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【23年上期最新版】化粧品・コスメECサイトの市場規模と構築ポイント!
構築・リニューアルを成功させる秘訣を最新事例と共に深掘り

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更新日:   公開日:

化粧品やコスメを製造するメーカーや、販売するドラッグストアでも近年EC化が進んでおり、多くの化粧品・コスメをECサイト上で購入することが可能になりました。また、2020年の新型コロナウイルス感染拡大による生活様式の変化などもあり、ECという販路は注目が集まっています。
今回は、市場規模などの現状や最新の事例などから、化粧品・コスメECサイトの構築・リニューアルを成功させるためのポイントを解説していきます。

近年、化粧品・コスメを製造するメーカーや、それらを販売するドラッグストアでEC化が進んでおり、多くの化粧品・コスメをECサイト上で購入することが可能になりました。また、2020年の新型コロナウイルス感染拡大による生活様式の変化も影響して、ECという販路に注目が集まっています。

一方で、化粧品・コスメのEC化率はその他の分野と比較すると伸び悩んでいます。今回は、化粧品・コスメ市場規模や課題、化粧品・コスメECサイトの構築・リニューアルを成功させるためのポイント、成功事例をご紹介します。


化粧品・コスメECの市場規模とEC化率


画像引用元:財務省『広報誌「ファイナンス」』

財務省『広報誌「ファイナンス」』によると、世界の化粧品産業の市場規模は、2030年までに年間平均11%の伸び率で成長すると予測されています。

一方で、日本の化粧品産業の市場規模は新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の影響を受けて縮小傾向にあります。

出典:財務省『広報誌「ファイナンス」』

コロナによる市場への影響とアジアブランドの成長

世界の化粧品産業が成長し続けると予測される中、日本の化粧品産業はコロナの影響を受け、減少傾向にあります。


画像引用元:財務省『広報誌「ファイナンス」』

実際、国内化粧品の出荷額はコロナの影響を受けて2020年、2021年と減少しています。ただし、国内の市場規模が縮小する中、日本から海外への化粧品の輸出金額は右肩上がりで伸び続けています。


画像引用元:財務省『広報誌「ファイナンス」』

また、近年はアジアブランドの成長も著しくなっています。特に、韓国の輸出額は世界第2位と日本を上回っており、韓国企業の化粧品販売額は2019年の102億ドルから、2027年には139億ドルにまで上昇すると予測されています。

韓国化粧品が成長した背景には、低価格帯のブランド戦略のほか、ECの利用増加が挙げられます。

出典:財務省『広報誌「ファイナンス」』

化粧品・コスメのEC化率

経済産業省『電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました』によると、化粧品・医薬品のBtoC EC化率は2019年から2021年にかけて徐々に増加しています。

▼物販系分野のBtoC-EC市場規模


画像引用元:経済産業省『電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました』

ただし、衣類・服飾雑貨等、生活家電、AV機器、生活雑貨等と比べると、まだまだ伸び悩んでいるといえます。


画像引用元:財務省『広報誌「ファイナンス」

この背景の一つとして考えられるのが、日本の消費者の多くが化粧品・コスメを実店舗で購入しているという点です。実際に、日本におけるスキンケア用品の販売チャネルを示すデータでは、ドラッグストアやなど、実店舗でのシェアがECでのシェアを大きく上回っていることが分かります。

一方で、近年成長が著しい韓国においては、ECの比率が実店舗販売の比率並であるとの結果が出ています。

出典:経済産業省『電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました』財務省『広報誌「ファイナンス」』

化粧品・コスメECが伸び悩んでいる理由

化粧品・コスメのEC化率は、BtoC向けの物販分野の中でもやや低い傾向にあります。
化粧品ECが伸び悩んでいる要因は、主に3つの課題があると考えられます。

@商品の特性

化粧品やコスメには、色や香り、自分の肌に合うのかどうかなどを実際に店舗に足を運んで試さなければ判断がすることが難しいという特性があります。特にデパートなどの百貨店で販売されている「デパコス」と呼ばれる高価格帯の商品はよりその傾向があります。実際に商品を試すだけではなく、販売員からのアドバイスをもらいながら購入したいというニーズが多いということが、ユーザーがECに流れない要因の一つとなっています。

A利便性

近年は、「プチプラコスメ」と呼ばれる低価格帯の商品を中心に、ドラッグストアやコンビニエンスストア等でも化粧品を購入することが可能です。ECサイトには好きな場所・時間で注文できるというメリットがありますが、商品の到着までに時間や送料を要するという点で商品を手軽に購入できるドラッグストアやコンビニに利便性で劣っているため、マッチしないということもあります。

BWEBマーケティングが難しい

化粧品ECは競合企業が多いレッドオーシャン市場であり、かつ広告費も高騰していることからWEBマーケティングが難しい市場です。
また、広告コストを抑えるための施策として、アフィリエイトサイトと呼ばれる口コミサイトを作るという方法もあります。しかし、化粧品などの健康分野において信頼できない記事が上位に入ってくることが多くなったこともあり、Googleでは企業公式サイトやAmazon、楽天といったショッピングモールが検索上位に表示されるアルゴリズムになっており、Yahoo! JAPANでもアフィリエイトの広告出稿が禁止になるなど、上位にサイトを表示させるためには専門性が高いコンテンツを準備しなければならなくなりました。

こうしたこともあり、化粧品やコスメを取り扱うECサイトで売上を出すことは難しいです。しかし近年では、従来の化粧品ECのウィークポイントを払拭する取り組みが続々と誕生して、WEBにシフトする企業も増えてきています。 この後は実際の各社の取り組みを含め、化粧品・コスメECを成功させるためのポイントを3つに分けてご紹介します。

化粧品・コスメECを成功させるポイント@ マーケティング施策の実施

化粧品・コスメECを成功させるには、デジタル技術やSNSを活用した施策が有効です。

デジタルカウンセリングサービス

従来では実店舗でしか試すことができなかった化粧品をオンライン上で試すことができるデジタルカウンセリングサービスも登場しています。これは、スマートフォンで撮影した顔写真からAIが最適なメイクを提案するというサービスで、各社がユーザーに提供しています。

KOSEでは、デジタル施策の一つとしてオンラインサイト「Maison KOSÉ(メゾンコーセー)」の中で「メイクアップシミュレーター」というサービスを提供しています。このメイクアップシミュレーターを活用することで、スマートフォン等で撮影した自分の顔写真を使ってオンライン上で簡単にメイクを試すことができるようになりました。

また、こうした技術の活用はECだけにとどまらず、店頭のカウンセリングでもメイクのデジタルカウンセリング機能の一部を利用し、カウンセリングサービスをオンラインとオフライン相互で活用することができるようになります。

オンライン接客

化粧品やコスメの店頭購入のニーズが高いもう一つのポイントとして、化粧品のプロである美容部員(ビューティーアドバイザー)によるカウンセリングや商品の説明・レクチャーといったサービスを受けられる点があるといえます。

最近は、この流れも化粧品・コスメのECサイトで取り入れられています。それがオンライン接客です。

大丸松坂屋百貨店が展開する「DEPACO(デパコ)」では、ビデオチャットを使って美容部員から1対1のカウンセリングを受けられる「オンラインカウンセリング」を無料で提供しています。

SNSやコンテンツの活用

使い方などを実演しながら商品の魅力を発信することが増えたという点で、SNSやコンテンツの活用は化粧品やコスメと切っても切り離せない要素となってきています。

KOSEでは、InstagramやYouTubeにアップした写真や動画コンテンツを手軽に自社サイトで活用できるビジュアルマーケティングツール「visumo(ビジュモ)」を活用し、様々なデジタル施策を実施しています。

施策として、自社のInstagramに掲載した画像コンテンツをECサイト上にも掲載し、コンテンツの充実化を図っています。また、商品の実演を行う「動画コマース」と呼ばれる長尺の動画コンテンツに関しても、visumoを利用することでチャプター分けを行いながら、ユーザーが見たい商品説明に簡単に辿り着けるようになりました。

こうした化粧品・コスメ業界のECにおけるvisumoの活用方法は、自社で発信したコンテンツのみではありません。近年では、ユーザーが投稿した写真を活用してECサイト上に掲載するUGCコンテンツ(User Generated Contents:ユーザー生成コンテンツ)と呼ばれる新しい取り組みも積極的に行われています。

ECサイト上におけるコンテンツの活用では、SNSで掲載したものだけではなく自社サイト向けに制作したものを利用するというやり方もあります。

例えば、大丸・松坂屋 コスメの情報メディア&オンラインストアの「DEPACO」では、コンテンツを読んで気になった商品を購入してもらう流れを作るために、商品紹介だけでなく占いや有名人へのインタビュー記事など、エンターテイメント性のある様々なジャンルの読み物コンテンツを掲載しています。

メインコンテンツに表示できる商品には限界がありますが、SNSを活用することでなかなか目に留まりにくい商品にフォーカスをあてることも可能です。そして、情報発信という意味合いでもメーカーが推奨する以外のユーザーがおすすめする利用方法や使用感などを伝えることになりユーザーのレビューと同等の効果をもたらすことが可能になります。

ビジュアルマーケティングツール「visumo」について詳しくはこちら

インフルエンサーマーケティングの活用

インフルエンサーマーケティングとは、SNSで多くのフォロワーを持つインフルエンサーを起用したマーケティング施策のことです。

ユーザーが好意を持って信頼しているインフルエンサーに自社商品を使用・紹介してもらうことで、商品の認知拡大や新規顧客の獲得を目指します。

インフルエンサーを選定する際は、自社や自社商品のコンセプトまたは世界観に合うかどうかを確認することが重要です。選定後、インフルエンサーに依頼する際は、インフルエンサーに直接依頼する方法のほか、キャスティング会社に仲介してもらう方法もあります。

オンライン接客

ライブコマースを活用するのも有効なマーケティング施策の一つです。ユーザーが化粧品・コスメをECで購入する際、「掲載されている写真・動画と、実際に使用した際の色味やテクスチャーなどが異なるのでは?」と不安 になって購入をためらうということも考えられます。

SNSの公式アカウントでライブ配信を行うことによって、リアルタイムでユーザーの質問・疑問に答えながら、商品の使用感やテクスチャー、肌に乗せたときの色味などを詳しく様々な角度から提示できるのが強みです。

また、ユーザーが動画を視聴しながら商品を購入できる形式を採用することで、動画を閉じて商品ページを開く必要がなく、スムーズな商品購入につなげられます。

化粧品・コスメECを成功させるポイントA 信頼性のアピール

ユーザーレビューの活用

ECサイトでの買い物は、ユーザーが実際に商品を手に取ることができないため、不安を感じるという方も多くいらっしゃいます。また化粧品・コスメに関しては、特に従来の商習慣であった体験ができないこともあり、なかなかECでの買い物に気が進まないという方も多いかと思います。
こうした不安取り除いて安心して商品を購入してもらうために、事業者は信頼性をアピールする必要があります。ここで生きてくるのがユーザーレビュー(口コミ)です。これは化粧品・コスメ業界だけではなく、全てのECサイトでもとても重要なコンテンツではないでしょうか。

「THE BODY SHOP」の公式オンラインショップでは、レビュー最適化ツールReviCoを導入したことで、レビューの投稿数が導入前と比較して11.83倍、5段階評価の★は平均約4.3から4.6に向上したという結果が出ています。

こうして得たユーザーレビューの活用法はECサイト上のコンテンツにとどまりません。例えば、ECサイト上での購入体験に関するレビューであればサイトのサービス品質の向上に、実際に商品を使用した時の感想などのレビューであれば商品開発に活用することもできます。

THE BODY SHOP他ReviCoの事例のついて詳しくはこちら
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化粧品・コスメECを成功させるポイントB リピーターを増やす


ECサイトでの売上を維持・向上するには、すでに顧客となったユーザーをリピーターにする取り組みも重要です。

ECサイト上での定期購入の展開

化粧品・コスメは消耗品のため、ユーザーは定期的に商品を購入する必要があります。こうしたユーザーの商習慣に対応すべく、ECサイト上で定期購入のサービスを展開する事業者が増えています。
定期購入は「商品の買い忘れを防げる」というユーザーにとってのメリットはもちろんのこと、収益の見通しがしっかりと立てられる優良ユーザーを確保できるという点で、EC事業者にとってもメリットがあります。

こうした優良ユーザーに同じ商品を定期的に購入してもらうだけではなく、色々な商品を購入してもらえるリピーターになってもらうために様々なメリットを提供している化粧品・コスメECサイトが多くあります。具体的には初回購入時の割引や、他の単品商品の同時購入値引き、定期購入ユーザーのみへのクーポン配布、回数を重ねることによるインセンティブなどがここに該当します。

新規顧客の獲得に要する費用は既存顧客の5倍かかると言われています。定期購入を活用することでそのコストを抑えつつリピーターを増やすことで安定的な売上を上げることに繋がっています。

プレミアアンチエイジング株式会社が展開している化粧品ブランド「DUO」の公式通販サイトでは、商品を特別価格で販売する定期便を展開しています。

ecbeingで構築した化粧品・コスメECサイトの成功事例

ecbeingには1,500を超えるECサイト構築実績があり、化粧品・コスメを扱うサイトの構築も多数経験しています。今回はその中でも特に皆さんにご紹介したい、化粧品・コスメECサイトの成功事例を3つピックアップしました。

株式会社コーセー

2019年11月にコーセーの保有するブランドを集約し機能を充実させたオンラインサイト「Maison KOSÉ」を立ち上げ、12月には同名のコンセプトストアをオープンしました。「メイクアップシミュレーター」の提供や実店舗の販売スタッフのオムニチャネル化を推進するアプリケーションサービス「STAFF START(スタッフスタート)」の実装など様々な施策を行っています。

KOSEの事例について詳しくはこちら
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株式会社ミルボン

美容室向けヘア化粧品で日本最大手の株式会社ミルボン。
BtoBtoC向けのECサイトを構築し、サロン様にちゃんと売上が計上され、顧客も普段通っているサロンから購入しているような状況、かつ物流から裏側の請求モデルは既存の商流を変えない形で作ることを意識されたビジネスモデルになっています。

ミルボンの事例について詳しくはこちら
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株式会社社大丸松坂屋百貨店

大丸松坂屋百貨店ではリアルとEC、オウンドメディア機能を組み合わせたメディアコマースサイト「DEPACO」を、2022年3月にリニューアルオープンしました。
DEPACOでは商品の魅力を発信してファンを創出するコンテンツだけではなく、美容部員のリソースを活用したオンライン接客や、自社倉庫を活用してオーダーが入り次第スピーディーな出荷を実現させています。

大丸松坂屋百貨店の事例について詳しくはこちら
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マルホ株式会社

皮膚科領域の医療用医薬品を中心に取り扱う製薬会社、マルホ株式会社では、ECサイトとブランドサイトを統合しました。
敏感肌やニキビで悩む方にスキンケアのお役立ち情報を届けるコンテンツの展開、動画活用ツールvisumoの活用などにより、それまで接点のなかった様々な層の方とのコミュニケーションを生みだしています。

マルホの事例について詳しくはこちら
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まとめ

商品の特性や実店舗の利便性の違いといった理由から伸び悩んでいた化粧品ECでしたが、近年ではマーケティング施策を行ったり、ユーザーレビューの活用、定期購入を展開したりなど、様々な施策を行う事業者が増えています。

こうした化粧品・コスメ業界でECを活用してDX化を推進していく動きは今後もさらに進化していくと予想されます。

また、化粧品・コスメECを成功させるには、マーケティング施策の実施や信頼性のアピール、リピーターの育成などを行うことが重要です。化粧品ECの新規構築やリニューアルを検討中の方は、今回の記事や他社の事例などを参考にしながら、自社の独自の施策を行うECサイトを検討してみてはいかがでしょうか。

化粧品・コスメのECサイトの構築・リニューアルに関して、気になることがあればお気軽にお問い合わせください!




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