中国でシェアNo.3のECサイト「唯品会」とは？

「唯品会」とは？

唯品会（Vipshop）は2008年に中国・広東省広州市で設立され、4年後の2012年にはアメリカにて上場、中国市場におけるアクセサリー・アパレルのジャンルで4位を獲得するなど、急成長を遂げている企業です。

現在では天猫、京東と共に中国3大サイトに数えられる程の規模となり、中国国内で2億人もの会員を有しており、女性顧客を中心に高いリピート率を誇っています。

2016年1月には東京に日本法人VIPSHOP日本株式会社を設立、出店日本企業の支援や商品の調達などメーカーとの協力関係を築き、ECビジネスの更なる加速を狙っています。

「唯品会」の特徴

現在、中国B-toC‐ECの市場シェアは「天猫」、「京東」が独占しています。そんな中で唯品会が短期間で急成長を遂げてきたのはなぜでしょうか。ここでは、唯品会の特徴を見てみましょう。

確実に正規商品が手に入る安心感

唯品会は海外のブランドメーカーと提携し、ファッションや香水、化粧品、皮革製品などを販売しています。

ブランドメーカーから直接商品を仕入れているため、第三者を介しておらず偽物が入らない仕入れルートになっています。そのため偽物が多く出回っている中国において、自国の商品に疑心感のあるユーザーの心をつかむことに成功しています。

ブランド正規商品をお手頃価格で購入できる「フラッシュセールス」

唯品会はオールジャンルの商品を販売している天猫や京東と比べてジャンルを絞りこんでおり、中国国内でも最大の女性向けフラッシュセールスECサイトとして正規商品をお手頃価格で提供し、高いシェアを獲得しています。

フラッシュセールスとは、期間限定で割引価格等の特典付きの商品を販売する手法のことで、店舗側が販売したい商品や数、期間などを決めることができ、販売効率をよくすることができるというメリットがあります。

また、持続的・継続的にフラッシュセールスを続けてきたことからサイトのファンとなるユーザーが多く、高いリピート率を誇っているのも特徴の一つです。

徹底されたコンプライアンス

唯品会はもともと中国国内での仕入れ、販売を行ってきた企業ですが、2014年より海外商品の販売をスタートしており、現在はアジア圏では台北、香港、ソウル、東京に、欧米圏ではミラノ、パリ、ニューヨーク、ロサンゼルス、シドニーに拠点を構えて商品を仕入れています。

唯品会は安定的に安価で仕入れができ、ブランドメーカーは在庫商品を中心に売りたい時に出品できるなど互いに信頼関係が構築できているため、サイト運営者、ブランドメーカー、顧客の三方良しのビジネスモデルを構築することに成功しています。

商品イメージが分かりやすいデザイン

唯品会は自社の強みであるフラッシュセールスという販売手法を最大限に生かすため、商品販売ページのデザインにも様々な工夫がなされています。

視覚的に商品選定ができるようにテキストは少なめで写真をふんだんに使用しており、トップページからブランドごとのページ、そして販売ページとユーザーが迷子にならないような導線づくりがされています。また、割引率が分かるように値段の横に定価料金を表示しているのもユーザーにお得感を伝えるために有効的な施策です。

販売ページにおいては例えばアパレルならあらゆる角度から撮った写真が掲載されており、商品着用イメージがよく分かるようにデザインされています。

手厚い保証が担保する安心感

中国EC業界では過去に正規ブランド品の流通管理がされておらず、社会問題になりました。

唯品会では100％本物をユーザーに届けるために、もし何かしらの理由で偽物であった場合は商品代金全額を補償するサービスを実施しています。

また理由の如何にかかわらず7日以内の返品が可能となっており、衣類等も未使用である等の条件付きではありますが返品可能です。返品の際の送料も唯品会が負担してくれます。

ブランドメーカーとの連携だけでなく万が一の保証も行い、ネットショッピングへの不信感の払拭に繋げています。

正規品が手に入る信頼関係を築き顧客を惹きつける

中国シェアNo.3のECサイト「唯品会」は、偽物が多く出回っている中国で直接仕入れた正規商品をお手頃価格で販売する巧みなマーケティング戦略や手厚い保証、ブランドメーカーとの良好な関係作りで今も尚、成長を続けています。

圧倒的なシェアを誇る天猫や京東より、販売実績において上回っているブランド商品もあります。

フラッシュセールスや正規品の販売だけでなく、越境ECにも積極的に取り組んでいるので、中国市場進出を検討している方は参考にされてみてはいかがでしょうか。