを7年で売上5倍へ成長させた戦略について、EC構築を支援した株式会社ecbeingとパネルディスカッションを実施。本レポートでは、その具体的な取り組みと成功要因をご紹介します。

シモジマの事業概要と強み

当社は主に包装資材を取り扱い、ECサイトはリニューアルオープンから約7年。リニューアルオープン当初からしばらくは掲載商品数が約2万点でしたが、直近2年間で一気に拡充し、現在は約130万点を掲載しています。主な取り扱い商品は「紙製品」「化成品・包装資材」「店舗用品」の3カテゴリ。企業ロゴ入りの特注紙袋・包装紙などのオリジナル品も主力事業の一つです。
強みは、全国で展開する「シモジマ」「パッケージプラザ」での実店舗販売ネットワーク、全国をカバーする法人営業体制、オンラインショップの3チャネルを有する点にあります。
オンラインでは、どなたでも利用できるECサイト「シモジマオンラインショップ」と、契約企業向けのクローズドサイト「i-Order」を運営。前者は中小企業を中心に個人のお客様にも広くご利用いただき、後者は法人契約している企業がよく購入する商品を簡単に再注文できる発注サイトです。さらにより多くのお客様と接点を持つため、楽天市場やYahoo!ショッピングにも出店しています。なお「シモジマオンラインショップ」と「i-Order」は、ともにecbeing社のカートシステムを採用しており、運用の親和性が高い点も効率化に寄与しています。

LTV最大化を目指す中期経営計画のステップ

現行中期経営計画の柱は「100万×100万プロジェクト」(100万SKUの品揃えと100万IDの顧客獲得)。入口は全国の店舗網と「シモジマオンラインショップ」の2つとし、得られた顧客情報を活用してLTV(顧客生涯価値)の最大化を図ります。一例として平均LTVが5〜6万円の中、年間50〜60万円購入されるロイヤルカスタマーもおり、営業訪問や「i-Order」への誘導でさらなるLTV向上を狙います。
計画達成に向けた主なステップは以下のとおりです。

1. EC刷新(2018年6月):「商い支援」から「シモジマオンラインショップ」へ移行。セキュリティの堅牢性と基幹連携の容易さからecbeing社を採用。
2. 顧客情報の統合:拠点ごとに分散していた顧客データを統合し、全社横断の購買把握を可能に。
3. ランク制度導入:直近の年間購入額に応じてランクと割引率を設定。統合IDを活用し、LTV向上を促進。
4. CRMでの可視化:年間購入額や購買履歴を現場で把握できる体制を構築。

計画推進の方向性

社内関係者との方向性を決定する場として、社内会議で計画の方向性や進捗を共有。「次回までに何をすべきか」を逆算して進める運用サイクルが定着しています。また、中期経営計画を公表したことで、遂行責任が明確になり、従来の慣習を乗り越える推進力となりました。
今後は、市場飽和を踏まえLTV最大化の重要性がさらに高まります。これまでの「品揃え拡充と会員数増」に加え、既存顧客の購買拡大に一層注力していきます。

シモジマオンラインショップの成長

2018年6月のリニューアル以降、売上は約5倍に成長。会員数は「100万ID獲得」の目標に迫り、オープン初年度比で約12倍まで拡大しました。重視する指標であるLTVも約1.5倍へ向上しています。
成長を支えた施策の一つが会員登録の見直しです。従来は営業担当者、現場担当者の判断で登録していた「業種」属性を、登録時にお客様自身が選択する方式へ変更。これにより精度の高い業種データが蓄積され、「カフェ」「テイクアウト・デリバリー」などの細分化分析と、データに基づく訴求が可能になりました。
また、クローズドサイト「i-Order」では、特注品など頻繁に購入する商品をトップページに配置して再注文を容易にするなど、用途に応じて2サイトを使い分けています。両サイトが同一基盤のため運用面の柔軟性も高く、強みとなっています。

シモジマのSechstantCRM活用

ゼクスタントCRM活用は「自動シナリオ」と「キャンペーンメール」の2軸です。

• 自動シナリオ:新規会員向け会社案内(全4通)、定着化を目的としたF2/F3転換メールを運用。3回以上の購入で固定化傾向が強いため、初回〜3回目の購入を促進します。
• キャンペーンメール:月2回の「シモパケデー」(全品3%OFF)※1を中心に、予告・当日リマインド・未開封者への3時間後再配信を実施。130万SKUの中で埋もれやすい収益性の高いPB商品などは「クリックチャンス」で能動的に訴求しています。
※1 2025年10月8日現在実施のキャンペーン

現在使用する「ゼクスタントCRM」は、現場担当者からの評価が高いツールです。過去に導入した他社ツールは、英語UIで内製化が難しい、あるいは高機能ゆえに直感操作が難しいといった課題がありましたが、ゼクスタントCRMはUIが大きく進化し、使いやすさはもちろんのこと、導入後もサポート体制の手厚い点が最大の魅力と感じています。

開封率・回遊性を高めるための工夫

最重要要素は件名です。社名「シモジマ」の表記位置を変えるA/Bテストでは、前方配置が開封率向上に寄与。クーポン額や特典内容を件名で明示することも効果的でした。テストは同時多発を避け、一定期間の検証後に正式反映する運用を徹底しています。
本文はテキスト過多を改め、施策内容は画像で直感的に、期間や条件などは必要最小限のテキストに整理。ヘッダーに「マイページ」「購入履歴」「カート」への導線を設け、リピート購入を強化しました。

今後の展望:効果検証の効率化と施策高度化

施策実行は柔軟にできる一方、効果検証が課題です。現状は「ゼクスタントCDP」を未導入のため、複数ツールからの手作業データ突合で負荷が高く、分析に十分な時間を割けません。CDPを導入することで、会員登録時の「業種」属性を活用した、たとえば飲食業だけに特化したF2/F3転換メールなど、より精緻なパーソナライズと検証の効率化が期待できます。弊社の販売チャネル、業種を掛け合わせると多岐にわたるため、CRM単体でのシナリオ設計・分析は煩雑化しがちで、CDPの活用余地は大きいと考えています。
システム構築後は運用に追われ、当初の構想が薄れがちです。私たちは原点である「顧客情報の可視化」と「業種などの詳細データを用いたOne to Oneマーケティング」を再確認し、顧客一人ひとりに寄り添う施策を着実に実装していきます。

まとめ

本セミナーでは、シモジマがEC売上を約5倍へ寄与した、LTV最大化に向けたCRM活用を紹介しました。中期経営計画のもと、顧客DB統合からCRM運用、A/Bテストによるメール最適化まで地道な改善を積み重ねた結果、大きな成果につながっています。皆さまの事業における新たな取り組みに、本レポートが一助となれば幸いです。

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株式会社シモジマ
梶塚 智司 氏
「シモジマオンラインショップ【包装用品・店舗用品の通販】」はこちら

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この記事の監修者

株式会社ecbeing
塩見 駿介
ECサイト構築プラットフォーム「ecbeing」・BtoB専用ECサイト構築プラットフォーム「ecbeing BtoB」をご導入いただいている企業のへの取材を通じて得た知識をもとに、EC構築・運用するうえで役に立つ情報や最新トレンド情報を発信。
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